AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

トカゲは友達

ウルトラマンG(グレート)

第3話「魅入られた少年」

感想レビュー

 

ビルの建設作業場から発見された恐竜の化石の発掘を行うため、教師と共に作業場へ赴くストーン財団孤児院の子供達。そんな子供達の1人、ペットのトカゲ「ガス」をいつも連れ歩くほどに気に入っている少年「ジミー」が化石の発掘作業を一心不乱に行っていると、彼が掘り出した化石の中にガスが吸い込まれ消えてしまい、そのショックにジミーは倒れ救急車で運ばれていってしまう。その光景を見ていたジャックは、ゴーデスの暗躍を感じ取っていた

という形で始まった本編だけれど、この冒頭シーン、全体的に展開がスピーディすぎるのに加え(当時の特撮表現では難しかったろうとは思うが)ガスが化石に消える瞬間はシーンとして描写されずナレーションで説明されただけだったりと、ゴーデスの影響で何かが起きようとしているというハラハラ感という点において視聴者の実感を伴いにくい形になってて、出だしからちょっと観る側に優しくなかったというか正直演出があまり上手くなかったかなという印象 ここは多少なりと上手く描いて欲しかったなぁ

しかしジャック、ゴーデスの動きを感じ取って動いてるだろうとはいえめっちゃ現場にぬるりと現れるな...(

 

ガスがいなくなり友達を失った喪失感に気落ちするジミーを心配した孤児院の教師から連絡を受けたキムは彼を励ますために孤児院を訪れ彼と話すも、彼は心を開かずキムを部屋から出て行かせてしまう。キムは部屋の片隅で不気味な光を放っていた発掘現場から彼が取ってきたと思しき謎の石に目をつけつつ、ジミーに「私は友達よ」と言い残し部屋を後にした。

キムのこういう仲間・友人へに気遣いがきく優しい部分というのは1、2話からちらほらと描かれており、細かなキャラ描写として個人的に非常に好き。ちなみに調べてみたところキムには孤児院出身という設定があるそうで(孤児院の先生から連絡があったのもその辺の関わりからかな)、そういったところから大切な存在がいなくなってジミーの心に穴の大きさを感じ取り、寄り添おうとしてるんだろうなぁと彼女の優しい人柄を強く感じる 2話でもジーンがジャックとの関わりで困っていた時は助言を贈ったりと、人の繋がりというか和を大切にしようとする振舞いが多いのは自身の境遇から人一倍その大切さを理解してるのだろうね

 

その後、ある夜遊園地の乗り物が勝手に動いているという通報を受けた警察が現場に向かうと、そこで巨大なトカゲの怪物の襲撃を受ける。その現場におり、その一部始終を見つめていたジミーはまたもぬるりと現れたジャックに話しかけられ、友人を喪ったことを気遣うジャック(思えばジャックも火星でスタンレーを喪うという、今まさにそういう立ち位置ではあったから、ここは自分としても歩み寄ってあげたかったんだろうなと想像する)としばし会話し、「僕はガスと空を飛ぶんだ」と意味深な言葉を最後に残した...
その後、新しいUMAの隊員として隊長に招かれ基地を訪れたジャックが今回もゴーデスが動き出していることを伝える中、ジミーが例の石に念を送ったのに合わせ、市街地のアクミ・タワーに怪獣「ゲルカドン」が姿を現し、爆炎を吐き建物を破壊し始める。

ゲルカドンはトカゲをベースにコウモリが一緒くたになったようななんとも形容し難いフォルムが特徴的で、生の火炎放射による破壊の演出や独特の浮遊感で空を飛ぶ姿と併せ実に印象深く残る マジモンの火炎放射はやっぱり迫力がダンチよねぇ 破壊描写の説得力が増すし超カッコいい

一方石のことを思い出したキムが孤児院のジミーの下を訪れたところ、キムの来訪と共に石を手にしたジミーは気絶、同時にゲルカドンも姿を消した。しかしジャック達が遅れて孤児院を訪れると現場には意識を失い倒れたキムが残されたのみ。気絶したキムを乗せ、ジャックはゲルカドンが化石とトカゲのガスを融合させゴーデスが生み出した怪物と推測しながらジミーを追う。同じ頃基地の方では、ジミーが怪獣を操っているらしい状況からロイドがゴーデス細胞の人間への感染を危惧していた...

...そういえば2話でギガザウルスの暴走の手引きをしていたある人間がいた筈 これは果たして...

 

石に導かれるように謎の繭の前にやって来たジミーはそのまま繭へと取り込まれてしまう。更にそこからゴーデスはジミーのクローンを生み出し、そのクローンジミーの指示によって再び出現したゲルカドンが市街地で暴れ出してしまう。ゲルカドンを真に止めるためにはジミー自身がゴーデスの呪縛と戦い、打ち勝つことが必要と語ったジャックは、出動したロイドのハマーをも苦戦させるゲルカドンの進撃を食い止めるべくグレートに変身、ゲルカドンを相手に立ち向かう。

ゲルカドンの放つ光弾をグレートが巧みな身のこなしと共に腕でガードしつつ、返す刀でグレートもバーニングプラズマを発射する、という空中のゲルカドンと地上のグレートによる光弾の激しい応酬はなかなか見応えがあり面白い戦闘シーン ただシチュエーション上グレートとゲルカドンが同じ画角に収まり直接戦うようなシーンが少ないのはちと残念 この辺も当時の特撮技術の限界故ではあるかな

一方、捕まり苦しむジミーは自分に友達と言ってくれたキムの脳内へ向けて助けを求める言葉を送り、キムは彼へゴーデスの呪縛を断ち切るよう苦しみながらも励ましを送る。ジャックもゲルカドンとの戦いの中、グレートを通じジミーの精神へ直接介入、ガスもまたゲルカドンとなりながらもゴーデス細胞の支配に抗っていることを訴え、支配に抗うことでガスが消えることを恐れるジミーにガスとまた一緒にいられることを伝える(ここでジャックが言った「似たような経験がある」とはなんのことだったんだろうか 火星から皆の元へ戻ってきた自分自身のことかな?)。

そしてその言葉を受けジミーが自ら戦ったからか、クローンジミーは何かに動かされるように自らの手で持っていた石を破壊、ゲルカドンの炎に苦しめられていたグレートもこのチャンスを逃さず、炎を逆に利用し放ったマグナムシュートでゲルカドンに逆転したのだった。

その後、ゴーデスの支配から解放されて自由となったゲルカドンが出現、ジミーを背中に乗せ自由に空を飛び回り始めた。ガスと空を飛ぶ、とかつて語った言葉が現実となったジミーは笑顔でキム達に手を振り、ゲルカドンと共に空を飛び続けた ジミーとガス、2人が何処へ行くのか、それは誰も知らない...


<ジミーとガスは新天地の黒蜥蜴星へ行くわ、蜥蜴だもの

                       お前余所でまでいい加減な嘘言うなよな...>

 

というとこで本編終了 ゴーデスの支配を受けながらもそれに立ち向かったジミーとガスを主軸としたストーリーではあるんだけど、全体的に展開が早すぎる感じがあったり微妙に何が起きてるか分かりづらい演出が多かったりと、正直なところ言うと勿体ない部分が多かった印象 ジミーと関わりある人物としてキムのピックアップが幾分かなされてたわけだしもっとこの辺掘り下げたストーリーになってたらもっと面白かったかもなぁと ゲルカドンの活躍は見応えあって良きでした

グレート本編はこの先一部の回以外で観た記憶が朧げなものが多くなってくるので、久々の視聴は実に楽しみ この先も皆様一緒に楽しんでいきましょう

 

今回はこの辺で ではまた