AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

フブキデレ期

ウルトラマンコスモス

第20話「ムサシの空」

感想レビュー

 

 

EYESの一員として自分の身も顧みないオーバーワークに励んだ結果倒れてしまったムサシ、そして彼の下に舞い込んだ宇宙開発センターへの異動の話、宇宙への夢と怪獣保護の夢の狭間で苦悩するムサシを中心に描かれた今回の話。ムサシがEYESに入るよりも前に抱いていた宇宙への夢というポイントに今一度焦点を当てるストーリーとなっており、TV本編の前日譚に当たる「THE FIRST CONTACT」にも登場した木本博士が登場し彼との対話が描かれることとも併せ、ムサシのキャラ設定の細かな部分を改めて強調する形で現在のムサシの想いをより深掘りしたのはなかなか面白いアプローチだったなと

木本博士は半分ゲストキャラ的な扱いでの登場だったけれど、夢を追い求め続ける情熱を秘めつつ優しく落ち着いた振る舞いが素敵な老紳士という感じで、この1話の中でとても存在感のあるキャラとして目を惹きましたね。ボルギルスの襲撃に際し開発中のテックブースターを手放さざるを得なくなった時の「機械はまた作れば良いんです」の優しい言い方、人あればこそ夢はいつだって追い続けられるという感じの年長者故の落ち着きが感じられてカッコいいんだよね 演じられている藤村俊二さんの温かく深みのある演技と佇まいも合わさってとても魅力的なキャラである 名優だったよなぁ藤村さん...

ムサシの宇宙開発センターへの異転を巡るEYESの面々の姿も今回の話の軸として印象深く描かれており、ムサシがEYESに入隊して仲間達と築いてきた信頼の大きさや、EYESの面々がムサシに対し抱く想いなどを強く実感できたのは良かったところでした。過労から復帰したムサシとドイガキ隊員達が冗談混じりに笑いながらはしゃぐとことか、彼らの関係値が感じられてさり気ないけど良い演出だったわね

中でもヒウラキャップの「ムサシの理想に燃える姿を大きく買いつつも、彼がその理想に押し潰されそうな時には彼を想い敢えて厳しく突き放す」という対応には、序盤の頃よく描かれていた彼のムサシに対する期待と信頼が改めて窺えたと共に、キャップとしての思慮深く大人な部分がよく表れていて非常にグッときたなと。木本博士伝てにその想いを聞いたことによって、ムサシも自分が今本当に真剣に向き合いたいことを見つめ直せたところが大きいと思うので、ほんとキャップはムサシに良き理解者だよなぁと

 

また何気に今回、ムサシに対し信頼や気遣いを見せるようになっていたフブキ隊員の姿が多く見られたのがとても良きでしたな 表面上はムサシの無茶を厳しく咎めつつも(これもムサシの無茶が仲間を危険に晒したことへの指摘なのである意味彼と真剣に向き合ってる故の言動と言えるし)彼が異動することに寂しげにしてたり、倒れたムサシを運んだのを隠しつつ密かにそわそわしてたりしてて、最初の頃は軽く見ていたムサシのことをちゃんと仲間として認め向き合うようになったんやな...と感慨深い。冒頭でムサシが倒れた時、何気に誰よりも早く反応して駆け寄るとこが堪らなく素敵

「さってと...エ-ジム行ってきます(キャップに呼び出されたムサシが心配)」

「2人の邪魔になるからダメよ(シノブリーダーの圧)」

「...ナニヲオッシャイマスカァ...別に俺筋トレにぃ...」

「......(無言の圧)」

「.........ほんとに筋トレです(狼狽)」

のやり取りも微笑ましくてとても好き

 

そして終盤での怪獣ボルギルスの保護作戦、様々な危機やアクシデントに見舞われながらも宇宙開発センターとボルギルスの両方を守るために全力を尽くして戦うEYESの面々の姿はなかなかに熱かったけど、ここは最序盤の第2話でゴルメデの保護に失敗しそうになって諦めそうになってた頃の対比が意識されてそうな感じがあってそれがよりグッときますね。第2話では現実の壁に挫けかけていたシノブリーダーが「私達なら、出来る!」って強く言い切るのが凄く燃えるんですよねぇ

守りたいものを守るための最後まで諦めず挑み続ける不屈のスピリッツがこうしてみんなに宿ってるのは確実にムサシの影響が大きいと思うので、今回はムサシだけでなく、ムサシとEYESの関係性というものをこれまでの話を経た積み上げを意識した上で描いた話でもあったな、と感じられますね

 

クライマックスでは怪獣保護の夢を全うするために戻ってきたムサシも加わって、コスモスの活躍もありボルギルスの保護に無事成功。ムサシが駆けつけた時「余計なことを...!」なんて言いながら密かに嬉しそうにしてるフブキ隊員がまた良い コスモス登場後はOPをバックに終始優勢でルナモードが軽やかにカッコ良く立ち回るのが凄く気持ち良かったですねぇ ボルギルスも出番自体は割と控えめな感じだったけど、生態などもしっかりと設定されて描かれており、ドラマ面をグッと引き立てていた良きでした 後にも先にもあんまし見ないタイプの体格の怪獣だから面白いよね

しかし腹ペコで暴れててEYESのプラズマウェーブでも全然満足しなかったボルギルスを向こう700年は満腹が続く状態にするほどのエネルギーをルナモードで放つことのできるコスモス、さり気なく恐ろしいポテンシャルよね...第5話ではカオスバグを倒した時のネイバスター光線の威力にヒウラキャップが震える下りがあったりしたけど、やっぱりコスモスって優しいイメージが濃いけど地味にパワーも凄まじいんだよな

 

こうしてムサシはEYESに復帰。仲間達に再び迎え入れられるとこで締め。ムサシ2度目の入隊記念として全員で写真を撮ったりもして、ムサシとEYESというところに主軸を置いて最後まで気持ち良く描き切ってて非常に良かった

 

 

以上、コスモス第20話でした。ムサシが自身の夢や目標について今一度向き合い再びEYESの一員としての道を選ぶという流れを描くと共に、EYESの面々がムサシと積み上げてきた信頼関係や彼に影響されて得た変化・成長などを序盤との対比になる感じで描いており、この20話の大台にてムサシのキャラクター性およびムサシとEYESの面々の関係という部分に改めて強くフォーカスした途中経過の総括的な話になっており、一つの区切りとして作品をグッと引き締めたドラマがとても面白い回だったなと思います。ムサシがオーバーワークで倒れた、というそもそもの問題へのケリの付け方について少しぼやっとした感じで終わったかな?と感じたのが個人的に少し心残りだけど、ムサシを仲間として気に入っていて仕方がないフブキ隊員が微笑ましかったりとキャラ面の描き方も印象深くて楽しかった

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた