AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

ウチの神はFall guys体型

ウルトラマンG(グレート)

第4話「デガンジャの風」

感想レビュー

 

オーストラリア辺境の地で密猟を行う2人の男ロボとデイブ。狩りの最中、ロボがうず高く積み上げられた謎の石の山を傷付けてしまったことにデイブは「祟られる」と恐れを見せる。そして、その地を後にしようとした2人にどこからともなく現れた謎の竜巻が迫り、いち早くそれに気付き逃げようとしたロボの乗る車はその竜巻に巻き込まれ爆散してしまった。まるで神の祟りのように...

デイブの証言を受けUMAは調査に赴くことになり、現地にはジャックとロイドが向かうことが決まった。が、ロイドはジャックのことをイマイチ好いておらず...超然な雰囲気のあるジャックの言動が気に障るってのが大きいんだろうけど、2話で自分のハマーを勝手に運転されてぶっ潰されたのをまだ気にしてるとこあんだろうなぁ...と思うw 笑っちゃ悪いんだけどな!(ごめんなロイド

ちなみに現地まではハマーによる空路ではなくサルトップスによる陸路を行くという段取りになっており、ジーンは隊長が経費の節約のために決めたことと語ってたけど、ナレーションの方ではジャックは隊長が竜巻を誘き出すために陸路を選んだのではと懸念していたと語っており、結局のとこ真相はどっちかはっきりはしなかった(多分後者寄り)けど、どっちにしても隊長、なかなか隊員にシビアなことさす一面もあるな...と 陸路移動に関してはジーンを通じてジャックにもしもの時の救出用の送信機渡してるし、万全を期した上で迅速且つ確実に事態を治めるための判断をスパッと決められる人ということでもあるんだろうが、隊員に多くは言わずこういう計画進める辺り、けっこう食えないとこある人よね

 

現地に到着したロイドがジャックと共に友人の「ムジャリ」という人物を探す中(この時現地民達が2人のことを制服を見て露骨に歓迎してないムード出してたけどこの世界のUMAの認識ってどういう感じなんだろうか あんまし市民権得てないのか)、件の竜巻が出現、向かってくる竜巻に立ち向かおうとする2人だったがそれを1人の男に制止される。その男こそがロイドの友人「ムジャリ」だった。

ムジャリは2人に、人間が自然を不当に破壊する時、人間を戒めるため送り込まれる風の神の化身『デガンジャ』についての部族の伝承を話す。

「岩や泥にも魂はある 人間だけが生き物じゃない」「人間も大地の一部だ 自然破壊をすればその報いは来る」とムジャリは語り、人間を救うことを最優先にすべきと返すロイドに「人間は万物の一部だ」とも言っていたが、この辺は2人の価値観・視点の違いが如実に出てるなぁと

ロイドは人間という一種族の視点に立ち、人の命を脅かす脅威には立ち向かい人々を守るべきというスタンスを見せるけど、ムジャリは地球という大きな対象を部族の伝承を通じて見据え、地球の一部に過ぎない人間がその領分を超え自然を壊したことへのしっぺ返しが来ているのだ(だからこそ人間は自然を敬い皆同じくらいに大切にせねばならない)と語っていて、ロイドが語っているのは軍人という人々の命を預かる立場としての覚悟、ムジャリが語っているのは地球の一部にすぎない人間が地球で尊く生きていくための在り方とどちらも間違いではないんだけど、今回の竜巻をどう見定めてるかというとこで語るとどうしても噛み合わなくなっちゃうわな

 

ロイド達のやり方には任せられないと考えたムジャリはロイド達の乗ってきたサルトップスを故障させ、何者かに連れ去られ暴れさせられんとしているデガンジャを止めるべく、部族の務めとして結界を張り立ち向かおうとする。デガンジャの魂を連れ出したのはゴーデスと見て止めるがムジャリは作戦を決行、そしてなんと作り出した結界により、現れたデガンジャの竜巻を止めてしまう。部族の結界すげぇ!!!

が、折り悪くサルトップスの無線の途絶とジャックに持たせた送信機の位置情報を基にハマーで駆け付けたジーンとチャールズの攻撃により、竜巻からデガンジャが怪獣として実体化、猛威をふるい始めてしまう。シーンとしては一瞬なんだけど、荒野に佇むデガンジャの姿が上空から捉えられるカットは凄く巨大感がありつつも自然で、今回のロケーションが上手くハマった良い画でした

ガンジャを倒すべくジャックはグレートに変身、ピンチに陥ったチャールズのハマーを救うとデガンジャと交戦する。今まで特殊なフォルムの怪獣が連発しただけに、一応人型なデガンジャと取っ組み合うグレートという絵面は今作でいうと新鮮。砂埃舞う荒野という舞台も迫力をアップさせてて良かった

バーニングプラズマを巧みに弾きつつ光線を連発し攻めてくる意外な技巧派のデガンジャに苦戦しながらも、グレートはなんとか立ち上がりバーニングプラズマの連射を叩き込みデガンジャに勝利。デガンジャが倒されゴーデスの支配から逃れたと共に立ち昇った黒煙から生じた雲からは、自然のバランスが戻ったことによる恵みの雨が降り注ぐ中、デガンジャの根付く地に残ると決めたムジャリと帰投するロイド・ジャックは共に笑顔で別れるのだった

てなところで本編終了

ウルトラシリーズでは割と定番な超自然的な存在が遅い来る、自然を壊す人間への戒めも込めた話だったけど、海外作品故に「部族の伝承」という要素が加わってまた違ったテイストが生まれているのが面白い回 ムジャリが語った「人間は万物の一部」は実際大事なことよね 人間が全てを支配していると思い込むのではなく、自分達を取り巻く他の命や自然を敬い、共に歩んでいく道を見なければ地球の未来はきっと無い それは今もこの先もきっとずっと同じよ ウルトラシリーズのこういう話はやっぱり大事ね

 

というわけで今回はこの辺で ではまた 次回もよろしくお願いします