AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

倫太郎くんメンタルボコボコタイム

仮面ライダーセイバー

第30章「絆、引き裂かれても。」

感想レビュー

 

 

ここまで紆余曲折ありましたが、組織を正したいという想いを強く抱いた倫太郎が遂に飛羽真達の仲間として再び戻ってきてくれました

組織の闇に気付けず仲間達に迷惑をかけてしまったことを悔やみそれでも仲間でありたいと頭を下げる苦渋の表情や、それを仲間として暖かく受け入れる飛羽真達の気持ちを前にして見せた嬉し泣きの表情など、この冒頭シーンにおける感情の機微がよく表れた倫太郎の細かな表情の変化がとても良く、やっぱり演じる山口くんはこういう表情の演技がグッと上手くなったなぁと実感。話を引き締めてくれました

ここの倫太郎の物々しい雰囲気に重い空気が漂いそうになる中で、組織の闇の解明を倫太郎のおかげと言ってくれたり、組織という拠り所に裏切られ心に空白が生まれたであろう倫太郎に「自分達がいる」と言って心の支えになってあげたりと、芽依が要所要所で倫太郎の心に寄り添い飛羽真達も含めポジティブな方向へ向かせようと心配りをしてたのも良き。芽依って個人的にはやっぱりこういう等身大の視点で頑張って気遣おうとしてる時の方が好きですね。ギャグキャラ的な振る舞いはたまに演出が暴走しすぎることもあってくどくなっちゃうことがあると感じるし

そしてこの芽依の支えを受けて、倫太郎が芽依を意識するようなカット・2人がかなり近しい距離感になってるような演出が入ったりしてたのも印象的。序盤においてもそういうのを感じさせる演出はあり、やがては進展があるのだろうかと思ってたら剣士分断の流れに長いこと陥ってそんなバヤイではなくなっててちょっと寂しかったので、改めてここがフォーカスされたのは嬉しいです

 

と、仲間達の支えを受けながら飛羽真達と肩を並べるに至った倫太郎でしたが、自身が仲間達へ迷惑をかけ続けてきたことへの後ろめたさを拭い切れないことや前回の戦いで自身の力不足を感じたことが影響してか、ネコメギドやズオスとの戦いの中で自身の力が及ばないことに激昂、ネコメギドの宿主にされた芽依や捕われた人々を救おうと焦ってしまい飛羽真と足並みが合わない...という展開へ。

仲間入りのイベントを経ながらも、そこからスッと心を一つにし力を合わせて戦う流れにならないとは、なんというままならなさ...これはそれほどまでに倫太郎が自身の無力さや責任を強く感じており、皆と共に戦う上でなんとかしなくてはならないと気負っているということの証拠であり、彼の真面目さや責任感の強さを感じますね 

 

またそんな中で倫太郎が、メギドと人間を分離する力に目覚めたり剣士として実力を高めていったりしている飛羽真に対し、羨望や憧憬といった感情ではなく、嫉妬・コンプレックスのような想いを抱いているであろう一幕を見せていたのも気になったところ。

というのも、芽依を探す中でなんとか冷静に動こうとする飛羽真を危機感がないように感じて掴みかかったり、飛羽真のように自分もメギドから人を分離させようとするもその力が発動せず愕然としたり、飛羽真がネコメギドから芽依を救えそうな瞬間自身をズオスから庇ったために芽依を救えなかったため飛羽真に「僕のことなんかどうだっていい!どうして!どうして芽依さんを助けてくれなかったんですか!!」と八つ当たり気味に激昂したり...といった今回の倫太郎の壮絶な描写の数々からは、

自身が己の無力さに悩んでいる中飛羽真がどんどん先を行って自分にできないことをできてしまっていることへの嫉妬

自分も同じようになろうとするもそこへ至れないことで更に膨れ上がる無力感

自身にできないことを為せるはずの飛羽真が芽依や人々を救い切れないことに対して抱く、自分の無力感への悔しさまでもがない混ぜとなったもどかしさ・憤り

と様々な感情が窺い知れるんですよね。倫太郎自身飛羽真が悪いなどとは思っていないと思うけど、なまじ飛羽真が自分よりも色々できるだけに自身の無力さへの歯痒さが飛羽真にも向いてしまうのかな、と。特に飛羽真が自分を助けたことでチャンスを逃したことに関しては、自分が飛羽真の足を引っ張ってしまったみたいな劣等感もあって、逆にやり切れないんだろうなぁ...なにこのクソ辛感情...
しかしそんな倫太郎の壮絶で複雑な心情を、感情を爆発させるような叫びや動き、悲壮さの滲み出た絞り出すような声色や詰まるような嗚咽で表現してくれた山口くんの演技は、ここにおいても物凄く良かったなぁと。彼の演技が今作で一番好きかもしれん。

 

そんな中で、芽依が倫太郎の無力さに呆れ失望している的な出鱈目をネコメギドが倫太郎に囁いて揺さぶってきたり、倫太郎への復讐・打倒を目論むズオスがブレイズを真正面から叩きのめした上でその弱さを嘲笑うような言葉をネチネチ浴びせかけてきたりと、敵サイドも倫太郎に容赦なく口撃し彼の精神をズタボコにしてくるのがひでぇ...
ズオスって脳筋キャラのようでいてけっこう頭のキレるタイプだとはたまーに言われてたけど、こうして相手を揺さぶり卑怯上等な感じで甚振ってるのを見るとそれが凄く実感されますね...倫太郎との初交戦時も打ち倒した彼を煽ったりしてましたし(脳筋枠はレジエルくんだったんだなぁ...と改めて)。

そんなズオスですが、一度見た攻撃にはもうやられねぇ、とブレイズとコテンパンにし、レジエルを敗ったエレメンタル相手にも良い勝負をしたりと、幹部の面目躍如な暴れっぷりで満足。しかし強い相手との戦いを楽しむあまり飛羽真と倫太郎をまとめて見逃すこの慢心、絶対後で痛い目見るな...次週は確実にボコされそうだし、再来週辺りで禁断の術使って強化して...というレジエルくんルート入るんだろうか

そしてそんなズオスを扇動するような態度を見せてたストリウス、怪しい。レジエルくんの例もあるからなぁ...

 

そんな波乱極まる倫太郎サイドを他所に...
蓮はデザストとデザさんぽしていた(

いやあんないかつい怪人に横から話しかけられながら海辺を普通に一緒に歩いてる絵面はもう友達よ?ちょいちょいちょっかい出してくるのを鬱陶しそうにあしらってるけどもうそういう友達なんよ???シリアス漂う今回においてちょっと癒しだったw

そんな蓮ですが、尾上さんの説得に対しても彼が以前言った「自分の道は自分で決めろ」を引き合いに出し剣を向けるなど、すんなりと仲間入りはやはりなさそう。このままどういう風に勢力図に介入してくるやら...

 

といった感じのセイバー30話、仲間入りした倫太郎の責任感や自身の無力さに対する様々な想いなどにフォーカスし、スッと仲間入り、ではなく組織を抜けた彼が未だ抱える精神的な弱さ・穴という部分を強調したのが印象的な回でした。飛羽真への入り組んだ感情の有り様やその表現が迫真だった...
次回(次次回もかも)はそんな彼が如何に(仲間と共に)それを乗り越え、飛羽真達と肩を並べ戦う真の剣士へと一皮剥けていくかがテーマになっていきそうですね。倫太郎に関しては凄く力を入れて描いてくれていて嬉しいところなので、ガンガン魅力的にしていって欲しいですね

倫太郎、仲間達はお前を支えようといつでも待っているぞ

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた