AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

ドデカクラスタホッパー(イナゴ)

ウルトラマンG(グレート)

第8話「姿なき復讐-昆虫の叫び-」

感想レビュー

 

-あらすじ-

農薬を散布中のセスナ機が何者かの襲撃を受け墜落。それ以外にも複数度、飛行機が高速で飛行する何者かとのニアミスを起こす事件が多発しており、UMAはセスナ機墜落の調査へ赴く。その裏には人類の農薬乱用の歴史が生み出した恐るべき怪物の存在があり、禁じられた領域になおも手を伸ばし続ける人間へ今まさに牙を剥こうとしていた...

 

今回登場する怪獣は使用禁止農薬の影響で急激な巨大化という進化を遂げたイナゴの怪獣「マジャバ」、と人間達の科学の発展やその産物の乱用により誕生した人類の負の側面たる怪獣。ウルトラシリーズでは定番の要素ですね

ちょっとした主観になるのですが、これらの過度な科学の利用による自然への干渉という概念をテーマとして絡めたストーリーは自然への配慮という意識がなかった/まだ薄かった昔だったからこそよりセンセーショナルな意味合いを持っており、農薬削減などの意識の浸透しつつある現代で観てみると作劇としては少々インパクトが弱く映る部分があるかもしれないのだけれど、だからこそこうして示される教訓的なメッセージ性についてはゆめゆめ軽んじてはならないなと自分は観るたび感じるところ。改善されつつあるから、という感じでそういう意識がふと薄れてしまい、その緩みから綻んだ部分から、ウルトラシリーズで描かれるような負の遺産が生まれ現実の世界の脅威とならないとは限らないのだから...そう思うとウルトラシリーズのこういう教訓的な話は恒久的に語り継がれる意味の大いにあるものだなぁと思うわけで 大切にしていきたいですね

 

  • 民度どうなっとんじゃこの世界はよ

マジャバの出現の機に使用禁止の農薬を使ってることが露呈するのを恐れた農場の管理人のジョンソン、作業員のサンドマンに脅しをかけてセスナ機墜落を目撃しなかったことにしたり、怪しんで何度も訪れるUMAをも唾棄したり、バレたと思ったら仮にも公的組織であろうUMAの面々に対し即武力行使に出て逃走したり...と、正直言ってヤバいどこじゃないレベルでヤバいよこの人!!

話数が少ない故に、人間の黒い部分含めウルトラシリーズ定番のテイストを多めに盛り込もうとしてたのかもしれないけど、権力ブンブン振りかざしてUMA基地内で暴政を敷く将軍、逃げ遅れた人間がまだいるのに怪獣倒すの優先で森に爆撃かまそうとする警部、使用禁止の農薬の使用がバレるの恐れて口封じや暴力上等なマネする農場主とだいぶやべー奴らが連続登板しててグレート世界の民度が心配になってくる() 最後まんまと逃げおおせてしまったけどここは正直何かしらマジャバに仕置きされて欲しかったわね...

  • 疫病神ジャック

マジャバの襲撃について精神を通じグレートと会話するジャック

...なのだけど喋ってる時の声がダダ漏れで、同乗してるロイドとジーンにはジャックが一人でなんか話してるように聞こえてしまう一幕があり、

ロ「気味が悪い(直球)

ジ「彼の独り言は災いの前兆よ(辛辣)

と散々な言われようをされる羽目に...w てか2人のジャックの認識ひどない?

この感じからして、多分ジャックこれまでにも同じようにグレートと話す声ダダ漏れて同僚に変な噂立てられてたんじゃないかと思うんだけど...基地で色々居心地悪くないのか心配になるぞこれ() 2話では普通に声に出さずに話してなかったっけ(小声)

 

  • なかよしジャックロイド

無数の巨大イナゴの襲撃を受けて故障したハマーを直すために不時着したジャック達。ジーンが修理に勤しむ中、手を出したら邪魔やろ?(適当)とトランプしてはしゃいでるジャックとロイドがただの仲良しすぎて笑う 6話以降ほんとにこの2人一気に仲良くなった感あるんだけど色々すっ飛ばして2バカ感あるの面白すぎるな...w

そしてそれを見て半ギレしたジーンに巨大イナゴの死骸投げつけられてビビり散らしてました。残念じゃないし当然(

 

  • 受けよグレートスライサー

マジャバの巣を発見し、卵とマジャバ自体を討つべくグレートとUMAは攻撃を開始する。

マジャバとUMA &グレートの一連の戦闘シーンは、マジャバの頑強さに苦戦しながらもマジャバの弱点を分析しグレートと共に決死の反撃を繰り返してマジャバを追い詰めていくUMAの活躍が光ったり、マジャバの鎌を豪快に破壊するグレートの新技「グレートスライサー」のお披露目など見所多めでなかなか見応えのあるバトルだった。部位破壊描写はカッコいいんだよ!

 

  • 生きてるんだよ

と、一戦闘場面としては面白かったマジャバvsUMA &グレートだけど、個人的にはここのマジャバの描写がなかなか胸にきたところでして。

巣をUMAに見つけられ攻撃に打って出られたマジャバは、卵を守るために自慢の頑丈な体表で攻撃を諸共せず襲いかかり、グレートに対しても物怖じしない反撃を繰り出し、更に隙を突かれ巣に攻撃を受けた際にはグレートには目もくれず巣に回る火の手を消そうと飛び込み...と、卵を守るための行動を終始行なっていて、正直なとこ個人的にここはちょっとマジャバに感情移入しちゃったのよね ひたすらに子を守ろうとする親の行動なので...劇中ではあくまでも倒さねばならない相手であることは一貫して描かれているのだけど、こういうの描かれると弱いなぁ自分は...直前にハマーに倒された別個体はオスであったらしいし、それも踏まえるとまた色々想像してしまうところ

ここは少し前にウルトラマンZで描かれたレッドキングの話(第11話)とも近しい部分があり、あの時のハルキの気持ちが少し理解できるなぁ。結論として「人間を脅かす存在である以上倒さねばならない」というところで双方とも同じなのは理解できてるのだけど、人間と自分達の領域が交わった故に対処せねばならなかった野生の怪獣であるレッドキングと違って、マジャバは人間の行いで「怪獣」という恐るべき存在になってしまった一生物という側面が感じられ、人間に牙を剥いたのも彼らを生み出した人間達へのしっぺ返し的な色合いがあるだけに、単純に割り切れないところがあるのお...マジャバが倒される場面で流れるヒロイックなBGMもなんだか皮肉に感じるのは自分の考えすぎであろうか。

 

  • 勇気の反撃

まぁそれはそれとして、ジョンソンに理不尽に虐げられてた経験からか周囲の人々に恐怖していたサンドマンが、ジーン達との出会いを経て勇気を出し、マジャバの巣の場所を伝え、卵を自ら砕く活躍をした展開は素直に良いところね。タロウ世界の人間ばりに無茶な気もするが、最後UMAの面々にも認められ笑顔を見せるとこはほっこりした

 

 

以上グレート第8話、勇気を出し立ち向かったサンドマンの成長やグレートとUMAの連携によるマジャバとの対決など熱い部分が色々あったながらも、メインとしては人間への過度な科学の乱用への警鐘的なメッセージが濃く含まれており、特に終盤のマジャバの戦闘時の描写の中には前述したように人間を皮肉るテイストがほのかに感じられそこがなかなか強烈だったなぁと。じっくり見るとなかなか深く、黒い話でもあったのではないかなと個人的には感じましたわね

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた