AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

古の闇より、目覚めし者は

仮面ライダークウガ

EPISODE1「復活」

感想レビュー

 

どこかの遺跡、そこに佇む一人の異形の戦士、そこへ襲い来る無数の怪人達を相手に、戦士は姿を次々に変え蹴散らしていく。そして戦いを終えた彼は棺へ自らの身を収め、深い眠りへと就いた...この導入からの棺の蓋に刻まれたクウガの紋章にクローズアップしてのOP、僅かなアバンだけどミステリアスで凄く印象に残るよね ここの部分は今までにも何度か観たけどいつ観ても出だしとして非常に強烈 

 

時代は進み、場面は物語の主人公、五代雄介へと移る。帰国したての空港で迷子になった子供と触れ合い励ますシーンからの、気心の知れた仲なことが伺える城南大学の沢渡桜子さんの研究室に壁をよじ登ってお邪魔しご挨拶、という一連の流れが初登場となった五代さん、型破りでちょっと変わり者な気質なことが分かるながらも、子供と目線を合わせたりしながら優しく励ますその姿にはヒーロー作品の主人公らしい気の良い兄ちゃん感が溢れていて早速好印象 オダギリジョーさんの自然で且つ良い意味で距離感の近さが感じられる喋り方が良い雰囲気だよね 昭和シリーズの濃いダンディな方々とはまた違った系統の良い男なわけだけど、当時のライダーファンの皆様的には五代さんのファーストインプレッションはどうだったのだろうか

 

その頃、日本アルプス、九郎々岳の遺跡の調査チームが謎の襲撃を受け全滅、桜子さんを通じそのことを知った五代さんは現場へ急行、その最中、遺跡から蘇った謎の怪人が、地の底より何かを復活させていた

ここで遺跡から現れ出るのは皆々様もよく知る白い悪魔なわけだけど、後に描写される調査チームの襲撃シーン含め、迸る光や雷、それに伴う周囲の木々の破壊など、既に圧倒的で超常的な力の存在であると示す演出が恐怖感を強く煽っていて、敵の描写としてインパクト大 この頃から彼の存在感の描写は徹底されていたんだろうなと感じられる

 

遺跡へ駆け付けた五代さんは現場で動いていた刑事、一条薫との接触、ベルト型の装飾品との感応による謎のビジョンの視認を経つつ、桜子さんが解読した遺跡の古代文字を警察達に伝え帰還、桜子さんと合流した後、警察署にて再び一条さんと出会うのだった

ここでも五代さんの破天荒でちゃっかりとした部分が描かれつつ、それに対し毅然とした態度を示す一条さんとの絡みも描かれテンポの良いやり取りが楽しい あと周囲の遺跡のセットの作り込みも本当に見事で、製作陣の作品への拘りを細部から強く感じるところ しかし当時28歳の葛山さん、めちゃくちゃハンサムでイカしてるなぁ...男でも一目で惚れるよこんなの

そしてこの後に描かれる警察署の一室での調査チーム襲撃の一部始終の映像再生シーン、ホラー度の強い映像演出もさることながら、痛々しい表情を示しゆっくりと目線を逸らしてしまう桜子さんや、悲しみや苦しみから顔をしかめつつ桜子さんに目を向け気遣おうとする五代さんなど、キャラクターそれぞれの細かな心理や人となりを示す表情作りがとても印象深く残る 五代さんの人間性がここでさり気なくも濃く掘り下げられてるのが良い

 

そんな時、突如謎の怪人「ズ・グムン・バ」が出現、警察の攻撃を物ともせず蹴散らし、五代達のいる警察署にまで襲撃をかけてくる。グムンを退けるべく五代さんは遺跡で見たビジョンに従い、桜子さんの手に渡っていた遺跡から出たベルト型の装飾を装着、それが肉体へ吸い込まれる感触やグムンの攻撃に苦しみながらも、命への危機感から繰り出した一撃をきっかけに、白い戦士、クウガグローイングフォームへと姿を変えた...!
グムンの攻撃時に繰り出される生々しいSEや周囲のオブジェクトの盛大な破壊などを通じて表現する怪人の尋常ならざるパワーの描写、ベルトが体へ取り込まれた瞬間やグムンの攻撃に対する五代さんの反応を叫びではなく絶え絶えの呼吸や上擦った声で表すという苦しみの表現など、特撮作品における怪人や戦闘時の反応の一つ一つにリアルな色を付け足した絵作りは本当に圧巻の一言 真に迫るものがあって魅入るのよね

クウガとグムンの戦闘も、コンクリ壁の豪快に砕ける様や落下しそうになってクウガが掴んだパイプがへし折れ落ちていく様などの強力なパワーを示す破壊の演出がリアルで強烈だし、派手派手しいアクションはないながらも臨場感を感じる双方の立ち回りもハラハラするしで、戦闘シーンの一つ一つがマジに練られて演出されてて凄い

 

苦戦しあわやクウガが大ピンチとなったその時、ヘリに乗って一条さんが参上、上空からの攻撃に打って出るも、飛び乗ってきたグムンの反撃に窮地に、だが同時に追ってきたクウガの決死の猛攻によりその危機を脱する

この上空を舞うヘリの中でのバトルも、クウガとズムンがヘリから吊り下げられるシーンや、バランスを崩したヘリが建物に接近するシーン(ここは流石に合成だが)、落とされながらも何度も食らい付いてくるグムンの猛攻など、一時も気の抜けないスピード感と絵作りが最高

自分の危機を救ったようなクウガの行動や、最後に彼の残したサムズアップに一条さんは既視感のようなものを感じていた...
以上で本編は終了し、EDへ移行 本編が殺伐としてた分、五代さんの平和な姿が描かれるEDのあの雰囲気は救われるよねぇ 良い

 

と、以上が久々のクウガ第1話の感想レビューでした 本当にガッツリ集中して観たのはだいぶ久しぶりだけど、いつ見てもこのリアルさをドラマ面、バトル面とあらゆる部分で徹底した挑戦的な絵作りはすげぇなぁと感心するところ これから最終話まで追っかけ、色々感想レビューとしてしたためていくつもりですが、また存分に楽しめそうで良いですね 2話も近々視聴して記事上げる予定よ

 

というわけで今回はこの辺で ではまた