AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

休みが欲しくて、競い合う。

ウルトラマンコスモス

第11話「動け!怪獣」

感想レビュー

 

 

太古の恐竜・ムラノクラフドンの化石から実体化し工事作業現場に居座る怪獣ムードンを移動させるため...そして来たる夏休みを自分が真っ先に手にするため、TEAM EYESの若造達が珍作戦に挑みまくる今回の話。公的組織なんだから公私混同するんじゃないよ() それでも他の面々の作戦が上手くいきそうだと普通に喜んだり、最終的な手柄はムサシのものだったと客観的に判断したりできてる辺りみんなちゃんとその辺は理性的である。えらい。

 

今回はムサシ達によるムードン移動作戦(と失敗)の模様がはちゃめちゃに描かれる前半パートから、ムードンの背景を解き明かしその気持ちを理解することで救おうとする心打つ展開が光る後半パートという流れが特徴的な話となっており、牧歌的でコミカルなテイストと温かで優しい雰囲気が良いバランスで描かれた面白い回でしたね。コスモスの魅力が詰まった回、とその筋で評価されたりもしていますが、実際「怪獣保護」という独自の要素をしっかり軸に据えた上でこれらの話運びを小気味良く行う感じはたしかにコスモスという作品のテイストがよく表現されてたなと感じます

 

前半パートはZAT顔負けのマジなのかマジじゃないのか分からんような作戦が緩い感じで描かれたりと、今までにも増して作劇がギャグにガン振りされていて非常に画面がやかましかったのが面白かったけど、何が一番面白かったってやっぱりノリが完全にムサシ達に同調していって良い意味でバカになってくフブキ隊員だったなと。w 夏休み消滅の可能性に急に焦り出したり、周囲の頓珍漢な言動に突っ込んだりするテンポ感の絶妙な間が良すぎる...w なんなら市瀬さんがバカンス中のフブキ隊員のイメージ図とか超絶ノリノリでやってるのが余計ウケる() 

ムサシやアヤノ、ドイガキ隊員はこういうコミカルな演出や振る舞いするのが割と自然ではあるから彼らだけでこのギャグパートやるとなるとまぁまぁ平常運転感あったと思うけど、ここでフブキ隊員が盛大にはっちゃけ出したことでギャップ的な面白さが増し一気に引き締まったのが上手かったなーと

しかしアヤノ隊員が繰り出してきた猫じゃらしマシン、一体元々はどんなことを想定して生み出されたのだろうか...w これに予算を下ろす判断したSRC施設部門、だいぶ正気ではなかったのでは() そもそも今回、シノブリーダーが「私は...関西風が好きなの」と急にお好み焼きの好みを自語りしてきたりと全体的にみんなおかしいのだが(

 

そして後半パート、EYESにより作り出された絵と鳴き声で再現された子ムラノクラフドンと邂逅したムードンが、長きに渡り心の底で望んでいた自身の子供との再会に涙を流し、コスモスの力で一時的に実体化した子と手を触れ合わせたことで満足したように光の砂と化し消えていく一連の流れはやはりいつ見てもじんと沁み入るものがありますなぁ...化石としての長い眠りから覚めて、自身の子が側にいないのを感じ取ってしまったムードンの心に深く影を落としたであろう孤独を思うと、あのシーンはこっちも凄く感情移入して見入っちゃうよなぁ(実際母親層からの共感が多かったそうな) ムードンの流す涙とか崩れ落ちて積もってゆく光の砂とか、演出がいちいち美しいのが良い...

そういえばムードンってビジュアル的には凄くシーボーズオマージュな怪獣だけど、実際にオマージュした怪獣だと言及されてる記述を見たことはないので、実際のところはどうなのかなとちょっと気になる。意外とそういうことではなかったりするのかしら

またムサシがムードンに寄り添い語りかけるシーンも、怪獣とわかり合おうとする彼の持ち前の心優しさや、「怪獣の本当の気持ちを理解する」というEYESの一員としての本懐を全うする心意気が感じられ、ラストの作戦実行のきっかけに繋がる流れを作りつつムサシのキャラを良い感じに掘り下げる演出になっていてなかなか好きだったところ。こうして現場で怪獣のことを積極的に理解しようとする姿勢は、第3話の経験を糧にしてる感じがあってなんか良いよね ムサシのこういう大元の良さがしっかり強調されたというところでも今回の話は良かったなと ED中にムサシが夏休みを利用して家族の下へ帰ろうかと語る台詞も、さり気ないながらも「THE FIRST CONTACT」での春野一家の関係というところに触れた演出で実に粋でした。

 

 

以上、コスモス11話でした。ムードンという怪獣の心に寄り添い救うストーリー展開が心を打つ話にして、その中でウルトラマンコスモスという作品が持つ魅力をしっかり強調しているという面白い回でしたね。ギャグと温かなテイストのバランスが良くそこでも非常に楽しめました。崩しに崩しまくったフブキ隊員とても好き。w

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた