AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

人間の勇気と強さ

ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA

第17話「怒る饗宴」

感想レビュー

 

 

圧倒的な猛威を振るうメツオロチを打ち倒すため奔走するGUTS SELECTやウルトラマン達の戦いを描いた今回。

全体的に特撮面ガン振りといった趣のエピソードとなっており、メツオロチの威圧感たっぷりな怪獣然とした進撃や、ナースデッセイ号およびガッツファルコンの不時着・墜落のシーンの3DCGを使った迫力ある演出など、見応えある映像が沢山あってなかなか燃えましたね。特に後者は飛び散る瓦礫や粉塵、地面を滑っていくガッツファルコンに押されて地面からめくれ千切れていく鉄柵まで細かに描写されていて、映像表現としてはかなりリアリティあるものとなっていたので凄く引き込まれました。ここは映像表現として素晴らしかったなと

メツオロチの演出に関しては技のエフェクトが少々演出過多な感はありちと盛り過ぎかなとも思ったけれど、中ボス格的なポジションに相応しい圧倒感はしっかり引き出せてたし、爆炎の中を突き進んでるシーンはメツオロチのディテール多めなゴツいデザインも相まって実にパワフルだったしでこちらも満足度は高かったですね。他の方が言及してたけど、元ネタのマガオロチがどちらかというとサンダーブレスターの獰猛さを引き立てる感じの活躍だった分、今回は純粋な大暴れによって存在感を発揮させたのは良かったなと感じますね。カルミラの乱入で尺食った分倒される時があっさりめだったのがちと残念だったが。今回のカルミラ、ほんとにただただ乱心してケンゴbotと化しながら掻き乱してきただけだったし、そのせいでメツオロチとの戦闘の流れが少々ぶった切られたような感じになっちゃったので、わざわざ登場させなくても良かったくない?とは思う

 

そんな迫力ある映像で彩られた今回のストーリーにおいては、GUTS SELECTの面々の活躍がしっかりと印象深く描かれていたのが非常に良かったところ。司令室のレギュラーキャスト陣以外のモブTPU隊員の動きなんかも交えつつ前線に赴いて戦う隊長の姿などをアクティブに描くことにより、GUTS SELECT引いてはTPU全体で戦っているという一体感を創出し臨場感を引き出したり、キャラクターや諸要素を満遍なく引き立たせたりといった絵作りがとても効果的に効いていて面白かったですね。この一連の描写の緊張感がメツオロチの強大さをより印象付けていたところもグッド

ケンゴもガッツファルコンが墜落し万事休すかと思われていたタイミングで、直にガッツファルコンに乗り込みメツオロチの弱点の角をぶち破る大一番を決めるという大活躍が用意されていて主人公らしく実にカッコ良かったところでしたね。GUTS SELECTの一員として、1人の人間としての彼の奮闘が描かれたのは凄く大きい ヒマリのガッツファルコンでの戦闘や第9話のガッツウイングの遠隔操作について、「生身でない分命懸けな感じが薄い」「コックピットでの操縦が描かれないのが物足りない」的な不満がよく述べられていたけど、そのフラストレーションをなんぼか払拭する熱さはあったかなと それに、暴走したトリガーダークの攻撃で撃墜され危うしというところでコックピット内から変身する、という平成シリーズお馴染みの撃墜からの変身の黄金パターンが久々に見られたのも凄く嬉しかったです。最近はバンクすっ飛ばしながらの変身が積極的に織り込まれていたけど、今回はそれをめちゃくちゃ熱く活かしてくれたね

クライマックスには、消耗したトリガーにカルミラが迫ってくるところで、GUTS SELECTの面々が総出でトリガーの前に銃を持って並び立ち牽制するという構図も展開され、ここはトリガーと共に並び立ち戦う者としてのGUTS SELECTの存在感も引き立って素直にグッときましたね。ウルトラマンという超人を時に救い支える純粋な人間達の勇気と強さも描くこの流れこそティガをはじめとする平成シリーズ全盛期の作品群の魅力だと思うのでその辺の精神性が滲み出てたのは良きね。そんな彼らの強さを見極め認めた上でカルミラを諌め身を引くダーゴンさんの度量も印象付けられたしね

 

と、GUTS SELECTも大いに奮闘した今回の戦闘パートは、ウルトラマンの出番自体は少なめだったものの、グリッターでのサークルアームズ使用+グリッターブレードとの合わせ技によるフィニッシュなどアイテムの印象に残る使用がしっかり為されていたのが面白かったですね。トリガーダークもトリガーが手放したサークルアームズを手にした上で、ザイゴーグキーとホロボロスキーでブーストかけてカルミラに手痛い一撃を喰らわすという形で魅せを作っていて良かった キーを刺せる武器があればホロボロスとザイゴーグの両方のキー一度に重ねがけできるのずっこいな...

そのトリガーダークとして今回も暴れに暴れたイグニス、活躍的にはGUTS SELECTの作戦の邪魔をしてしまい、ケンゴの乗ったガッツファルコンも撃墜するなど、割とお邪魔虫にしかならなかった感じではあったけど、メツオロチの破壊から逃げ惑う人々の姿を故郷の亡き仲間達と重ねたことで感情を爆発させ、変身しメツオロチに立ち向かっていく、という行動を取ってた点は何気に引き込まれたポイントでしたね。結果こそアレだったけど、これって流れだけ見ればある意味理不尽な脅威に蹂躙される人々のために力を解放したとも言えるわけで、イグニスが曲がりなりにもウルトラマンに相当する力を得て変身する存在であることを象徴的に描いたシーンなんじゃないかな、と。イグニス自身理不尽な脅威に晒されて奪われる悲しみを知る者ではあるわけだし、今現在は憎しみの方が勝ってトリガーダークに呑まれてる感あるけどそこを制御できればこの先モノホントリガーやGUTS SELECTと並び立つ展開もあるかも...なんて 心の中の光と闇、どちらに着くかが肝になりそうだなぁ

 

 

以上、トリガー第17話でした。緻密で迫力満点な特撮によりメツオロチの圧倒感を存分に引き出しつつ、それに立ち向かうウルトラマンや人間達の活躍を力強く描いたエピソードとなりました。ウルトラマンと人間、光と闇、みたいな構図が象徴的に組み込まれるようにもなってる感があり、作品のテーマ性の昇華も含めここから終盤に向けて少しでも跳ねてくれると良いなーなんて思っております 期待

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた