AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

案じる者達

仮面ライダークウガ

EPISODE5「距離」

感想レビュー

 

大学の研究室にて古代文字の解読に勤しんでいた桜子さん。眠りから覚めた彼女は、五代さんが変身したことに対し不満げな表情を浮かべる。

そこへ、遅れてやって来た同研究室に籍を置く「ジャン」から、未確認生命体の存在を警察が公的に発表したことを聞かされ...


一方、喫茶ポレポレで五代さんと待ち合わせ中の一条さん。一条さんと向かい合い、カウンターから彼との世間話に興じるのは、ポレポレのマスター「おやっさん」。

5話にしてきたろうさん演じるおやっさんがついに登場 他愛無いボケ・シュールな空気感のギャグを会話に挟んでくる所謂コメディリリーフポジションのキャラだけど、この序盤の1〜4話、殺伐としたシリアスな空気感で進んでいただけにこういうキャラがいるのはなんだか純粋に肩に力が抜けて良いわね てかおやっさんのある意味象徴的な台詞の「チョモラマン(チョモランマの言い間違い)」、いつ言ってたんだっけと思ってたが初登場のここでもう言ってたのねw(どこまで本気で言ってるか微妙なとこなのが余計面白いというか...w)

そして無事五代さんと合流した一条さんは彼を伴いポレポレを後にする。そして出発前のやり取り

一「マスターに、それとなく伝えておいてくれ」

五「エ?」

一「正しくは、チョモランマだ」

五「???????」

直におやっさんに教えてあげてください一条さん() てかどういう経緯でそれ伝えてあげて欲しいことになったのか五代さんにあらかじめ言ってあげてください一条さん()

真顔で一条さんが大マジにこの妙な遠回しの気遣いかましてるのが面白いのよねここ...w

 

一条さんは五代さんの身体がいかな状態にあるかを調べるべく、彼を高校時代の同級生である関東医大病院の司法解剖医「椿秀一」の元へ彼を連れて行く。病院の設備を使った調査の結果、五代さんの体組織に未確認達と同じ特徴が出ていること、身体に埋め込まれたベルト型の装飾品から伸びる神経組織により変身と強化が為されていること、そしてそれがもし脳まで達してしまえば戦うためだけの生物兵器になるかもしれないことが分かり...が、それを聞いた五代さんは「大丈夫ですよ 大丈夫」とめちゃくちゃあっけらかんとしていた

五代さんの検査結果を見て解剖したくなるとか言い出すなど理知的な言動の中に軽くマッドさが見え隠れする椿さんが、五代さんの飄々とした態度にペースを乱され、一条さんも最早諦め気味に五代さんのキャラを理解してる、と初登場のキャラの性格もしっかり示しつつそれぞれのキャラのやり取りを小気味よく見せる作劇は流石の荒川さん 五代さんの言動にいちいちシリアスをひっぺがされる椿さんがシュールw

且つ、クウガという存在について「敵の怪人と同じくする部分がある」「一歩間違えば戦うだけの存在となりかねない」と昭和シリーズの仮面ライダーと通ずる要素を今後の展開への不穏な示唆も含んだ危うげな雰囲気を持って示してくる演出が良い 原典へのリスペクトを持ちつつ、「新生」を意識してそこに仮面ライダーというヒーローについての新たなアプローチを加えようとした意図が感じられる 右脚の強化が著しいという、お約束のライダーキックへの現実的な理屈付けもさり気なくしているのもまた良いポイント

 

検査を終え病院を出た2人、そこへ2人の行き先をおやっさん伝に聞いた桜子さんが現れる。クウガに変身し命の危険さえ伴う戦いへ簡単に飛び込んでいってしまう五代さんを心配する桜子さんは、五代さんを止めてくれるはずだった一条さんが五代さんの戦いを支えていることに声を荒げ、クウガになって戦うことを「俺しかないならやるしかない」「やりたいからやる、それだけだよ」と相も変わらず笑顔で言い切る五代さんにもとうとう不満を示し立ち去ってしまう...

その後警視庁に向かった一条さんは、松倉警備部長からトライチェイサーを未確認生命体4号/クウガに渡したことへの責任を追及される。結果的には正しい判断だったとしても詳細な情報を渡してくれないのであれば4号も討伐対象とせざるを得ない、と未確認に対し慎重になるからこその真っ当な意見を述べる警備部長に、一条さんはもしもの時は自分が4号を倒すとしつつ、今は信じて欲しいと説得、警備部長も一条さんの言葉を信じることに決めるのであった

「君を捜査本部のメンバーから外したくはない」と直々に言われてて、彼の説得を一先ずではあるけど納得のもと受け入れてもらえたりと一条さん警察の上の人達からの信頼度はかなり高いことが伺えるね

警備部長の元を後にした一条さんは、同じく警視庁を訪れていた杉田さんから、未確認の存在を感じさせる都内での異常な墜落事故多発について聞かされる。そして事実、その事故は新たな未確認生命体「ズ・バヅー・バ」の仕業であった...
センシティブな内容なので文面上での直接表現は避けるけど、バヅーの手口は本当にえげつないというかなんというか なまじリアルな方法な分余計に真に迫る怖さがあるよね... 逃げ惑う人→逃げ切ったと思ったら後ろに→捕まり一気に高所へ、そして次の瞬間には...のコンボはマジに怖い
てか今回に限った話ではないけど、基本的にクウガの作劇が優しく誰かを想い気遣う等の人々の善性をメインに描かれていく中で、そこから一気にひりつくような恐ろしい雰囲気に転じる未確認側の描写の明確な空気感の違いゾクっときて良いよね 全体的にシリアスな空気感を基本として描かれてはいるけど未確認はそこでより一線を画してる感じ

 

場面は変わり再び合流した一条さんと五代さん。五代さんのことについて問われたことおあってか一条さんは桜子さんのことを心配するが、五代さんは「自分の知ってる桜子さんなら大丈夫」と彼女を信じている旨の言葉を発し、一条さんにも待っていてあげて欲しいと告げる。そして一条さんも桜子さんを信じているからこそのそんな五代さんのことを信じ、微かな笑みと共にそれを肯定するのであった

前回の一件を経て通じ合う部分があってか、一条さんが既に共に戦う者としてだけでなく、一人間同士としても五代さんの良き理解者となってるバディ感がしっかり出てるの、良いなぁ

 

その後研究室を訪れる五代さんは、相変わらず不満げなままで古代文字解読にも難色を示す桜子さんに明るい言葉を告げてそのまま去ってゆくが、大学を出ようとしたその時、一条さんからの無線で未確認の出現を知らされる(ここで2人が未確認も人間から怪人の姿へ変わることを認知することに)。

クウガへ変身しながらトライチェイサーで現場へ急行した五代さん 間一髪バヅーの餌食にならんとしていた警察官を救い戦闘を開始するが、遥か高所さえも自在に移動してしまうほどの驚異的な俊敏性と跳躍力で戦うバヅーの動きに翻弄される。

相手を追って飛び上がるも高さが足りず途中の階層の柵に辛うじて捕まらざるを得ずその隙に攻撃を受け強かに地面に叩きつけられ、今度は階段を駆け上がり追うが余裕を見せられつつ攻撃を叩き込まれる、など力の差を見せつけるバヅーと思うように戦えないクウガの画は緊迫感があって良い 何度も高所へ飛び上がる挑発をかましたり、上がってくるクウガを下まで叩き落としたり、ライダーキックを決めてきたりとバヅーがなかなかに憎たらしい

苦戦しながらも食いつこうとするクウガ、バヅーを追って力の限りに全力で飛び上がったその時、青い体の「ドラゴンフォーム」へと姿が変わり、マイティとは打って変わっての圧倒的な俊敏性で、軽々と追跡し攻撃を交わし、とバヅーにも渡り合っていく。しかし、俊敏性と引き換えに、攻撃力が弱まっていることに気付き困惑、決定打を入れられぬままバヅーに形勢を逆転されてしまい...

というとこで本編終了

クウガという仮面ライダーのメインギミックたる「フォームチェンジ」の一つ、ドラゴンフォームの初お披露目 しかし今までにもあったストロンガーのチャージアップのような純粋なパワーアップや、RXの特性の変化を活かした形態変化の時のような一気に逆転とはいかず、明確に分かれた長所と短所のバランスに戸惑い苦戦するとなるのが面白いところ これがまたクウガの戦闘に新しいアクセントを加えているのも事実だけど、特徴の違いによる戦いへの影響の大きさの強調という演出は初見当時驚いたもの はたしてクウガはここからどう逆転するのか

というわけで今回はこの辺で ではまた 次回もよろしくお願いします

 

余談:

「キョグギンジャンママ ズ・バヅー・バ ザ!」って台詞の名前読む部分が一息で読まれててズバヅーバって聞こえたために「ズバズバうるせぇ!」って突っ込みかけたのは内緒だ

ズバーンかおめぇはよォ〜(

あとあんま本筋と関係ないけど、杉田さん役の松山鷹志さん、声優もやってるだけあって声の通りがめちゃ良い すげぇ良い声 流石キジのルリオ...(「鬼灯の冷徹」に出てくる桃太郎の子分の超良い声のキジ 松山さんが声やってます)