ゾンビランドサガR(リベンジ)
第11話「たとえば君がいるだけで SAGA」
感想レビュー
お前らが佐賀の光になるんじゃいこの家なきゾンビィどもォ〜!!!
な第11話。泣いたぜ...
前回のラストから引き続き、突如佐賀を襲った大災害により屋敷ごと海に投げ出された上、漂着した後屋敷の崩壊により住まいを(物理的に)失う羽目になったゾンビィ⤵︎どもの困惑からスタートした今回。しかし前回ラストに流れた予告の時点で既に示唆されてはいたけど、だいぶ洒落にならない大災害起きててビビったな...
マスターが相変わらず「令和の世に佐賀を襲う呪い」「平成の終わりまでにケリをつけられなかったツケ」みたいな表現してて、来たる破局が佐賀に訪れたという感じだけど、これだけ決定的なことが起こってるとなるとマスターの言う「呪い」がやっぱり抽象的な例えではなく、明確な概念を表すものなんじゃないかと思えてくるなと。その実態については現状の情報だけだと推測する他ないわけだけど、これについてはいずれはっきり語られることはあるのかな?次回で最終回ですよ!?
行き場を失ったフランシュシュの面々は成り行きから被災した住民達の避難所となったショッピングモールへと避難。そこで未曾有の事態を前にして人々が表情に暗い影を落とす中、そんな彼らの心を支えようと、共に助け合う仲間として、そしてアイドルとして自分達にできることをする彼女達の姿が描かれました。最初は色々な作業の手伝いから始まり、次第に苦境の中で不安に駆られる人々の姿を見て、そんな彼らに笑顔を与えるべくパフォーマンスで皆を励まし始めるという流れは、彼女達がいついかなる時も「アイドル」としての本懐を為そうとする様が窺えて良きでした(子供達が主に不安で苦しんでいるという中で、リリィが子供達の注目を集めた第5話のスキャットパフォーマンスで先陣を切り子供達に元気を与える、というのも流れとして絶妙でおおっとなったところでした)
因みにフォロワーさんや他の視聴者さんが仰っていたポイントなのですが、フランシュシュがショッピングモールを訪れ、人々を支え笑顔にしているというこの一連の流れにおける構図と展開が、「人々の避難しているショッピングモールへのゾンビの襲来」というゾンビパニックものの定石の踏襲、および「ショッピングモールにいる人々がゾンビに襲撃され阿鼻叫喚となる」という型・常識の破壊になっている(意訳)というのは言われてみてあっ確かに...!となかなかに感心したポイント。ゾンビもののお約束のオマージュと型破りを自然な流れで同時にこなしつつ、それでいて本編の展開は「アイドル」という他の主要要素をグッと押し出した本作だからこその熱い展開になっているという非常に巧みな作劇、これは何気に今回秀逸だったところだなと思います。ほんとゾンビランドサガという作品は、「アイドル」「ゾンビ」といった作品独自の要素一つ一つに誠実に向き合い真っ当に昇華させつつ、ここぞの部分ではその型を上手い具合に破ってそれぞれを絡め合わせる形でゾンサガならではの魅力や感動を生み出しており、話作りの巧さが光ってるよなぁ、と。天才的ですよ...
思えば1期第4話も「製薬会社というゾンビものの黒幕としてよく登場する要素が顔を覗かせながらも、実際のところは製薬会社の重役がゾンビィ⤵︎どもに恐ろしい目に遭わされる羽目になる」というお約束の踏襲と破壊、そしてコメディ色という本作の強みをプッシュする話になっていたなと感じられるところであり、今回の話に通ずる部分があるな、とも。
そしてフランシュシュの面々のゾンビとしての姿が人々の前で露わになるというピンチの中、自分達を支え喜ばせてくれた彼女達を恐ろしい「ゾンビ」ではなく、「フランシュシュ」として受け入れる子供達の純粋さが救うという展開、これがめちゃくちゃに沁みた...!
歌と踊りを精一杯に届け、人々を勇気づけ、笑顔にしてきたさくら達は、ゾンビという存在を超え、人々に希望の光を示す「フランシュシュ」という新たな存在になったんだな、と胸に込み上げるものがありますね...子供達の言葉を受けて、目を輝かせ喜びを噛み締めるさくら達がまた良かったなぁ 観客の前では明るく振る舞いながらも、背を向け顔が見えないところでは誰よりも目を潤ませ笑顔を湛えていた愛が特にグッときた。フォロワーさんが仰ってたように、復活したての頃ゾンビとしての素顔を恐れられた経験があった故に、同じ姿を受け入れられた嬉しさが大きかったんだろうなと思うし、ただのゾンビでも、忘れ去られていく過去の存在でもない、今ここにいる自分達をみんなが見て受け入れてくれていることへの喜びもあったんだろうとも思われるのでほんと彼女の想いは想像すればするほどたまらんな...
かつて舞々も佐賀はみんなを受け入れてくれる的なことを言ってくれてたけど、しっかりそうなったなぁ...泣ける
かくして、「フランシュシュ」という概念そのものにグッとクローズアップし、さくら達が佐賀に敢然と輝く唯一無二の存在「フランシュシュ」となったと示すこの展開は、クライマックスのこの大きな局面を彩る素晴らしい展開になったなと。いやぁ良かった
前回までフランシュシュの存在に会議的だった大古場さんも、色んなリスクを背負いながらも純粋に想いを届けようとステージに立つ彼女達から何かを感じてくれたようだし、ここから次回、どう動いてくれるか楽しみである
そして今回の話の最大の主役と言っても過言ではない男、巽幸太郎。
絶体絶命の苦境でも決して諦めず生き、ここにきてのまさかのキャラクターソング(宮野真守さんのガチ歌唱が沁み入る...)をBGMに、ボロボロになりながらもフランシュシュの皆の下へと駆ける一連のシーンは、幸太郎の想いをフルに感じられる凄く熱いシーンとなっていて心揺さぶられたし(ボートレーサーとして再起したミサがその技術を活かしこの危機下で物資の運搬に駆け回っているという巡り合わせが描かれたのも好きなところ)、みんなのところへ辿り着いてからの、一人一人に向き合いメイクをしながら、いつもとまた違った優しい雰囲気で、真剣な言葉により彼女達を鼓舞する様子も、彼がフランシュシュと共に為そうとしているリベンジに賭ける想い、そこに抱く彼女達への信頼が見えてくるようで凄く魅入ったし、と今回の幸太郎のシーンは巽幸太郎とフランシュシュが築いてきた繋がりの強さが見えてくるようでもうたまりませんでしたね...キャラソンの曲調と合わせ幸太郎の真剣な姿が泥臭く描かれる前者のシーンとか、台詞ほぼないながらも幸太郎の熱さが伝わってきて自然と色んな感情が湧き上がる演出になっておりとても大好き。
からの、おそらく視聴者が満場一致で選ぶであろう今回の白眉たる、さくらと幸太郎のやり取りのシーン。ここが、ここがもう最高だった...!
月明かりを背に、幸太郎に向け感謝を述べるさくら。
「今まで幸太郎さんが諦めずに...あ、諦めたこともあったけど、それでも今日まで引っ張ってきてくれたけん、ここまでこれました
私が愛ちゃんを見て感動したみたいに、私ば見てアイドルになりたいっていう舞々ちゃんみたいな子にも会えて...それになんていうか、大雨の被害はがば大変かけど、この避難所でパフォーマンスして、私がゾンビになって、みんなと歌う意味みたいな...そういうものば、感じました
やっけん、その...幸太郎さん、
私を!アイドルにしてくれて、ありがとうございました!!」
さくらの思わぬ言葉と笑顔に、思わず言葉を失う幸太郎。その心に浮かび上がるは、かつての日々の記憶。
「ありがとう、乾くん!」
自分に笑顔と感謝を向けてくれた、夢半ばでその生涯を終えた少女の言葉。
そんな少女の夢を叶えるため、抱いた決意。
「たとえ誰に恨まれようと
たとえ神や悪魔が相手になろうと、
俺はやる!」
さくらに向き直る幸太郎。
「俺は...
俺は......!
俺は持ってると言ったじゃろがァァァい!!
いいかさくら!あの時、持ってないと言ったのは嘘じゃい!
お前達フランシュシュが存在する限り、俺は持ってる男であり続けるんじゃい!
いいかさくら!!
お前の夢は、駅スタごときじゃあない!!!
お前の、
お前らの夢は!
世界一の、永遠のアイドルになることじゃい!!
いいかさくら!
それが叶うまで俺は!
...俺は、
......永遠に持ってる男なんじゃい」
...もう激熱ですわこれ
泣いたわ...
後ろから月明かりに照らされたさくらの作画の美麗さにもうグッと画面に引き込まれ、更に本渡さんの情感溢れる語りで胸をいっぱいにされたところで、1人の少女のために「巽幸太郎」となると決めた男の決意が映し出される演出、1期第11話でさくらに向けた言葉から繋がる、さくらを、フランシュシュを信じる「巽幸太郎」の魂の言葉が繰り出される、という怒涛の流れ、今までゾンビランドサガを追ってきて感動しないわけがない最高のシーンでしたね...演出がどれを取っても素晴らしかった 因みにこのラストの一連のシーンの作画、お一人の方が担当されてたとのこと。さくらの美しさの表現の理由にはなるほど...となった 素晴らしき名シーンをありがとうございます
「乾くん」の名と立場を捨て、源さくらという少女の叶えんとしていたアイドルという夢のために全てを捧げ「巽幸太郎」となった男のこれまでの戦いが、彼女の心からの「アイドルにしてくれてありがとう」の言葉で報われた瞬間、そしてそれを受け、サングラスの奥の瞳の中で色々な想いを巡らせながらも、「フランシュシュのために戦う男『巽幸太郎』」として振る舞い、必死にその言葉でもってさくらとフランシュシュを鼓舞する姿、もうこれらがほんとにたまらんかったですね。さくら、そして彼女や自分が共に苦難を乗り越えてきたフランシュシュが唯一無二の永遠のアイドルとなって夢を叶える日まで、彼女達を支え続ける『持ってる』男、「巽幸太郎」である宣言する彼の切なくも力強い信念には胸を打たれましたし、「あの時持ってないと言ったのは嘘」という、「巽幸太郎」の立場に関係なく純粋に彼が最初からさくらを信じてたという想いの表れであろう言葉をはじめ、「巽幸太郎」としての言葉の節々に彼の心の奥底の色んな想いが思わず溢れ出ている様には思わず「幸太郎...!」と凄く目頭が熱くなったりと、ここはほんと幸太郎にガッと感情移入しちゃいました
色んな感情が伺える幸太郎の絶妙な表情の感じを描いた作画とか、1期第11話の時と同じく、巽幸太郎としてのはっちゃけた台詞回しを用いながらも節々に想いが滲み出ているのが感じられる宮野真守さんの熱く情緒溢れる演技などの演出も素晴らしく、これらが合わさって繰り出されるこの幸太郎関連の一連の流れはリアタイ時、マジに涙腺が緩んで泣いちゃいましたね...1期の時もそうだったけどゾンサガの最終回1個前は演出と演技が凄まじく強い...!
視聴者の皆様が仔細に書いてた部分なので今更自分が語るまでもないかもですが、色々噛み締めた上でしっかり自分なりの言葉で言語化しておきました
これらのシーン、「巽幸太郎」という男の全てが詰まった最高の名場面でしたと、何度でも言わせていただきます。
改めて、彼はほんと一見いつもちゃけてるように見えるけど誰よりも熱く真剣で、時に脆くもここぞでは凄く強い、人間味溢れる魅力的なキャラクターだな...と実感しました。
超良かった。
こうして迫る駅スタライブ・リベンジ。
こんな時だからこそ、このライブを、このリベンジを通じ、人々に届けなければならないものがある。
最後の戦いは、もうすぐそこに。
以上、ゾンサガR11話でした。もう今回に関しては記事内で語り尽くしたのでまとめることはありません。今はただ、最終回が楽しみです。
フランシュシュは今、新たな人生における一世一代の復讐(リベンジ)にして、佐賀に、佐賀の人々に希望の光を照らす戦いに挑まんとしています。
その勇姿、最後まで見届けましょう。
というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます
次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!
ではまた
次回、最終回。