AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

“虫の知らせ”

ウルトラマンブレーザー

第23話「ヴィジター99」

感想レビュー

 

 

突如生えてきたアマチュア天文家ミッチーこと追川光宙さん、突如生えてきた割にキャラが“濃”すぎるし役割が重要すぎてなんだお前ってなる() 異様な熱量に対するエミの生暖かいリアクションも込みで存在立ちすぎてて面白かったな...フルネームちゃんとあてがわれてるのにOPクレジットは「ミッチー」なのも好き  

でもドバシ周りが情報におもくそ検閲かけててなかなかタッチできないV99関連の情報を独自にキャッチできる立場というところで、個人の活動でわざわざバザンガやゲバルガの落下軌道にべったり張り付いて監視までするド変態アマチュア天文家を出してくるのは割と理に適ってはいるのが悔しい。w エミは割と扱いに慣れてそうだったがいつからの関わりだったんだろうか(少なくともV99関連の首突っ込むようになってからなのは確実だろうけど)  終盤になってこんな強すぎるキャラを出してくるな(

 

各地に姿を現す怪獣達、疲弊してゆくゲントの身体、そして宇宙より迫り来る恐るべき脅威─物語のクライマックスを感じさせる展開が次々に繰り出された今回のエピソード。最終決戦を前にした導入のエピソードに相応しい衝撃と緊張感が目を惹く年内ラストエピソードで面白かったですね まさかアイツにそんな秘密が...!

 

そんな今回のエピソード、ラスボスとなる存在の接近によりにわかに増してゆく“終局”の雰囲気がいかにも平成・ニュージェネ期のウルトラシリーズの最終盤らしくて惹きつけられたところでしたが、ストーリー的には「肉体的に疲弊してゆくゲント隊長」というポイントに強くフォーカスされていたのも見所であったなと。ブレーザーになって怪獣達との過酷な戦いを重ねてきたゲント隊長がここにきて疲弊を見せるというのは良くも悪くも「俺が行く」を地で行き続けてきたゲント隊長らしくてなるほどという感じであり、終盤の緊張感を別側面からくっと引き締めたなという感じですね 終盤での主人公の疲弊というとセブンのオマージュも込められてるんだろうけど、人間とウルトラマンの意思が共存してる主人公のうち人間の方に無理が来るっていうのは割と珍しいかも

それでいてゲント隊長自身は精神的にはピンピンしてる(周囲に肉体的なガタを窺わせないようにしてる)から、この状況でも更に無理を押していってしまっているのがなんとも歯痒い。SKaRDの仲間達は念押しするように「休め」と言ったり「どっしり後方で構えて指示を出しててくれ」と言ってくれたりと優しく気遣ってくれてるし、ブレーザーもゲント隊長を殴り飛ばして気絶させてでも休ませようとしたりして彼の身を案じているしと周囲はとても温かく支えてくれてるし(ブレーザーくんは不器用故の乱暴さって感じの微笑ましさがあるが。w)、ゲント隊長自身その想いをちゃんと理解して身の振り方を正そうとはしてるんだけど、いざという時戦いに赴くべく体と頭が動いてしまうのが、なんとも...ゲント隊長らしくはあるんだが、事が事だしな...

 

というのはありつつも、この終盤でゲント隊長の良くも悪くも「俺が行く」したがる部分を自己犠牲的なカッコ良さだけでなく危なっかしさも込みでハッキリ描き出したことは本作のドラマの集約における一つの期待値がグッと高まったところでしたね。蕨野さんもインタビューで少し触れてたけど、やはりゲント隊長が良い意味で「俺が行く」をしなくなる─仲間達に委ねられるようになることは一つの着地っぽいなと。前述したSKaRDの仲間達やブレーザーの支えが残り2話でどれだけ後押しになるかだね 「後ろでどっしり構えててくれ」はゲバルガの時にも言われてたし、もっともっと言ってやってくれ  特にブレーザーは前半パートに比べてかなり感情面の表現が分かりやすくなってて、ゲント隊長との絡みや彼への想いといったところの深め甲斐がこの終盤だからこそ大いにあると思うし、本作のドラマの集約として魅せてくれると良いなぁ ゲント隊長を巻き込んでここまで来させてしまった追い目とかを感じてるからこその、殴ってでも止めて気遣おうとしてる必死さがあるのかなぁ、とか想像しちゃう ともあれ彼らが積み重ねてきた絆の蓄積、最後に大きく昇華されて欲しい

 

そんな人間ドラマ面が大いに引き込んできた今回でしたが、ますます異様な雰囲気を高めていくV99周りにまさかのタガヌラーが大きな盛り上がりをぶっ込んできたのも強烈でしたね。第3話の時点でビジュアル的なインパクトから強く印象に残ってたエネルギー融合光線が、地球に迫り来る未知の脅威─宇宙怪獣を迎撃するためのものだったというところで本作の重要要素・V99とガッツリ連動してきたのはたまげましたわよ 「誰かの差し金で撃たされた光線が何かの起動・目印に使われた」という考察は第3話時点でちらほらあったけど、その逆だったわけだ 放送前からタガヌラーの光線が何か重要なキーになるというのが予告等で仄めかされてたことから、僕自身もしかしてタガヌラーが何かを迎え撃とうとしてるのではとなんとなく予想はしてた(第23話放送前の下記ツイート参照)けど、第3話の個体が放ったものが第11話にて襲来してきたゲバルガに向け先んじて放たれていたものだった、という接続があったのは思わずおおっとなったし、ここは伏線張りと回収の鮮やかさがウルトラCであったなぁ 正直第3話の光線発射はあれだけだと謎を残しすぎててちょっと消化不良感もあったのだけど、一気に腑に落ちて気持ち良いぜ

https://x.com/555_sonv3/status/1736586311103078750?s=46

しかしタガヌラー、ここにきて「来たる脅威を先んじてキャッチし討ち倒そうとしてた」という濃ゆいキャラ性がプラスされて一気に輝き出すとは思ってもみなんだな... ムーヴだけ見れば「敵を討ち倒そうと不屈の意志で使命をやり遂げたヒーロー」ですよ!!(誇大) 実際にはあくまで「種・生物としての本能から外敵を討とうとしてた」ということではあるのだけど、その上で描かれた「タガヌラーの意思を汲んで発射遂行を補助したSKaRD/ブレーザーとの実質的な共同戦線」的なシチュエーションは一風変わった面白さで良かったところでしたね。それをきちんと踏まえて映像上でタガヌラーを殊更に「良い怪獣」として描かなかったのも、本作らしい「生物としての怪獣」の描写のリアルさ・良い塩梅の線の引き方・筋の通し方で良かった   またこの辺の展開、「最初はSKaRDもブレーザーもタガヌラーを脅威として倒そうとしてた」というところから転じる流れも込みで、ウルトラマンガイアにおける人間と地球怪獣との関わり合い方を取り巻く展開描写の縮小版的な趣があってそこにもくっと惹かれましたね。やはり本作、直接的にそうとは言わない中でウルトラマンガイアのテーマ性等を精神性レベルで汲みながら物語に落とし込んでる感じがあって良いですね...V99周りの雰囲気や想定される着地のさせ方にも根源的破滅招来体の底知れなさ・謎めいた雰囲気に通ずるものを感じてきてるし、こういった諸々含めた全体に漂う精神的オマージュ風味が好きだ  正直ニュージェネガイアでございという雰囲気をドンと出した作品でやられるよりも、こういう周年のタイミングのやってる現行作の中に程良い塩梅で組み込まれて描かれてる方が粋で好きだ(トリガーデッカーの連番でニュージェネガイアじゃないことに色々言う人間は未だに散見されるけど、ブレーザーブレーザーというまっさらな新しい作品として送り出した上でその中にちゃんとガイアの良さを組み込んでくれてるというのがもう立派なガイアリスペクトですよ)

 

そんなタガヌラーの攻撃で地球に迫っていた暫定「サード・ウェイブ」は辛うじて足止めされたものの、その脅威は墜落した月面で未だ息絶えず怪しげに蠢いていた...というところで今回は締め。大いなる恐怖が今、地球に迫る...!!

 

ま  ぁ  放  送  ス  ケ  ジ  ュ  ー  ル  的  に  年  跨  い  で  2  週  間  は  月  面  に  放  置  な  ん  で  す  け  ど  あんな不穏なオチで引いておいて!!!

 

 

以上、ブレーザー第23話でした。最終局面突入、というところをストーリー的にしっかり強調した盛り上がる最終章序章という感じで面白いエピであった。ゲント隊長を取り巻くあれやこれ、V99周りの展開、最終決戦など要素盛り沢山ではたしてどうなるかといったところで、総集編と休みを挟んでの年明け一発目が待ち遠しいです ゲント隊長、あの状況的に恐らく変身解除後にネバダに放り出されたことになると思うんだけどこれもう言い逃れしようないんじゃないのか...(次回正体バレかな遂に)

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた