AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

トモダチってなにさ(哲学)

ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA

第3話「超古代の光と闇」

感想レビュー

 

アキト、ユナに対してかなり明確に好意持ってるんだけど向こうが自分を兄弟みたいに思ってる手前どうしても言えず、でも彼女が他の野郎と一緒にいると気が気でなくて落ち着かない、という姿をコミカルに描かれるキャラというところに収まっててちょっと安心した。第2話のテンション感のままユナとケンゴのことじぃっと見てたらヤバいやつ感が滲み出まくってたと思うので...() イグニスの口調につられて「ユナはお前の極上じゃない!ユナは...」まで言っちゃうけど踏みとどまる、という理性と本能を争わせてた姿すき

ケンゴとの関係性に関してはちゃんと心情の変化の段階描いてない分やたら爽やかに描かれるのがやっぱり違和感あるんだけど、このユナに対する若干めんどくさいまである感情模様に関してはとても面白いのでこれからも沢山描いて欲しいぞ

 

今回は「ユナとユザレの謎」「イグニスの目的」「ヒュドラムの参入」「エタニティコア」など、作品の残る諸要素の提示や重要設定についての掘り下げが行われた回となりました。

同じをしたユナとユザレの関係性はもうしばらくぼかすかとも思ってたんだけどこの段階でケンゴにも知られる形で触れられ、ここの展開の早さはちょっと意外でしたね。まだ真実に関しては深く掘り下げられていないけど、描写的にはユナが超古代人の血を継ぐ者である(故にユザレと見た目が同じで思念体のユザレも憑依できる)...という感じなのだろうか

ケンゴも第1話の描写からして超古代人の血を継いでる的な感じがするけれど、この2人が出会ったことで生じるものとはなんぞや、というのが今後の物語のキーになってく気がしますね

 

今回より本格参入のトレジャーハンターバスkイグニス、放送前にイメージした通りポジションとしてはトリックスター的な感じになって話を盛り上げていくことになりそうだけど、一方で上述したユザレとの関連性にまつわるであろうユナの存在の重要性に目をつけて狙ってきたり、先んじて復活して活動していたであろうヒュドラムとの浅からぬ因縁をちらつかせたりと、現段階で既に作品の根幹と大きな関わりを見せてきていたのがなかなか興味深いところ。ヒュドラムとの因縁に関しては故郷のリシュリア星をヒュドラムにどうこうされたってことなんだろうけど、ユナを狙うことがそれと何かしら関連したりしてるんだろうか...みたいなのはちょっと気になるね(ユザレの早期の覚醒をあまり面白くないように思ってるような素振りを見せてたし、ヒュドラムへの復讐のためにユザレ覚醒の機を待つ形でその力を利用したいのでユナを手に入れようとしてる...とか)

あとイグニスのカットがOP映像に追加されてたけど、そこにケンゴが夢で見たトリガーと似た闇の巨人らしき姿もあって、これってもしや、とも思ったりしてるので、ここも注目ですね そのポジションはてっきりアキトになるかと思ってたので意外だ

 

そして今回闇の3巨人の1人ヒュドラムが登場し、遂にカルミラ・ダーゴン・ヒュドラムが本編で揃い踏みしました。慇懃無礼な態度で妖しく立ち回る一方、格下と思ってた相手にしたやられたりすると余裕がなくなって見境なく激怒する、とこの手の策士キャラとしては割とスタンダードな感じですね(闇の3巨人のキャラはけっこう分かりやすく際立っててここはなかなか良いよね)

石像からの復活シーンがなかったから勿体ないな〜と思ってたけど、カルミラ達よりも100年も前に復活して活動してたと。イグニスとの因縁もその間に生まれたっぽいし、今までに何をしてたのか、何を仕込んでたのか、は気になりますね あとこの100年早い誤差がなにか意味するものはあるのだろうか、というのもちょっと気になったり。カルミラの復活は偶然ぽかったし、ダーゴンもカルミラが手を加えたことによるものなので、普通にヒュドラムもたまたま早く復活できただけだとは思うけど

 

戦闘シーンでは、ガッツファルコンの2モードによるガゾートとの空戦・陸戦やトリガー・スカイタイプのスピード感溢れるバトルを、合成を駆使した縦横無尽のアングルと共に演出しており、今回も非常に見応え抜群でしたね。坂本監督、あのアングルぐるぐる移動する演出すっかり気に入ったわね

他にも地上のガゾートへ必殺技をヒットさせる際の画を街の俯瞰風景にガゾートを合成させる形で臨場感高めに演出したり、スカイタイプのカットやヒュドラムとの戦闘を夕陽をバックにした軽快なワイヤーアクションで表現したりと、非常に画になるカット満載だったのも良かったですね。トリガーvsヒュドラムのバトル漫画的な外連味効いた動きとても好きだ(青カラーのスマートな2人がまぁ夕映えして良き)

あとトリガーとヒュドラムが空中で斬り合うシーン、よく見ると画面の質感的にオープンセットでのワイヤーアクション撮影みたいで、改めて見返すとなかなか新鮮な迫力があってたまりませんでしたな オープンセットでのアクションはやっぱりリアルな迫力が生まれるねぇ

 

しかし今回登場のガゾート、ヒュドラムが生み出した配下的怪獣であることは「変形闇怪獣」の肩書きからもなんとなく察せられていたのでトリガー達との戦闘メインでガゾート自体があまり掘り下げられなかったのはまぁ良いとしても、ガゾートを象徴するワード「トモダチ」が特に意味もなくポンと出されただけだったのはちょっと個人的に残念だったところ。ファンサービス的な原典オマージュの意味合いがあったのかもだけど、突然の発声にナナセ隊員が反応したきりでその後どういう意味だったんだろうか的な言及も掘り下げもないので、話に流れにおいてもガゾートの描写としても本当に大して意味がなかったので、半端に原典を擦ったな...というのが正直な印象。降臨直後に眼科やビル内の人間を見て涎を垂らしながら「トモダチ!!」と言うみたいな含みを持たせるカットを入れて視聴者に十分に察する余地を持たせるみたいな見せ方もできたはずだったろうし、これならヒュドラムがクリッターを使って生み出した配下、くらいに割り切って描くのがまだ良かった気がする(ガゾート、クリッターといった単語を登場させたり、「普通のガゾートと違う」という台詞を用いたりすることで過去にガゾートが現れたことを示唆するのは面白かったけど、これも唐突感の方が勝って正直微妙。冒頭のシーン辺りで「都市上空の電離層をクリッターの群れが通過しようとしてる」的な台詞を伏線的に入れておくだけでも後のヒュドラムによる召還も自然になったと思うし)

 

また今回、GUTS SELECT側の描写として、TPUがトリガーを監視対象としたことに対し反感を抱くテッシンさんを「上層部の決定」と言って諌め大人しく従う姿を見せつつも、ガゾート・ヒュドラム戦においてはトリガーを信じ援護、共に戦う意志を示す、という感じでウルトラシリーズ定番の「未知の巨人・ウルトラマンを防衛チームとして信じるか否か?」というテーマに乗せタツミ隊長の奥底の熱いところを描く流れがありましたが、ここもこれまでの話の中におけるGUTS SELECTの面々のトリガーに対する関係値が十分本編上で描かれていないのであまり劇的な感動はなく、という印象でした。せめて1回くらいはGUTS SELECTの面々がトリガーの活躍に何かを見出す展開があったなら効果的になる展開だと思うけど、そうではないからテッシンさんがあれほど反発するくらいにトリガーに入れ込むことに説得力が感じられなかったりするのよな 夕陽バックで援護するナースデッセイ号はむちゃんこカッコ良かったので勿体なかったなと

 

そしてラスト、揃い踏みした闇の3巨人が「エタニティコア」の入手に燃える姿を見せたところで締め。エタニティコアはまだワードとして出たのみで実態も分からないけれど、今作の戦いを左右する重要な存在には違いないので、動向に注目ということで...

 

以上、トリガー3話でした。2話に続いてキャラ紹介と要素提示の作劇という感じで、それらが今後どう活きてくるかについてワクワクさせるものがありましたね。トリガーの物語はこの辺の期待値の高め方や伏線の張り方は今のところ本当上手いなと。その分一個一個の見せ方がどうも急ぎ気味で薄く、ドラマ面が弱くなったりというのが短所として出てる感はありますが

とはいえメインキャラも出揃い、作中の重要要素も提示されたのでここからは展開運びが小慣れてくると良いな...と思います。特撮面は申し分無しだし期待したいですね

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた