機界戦隊ゼンカイジャー
第7カイ!
「魔界の王子は気がみじかい!」
感想レビュー
前回そのとんでもない素性を視聴者に提示する形で登場を果たしたステイシー、今回の話にて新アイテム・ギアトジンガーによる歴代戦隊や戦隊ロボのダミーの召喚に加え、悪の戦士・ステイシーザーへの変身を引っ提げてゼンカイジャーを倒さんとする強敵として立ちはだかることとなりました。能力からしてもポジション的にはディエンド/海東やバスコの折衷という感じでアニバーサリー作品のライバルキャラの伝統をしっかり踏襲してきたといったところですが、こんな早期から登場するとは意外でした。次回も矢継ぎ早に更なるキャラの登場が示唆されていましたし、もっとじっくり単発回等でキャラ描写等を深めると思ってたこの序盤にこれだけの要素を出し惜しみせずぶち込んでくる思い切りの良さには驚きがあると同時に、これだけのものが序盤で示されるということはこれから一体どんな物語が織り成されていくのだろうかという楽しみも大きいですね
ギアトジンガーの召喚能力はバスコの前例がある分絵面的に新鮮味は薄いものの、ガオレンジャーが破邪の爪を順番に前に出すモーションやカメラアングルの再現といったおおっとなる演出、ロボがDX玩具の箱のビジョンから現れ出るというちょっとシュールながらも心踊る演出など、ファンが見ていて楽しい細かな遊び心が伺えるのがとても良き。大獣神→ダイノタンカーの変形は世代でない自分も玩具のギミックとして知ってておっとなったのでこういうのがあるとやはり楽しいです
ステイシーザーの姿もバトルフィーバーJのバトルジャパンがモチーフではないかと言われていて、音声も「邪バーン!」=ジャパンの言葉遊びではという考察もあるなどなかなか面白い部分が盛り沢山と、こういうのを発見しながら観られるのも乙なもんですな なんかステイシーザーはバトルジャパンじゃなくてアキバレッドがモチーフなんじゃないかとか冗談めかしく囁かれたりもしてますが...w
度近亭心恋 on Twitter: "ゼンカイジャーの「○○バーン!」の系譜で 「邪バーン!」 って音声な辺りやはり 「バトル『ジャパン』」 の要素が強い #nitiasa… "
しっかしこの短期間のゼンカイジャーとの交戦を経てこんなスゴい代物を生み出すあたり、実際有能だよねイジルデ これには今までご立腹だったボッコワウス様やゲゲもご機嫌!でもイジルデ(トジテンド)の近くに五色田博士がいるかも、という現段階の情報と合わせると、彼らの技術を幾らかダイレクトに利用したかもという可能性もあり...この辺は気になるところですな
そんな色んな能力を繰り出し襲いくる強敵として立ちはだかったステイシーですが、何も知らない状態で介人と絡んでる時負けず嫌いな一面を見せて張り合う一幕があってなんか憎めなさもありましたねw 割と普通に仲良くなれそうな余地自体はありそうですなこの2人
またトジテンドの仲間と言われることに難色を示し「僕はステイシー。それ以外の何者でもない」と返したり、半分人間かも、と自分の出自について軽く仄めかした上で「“アイツ”を超えるためにゼンカイジャーを倒す」と意味深な発言をしたりと気になる素振り多し。イジルデの台詞と合わせ彼が人間の血を引くことは確定的、キカイノイドとの混血なのもほぼ確ということが分かったけど、彼はその出自やトジテンドの出であることに強いコンプレックスがある、という感じなんでしょうか。彼の言う“アイツ”は察するに恐らくは父・バラシタラさんと思われますが、そこに拘る理由も気になるし、もっともっとじっくりと掘り下げていって欲しいですねぇ 僕はまだバラシタラさんがヤッちゃった疑惑まだ捨ててないです(やめろ
そして彼に関連する形でバラシタラさんやイジルデのステイシーに対する見方も少し伺えたけど、父としての息子への愛情みたいなものはなさそうだなぁバラシタラさん...イジルデ共々実験兵士として役に立てば万々歳くらいに思ってそうなのがひでぇ(やはりステイシー=捨て石の掛け言葉なんだろうか)
...ていうかバラシタラさん、ステイシーをギアトジンガーの利用者に選んだことについて「ゼンカイザー...つまり人間に近い者が良かった」って言ってるわけだけど、ここでわざわざゼンカイザーを強調したのなんか気になるんだよなぁ...ステイシーの扱いも「実験兵士」だし、何か介人を使ったよからぬこと企んでそう...
一方ステイシーと相対したゼンカイジャー側では、ステイシーの処遇を巡って迷うガオーンとジュラン達の間に不和が生じかけたけど、その裏にはキカイノイドよりも傷つきやすく壊れやすい人間を想う優しさが故の、人間かもしれないステイシーや偽のゴレンジャー達とたたかうことへの迷いがあり...と、ステイシーは勿論のこと、召喚されたダミーの歴代戦隊達のことも人間かもと想像し手が出せなくなるというところまで強調し、ガオーンの人間好きを優しさの伺える良い方向に際立たせたのは良かったところでしたね。ゼンカイジャーでは戦隊のあるあるを介人達が知らないことを前提とした上でメタ的にネタにすることがたまにあったけど、今回「敵が召喚する存在は大抵中身のない偽物」というあるあるをこういうアプローチで活かしてくるとは思わなんだ
また、ガオーンがジュラン達キカイノイド組の仲間達をちとぞんざいに扱うことに関しても、
自分達と違って人間は壊れやすい=キカイノイドは頑丈というところから、自分もジュラン達も少しくらい危険な目に遭っても大丈夫であり、だからこそ簡単にはやられないと信じてる、というキカイノイド嫌いのガオーンがジュラン達を一緒に人間を守る同志と幾らか認め歩み寄った上で示していた不器用な信頼というところに繋げたのも非常に巧かったなと。
ジュラン達も最初気付かなかったみたいにすごーく分かりにくくめんどっちい示し方ではあったけど、ガオーンのキカイノイド嫌いな一面やその振る舞いを大きく崩さないながらも少しずつ軟化してると示す描き方として絶妙だし、彼が人間とキカイノイドという両極な線引きを基にトジテンドも支配される民衆達も自分も込みでキカイノイドを嫌ってたところから、ジュラン達や自分のことを「その頑丈さで人間達を守ることができる存在であり、心置きなく一緒に戦える仲間」と見るところまで行ったという、特別な線引きを持てるようになったとして、さり気なくガオーンの精神的進展としたのも凄く好きなところでしたね。この辺の複雑な内面描写は流石の香村さん
またガオーンのそんな「キカイノイドに対する信頼」をさり気なく物語上で強調する描写として、ジュランにガオーンの想いを気付かせたヤツデ婆ちゃんがジュランの胸を鈍い金属音を響かせながらガンガンと叩くシーンと、ガオーンが僕達は頑丈と言いながら自分の身体をガンガンと叩くシーンを連続させるという構図をいれたのが、キカイノイドという存在を上手く活かした凄く象徴的な演出でまた巧妙。これ凄く天才的な演出だと思いますね...こうしてジュランがガオーンの想いに気付き、みんなで戦いに赴くとこまで込みで、キカイノイド組引いてはゼンカイジャー全体の絆をグッと深める流れとして綺麗にまとめてて最高に良かった
しかしガオーンのこの複雑な心情の気付いてさり気なくジュランに示してみせたヤツデ婆ちゃん、素敵。
このガオーンの一連のシーンはどれも良かったけど、やはり個人的に好きなのは介人と肩を並べてベンチに座って話すところ。Twitterでも演者さん達に語られてた部分ですが、悩むガオーンの感情を髪を振り乱す豪快な動きや細かな仕草で表現した蔦宗さんと、安定したアフレコでその感情の機微まで映像に落とし込んだ梶さんの喋りがあって、後ろ姿からもどことなく抱え込んだ色んな想いが窺えた良いシーンでした
終盤の巨大戦では2体のゼンカイオーvsキカイノイド組に対応するロボの決戦や、分離した4人が巨大なままそれぞれ対応する相手と戦うシーンが迫力満点に描かれたり、まさかの巨大ギアトリンガーでのバズーカ発射でフィニッシュしたりと、面白い画が沢山で見応えがありました。戦隊お馴染み必殺バズーカ要素ここで出すか...w てかその前段階の「もっとデカくなって踏み潰したろ!」もおかしいけどw
そしてラストには、ステイシーザー怒涛の召喚ラッシュで無数の歴代ロボがジュラン達の眼前に立ちはだかるという、1桁台の段階の話数で繰り出されるもんじゃねぇレベルの豪華な構図のお見舞い。ほんと出し惜しみねぇな...!
以上ゼンカイジャー7話、ステイシー参戦により波乱巻き起こる戦況、というところから、ステイシーザーの凶悪無比な召喚攻撃の豪華な絵面や彼のキャラクター性など大いに盛り上げてきたのが面白かったですね。気になる伏線も含めて彼には今後もバンバン登場して掻き乱してほしいし、ガンガン掘り下げてほしいところ。
またガオーンの内面について、人間とキカイノイドという種族の線引きからくる彼の優しさや、共に戦うキカイノイドの仲間達との交流を経て手にした新たな価値観・線引きから生じたジュラン達への信頼が描かれて彼のキャラがグッと深まったのもグー。香村さん脚本ということで元々信頼感は大きかったですが、キャラクターの掘り下げを段階を経て丁寧にしてくれるという期待がより高まりましたね。序盤は香村さんがしっかり参加し脚本を引き締めてくれるそうなのでこれは非常に楽しみ!
さて次回、この大混戦の中で更に参戦してくる者とは...!?これ以上ややこしくするな莫迦!!
というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます
次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!
ではまた