第36幕「閉幕」
振り返り感想
「人の人生とはなんと不可思議なものでございましょう。人と人との出会いや、そこでなされる行動は、複雑に歯車のかみあう、まさにからくりのようではありませんか。
そしてまたそれらから生まれる「喜び」「悲しみ」「争い」「和解」の感情は、あたかなも芸人達が舞い飛ぶサーカスのよう。
人の歯車はからからと互いを回し、人生というサーカスを演じてゆくのかもしれませぬ。」
「だからこそこの、からくり仕掛けのサーカスは、また一時閉幕をするのです。」
巡り来る
次の開幕に向けて
さあ、君は
君にサーカスに、
↙︎ ↘︎
とびこまない とびこむ
前回の更新からとてつもなく間が空いてしまいましたがようやくアニメからくりサーカス、最終回の記事更新と相なりました。再放送された最終回自体はとっくの昔に視聴してたんだけどゾンビランドサガにお熱で全然書く暇がなかったのだと言い訳させてくれ(
からくりサーカスは原作・アニメと合わせてこれで3、4周はしたかという感じですが、やはりこのフェイスレス/金の勝との一連のやり取りや彼が自身の過ちや様々な人々の想いに向き合っていく様、勝達のその後を描き出す大団円...そしてカーテンコール、というこの締め括りは非常に熱いな...となりますね。
この最終回から感じるところとしては、本作はやはり白金という男が些細なきっかけから愛に狂い、世界を災厄に包んでいくところから始まり、そして様々な者達の想いや姿を通じて自分や他者の心を理解し、慈しみを得て自身の過ちを悔やむに至るまでを描く物語、つまりはある意味で白金/フェイスレスをもう一人の主役とする壮大な舞台劇でもあったなぁ、というところなわけですが、アニメにおいても勝達をはじめとしたキャラクターの物語と並行して、白金/フェイスレスの執着や心の歪みといった背景、キャラとの関係性をしっかりと押さえて本編を描いてきたからこそ、この最終回で彼が勝との対峙などを経て、愛する誰かのことを想うことの意味、何かを自分の思うままに独占しようとすることの愚かしさ、弟を支え共に歩もうとする兄の気持ちなどを理解し、最後に大切な存在であった兄へ全てを懺悔して哀しき歴史に終止符を打つ流れがしっかりと印象深いものになってたのはとても良かったですね。いつものようにおどけて笑いながらも、瞳からは自身の愚かしさを悔いるかのような涙が一筋零れ落ちている、というあの金の内面を絶妙に表した最期の表情の画も綺麗に描かれていてグッドでした
次第に落ち着きのある喋り方へとシフトしていく古川さんの演技も味わいをグッと深めていて、総じてあの一連にシーンはほんと満足度とても高かったなぁ...としみじみ。古川さん、白金/フェイスレス役として素晴らしい演技をしてくださってありがたい限りである
そして勝が世界を救ったその後を描くEDパート、ここは前述の金と勝のやり取りにしっかりフォーカスをした分けっこう尺を巻きに巻いており、鳴海兄ちゃんとしろがね、および勝の描写はきちんと過不足なく描けてたものの、ミンシアや仲町サーカスの描写は総カットだったので正直最後の最後で勿体なかったなぁと感じる。まぁ平馬や涼子、三牛親子がいない状態で仲町サーカスのエピローグやっても若干味気なさはあっただろうし、それでミンシアだけその後をピックアップしてもちょっと浮いたかもな...と思うのでアニメの構成的にカットは英断だったかも、とも。ここは難しいところだなぁ
とはいえ、勝がかつて自分を救い励ましてくれた鳴海兄ちゃんと同じように1人の少年を救い励ますという、「からくりサーカス」という作品の一つの軸になっていた勝の成長の物語の集約と新たな物語の開幕を象徴する構図での締め括りはやはりアニメでもグッときたので、観終わった後の爽快感は文句なしですね。歯車がまた新たな歯車と絡み合い、また別の物語=舞台の幕が開いていくというのが実に本作らしいよなと
そして、「からくりサーカス」という『舞台劇』の締めとして最後に描き出されるカーテンコール。舞台を織り成してきたキャスト達が舞台上の敵味方の役を越えて揃って手を取り合い、笑顔で観客に最後の挨拶をして幕を閉じる、という『舞台』を一つのテーマとしてきた本作だからこそより際立つものがあるこのラストシーンは原作漫画で読んだ時も唸ったものですが、アニメからくりサーカスという舞台劇でもきちんとこうして終わりを飾ってくれたのはとても嬉しかった。全ての演目を終えた静かな舞台のカットが一番最後に来るあの風情も好きなんですよ...本放送当時はカーテンコールちゃんと描くかちょっと心配だったから、よくやった!という喜びもあったなぁ
原作漫画に比べるとカットの関係とかでキャストは減ってるものの、それがかえって「『アニメ からくりサーカス』というまた別の舞台劇の締め」としての味を深めているし、アニメとして映像化されたことによる彩りの増し様、しろがねの歌のアレンジインストをBGMにして描くという粋な演出なども相まって、原作とはまた一味違う感動があったのも凄く好みなポイントですね。いやあ良かった
以上で、自分のアニメからくりサーカスの全話の振り返り感想も締めとなりました。最後の最後でちょっと散文じみた記事になったかもだけど勘弁して(
なんか改めてじっくりと「アニメのからくりサーカス」というものに向き合ったからこその感動や、その中でもやはり見えてくる原作漫画の偉大さなんかを実感することができて、とても意義のある振り返り感想だったなぁと。アニメもアニメで良いものだったよ
とはいえこれでからくりサーカスという作品の魅力に迫り切れて、伝え切れたとも思っていないので、もし暇なんかがあれば原作漫画の方のからくりサーカスのレビューなんかもいずれ出来れば良いなぁ、なんて思ったり。できると良いな
ともあれ、長らくお付き合い頂きありがとうございました。少しでもからくりサーカスの魅力を共有したりできてたら嬉しいです 本当にありがとう。
というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます
次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!
ではまた