AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

全力全カイキラッと閃ケボーン

スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021

感想レビュー

 

※本レビューはネタバレを多分に含んでおります。ご注意ください

 

 

逆境真っ只中で傷つきながらもクライマックスへ向け磨き上げた煌めきで突っ走るキラメイジャー

数々の辛いこと苦しいことに見舞われながらも愛する人達とソウルを一つにし今も戦うリュウソウジャー

そしてこの先も続いていくであろう困難の中で自分達の信じる道を貫いて全力全開で駆けていくゼンカイジャー

昨今の大変な状況の中を、色んな想いを抱きながらそれぞれ同じ熱さの下で三者三様に戦う3戦隊の劇場作品が一同に集った本作。それぞれ違った面白さのあるものをお届けしていただき実に充実感溢れる1時間半となりました。スーパー戦隊って、楽しいね!というわけで3作の感想レビュー、やっていこうと思います

 

  • 魔進戦隊キラメイジャー THE MOVIE ビー・バップ・ドリーム

待っていました、キラメイジャー単独劇場作品。ゼロワン共々夏映画から大きく間を空けることとなりましたが、公開できて良かったなとまず嬉しさがありますね。本当に良かった

作品としては、ストーリー面・特撮面共にキラメイらしさの溢れた、それでいてそれを劇場版ならではのボリューム感でよりパワフルに描いた爽快さがあり実に楽しかったです。暗い悪夢の中でも無限の想像が原動力になって夢を明るく楽しく押し広げていく、というまさにキラメイジャーのテーマを真正面から体現したストーリーはやはり爽快ですねぇ

そんなストーリーを彩った、トラウマを呼び起こされ銀幕でもクールでいさせてもらえない押切時雨クオリティ、とある理由で杉田智和が漏出しまくった夢のオラディン王などのこれまたキラメイならではな振り切り具合のコミカル描写も最高でしたw 苦しむ時雨さんへの「良いザマだ!」がもう申し訳ないけどその通りすぎてとても楽しかったです(酷) そして大スクリーンで博多南さんにより盛大にパフォーマンスされるPPAP、もうこれ笑わずにはいられなかったでしょ かすかに聞こえてきたイントロでもうダメだったわ!!今までも小坂大魔王さん出てるのをいいことにTV本編で色々パロディ入れまくってたけど遂に実質素材そのものをお出ししてくるという開き直り具合、や、やりやがった...!!という感じ(好き)

一瞬「曲そのまま出して良いの!?」とか思ったけどむしろなんの問題もなかったわ、実質ご本人だったわ(

そんな本作で敵として登場したのは、本作でも淀みの海の魔女・ヌマージョの妹として存在が仄めかされていたミンジョ。演じられる壇蜜さんの妖艶さを感じさせつつも戦隊悪役らしい堂々とした悪役演技がなかなかに板についていて、中盤までキラメイジャーを終始圧倒し続けた手強さも相まって非常に印象深い敵となりました。上昇志向の強さや揺さぶられると案外脆い一面など意外とキャラも立ってて面白かったし、けっこうハマり役だと思う

そして本作を語る上で欠かせないのはやはり、ガ  ル  ザ  お  じ  さ  ん

もうほぼ戦隊劇場版でよくいるゲストヒロイン的な役回りだったんだけどそれをガルザおじさんでやるのは新しすぎでは() 新しすぎるわ そんな非常にオイシイポジションだったおじさんですが、昔家族と一緒に赴いた夢の中の思い出の風景が彼の心象風景となっていた、という描写は何気に先週放送となったエピソード43で明らかとなった彼の真実の一旦に触れてたようにも思え、これは最終盤頃の公開を踏まえ入れられたものだったのか、それとも元々あったものなのか、と気になったものでした(フォロワーの方曰く、いつ公開になるかも分からない作品なのでどちらの方向でも行けるよう解釈の余地を広めに与えてたのでは、とのことでなるほどと)

それは歪められ生み出された嫉妬の中に残る、大好きだった兄への想いの片鱗だったのか...

そして特撮面、こちらも劇場版ということで豪快にCGを使ったカラフルな演出に加え、雨の中でのミンジョ・レムードンとの対決、クライマックス戦での各人の個性が濃く出たアクションなど、大スクリーンでの見栄え抜群なものが多くとても熱かったですね 後者に関してはワイヤーアクションのブルー、ベチャットを巧みに盾にし反撃するピンク、豪快に押し切ってミンジョを追い詰めるシルバー辺りの演出がとても好き。最終決戦も巨大感溢れる工場地帯の夜戦という演出が実に唆りましたね。終盤で急に燃え出すザビューンには従来通りの夏映画公開で描かれていたであろう展開の残り香が感じられなんかちょっと面白かったですw しかしTV本編でのヌマージョとの因縁を振り切るバトルにもなり熱かった

そしてラストはみんなでダンス、と爽快に締め。最後まで踊ることは拒否ったけどノリノリだったガルザおじさん、好きです

総じて実に明快でキラメイジャー色の良く出た楽しい作品だったなと思います。劇場で観れて良かった!

では最後に一言

 

ドリームストーンの声(CV緒方恵美さん)が色気抜群で存在感が強いんじゃ(

 

 

  • 騎士竜戦隊リュウソウジャー 特別編 メモリー・オブ・ソウルメイツ

まず本編開始冒頭の

「In loving memory of Mana Kinjo」

の文字に胸に込み上げるものがありましたね...リュウソウジャーに関わる多くの人達の金城さんへの想いの強さを実感できました。

遠くからきっと観てるよね。

 

今回の特別編、尺が15分ほどということで当初はちょっと心配していた部分もあったながらも、いざ蓋を開けてみれば短い中に当時観ていた時の仲間達の明るく気兼ねないやり取りなどリュウソウジャーの和気藹々とした空気感がしっかり詰め込まれていて懐かしい気持ちになれたのに加え、みんなに追いつけるように修行すると言っていたナダが隠していた秘密が明かされ、かつて取りこぼした誇りをもう一度取り戻し、自分を救い上げてくれた皆と肩を並べようとする彼の不屈の闘志が深みを持って掘り下げられるという、実に熱いナダの掘り下げもあってなかなかにグッときて、15分ほどとは思えないような非常に濃厚な短編を味わうことができました。空っぽの鎧に熱い闘志を纏った自身を潜らせ、文字通り身一つで命を賭けて仲間のために全力で戦った、とここにきて第33話をよりエモーショナルな回へと押し上げてくるとはなぁ...第33話は個人的に好きではあるながらも同時に色々思う部分もある回でしたが、今作であの時のナダの心情に更なる色が付け加えられ、いっそう好きの感情の方が増したと思います。

他にも、毎度お馴染みカナロの婚活失恋劇場をはじめとした当時そのままな安心感のあるキャラクター達それぞれの空気感・性格の表現、ご無沙汰のディメボルケーノといった細かな要素の回収、閉店前の卓球屋など第33話へ繋がる小ネタ的な要素の昇華など、随所随所がとても楽しい、良いリュウソウジャー本編の補完エピソードだったなと思います。

ちなみに今作の宿主の人間そのままの姿のマイナソーは何マイナソーだったんだろうか?ドッペルマイナソーとか?

最終的なまとめ方が凄く好きだったものの全体でいうと色々ハマれなかった部分もあったリュウソウジャーという作品ですが、彼らの空気感を久々に観れて安心できたのを感じ、なんだかんだ言いつつ好きだなぁと思えましたね

いつまでも、ソウルを一つに

 

 

  • 機界戦隊ゼンカイジャー THE MOVIE 赤い戦い! オール戦隊大集会!!

TV放送に先立ち、ゼンカイジャーの面々の活躍や本編の空気感を感じられることのできた本作。このスーパー戦隊MOVIEレンジャー2021の締めに相応しいエンタメ性に溢れてて実に良かったですね!

まず第一に本作から観て取れたゼンカイジャーという作品のテイスト、人間1人に機械生命体・キカイノイド4人という前代未聞のメンバー構成でとなるのでどういう感じになるかと期待半分不安半分といった感じでしたが、コンセプトを盛大に個性的にした分、といった意味合いからか思いの外ストレートな戦隊ヒーロー作品のテイストを濃く感じる、ヒロイックで痛快な雰囲気になっていたのが良い意味で意外で、掴みは上々。コミカルさ溢れるギャグ多めなのも良いですねw

既に良き友達感溢れる介人とジュランや、介人への愛着溢れるガオーンの振る舞いをはじめとして、5人の関係性が捻りなく良い感じに朗らかで強い繋がりを感じるものだったのも見やすく楽しかったですね。この辺は本作がある程度本編進んだ時系列的なテイでやってるからなのもあるかもですが、介人・キカイノイド4人のそれぞれの個性極まるキャラ立てがしっかりされてたのも大きかったと思います。いやぁこれは一気に好きになりそう 個人的には現段階だとちょっとカッコつけしたがるけど気のいい兄ちゃん感も強いジュランがお気に入り

あとフォロワーの方が触れてたポイントですが、ゼンカイジャーのギャグ多めなテイストは、本作でメイン構成を務めるジュウオウやルパパトで知られる香村純子さんとしては苦手そうな分野なので興味深い、という部分はたしかに、と思いますね。そういうのを入れ込んでくるイメージはたしかにないのでどういう化学反応を起こすのか。

滝はじめ on Twitter: "ゼンカイジャー、作風的にはギャグあんまりやらない香村女史的には最高に苦手な分野だと思うのでかえって楽しみになってきた。"

とはいえちらと登場した介人の両親がギアの開発に関わってたらしい、という描写がさらっと入れ込まれていて、この辺りの展開の匂わせは香村さんらしいなと感じたり。どういう感じになるか色んな意味で楽しみですねぇ

アクション面だと正直ちょっと心配だったキカイノイドが変身した面々のアクションですが、意外にもけっこうバリバリにアクロバティックなアクションしてたり、工夫した戦闘の見せ方がされてたりしてておおっ、となりましたね。クライマックス戦等で見られた、役割分担のしっかり決まった連携攻撃の演出も小気味良くて気持ちが良く、これは非常に期待が高まりましたね

にしても戦闘中などにおいて、スーパー戦隊シリーズの劇伴を数多く彩り今作ゼンカイジャーでも音楽を担当する渡辺宙明さんのBGM(だよね?)が本作でも流れてましたが、昭和テイストを感じさせるながらも古臭さのない、ご自身の持ち味と時代についていく柔軟性の高さを感じさせる非常にカッコいいもので良かったですね!これを本編でも聞けるの楽しみすぎるな...

 

また本作の目玉となったスーパー悪者ワルドとレジェンド悪役の活躍、およびそこへ駆け付けた歴代レッドの面々、これらの要素も非常に面白かったです。

バスコやザミーゴ、バングレイ、九衛門といったレジェンド悪役達は出番としては短めだったながらもしっかり個性が出ていて久しぶりの登場が嬉しかったですし、最期も割とあっさりだったものの歴代のレッド達に引導を渡されたらしいというのが感じられるカット(バスコのところにはゴーカイレッドがいて、などそれぞれの作品に関わるレッドがいたのが細かいながらも良き)が入ってて格は保たれたなと思いますね。またラストのあの演出も彼ら悪役もスーパー戦隊の世界で生きる大事な存在であるということを示す感じの軽いメタも込みのちょっとグッとくる演出になってて、総じて良いポジションだったなと感じますね。ゼンカイジャーはそういうとこまで込みで歴代のスーパー戦隊の世界を救っていく、がテーマになるのかな?

映画公開前より各部に歴代の首領ポジションのキャラの意匠が落とし込まれたデザインで皆を魅了したスーパー悪者ワルドも、演じる関智一さんの掛け声ややられボイスに首領達の名前を入れ込むなどの遊び心が効いた演技が楽しく、僅かな間でとても濃い存在感があったと思いますね しかしワルモノが語尾に付くって安直すぎないかワルモノ ん?(

そして駆けつけたレジェンドレッド達、尺としてはあっさりめだったものの絵面としてはやはり非常に壮観。アカレンジャー/海城剛役の誠直也さんも原点のレジェンドとして作品を引き締めてくれました。彼が介人へギアを渡すのをはじめ、それぞれのキカイノイド達に対応するモチーフのレッド達がギアトリンガーを渡すという演出もあり、歴代戦隊が絡む作品の構図として見たかったものの最適解がお出しされたのも実に嬉しい。しかしこれを既にやった上で肝心の本編はどういう感じになるのかな?ここも期待ですね

 

などなど非常に面白いポイントに溢れていて実に楽しませていただきました。ゼンカイジャーのスタートが楽しみになる良い劇場版だったなと思いますね。彼らの活躍に期待です

 

 

以上スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021のレビューでした。それぞれ熱い想いを抱き今を駆ける3作品が自身の持ち味を存分に出した本編は満足度が高く、また会えて嬉しかった!」「最後まで頑張って!」「これから応援してるよ!」と伝えたくなる面白い3本立てでした

ありがとう!!

 

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた