AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

僕は、青空になる

仮面ライダークウガ

EPISODE49「雄介」

感想レビュー

 

 

クウガとダグバの壮絶な最終決戦から3ヶ月後を描く今回。

暴力を振るわなければならない哀しみと痛みに苦しみ嘆きながらも、みんなの笑顔のために戦い続けた男・五代雄介の戦いによりグロンギの脅威が去った平和な日常の中、皆は思い思いの日常を過ごしていました。

五代雄介の思い出を思い返しながら...

  • 警察

0号の撃破により未確認生命体対策本部も畳まれる運びとなり、警視庁にて一条さん達が4号のことやグロンギとの長い戦いを回顧する様子が描かれました。五代さんのことを讃え、みんなを労う松倉本部長のサムズアップが温かい。

作中で最初から最後まで身体を張って戦い続けてきた、クウガに並ぶ勇敢な人達だったよなぁ...と改めて思い返されます。警察というものにここまでしっかりと焦点が当てられてきたの、本当に凄いことですよ

戦うリント=警察の姿をバルバは「グロンギと等しくなる」と暗示し、実際そういった一面も含みつつあったものの、同時にそれが皆の笑顔を守るという想いを抱いた者達の、熱い戦いであったことを我々は知っています。

グロンギが去った後の世界でもまだまだ人が起こす事件は続くけれど、彼らはこれからも皆の笑顔のために戦っていくことでしょう

一先ずは、お疲れ様でした。

 

  • ポレポレ

クウガ作中の日常の象徴であったポレポレにもまた朗らかな空気が戻っておりました。五代さんの言葉を胸にオーディションに見事合格した奈々の報告が嬉しい...!彼女も要所要所で色んな困難を乗り越えながら成長してきた良いキャラだったなぁ

おやっさんと奈々の会話において、実加からの手紙についても仄めかされたけど、欲を言えばこの最終回の中で、EPISODE43で抱いた一条さんへの想いのある程度の決着は見たかったかなとも思ったり 簡単に答えの出ることではないけどね(それを思うと、小説版の大筋はある意味そこから派生したものだったのかな?とも思ったり)

 

小説 仮面ライダークウガ (講談社キャラクター文庫)
 

 


その後はジャンや神崎先生といった馴染みある面々が揃い、五代さんの話を語り合ったりと穏やかな光景が描かれました。

皆を笑顔にしてくれる青空の良さ、

戦場カメラマンだった父が伝えてきた「人々が争い笑顔を忘れてしまうことの悲しさ」に端を発する皆の笑顔を守ろうとする想い、

そしてそのために身に付け続けてきた2000の技の1番目「笑顔」

五代さんについての話は優しさに溢れてて、聞いてるとなんかこっちも落ち着いてきますよねぇ 良い

そしてそんな五代さんの淹れるコーヒーについての話の中で、今まで謎だったおやっさんの本名・飾玉三郎が判明...と突然のカミングアウト。割とどうでも良い情報...!!
でもこの緩さがおやっさんの良いところだよなぁなどとちょっとほっこりしたりもしましたw

 

  • 榎田親子

グロンギとの長い戦いを駆け抜け続けてきた1人である榎田さんも、戦いが終わって冴くんとは仲良くやっている模様。良かったね...
一緒にディズニーランドにも行くと語られたりもしていたけれど、何気にこの後のポレポレでのジャンの会話に「ディズニーランドに行く」という言及があったりしてて、榎田親子の間を取り持ってあげたジャンと彼女達の交流が深く為されてるらしいと伺えるのが微笑ましい。

榎田さんから

「なんか未確認とか関係なく、普通の時の2人のコンビ見てみたかったな」

という台詞が出たりもしてたけど、本当にね...!もう2人は戦友も超えて、普通に友達だったよ...

  • 生きる

椿さんの下を訪れた一条さんは、共に五代さんの戦いについて思いを馳せる。

「未確認達が、自分の笑顔のためだけにあんなことをしたおかげで、アイツ(五代さん)は自分の笑顔を消さなきゃならなくなった」

って言葉は、このクウガという作品を通し感じ取っておかなければならない真理だなと思います。五代さんのクウガとしての戦いは強く、勇敢なものだったけれど、グロンギ達が自分の喜びのためだけに暴れなければ、彼は苦しまずに済んだのだから...

そしてこれは現実の我々にとっても同様のことだよな、とも。自分の喜びのためだけに他者を虐げる生き方をする者ばかりになれば、悲しみや憎しみが満ち、笑顔は消えてしまう。忘れてはならないことです。

 

しかしそんな中で、グロンギが蔓延る世界で時に色々なものを嫌悪しながらも五代さんや椿さんとの交流を経てきた蝶野さんが、世界に絶望し他者を忌み嫌い傷つけようとしていた頃の自分の象徴であるナイフを手放し、それを同封する形で椿さんに前を向いて生きようとする旨をしたためた手紙を送ってきていた、という希望ある事実も明らかに。

詳しい内容は省略しますが、手紙の内容は

今も生きていても退屈で、自信もなく先も見えないので何をすれば良いのか分からないけど、自分のことを見てくれる人がいることも気付き、五代さんの言う通りに楽しく前を向いて生きてみようと思えた

ということが書かれており、人生に悲観的だった彼の変化が伺えてなんだかじーんときました。彼の経てきた想いの変化が感じられる文章がしっかりと書き込まれていて、映像としては一瞬ほどしか映らないところにもこういうドラマ性の拘りが詰まってるところに感動しました。

 

わかば保育園へみのりへの挨拶にやってきた一条さん。兄を強く信じて待ち続け、彼に寄り添い戦ってくれてた一条さんにも兄の友人として強い思い入れを持ってきていたみのり、彼女と一条さんの関係性の描写もなんだか凄く沁みるものがあって良かったですよね

4号のいない世界が一番良い、というみのりの言葉は、4号として不安に駆られながらも戦ってきた兄を信じ見守り続けてきたからこその深みがあって、とても好き。

その後無事子供を産んで戻ってきた恵子先生とその赤ちゃんも登場、赤ちゃんには子供達から、前回のエピソードで五代さんと作った御守りが渡された...

 

  • 伝説は塗り替えるもの

そして一条さんが最後に訪れたのは、桜子さんの待つ研究室。窓を開けてある描写がさり気ないけど、泣けるよ...


桜子さんが語る碑文の解読の結果から、実はゴウラムは凄まじき戦士・アルティメットフォームの覚醒と共に崩れ去るようになっていたことが判明(暴走したクウガがゴウラムに掴まり世界中を荒らして回るから、とロジカルな理由がちゃんとあるのが良いですよねここ)。

しかしダグバとの戦いの後も、ゴウラムは崩れ去らず残っていたことも同時に明らかに。

それは五代さんが、究極の闇の力を手にしようとも、皆の笑顔のために戦おうとする心を持った(聖なる泉を枯れさせずにいた)ままアルティメットフォームとして戦い抜いたことを示していた。

 

五代さんのビジョンの中の本来のアルティメットフォームが黒い目をしていたのに対し、五代さんが変身したそれは、いつものクウガと同じ、赤く輝く目をしていた、ということで、五代さんの強い心が伝説をも塗り替え、新たな歴史を刻み明るい未来を繋いだ、とまさしくOPの歌詞を体現した偉業を成し遂げたと示してくるのが物凄く熱く、クウガが他でもない五代さんで良かった、と最後の最後に強く感じさせてくる流れがニクい。

高寺成紀☺2月27日(土)13時「怪獣ラジオ(昼)」@調布FM on Twitter: "#クウガ20周年配信 伝説を塗り替えた男、五代雄介。心の力で👍 #kuuga #nitiasa #超配信 #仮面ライダークウガ #東映特撮"

全てを闇に包む筈の壊す者は、ただ1人の英雄として戦い続けた男の、どんな苦しみにも挫けず皆の笑顔を守ろうとした強い心により、護る者へとなったのである

伝説は 塗り替えるもの

英雄はただ1人で良い

 

愛の前に立つ限り、恐れるものは何も無い

壊す者と護る者、答えは全てそこに在る

しかしそんな彼がクウガとして戦う中で、沢山傷付き苦しんだのもまた事実。

 

彼は今、笑顔でいられてるのだろうかー

 

 

「五代くん、絶対笑顔を取り戻して、帰ってきますよね」

「五代は信じていますからね、

世界中のみんなの笑顔をー」

 

 

 

 

 

  • 青空の下で

多くの仲間達が、冒険へ旅立った彼の笑顔を信じる中、

遠い異国の地のどこまでも澄み渡る青空の下で、

五代雄介は子供達と共に、心からの笑顔を交わしていた。

 

ここからED「青空になる」に入るラスト3分間の流れがもう、
クウガという作品の締めとして最高すぎる...!!

長い戦いの果て、皆の笑顔に満ちた世界で心ゆくままに冒険に興じ、そこで出会った人々との交流に互いに笑顔を咲かせ、澄み渡る青空を爽やかな表情で見上げながら歩いていく彼の姿が最後に描かれるのはもう、胸に込み上げるものが沢山ありますよね...自分も涙腺が思わず緩みました(五代さんのカバンに、EPISODE20で椿さんから渡された、子供達からの御守りが付いてるのがまた泣ける...!)

テロテアリーナ on Twitter: "このEDの数分間の為にキューバでロケを敢行した東映スタッフに乾杯! 画が美しすぎる。青空を愛した男が青空の下、笑顔を取り戻すために踏み出すんだよ。必然だったんだよな。 #クウガ20周年配信… "

 

在りし日の戦いを思い返してか、握って突き上げた拳をもう片方の掌で包み込む彼を、子供達が呼ぶ

これからはもう拳を振るわずとも良い。

誰かが理不尽に失われる悲しみや、皆を守るために拳を振るう苦しみを味わわずとも良い。

守り抜いた多くの人々の笑顔に満ちた冒険の日々が、青空と共にまた五代雄介を待っている。

名無しのジャック on Twitter: "未確認もヒーローもいない、つまり、本当の意味で暴力のない世界が、この最終回のほんの20余分間だけ実現する。そのタイトルが「雄介」であることの意味を考えるたび、新しい発見がある。なくてはならない、けれどあるべきではない存在という矛盾を引き受けていた人の名前だ。 #クウガ20周年配信"

 

 

以上クウガ49話、

いやぁもう、最高の最終回でした...!!
五代さんの長く辛い戦いの果てにある、仲間達の笑顔の溢れる穏やかで温かな日常と、五代さん自身が笑顔で冒険へ繰り出す様が爽やかに描き上げられる様を全体通して描く、争いを一切描かないラストが本当にクウガの締めとして文句なしなんですよね...心が洗われる あぁ、書いててまた想いが溢れてきた

 

ということで、約半年間書き続けてきた仮面ライダークウガ感想レビュー、無事完走し切りました。多分およそ十数年ぶりの全体通しての再視聴ということで、大人になった今だからこそより深く、また新たに感じ入るものが沢山あり、最高の視聴体験でした。深いドラマ性に満ちた意欲作として非常に見応えがあり、やっぱ大好きだなぁ、クウガ...良かった、本当に良かった...

高寺成紀☺2月27日(土)13時「怪獣ラジオ(昼)」@調布FM on Twitter: "#クウガ20周年配信 「クウガみたいな作品、もう作れないよな」という言葉を見聞きします。でも『クウガ』自体、色んな無理をして作ってました。精神論を言うつもりはありませんが今でも今なりにやれる事はまだあるんじゃないでしょうか。諦めたら負けです。伝説は塗り替えるもの。雄介に続いて下さい👍… https://t.co/nNfbQo7hTj"

またぼちぼち、簡単にでも総括とかもできたらな〜と思ってます。他にも完走した作品あるけどそっちの総括もまだなんだよなぁ()

まぁそっちはぼちぼちと、そのうち来るやろくらいのテンションで待っていただければと思います。

まま、一先ずこの辺で。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた

 

 

君を連れて行こう
悲しみの無い未来まで
君がくれた笑顔だけ
ポケットにしまって
僕は
青空になる

 

みんなの笑顔に👍!