AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

「あの頃」が みんな幸せと 思うなよ

機界戦隊ゼンカイジャー

第15カイ!

ガチョーン!レトロに急旋回!」

感想レビュー

 

 

待機音声無しのヨホホイダンス、アホほどシュールでダメだった...w

レトロワルドの能力にまんまとハマって巨大戦まで全く身動き取れないままだったし、今回良いとこ無しだったなぁゾックス(

 

どうでも良いけどトジテンド本部でのボッコワウス様の地面叩いて飛び上がらせるダチョウ倶楽部芸に更に磨きがかかってたの面白すぎるんでどうにかして欲しい() これまでもたまに出るたび滞空時間増えてたり連発したりとバリエーション付けてきてたけどこの先どんだけ進化してくのやら...w

 

 

今回の怪人はレトロトピアのレトロワルド。色んな物や概念をレトロにしてしまい、終いには人々を懐古の想いに囚われさせてしまうという凄いんだか凄くないんだかよく分からない能力を使ってくる奇天烈な敵でありました。ワルドが奇天烈なのは今に始まったことじゃないので今更なんだそれとか突っ込む気も起きませんが()

それはともかくとしてデザインは昭和期の緩めな怪人って感じでなかなか味があって良いよねコイツ 漫画的な目が良いアクセントである

 

そんなレトロワルドの能力でレトロさ全開な雰囲気と化した街が今回の舞台。明治〜昭和辺りの空気感を思わせる街並みは「ワープステーション江戸」なるロケ施設のオープンセットが使われていたそうですが、路面電車が風情豊かに走ってたりと空気感の再現度がバチクソに高くて良きでしたな。普通に魅入っちゃいました

個人的にAパートのツーカイザーvsレトロワルド戦の時の法枠工と階段が設置された斜面の下に古げな民家が立ち並ぶロケーションとか凄く絶妙な下町感があって大好き(我が地元の鳥取にそういう場所がけっこうあるので物凄く馴染みを覚えたのもあるw)で、今回全体的にロケ地選びが巧かったのはポイント高いなと。ワルドの能力の効果を意識した絵作りに毎度力が入ってるとこはやっぱゼンカイジャーの好きなところである

 

と世界がレトロに染め上げられる中、今回ゼンカイ世界の人間とキカイノイド達は速攻で順応。けっこうなことが起こってるはずなんだけど、大多数がシンプルに昔を懐かしむ程度で済まし、若者達も「レトロ可愛い〜!」でスッと受け入れていく様は最早様式美。w(昔の様式にすぐ馴染むのはともかくなんで紙芝居の屋台引いてる人が速攻現れてるんだよ!!!) 

やっぱゼンカイ時空の人達はおかしい(

またレトロワルドの能力の影響でメインメンバーがそれぞれ時代を感じる出立ちになってたのも面白かったところ。w 昭和のスター感ある衣装が似合いすぎてる介人のポテンシャルよ(半田健人さんみたいって色んな人から言われてるので笑った) さくらももこ作品感ある衣装のマジーや、金田一的な着こなし(いかつい)のブルーンとか色々ギリギリな気がするがそれは良いんだろうか()

 

そんな中、引っ越して知らない場所と知らない人々という環境に戸惑う少年・諒と、彼に優しく寄り添うヤツデ婆ちゃんの温かで笑顔溢れる交流が描かれ、ここは榊原郁恵さんの優しく懐の深い様が出た演技がヤツデ婆ちゃんのキャラにガッチリハマってとても味わい深かったなと。自分もおばあちゃん子みたいなとこあるんで、ああいう凄く優しいお婆ちゃんが子供に寄り添って一緒に何かを楽しみ子供も笑顔になっていくみたいなシーンはなんか心に沁み入るものがあって好きなのよ...なんなら記事書くための2度目の視聴の時特に何ということもなく涙腺が緩んだし

両親がいなくなった直後の介人を「別の世界で研究を頑張ってるはずの両親が戻ってきた時のために、自分達も全力で楽しく生きてやろう」と励まし、それが彼の気力になった(介人が色んな世界初に挑戦することの原点はヤツデ婆ちゃんにあったのかもなぁ、とも思ったり)というエピソードが介人から語られたりと色んな側面からヤツデ婆ちゃんのキャラが味わい深く掘り下げられた回になって実に良きでしたね。ヤツデ婆ちゃんの豪快なところは介人に似てるよな、と感じてた身としては、ジュラン達の視点から見てもヤツデ婆ちゃんは介人そっくりだと言葉で語られたのも何気に嬉しいところ

 

さてそんなヤツデ婆ちゃんと思わぬ絡みを見せたのは、前回大敗を喫して若干ふて気味のステイシーくん。一目見てヤツデ婆ちゃんに惹かれるものを感じたような描写があった時は(熟女好きか...?)とかクッソ失礼なこと一瞬考えちゃったけど(ゴメンな!)、どうもヤツデ婆ちゃんの雰囲気に自身の母親の面影を重ねた、ってことみたいね 親の愛の喪失で荒れるステイシーくんにとってこの出会いがどう影響していくか...ヤツデ婆ちゃんが拠り所になったりすると良いなぁ

しかし彼がヤツデ婆ちゃんにたった一目で惹かれる様は見ようによってはちょっと意味深でもあるので気になるところ。ヤツデ婆ちゃんからすぐに母を連想した辺り何か雰囲気的に通ずるものがあったんじゃないかな...と(まぁ普通に彼女の優しい雰囲気に母と重なるものがあった、で通用するシーンでもあるので、後々どっちに振っても良いバランスで描いたって感じととっておいた方が良いよね)

てかステイシーくん、お母さんのことは「母上」って呼んでんだなぁ。真面目な感じあってちょっとかわいい

 

中盤、上記のレトロワルドの能力で皆が昔に思いを馳せ生きる気力を失っていく中、ジュラン達キカイノイド組が

「あの頃は良かった...」

「あの頃...?」

(キカイトピアでの各々大変だった日々を想起)

「良かった『あの頃』なんて無ェッ!!」

という流れで復活!!!「昔がどうこうじゃないんだ!今だって凄く幸せだ!」という感情に重きを置いて復活するとかでなく「俺らは昔幸せじゃなかったんだよ馬鹿!!」で復活するこのとんでもない身も蓋も無さ、物凄くゼンカイジャークオリティで笑った。w 諒の姿にかつてのなかなか話に加われなかった頃の自分を重ねるマジーヌが地味に伏線だったとは。「みんながみんな、昔が幸せだったと思うなよ!!」を敵への反論にするヒーロー、色々どうかと思うぞ!()

しかし今回の作戦、「過去への思いに囚われることによる人々の無力化」を狙いとしてゲゲが立案・実行したものだったのに、ジュランとブルーンがトジテンドに虐げられてた過去をトリガーとして復活、とトジテンドの支配が回り回って彼らを目覚めさせたの、あまりに皮肉である

でもジュラン達が介人達と出会えた今の方がずっと幸せと思ってくれてること自体は素直にちょっとグッとくるポイントでしたな。ブルーンが「これからもっともっと沢山のことを知るのが楽しみなんです!」と張り切るのもらしくて好き

 

戦闘シーンでは立ち上がったキカイノイド組4人を主力としたアクションが展開。キカイノイド組特有の工夫を利かせたアクションや久々のゼンカイ空間展開など、なかなか見応えあって良かったです ゼンカイ空間割と久々よなと思ったけどよく考えたら最近はずっとツーカイザーが出張ってたからってのもあるよな、と。そう思うとゾックス/ツーカイザーがここ最近急速にゼンカイ時空に染まって戦闘でも一強になりにくくなったのは良いバランスの取り方とも言えるわね

巨大戦の方は、古民家のミニチュアが立ち並ぶ広いセットでの戦闘というシチュエーションが昭和のウルトラシリーズの戦闘シーン感あったのが何気に好きなところ(セピア調でちょっとざらついてる画面の質感も相まって余計に)

まぁ巨大戦に関しては怒涛のレトロワード無差別連打がシュールさ濃すぎてそっちに色々持ってかれたけどw 特に何の意味もなかったどころか、向こうが何してくるか読めなくなってダイレトロワルドが自分の首絞める結果になってたの草過ぎる

 

てかダイレトロワルドが唐突にぶっ放した某光の巨人の光線感バリバリの光線攻撃、確信犯すぎてダメだろアレ!!!(リアタイ時アレが繰り出された瞬間素で噴いちゃったのよ)

腕をL字に組むポーズは勿論のこと、エフェクトがあまりにもそれだったのが余計にひどいんだよなぁ...w エフェクトの質感再現のクオリティが無駄に高かったのもまた() ニンニンジャーでレオのグングンカットっぽい演出したこともあったけど程々にしとけ東映(

 

 

以上、ゼンカイ15話でした。レトロワルドの能力によるレトロな世界の表現の力の入りよう(やりたい放題のカオスっぷりとも言う)に大いに楽しませてもらった回になりましたw また諒と優しい交流を深め、彼に新たな地での人との交流に自信を与えてあげたヤツデ婆ちゃんの優しさも光り、思わぬヤツデ婆ちゃんメイン回となったのも良きポイント。介人達を支えるベテランの一般人枠として凄く味のあるキャラを見せてくれて実に良かったなと。

そんなヤツデ婆ちゃんに母の面影を重ねたステイシーくんという気になる描写もあり、ここがどう舞っていくか楽しみなところ 次回予告で既にゼンカイ時空に染まったステイシーくんを見た気がしたがそこは一旦置いとこう()

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた