AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

再来・光の巨人伝説

ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA

第1話「光を繋ぐ者」

感想レビュー

 

 

花にルルイエって名前付けるの、やめた方がいいと思うなぁ(ティガ視聴勢からの提言)

 

子供達の「ウルトラマントリガーッ!」のタイトルコールと共に組み上がっていくタイトルロゴや、3方向を向くトリガーのビジョンを背景にサブタイトルが表示されるカットなど、ティガをしっかりとオマージュした演出で平成ウルトラシリーズ世代のテンションを良い感じにあっためてきてくれる抜かりない冒頭、大変胸熱でしたね

 

かくして遂に始まったティガの系譜を受け継ぐ新世代の光の巨人の物語。 やはりウルトラマン新シリーズ第1話はアガるな!という感じでしっかり面白かったですね

 

火星で植物学者として活動する主人公・マナカケンゴが光の巨人・トリガーと出会い大いなる危機に立ち向かう流れを、彼やトリガーを取り巻く様々な存在との絡みと共に描き出すまさに導入といった感じのこの第1話。人類の居住区としての開拓が進み市街地も発展している火星という描写は、ティガの続編である「ウルトラマンダイナ」およびその後を描いた「ウルトラマンサーガ」の描写と通ずる部分があり、ネオフロンティアスペースと直接の繋がりこそないものの、この2021年に送り出すティガの系譜を継ぐ作品の世界観をしっかり踏襲していて実に粋でしたね。

主人公・ケンゴは、植物の根付かない火星の大地に見た人を笑顔にさせるような花を咲かせること、引いてはみんなを笑顔にすることを夢見る、夢にひたむきな心優しき青年という感じで、トリガーの石像を前にした時などに弱々しい悲鳴を小さく上げたりと良くも悪くも荒事に慣れていない一面を覗かせつつも、ゴルバーの攻撃で危険に晒される母を心配したり、トリガーの石像を傷付けるカルミラに物怖じせずやめろと勇んだりとここぞで勇敢さが押し出されており、ヒーローの素質ある主人公という感じの真っ直ぐなキャラクター性が好印象でしたね。彼がミツクニパパの導きを受けて今まで踏み込んだことのない戦いに赴くまでの流れや内面の動きとかは少々ざっくりしてたかなとも感じるけど、彼の想いがトリガーを降臨させ、新たなる光の巨人伝説のきっかけとなるのは実に熱かったです ケンゴがこれからの戦いの中で何を想い、夢を掴み取るために何を為していくかが今後の肝になりそうですね

ちなみにそんなケンゴがトリガー(の石像)と邂逅を果たす一連のシーンの中に、「ケンゴが地面に空いた光の穴を落ちていきその先でトリガーと出会う」という構図があったのですが、ここがウルトラマンガイア第1話の我夢とガイアの邂逅っぽくてガイア好きな自分としてはなんともニヤリとさせられましたね。そもそも「火星において大いなる危機を前に主人公が光を手にし光の巨人となる」という展開自体がウルトラマンダイナ第1話の流れに沿ったものがあるしで、今回はティガだけでなく平成3部作全体へのリスペクトに溢れていたなと。良いね

 

そんなケンゴを導いた存在であるミツクニパパことシズマミツクニ、柔らかな物腰をしつつもここぞでは力強い言葉でケンゴの想いを後押ししたり、率先して前線に立ちゴルバーを迎え撃ったりと宅麻伸さんのダンディさがハマって実に渋カッコいい大人として良い存在感を発揮しておりました。ハイパーガンを抜いてキーをセットしショックウェーブを放つまでの一連の動作があまりにもカッコ良過ぎて惚れたぜ...(あのシーンは大人的にもガッツスパークレンスのハイパーガンモードで遊びたくなる良い演出だったと思う)

そんなミツクニパパだけど、ティガの存在を知ってるかのような描写があったり、トリガーのことを「光の巨人が...やはりこの世界にも...」と言ってたりと、まるで別世界の存在であるかのような示唆がされていたのが気になるところ。ネオフロンティアスペースから流れ着いてきた存在...ないしはそこでの出来事を知る存在だったりするのだろうか?一部の考察ではキリエル人(の裏切り者・ないしは穏健派)ではないかとも言われており、なかなか興味深いところ

まなしな on Twitter: "見返す度に様々な疑惑が出てきたシズマ・ミツクニさん。温和そうな人物だけどウルトラマンティガ、ゴルザ、メルバの存在を知っていたりティガの回想シーンが「夜の市街地」だったのは深い意味があるんだろうかと色々勘ぐってしまう。 #ウルトラマントリガー"

ザラメ on Twitter: "会長ミツクニさん実はティガの世界から逃げてきたキリエル人説はどうだろう。以前はガタノゾーアの脅威から地球を去ってしまったが、今回はそれに対策するためにGUT-SELECTを設立させた。人間と協力するのはかつて人間と協力しキリエロイドIIを倒したティガの力の秘密を探るためみたいな。"

ザラメ on Twitter: "それで人間と協力するべきだと 考えるミツクニさんの穏健派と 人間と協力する必要はない支配するべきだと考える過激派のキリエル人との対立があり、新キリエロイドが登場するところまで妄想しました。"

前者のティガについての言及も、これ単体だとトリガーの世界にもかつてティガが降り立ったことがあってミツクニパパはその一件から本作の根幹を成す何かを知っていることが考えられ、少なくとも本作において相当重要な存在であることは間違いないなと。どう転ぶかまだ分からないけれど、ケンゴを導き諭した時の雰囲気からして味方だとは思うのが果たして。

またそんなミツクニパパと共に、ケンゴの想いを後押しし、彼がトリガーの光を手にすることも予感していたかのような素振りを見せていたケンゴのお母さん・レイナの存在も気になるところ。これらの要素を見るに名前の感じが「レナ」に近い響きなのも恐らく狙ってのことだと思うし、彼女が物語に今後何かしら噛んでくるのかも目が離せませんね マナカ家のお父様、もしかして「ダイゴ」に近い響きの名前だったりしません...?もしミツクニパパのティガの話がこの世界のことだったとして、もしやそのティガに変身してたのは...ってところでケンゴがトリガーの光を手にしたことに関係してくるのも可能性としてありそう

ケンゴの夢の中、そして現実にも現れ彼を助けたユザレの存在も気になるしで、ここがどう話の中で明かされていくかは見所ですね ティガにも同じようなビジュアル・設定の同名のキャラがいたのでその設定を踏まえてると思うがどうだろうか

 

そして後半にて展開されるトリガーvsゴルバー&カルミラ戦。見上げるような視点からの迫力満点の取っ組み合いや臨場感溢れる俯瞰視点からのバトルがスピーディに切り替わるトリガーvsゴルバーの縦横無尽の360度アングルのアクションや、カルミラに容赦なく痛めつけられるトリガーをぬかるみの泥でこれでもかと汚していく文字通り泥臭い戦闘など、Zやジードでもやっていた手法をガンガン取り入れた坂本監督ならではのパワフルな演出が見応え抜群でここは文句なしに最高でしたね しかしこんな初回からスーツをバリバリ汚していくとは思い切ったなぁ...ボディライン際立つセクシーなカルミラが泥に塗れながら愛憎極まる相手にのしかかり痛めつける絵面は相当監督の癖(ヘキ)が出てる気がします()

そんな戦闘からもトリガーへの愛憎がガンガンに滲み出ていたカルミラですが、目覚めた瞬間にトリガーへの憎悪を振るわせる一方で、目の前のケンゴに全く目もくれずトリガーの石像へ語りかけたり、ケンゴと一体化し降臨したトリガーへ組み付いて「自分に会うために人間を取り込んで復活した」と(皮肉混じりだろうけど)言ってきたりと、トリガーに対するねじくれた愛情も存分に見せつけてくるなど、良い感じに狂気溢れるキャラ造形がされていて実に素晴らしかったですな。演じる上坂すみれさんの演技も、愛憎満ち溢れる鬼女という感じの振り切った迫力ある語気の中に妖艶さを混ぜ込んだ喋りが絶妙で見事でした。既に色んな人が言ってるけど、こんな恐ろしい女にトリガーの姿で降臨したのを理由に付き纏われてしまうケンゴ、あまりにも不憫()

一体化する前も後もケンゴをほとんど眼中に入れず(存在は把握しつつその上でその存在自体をまるで考慮に入れてないとでも言うべきか)、トリガーのガワばかりに囚われてるかのような執着もカルミラの狂気を引き立てていて良いね

そのカルミラに操られ暴れるゴルバー、こちらも重量感満点のパワフルな大暴れが非常に見応えがありよろしかったですね ただまぁ個人的な我儘を言うならば、やっぱり新規の超古代怪獣見たかったよな!とはなる ゴルザとメルバの存在感を仄めかしその合成存在とさり気なく劇中でも示したのは設定描写的に良きところでしたが、それならストレートに2体登場も見たかったな...!とも

 

カルミラとゴルバーの両面攻撃に苦戦させられつつも、トリガーはサークルアームズを覚醒させることで形勢逆転。ここからのOPテーマをBGMにした攻勢展開は、坂本監督お馴染みの盛り上げがバッチリハマって安定の燃えがありましたね。にしてもケンゴがサークルアームズのことに気付く流れで見た、トリガーがサークルアームズを振るうビジョンは古代のトリガーの姿だったりしたのかな、というのが個人的に気になるところ。トリガー変身前に古代の変身者のビジョンを見てたりもしてたし、今後この辺が掘り下げられて欲しい

そしてトリガーは必殺のゼペリオン光線でゴルバーを撃破、カルミラを撤退させ見事に初戦を勝利で飾りました。しかしこのフィニッシュのシーンで、超絶久しぶりに怪獣の人形爆破演出が見られたことが最高に嬉しかったですね!平成ウルトラシリーズにおける爽快感溢れる決着の演出として我々の心を躍らせてくれたあの人形爆破が戻ってきてくれるとは...視聴時に目にした瞬間思わずワッ!と目を見開き大歓喜しましたよ しかも当時は怪獣に光線を喰らわせた後カットを挟んで人形爆破、という流れだったのが、今回はゼペリオン光線を叩き込み終わるのと人形爆破がシームレスで演出されていて当時以上に自然な迫力が生まれていてここに技術の進化を感じましたね...流石

正直もうここだけで今回は100万のお釣りがくるほど満足しました...ありがとうございます坂本監督

 

こうしてトリガーの光を手にしたケンゴはミツクニの推薦により、GUTS SELECTの一員として地球へと向かうこととなった、というところで今回は締め。

 

 

以上、トリガー第1話でした。いやぁ面白かった!放送前はティガの系譜を継ぐというところで期待半分不安半分な感じが全体にあったけれど、迫力の戦闘や伏線を多く散りばめたストーリー展開など、しっかりと楽しみ溢れる初回で出だしは上々でしたね かつてティガという作品が打ち出したインパクトを今の世で再現する、が本作のコンセプトの一つとのことですが、ティガ、引いては平成ウルトラシリーズの持ち味を受け継ぎつつ、完全コピーではなく現代ならではの独自の面白さも多分に含んだ、平成ウルトラシリーズに親しんだ人々も今の世の子供達も楽しめる魅力があったと思いますね

ケンゴがこれからどのように夢を実現していくのか、物語の全貌とは、闇の巨人達との戦いの行方は、など見所たくさんで、これから存分に楽しんでいこうと思います

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた