AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

ぱんぱかパパイアフリーダム先輩

トロピカル~ジュ!プリキュア

第4話「はじけるキュアパパイア! これが私の物語!」

感想レビュー

 

 

放送当初から今に至るまで本編に一度も登場していなかったにも関わらず、OP映像で無表情のままご機嫌に踊る姿を取り上げられ軽く話題に上がり続けていたみのりん先輩が遂に本編に登場です!!待っていたよぉ!!(©︎霧崎/トレギア)

 

先輩、さんざっぱら無表情キャラでいじられてたけど、困ってる時は普通に眉下がってて困ってるのが分かりやすいし、驚いた時はだいぶストレートに驚くので、普段の感情の起伏が人より少ないってだけで感情は割と表に出る人ですな ポーカーフェイスと説明されてたけど厳密にはちょっと違う感じね

 

そんなみのりん先輩の初登場回にして、彼女のキャラクターに迫った今回の話。

物語を空想し描くのが好きな一面がありながら自分でそれを否定するようになってしまった先輩の姿が描かれ、その要因になったと思しき過去の出来事もちらと描写されたけど、描写を見る限りだと自分の書いた物語を他人に否定された(同じ制服の人物だったので、先輩が入ってたという文芸部の友人か先輩辺りだろうか)的な過去があったようで、これはなかなか根深い問題かも...自分の書いた物語を楽しげに相手に見せてたのが、今では自分でそれを否定するようになるくらいなので、相当トラウマ的な出来事だったと見えるなぁ。

 

今回はそんなみのりん先輩の暗い心の内を表すかのような画面上の演出が多かったのも目を惹いたポイント。

まなつやローラと面と向かって話してる時の陽の光が差す場所に立つまなつ達に対し日陰の場所に立つ先輩という明暗の区切りの演出によって、自分の物語を好きと言ってくれるまなつや自分の空想した人魚その人なローラへ歩み寄れず、自分の気持ち含め肯定することのできない先輩の心境を表したシーンはベタながら印象深かったし、

過去の出来事の中でショックから落としてしまい芯の折れた鉛筆を先輩が今でも自分の書いた物語と一緒に閉まってるカットは、物語を書くのが好きな気持ちが折れてしまったことやそれでも今でも自分の物語や空想が好きな気持ちを捨てきれない未練のような感情を象徴的に可視化していて唸らされましたね。

 

と、浅からぬ心の傷を抱えるみのりん先輩、前述したように自分の物語に目を輝かせ真っ直ぐに好きという想いを伝えてくれるまなつや自分の空想にすぎないと言ってた人魚ご本人のローラを前にして、自分の好きなものへの想いを滲ませる内面の変化を僅かに見せ始めるもやはり前に踏み出すことができない状態が続いておりましたが、プリキュアの存在を目にしたこととそのピンチを前にしたローラの呼びかけを受けたことで、自分の好きなものを信じる気持ちを改めて信じ、一歩踏み出すに至りました。ここの下りは、先輩が自分の気持ちを信じて日陰からローラの待つ陽の差す場所へ一歩を踏み出すという流れが前述した先輩の心境を表す演出のカウンターになっていて非常に熱かった!

 

また、先輩の気持ちを会話の節々から感じていたローラが自らそれを後押しする説得をしたというのも凄くグッときましたね。

最序盤に比べて人間と積極的に関わりその気持ちに向き合うようになっている傾向が見られる、というのが率直にローラの成長に感じられて嬉しいし、先輩の空想した物語を好きと感じて信じたまなつのこともずっと見ていたであろうローラが先輩の気持ちに直々に訴えかけるというシチュエーションそのものが凄く良い...まなつの信じるものをローラも一緒に信じるようになってるよなぁこれ

「勇気を持って前に踏み出せば、なんだってできる!その足は、何のために付いてるの!」って台詞を人魚のローラが言うことで、人間という存在を尊重する気持ちが彼女の中に徐々に芽生え始めてることを示してるのも秀逸。ここから先輩が一歩踏み出すカットへ繋がるのが最高すぎる 今回台詞回しや演出がキレッキレで情感に強く響く...!

 

そして覚醒、キュアパパイア

今回の変身バンクも前2人と同様安定の綺麗さで惹きつけられたねぇ 徐々に表情が華やいでゆく流れや、アイズで目の印象がガラッと変わるカットが好き

で、ここから戦闘シーンに入るのですが、

 

OPで見せてた謎の目のアクセサリーを生み出して目からビーム攻撃を放つ攻撃を繰り出すわ

 

綺麗なヘドラみたいな謎の生命体を生成しそこから出てきた光弾で弾幕を張るという、「ぱんぱかパパイアショット」なるだいぶぶっ飛んだネーミングの必殺技をぶっ放すわ

 

弾  け  た  ね  先  輩

演出がフリーダムすぎる...!

さっきまでちょっと元気なかった人とは思えねぇ...どこから突っ込めば良いんすかね先輩!!

お決まりの必殺技後の「ビクトリー!」の見栄のカットでもサマー以上に表情がイキイキしてるというかめちゃくちゃギャグ顔になってて、はっちゃけすぎです(

でも先輩が現実(リアル)の中で自分の思い描いた空想の中のヒロインのように活躍するのはここまでの暗い流れを吹っ飛ばす爽快さがあって実際凄く良かった。思えばまなつがサマーに変身した時には特になかったプリキュア主人公お馴染みの「変身後のパワフルさに驚く」がある意味今作では初めて描かれたわけで。それを先輩/パパイアでやるというのはキャラクター性を際立たせた面もあってなかなか面白い変則演出だなと

 

かくしてプリキュアの仲間入りを果たし、みのりん先輩が一歩踏み出したところで締め。良いラストだったけど、実際のところ先輩の過去そのものについてはまだ保留状態なので、いつこれが回収されるかは気になるところ。あとは自分の気持ち次第、みたいな感じだったさんごと違ってここは本当の意味で全て解決する上で避けては通れない道よね

先輩のトラウマ的な心情の基になった人、絶対出てくるだろうけどどんな人なのかしら

 

と、みのりん先輩メインで話したけど、今回はやはり先輩の心を動かしたまなつの屈託ない真っ直ぐさも良かった ザ・主人公って感じだ

ローラやさんごの時と同じく勇気の出る魔法、というとこでリップを取り出す場面もあり、これはまなつを象徴する部分として今後もちょくちょく出てきそうですね

前回から仲間入りしたさんごもあまり前には出てこないけど良い感じにツッコミ役に徹してくれるので楽しかったw これからメンバー増えたらもっとやり取りが楽しくなるかしらね

後回しの魔女一派の方もチョンギーレおじさんに続いてお医者様のヌメリー姐さんも登場し、ようやっと幹部陣の顔ぶれが潤ってきましたな しかし後回しの魔女一派、料理人やら医者やらがぽいぽい戦闘に駆り出されてるのを見るに、本来働くべき魔女がニート決め込んでるから全然戦闘要員じゃない人らが前線出ないといけないみたいな体勢なのでは...黒いな()

こっちの敵サイドもしばらくはゆる〜く楽しませて欲しいねw

 


以上トロプリ4話、みのりん先輩を軸に据え彼女の心情を細かく表現する演出やその変化を後押しするような台詞回しなんかが凄く情緒的で凄く響く回だった 横谷さんの脚本捌きが安定感ある上に凄く深みがあって良いんですよ...面白いなぁトロプリ

次回で遂にメンバー勢揃いと相なるわけで、今後も期待が高まります

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた