第17、18幕「訪れし者/微笑」
振り返り感想
「星が見えるわ...
なんて、いい気持ち。
からくりサーカス 第25巻 サーカス〜最終幕 第32幕「微笑(後編)」
母としての深い愛を抱くアンジェリーナと、その愛を一身に受けこの世に誕生したエレオノール。彼女達との触れ合いを通じ、ギイはかつて受けられなかった母の包み込む愛をその身に受け、フランシーヌ人形は他者へ与える心からの慈しみと笑顔を理解する
という、多くの人々の物語が絡み合い大きなドラマを織り成した黒賀村過去編。ギイとフランシーヌ人形をはじめとした意外な人物達の接点やエレオノール/しろがねとギイの関係性の秘密の解明など、からくりサーカスはこの群像劇にして大河ドラマなスケールが魅力よなぁ...!
母に捨てられたギイの絶望の心境の掘り下げとか、他とは違う形でしろがねになった故のニュートラルな視点でフランシーヌ人形に接し人の笑顔について説く正二といった、後のギイやフランシーヌ人形の変化をより劇的にする細かな下りがちらほらカットされてて、原作勢としてはやはり全体的なドラマ性の深みがちょっと弱くなってる部分があるとは感じるところなのですが、エレオノール誕生のハラハラ感や、アニメの綺麗な作画により表現される生命の水の輝きの中でエレオノールをあやし笑顔を浮かべるフランシーヌ人形のシーンの美しさなど、原作と同様のポイントでアニメならではの感動を味わうことができたは嬉しかったですね 「何か」になれたフランシーヌ人形の最期はいつ見ても涙腺緩くなってしまう...
しっかしやはりここで勿体ないのは、ここを描くにあたり今までの流れの中でギイのマザコンっぷりをたっぷり描いてこなかったことだなぁ...!
ママンの写真の入ったロケットを取り上げられて冷静さがぶっ壊れポンコツと化すギイと鳴海兄ちゃんの漫才がコミカルに楽しく印象深い形で描かれてたからこそ、この過去編でギイのママン=アンジェリーナへの想いが掘り下げられ、そのマザコンっぷりにギイが大事にし続けてる愛と信念が表れ出て更にギイのカッコ良さが増す、という仕掛けが秀逸で、それにより色んな熱い感情が湧き上がるのが最高なんだよな
世界一カッコ良いマザコンの称号を持つ男なんだぞ...!
そんな壮大なドラマの中で、明るい初対面を果たしたにも関わらずその後正二から激しく憎悪されている貞良の存在や、フランシーヌ人形をも標的とする自動人形達の出現など、後の展開を示唆する不穏さを隙なく散りばめてるのも上手いところで。この興奮の途切れなさが好きなんだよ藤田和日郎作品 良いわぁ
そして過去編はいよいよ終局へ。
壮大な舞台劇の謎を紐解く物語、是非お見逃しなきよう...
というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます
次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!
ではまた