AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

剣士として

仮面ライダーセイバー

第22章「それでも人を、救いたい。」

感想レビュー

 

 

  • 仲間入り大秦寺

大秦寺さんが仲間に加わったことでかみやまの日常風景が一気に明るく賑やかしくなって彩りが出ましたね。最近はなにかと重苦しい雰囲気になったりすることが多かったんでこういうムードメーカーが加わったことは実に良い変化になったなと安心。

現代に疎く飛羽真や芽衣を振り回して暴走してたユーリが、光の聖剣というとびきりの調査対象を見つけて常時ロックバンド状態のマッドサイエンティストじみたテンションとなった大秦寺さんのパワフルさに巻き込まれて振り回される側にもなった、という意外と面白いコンビ誕生も好きなところw 最近のユーリのギャグ描写も面白かったけど、どうしてもユーリの一方通行なテンションになりがちでもあり、また違ったものが見たいとも思ってたので良いタイミングでした

 

  • 剣士・尾上亮の覚悟

「お前達子供の未来を、パパは守る。そして、若い剣士達の未来も、世界も守る。でも...それは1人じゃできないんだ。そのために、一緒に戦う仲間がいる。」

と、そらに向ける形で、大秦寺さんの想いを尊重し飛羽真のこともじっくり見定めている側面のある尾上さんが今も組織に身を置き戦う理由が明らかに。長年組織で戦ってきた年長者の剣士として、世界や大切な人達を守る使命や共に戦ってきた仲間との繋がりを重んじ、若い可能性を未来へ導く想いを強く抱いてるからこその、そこを簡単にはブレさせないという信念があるんだろうな、と感じたりしましたね。

彼の芯がしっかりある部分が見せられたからこそ、今回尾上さんが組織の剣士として飛羽真と対峙する構図も唐突さやモヤモヤを感じさせることのない、信念のぶつかり合いという形できちんと機能していて、こういうとこから見せておいてくれ〜〜〜!!と第16章辺りからの展開に強くツッコミつつも、実に面白く見ることができ良かったです。

 

  • セイバーvsバスター

飛羽真の聖剣とライドブックを組織の下へ納めるために飛羽真と対峙する尾上さん、という流れからセイバーとバスターの決闘が開始。

攻撃のたびに発生する砂塵を伴うインパクトや壁・地面の破壊の演出、セイバーの防御を突破する剣の一撃の重さやセイバーの蹴りを物ともしない頑強さといった部分を寄りの画で強調したカットなど、バスターのパワーファイターという特色を活かした魅せ方が光った回となり、バスター/尾上さんの古参剣士としての風格を描き出すに足る良い演出でした。

それに対するセイバーも、勝てないなりに必殺技を打ち倒されながらも受け止めたりボロボロになり直後に立ったまま気絶することになるも立ち上がってみせたりする姿で覚悟の程を力強く示し、双方ともしっかりとカッコ良くまとまる形となった良い勝負となりましたね。

 

  • 剣士達の今の戦い

今回さり気なく、大秦寺さんや倫太郎達の台詞から「組織の剣士達は今のメギドが人間を宿主にしていて、光の剣で分離しないと中の人間も一緒に死んでしまうということを情報として知っている。けれど組織は犠牲もやむなしという判断の下戦うよう言っている」ということが明らかとなり、大秦寺さんは玲花が組織の意向をねじ曲げて伝えてるんじゃないかと疑ってることや、倫太郎が犠牲を伴って戦うことへの葛藤を抱いていることなどが描かれました。

これにより組織に身を置き戦う尾上さんの覚悟、とも繋げる形で、倫太郎達が現状の環境の中で戦うことへの想いなどがようやっと掘り下げられ、物語全体でのキャラクター達の構図がよりスッキリまとまり分かりやすくなったので良かったところ。

...きちんとした情報の共有やそれを受けた上での各々の判断が描かれるより先にゴタゴタしてボコし合うライダー達をさんざっぱら見せられフラストレーションを溜めがちだったここ数話の展開を見た後だと、そういうの描いた上でメギドへの対処とかそれを踏まえた飛羽真との対峙とか描いても良かったんじゃねぇのという感情を強く抱くので複雑なところではあるんですが。倫太郎なんかは今まで一緒に戦ってきた飛羽真への想いや人間を犠牲にしながら戦うことへの葛藤なんかがきちんと整理され示された上で、飛羽真が組織を疑うという地雷を踏んだことで感情的になったりメギドへの対処を巡って考えが食い違ったりするといったきっかけを経て対立が描かれた方が構図としては納得度が高かったと思いますし。正直なところ、対立ありきみたいな感じでサクサクサクサク衝突してて、見た目として無駄にゴタゴタしてたのが良くなかった感じあるんですよね最近のセイバー...こういう部分を細かく示すだけでかなり違ったと思うんです

 

  • 飛羽真の奮起

今回のゲストキャラの双子の姉妹との交流が描かれた上で、彼女らの抱える苦悩を聞いた上で交わした「必ず助ける」という約束の下に、ボロボロながらも駆けつけて力を発揮し2人を救った飛羽真。画としては主人公らしく実にカッコよく良い活躍だったと思うながらも、ゲストキャラの掘り下げや彼女らとの飛羽真の交流が必要最低限だったために、ここぞの盛り上がりでの飛羽真の啖呵がストーリーの流れ的に少々浮いてて正直あまり盛り上がらなかった感も否めず。尾上さん達剣士達の描写と並行しての展開だったことで薄味のなったなぁ、とは思うところ

あとこれは個人的な好みによるところではあるのですが、飛羽真がズタボロになって息も絶え絶えになりながら叫ぶ、という構図が今回だけでなくここ数話連続してるのもあって、絵面として少々飽きがあるのと飛羽真が痛々しすぎるのとで見ていてイマイチ燃える方向になり切れない部分もあり。満身創痍でも立ち上がり覚悟を示すというのは主人公キャラの魅せとして盛り上がるシチュエーションの一つですが、あまり多用されるのは主人公の動かし方としては不満もあるなぁ...と感じた次第でした。痛々しさに関しては飛羽真を演じる内藤さんの演技の迫真さもあってのことなのでここは純粋に評価したいですが。

 

  • ちゃっかりユーリ

物語の締めとしてカッコいい台詞を言ったユーリだったが、実際のところは読んでた漫画からの受け売りだったというちゃっかりさを明かされコミカルに決まりましたw

ここのシーン、ユーリの緩い一面としてシンプルに面白いながらも、自分の考えを動かしてくれた飛羽真の「人を救うことは世界を救うこと」的な台詞を復唱してみせたアバンパートの構図と並んで、ユーリが現代のヒーロー観を身につけて行っている良い変化の描写にもなっていてとても良かったです。エックスソードマンになったことで戦いに肉体の痛みを伴うようになったことを好意的に受け入れる部分など、ユーリの変化は今のセイバーの物語の見所の一つだと思うので、ここはじっくりと積んで行って欲しいですね

 

 

以上セイバー22話、尾上さんをはじめとした組織の剣士達の信念や葛藤にフォーカスが当たり、彼らが内に抱くものが整理して示されたことで、飛羽真の覚悟を目にした彼らの内面の変化の兆しが予感されたりと、彼らの動向にも純粋に注目して見ることができるようになった点が非常に大きかったなと感じる回でした。そういうの早くから示して...ryとか飛羽真の動かし方とかストーリー的に言うと不満点も沢山在るのですが、前回に続きようやくセイバーのストーリー展開がストレートに面白くなってきて嬉しいところ。

そんな中で鎌首をもたげてきた暴走形態の存在。期待半分不安半分...という感じですが、ようやく盛り上がってきたストーリー、じっくり見ていこうと思います。

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた