AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

ドグサレマスター宣戦布告

仮面ライダーセイバー

第36章「開かれる、全知全能の力。」

感想レビュー

 

 

戻ってきた錫音に頬擦りするという大秦寺さんの剣大好き変人な一面が久々に描かれるちょっとコミカルな一幕があって面白かったけど、あんなじっくりと剣に頬擦りしたら顔切れるぞ大秦寺さん() 頬擦りに合わせてずっとシャリシャリと音が鳴ってたし...

 

全知全能の書の力の一部を手にした現マスロゴが仮面ライダーソロモンへと変身、更に世界に向けて宣戦布告したのだった、というクライマックス感高めな雰囲気を纏ってきた今回。

世界を守るという使命への退屈さと、強大な力の存在を認めながらもそれに手を伸ばさず使命を全うしようとする自身の一族への嫌悪から、全知全能の書の力で世界を闘争と混沌に包もうとしている、という現マスロゴの目的や思想が明らかとなり、その根幹に満ちる狂気も存分に描かれいよいよもってラスボス感が極まってきたなと。

ただやっぱりなんか小物感は濃いというか、やべぇことを始めた感がここにきても尚感じにくいのはちょっと現マスロゴの悪役としてのキャラ立てにハマれなかったのが大きく響いたな、とは個人的に思ってたりもする。

相馬さんの振り切ったクレイジー演技は素晴らしいんだけど、言動といい演出のされ方といい目的といいコテコテすぎて逆にインパクトはイマイチというか...キャラは濃いのよ、濃いんだけどな...自分の好みによるとこも大きいと思うけど、ラスボス相当のキャラがヒャハハハハ-!!的な方向にキャラ付けされるとちょっとあー...ってなっちゃうし 正体が分かってなかった頃の初登場第23章において、飛羽真に禁書を手にさせようと接触してきた時みたいなちょっと優男風なイメージで、イカれた目的や思想をもっと爽やか・涼しげに話す感じのキャラだったら個人的にはもっと好みだったかな、とは思う(第33章での「朝の小鳥の囀りが、人々の悲鳴に変わる...楽しいと思いませんか?」って青空の下で爽やかに言ってのけるあの空気感は静かな狂気が感じられて画的にも凄く好きだったので)

全世界に向けて戦争をし勝った者だけを生き残らせると宣言する場面も、現マスロゴの演説の迫力はあったんだけど、それを受けて恐怖・絶望する人々とかが描かれないせいで脅威度が感じづらいってのがあったしなぁ、と。今後描かれるかもだけどせっかくの本格的に動き出した現マスロゴのデビュー戦回だったわけだしここでそれを強調しとかにゃ

 

まぁそれはともかく、現マスロゴが変身する仮面ライダーソロモンのデビュー戦の見応えはあったので十分魅せはあったかなと思いますね。5人ライダー相手の大立ち回りや特殊能力持ちの神代兄妹圧倒などしっかり格は見せたと言える キングエクスカリバーが基のデカ目な剣カラドボルグを振るうパワフルなアクションも効果的だった

オムニフォースWRBはエックスソードマンよろしくページが幾つも展開し技をいくつも発動する方式になってたけど、視聴者の情報を統合した感じ各ページが神獣・動物・物語と各WRBのページと同じ感じになってて所謂「全属性」的な感じみたいですな ここはラスボスぽくて実に好み 最終盤の戦闘をしっかり盛り上げていって欲しいですねとはいえソロモン(+ストリウスやカリュブディス)だけで味方側の大人数のライダー達との戦闘の画を持たせるのは正直飽きが来るかもだし、どこかで変化も欲しいところ 演出でしっかりカバーできるなら良いが

 

そんな現マスロゴの本性と暴虐を目にし、代々マスターロゴスに仕えることを使命としてきた神代家の誇りに賭け神代兄妹は現マスロゴに反旗を翻す、というところで神代兄妹も共に戦う流れが描かれました。神代兄妹の仲間入りに関しては、前回も述べた通りもっと深く掘り下げていくべきであろうところをすっ飛ばしたのに早速共闘してるらしいということでちょっと否定寄りな考えでしたが、実際の本編ではあくまでマスターロゴスに尽くし組織を支え敵を討つことが信念、と定義付け、反旗と飛羽真達との共闘を形として違和感なく描いてたので一安心でした。

でも玲花のブラコンシーンに綺麗なSE入れてなんとなくコミカルに見せ、仲間入りして良い空気感にするのは力技すぎませんかね!() 忘れてないよ新章入ってから悪役感高めにノーザンベース側の空気とんでもないことにしてくれたこと

お世辞にもキャラ描写の多い扱いではなかった凌牙は寧ろそのおかげで今まで「組織・マスターの裏切り者の掃討」に励む姿がフォーカスされてたので今回の反旗・共闘の流れに至る心情や信念が彼個人のキャラクター性として一応綺麗に収まったけど、玲花はノーザンベースを掻き乱してた頃の悪印象が濃すぎてスッと立場を替えさせるには無理があるでしょ...というのが正直なところなんですよねぇ(あの暗躍を「正しいと思ってやってた」とするのはタイムジャッカー介入ばりの矯正力がなきゃ厳しいぞお前) この辺は平成ライダーでよくある「後々このキャラどう動かすかは当時ハッキリしてなかった」パターンもあるのかもですが、それならもっと融通利かせやすいキャラ付けしといても良かったんでねぇかなとも思うわけで(暗躍期の玲花はあの時期単体で評価しても無表情で淡々と場を引っ掻き回すキャラって感じで正直面白味には欠けてたと思うので、そこも込みで個人的にはもっと声を荒げる一幕とか入れてても良かったと思うんです)

どんとこい、ゼットアンドリュー on Twitter: "最近の玲花は倫太郎と入れ替わる形で組織に疑念を抱き揺れるようになりキャラクター的になかなか面白くなってきたなと思うんだけど、その分新章入ってからのノーザンベース掻き乱してる頃のキャラ付けの弱さは勿体なかったなぁと感じる ただただ場を引っ掻き回す機械的な立ち回りの役割だったしなぁ..."

どんとこい、ゼットアンドリュー on Twitter: "ただでさえヘイト買う役だからそれを補う魅力があれば良かったんだけど無表情で機械的な立ち回りが多いから面白味が少ないし、そのせいで玲花に掻き乱され飛羽真と対立するみんなもあまりカッコがつかないしであの辺のフラストレーションの高さは玲花のキャラの弱さも一つの要因だったなと個人的に思う"

どんとこい、ゼットアンドリュー on Twitter: "自分に反抗する剣士達に「マスターの意志に逆らう気ですかッ」って感じで凄んで剣士達を圧して従わせるくらいの描写を早期から強調しとけば、玲花の実力や組織への忠誠を暗に示しつつ剣士達が組織にしたがって飛羽真と対立しなきゃいけない展開の説得力も増したんじゃないかなと思ったりするのよ"

とはいえ、特殊回避的な能力持ちの2人の連携を敵サイドじゃない感じの演出で見られたのが新鮮みもあって面白かったし、今後の描写に深みを与える期待も込めてこの2人の参入はプラスに捉えておこうかなと

 

またソフィアの前回の行動の理由と併せ彼女の出自が皆に知れ渡ったり、ルナという存在はそもそもなんぞやというのが登場人物達の疑問として触れられたりなど、今回は情報の周知も兼ねた劇中要素の補填的な説明が多く為され、前回の詰め詰めの展開運びにやっとこさひと段落付けられたなという感じです。てか再三念押ししとくが、前回が詰め詰めすぎである

ソフィアが人間ではないことをカミングアウトし一時は騒然とするも、「ソフィアもルナも心があり、普通のホモサピエンス(人間)と変わらない」と倫太郎が優しく受け入れ場を綺麗に纏めた流れは倫太郎の性格の良さが出て非常に良かったですね。てか今回の倫太郎は飛羽真の戦う理由をしっかり後押ししてあげたり、いがみ合っていた神代兄妹との共闘も即座に受け入れたりと安定してカッコいいキャラしてて良き。不安定期を抜けてからは従来の優しさや強さが濃く出て、凄く頼もしいよなぁ倫太郎

 

その他にはしれっと蘇っていたバハトやノーザンベース側に戻ることを渋る蓮(と相変わらず一緒のデザスト)、そして飛羽真に可能性を見つつも変わらない未来に苦悩し自身を犠牲にしようとしている賢人など、様々な人物の人間模様が描かれました。

バハトが退場でないのは良きことだけど、前回の詰め詰めな流れで雑に消されたように見せて今回しれっと生きさせておくなら、前回のバハトは現マスロゴに縛り付けられ動けなくさせられたくらいの塩梅で描いておいても良かったんじゃないかな...と思う けれど現マスロゴの演説に渋い表情をする様はちょっと気になるところ。破滅が目的とはいえ、争う人類の醜悪さへの嫌悪がその根底にあるが故、人類の闘争を楽しんだ上で破滅をもたらそうとする現マスロゴには思うところがあるのかな。ここからの仲間入りは丁寧にやれば気持ち良いかも

蓮は迷いの中にありつつも、飛羽真の強さに今一度向き合おうとしてる様に一筋の光明はありそう、という感じね。デザストとの関係の変遷と併せどう描かれるのか でもデザストとのコンビももう少し見たいよなぁ 落っこちるデザストを慌てて隠すコミカルな蓮や、蓮の迷いを率直に焦ったそうに見てるデザストは面白いからな...w

 

賢人に関してはお前もう早く戻れや!!って感じだよ!いつまで曇っとんじゃお前!!捨てちまえあんなポンコツ予知剣()自分が犠牲になれば飛羽真達が悲しむというシンプルな答えにも至れぬ迷いをもたらす抱え込み病の全快はいつになるのやら...
そんな賢人との会話の中で、ユーリがしれっと飛羽真をワンダーワールドの守護者に据え世界を護ろうと考えていたことを語りつつ、今は飛羽真の可能性がそんな結末をも変えると信じている、とユーリの精神性の成長も伺えたのはグッときたところ。序盤の人間味がどこか薄い様から飛羽真への信頼を濃くしていく姿はコンスタントに描かれてたし、この辺しっかり意識されてて良いねユーリ 果たしてユーリの信じる通り、飛羽真は結末を変えてみせるのか...

 

以上、セイバー36話でした。現マスロゴが本格的に動き出し、各キャラの心情にも描写がフォーカスされるなど、クライマックスへの詰めを感じる回でしたね。飛羽真や烈火の可能性、そして新たな聖剣の存在、と第21章で大秦寺さんが語った最強フォームへの布石らしきものも改めて示され、ここから熱くまとめ上げていって欲しいなと願うばかりです

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた