AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

やりたいこと やるべきこと

仮面ライダークウガ

EPISODE6「青龍」

感想レビュー

 

クウガはバヅーとの戦いの最中、マイティフォームから新たな姿ドラゴンフォームへと変わるも、俊敏性に特化しパワーがダウンしてしまうというスペックの極端な変化に対応しきれず圧倒されてしまう。駆け付けた一条さんと杉田さんも援護がままならず、絶体絶命というその時、バヅーは突然何かを感じ取り撤退、ことなきを得るもクウガ/五代さんは大きなダメージを負い病院へ運び込まれる。

一条さんからの報せを受け愕然としながらも病院へ駆け付けた桜子さんだったが、五代さんはなんとピンピンしており、桜子さんにいつも通りの明るい振る舞いを見せると病院を後にする。しかし実は五代さんの受けたダメージは尋常なものではなく、クウガとなり強化された肉体でも全治1カ月に相当するダメージを負っており、病院を立ち去った後の五代さんは体の痛みを苦しみながらも悲痛な表情で堪えていた...

五代さんがこうして戦いの中で苦しむ自分を桜子さん達普通の人達に見せまいとしながら戦う姿には、4話で桜子さんの言っていた「自分のことはどうでもいいからと突っ走る」という五代さんの人となりが濃く表れ出ているなぁ...と感じる。元来の優しさからくる「親しい人々に自分の苦しむところを見せて心配させてくない」という想いや、「中途半端ではなく、ちゃんと戦いに関わっていく」と決めたからこその「力を手にした者として戦って人々を守り、且つ周囲を心配させたりしないようにする」という覚悟があるんだろうななどとも思う。時に自分を顧みず戦う数多くの仮面ライダーの主人公達の中にあって、五代さんは特に自己犠牲の究極形とも言える存在と言えるけど、この時点でも既にそういった姿は濃く描かれてたんだなぁ

 

桜子さんが心配していた通りのことになってしまい、一条さんは五代さんを止めなかったことを桜子さんへ詫びるが、同時に
「...似てるんです 彼は私に だから...止めても止められないってことも、分かってしまって...」

と、戦いへ身を投じる五代さんを受け入れる選択をしたことへの想いを語った

自分と同じ想いを持つ五代さんの覚悟に向き合ったからこそ、一条さんはそれを支える道を選んだ、的なことを第4話のレビューで語ったけど、一条さんの胸中にあったのは自分が正しいと信じ進む道を五代さんも進んでいるというシンパシーであり、それ故に自分にできる最善は止める止めないではなく、その覚悟を支え共に進むことだという想いだったんだなと

 

一夜が過ぎ、ポレポレへ戻った五代さんは戦いの疲れを癒そうとしてか深い眠りに落ちており、そのことをおやっさん伝に聞いた一条さんは一先ず安堵。しかしおやっさん 、起きないからって五代さんにやりたい放題しすぎであるw

そして一条さんは椿さんが検死で明らかにした未確認の被害者とされる人々、そして彼らが工場の煙が流れてくる時間帯を避けるように被害に遭っていたことを突き止め、バヅーの行動パターンを予測、警察はその推理に基づき次なるバヅーの出現に備えていた

 

同じ頃、五代さんの妹のみのりの下を訪れた桜子さん。五代さんの無茶について聞かされながらも特段焦りもなく受け入れるみのりに桜子さんが平気なのかと問うと、

「危ないことしないでお互いに理解し合えないのかなって思うけど、きっとそうできる相手ならそうしてるだろうし 今までお兄ちゃんを信じて駄目だったことって一度もなかったから」

とみのりは明るく返す。

そんなみのりの言葉に桜子さんも、五代さんの助けになりたいと思っていても、色々な事が押し寄せる怖さから逃げてしまっている後ろめたさがあるという心境を吐露する。そして「普通に考えて普通にすれば良いのだからそれでも良い」とみのりがその想いを肯定する言葉をかけてくれたことで、桜子さんは何かに気付いた晴れやかな笑顔でみのりとサムズアップを交わしその場を後にした

普通に考えて普通にすれば良い、という言葉は実は前回五代さんも桜子さんに言ってるのよね 恐ろしい事や不安から逃げてしまいそうになることを間違いではなく普通なことと受け入れてくれる優しいこの言葉が申し合わせることなくダブる辺り、あぁ兄妹なんだなぁとなるね(てか初めて視聴した時はイマイチ理解できてなかったんだけど、3話や今回の会話から見るにみのりは五代さんのクウガ関連の事情についてはちゃんと知ってるみたいね 3話時点で五代さん自ら伝えてたんだろうな)

 

一方目を覚ました五代さんは、ならなければ太刀打ちできないながらも決め手にもならない青い姿について悩ましく思っていたが、おやっさんの何気ない声かけにその悩みを吹っ切ることができていた おやっさん、シリアス要員とはならないながらもあのちょっと抜けた独特のペースで程良く空気をゆるくしてくれててやはり良いキャラね

 

だがそんな頃、バヅーが再び姿を出現、警官相手に凶行を働いていた。一条さんは新装備のライフルで立ち向かうも、間の悪いことに桜子さんからの着信により盛大に鳴り響く着信音のせいでバヅーに気付かれピンチに陥る。ノンマナーモード一条さん...
警官達が次々とバヅーの手で倒れていく中、駆け付けた五代さんはクウガに変身するも今回はいきなりのドラゴンフォーム。果敢に攻撃を繰り出していくもやはりバヅーに敵わず追い込まれてゆく...
そんな彼らの下に、研究室で古代文字の解読を終えてドラゴンフォームにまつわるある記述を見つけ、未確認出現のニュースを受けた桜子さんが向かう。警察の検問もぶち破って進み、スクーターで転倒しながらも駆け付けた桜子さんは窮地のクウガへ向けて叫ぶ。

『水の心の戦士、長き物を手にして敵を薙ぎ払え!』

分かった!?」

 

戦い、未確認、クウガという未知への恐れに押し潰されそうになり、支えるべき五代さんからも逃げようとしていた時、五代さんはそんな自分を肯定する言葉をかけてくれた

そして五代さんが誰よりも苦しみ傷付きながらも戦いへ身を投じる中で桜子さんが選んだ道は、碑文の解読・クウガというものを知るという、自分にこそできることにもう一度向き合い、それによってきっちりと彼を支える道だった

 

桜子さんの伝えた言葉を受けて長き物ー鉄柵の一部を手にした時、それはクウガの新たなる武器「ドラゴンロッド」へと姿を変えた!

先程とは打って変わって、ドラゴンロッドを使った鋭く息もつかせぬ連撃を繰り出し、クウガはバヅーを追い込み、必殺の「スプラッシュドラゴン」を叩き込んで華麗に勝利を収めたのだった 中国武術がベースになってるというドラゴンフォームのファイトスタイル、はちゃめちゃにカッコいいよなぁ フォームチェンジにより生じた不利に苦しませられながらも、碑文に書かれた相応しい戦い方が桜子さんが決死の覚悟により伝えられ勝利へ繋がる フォームチェンジからの逆転、という黄金パターンに一捻り加えつつしっかり熱い良い流れだ

戦いが終わり、戦場から戻ってきた五代さんに、桜子さんはいつもの笑顔でサムズアップを送るのだった

というとこで本編終了

「普通に考えて普通にすれば良い」という言葉を受けて、恐ろしいことから逃げることを許してくれる道を示されながらも、「自分だからこそできることを全力で為すことで、支えてあげたい人をきっちり逃げずに支える」という、自分にとって普通に考えて本当にやりたいことにしっかり向き合う覚悟を示す、と葛藤の中でやるべきことを見出した桜子さんが熱くカッコ良かった

しかしこうして文に起こして見てみると、桜子さんの決断はある意味「戦いから退くことを一条さんに諭されながらも、クウガという力を持つ者である自分だからこそできることとして皆を守るという想いに向き合い覚悟を決めた」という五代さんがクウガとして戦う覚悟を決める流れにも似通う部分があるな、と 桜子さんが決断し覚悟を決める回でありつつ、五代さんの抱く想いを意識せずとも理解し改めて向き合った回でもあったのかもなと思いました

そしてドラゴンフォームデビュー&初白星の回でもあったけど、ピーキーなスペックの変化に対応していくことから始まるフォームチェンジ描写ってのはほんと斬新だなぁと改めて 今後も「フォームチェンジ」はクウガの肝となってく要素だし目が離せんね

 

というわけで今回はこの辺りで ではまた

次回もお楽しみに

 

余談:

桜子さんの研究室でかかってるラジオのDJ、まさか諏訪部順一さんだったとは...相変わらずの良い声だったので聴いてて気付いたぜ クレジットにもしっかりお名前載ってたね