AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

破壊爽快大都会

機界戦隊ゼンカイジャー

第21カイ!
「大カイジュウの大破壊!」

感想レビュー

 

 

偽物が悪逆の限りを尽くしてる中で介人は仲間達から迷いなく本物・偽物を見分けてもらってるのに、ゾックスの判別には「...本物?」「偽物ですよね...?」みたいな逡巡が混じってる様を見ると、日頃の行いやイメージって大事だなぁ〜と実感する() 因果は応報するのだよ

でもそうして嫌われ気味に扱われるのもどこ吹く風といった感じで「(偽物の行動や性格は)いつもとあまり変わりませんでしたねぇ....」なんて言われても「何言ってんだ?俺は元々、界賊だぜ」ってさらっと返すアイデンティティのブレなさを見せたり、その一方で何の誇りも無く暴れるだけの偽物相手には自分の面子を守るために断固戦うアウトローなりのプライドを示したりと、傾奇者といった感じの趣やそれを貫く意志の強さを見せるゾックスはとてもカッコよかったなぁと。アウトローなヒーローという独特なポジションを、偽物という要素を巧みに絡めることでかえって対比させ際立たせた掘り下げは見事でした。香村さんのアウトローキャラの描き方ほんと良いよね

 

コピーワルドが生み出した偽の自分達の悪逆に立ち向かう介人・ゾックスを中心に据え描かれた今回。特撮ヒーローシリーズではたまにあるニセヒーロー対決回的な感じですな。非道に暴れまくる偽物介人とゾックスも当然駒木根くんと増子くんが演じてたわけですが、しかしまぁ偽物介人やってる時の駒木根くんが悪役演技しててまぁ楽しそうで凄く面白かった。w 悪そうな顔が似合いすぎてた増子くんもノリノリですき あとしれっとレオタードコスで怪盗ムーヴかますルパパトネタ入れてくるのは不意打ちすぎて笑うからやめて欲しい() 他に色々コスプレとかしてるシュールなシーンあったのにレオタードに全部持ってかれたんだよなぁ...wルパパトが残していった未だ色褪せぬ最凶のネタだよレオタード

何気に今回、ゼンカイ世界の警察の描写がしっかり描かれていたけど、偽物騒動の中で暴れてる張本人かもしれない介人の身柄を拘束して警察としての職務を全うしつつも、偽物の動向もちゃんと追っていて拘束した介人のことを気遣ったりもする、と頑張ってるところや人格者なところを強調する描き方にしてたのは良かったねぇ あんな無茶苦茶なことが起きてる世界の中でも色々なことに立ち向かい頑張ってるなんて流石やでほんま...警察とゼンカイジャー、人々の平和を守る立場同士で介人とお巡りさんが取調室で互いの苦労を分かち合う下りはなんか良かったね(この時のお巡りさんがゼンカイザーのスーツアクターの高田さんというのが粋な配役よね)

 

この偽物介人達の大暴れを見たヤツデ婆ちゃんが(偽物だと頭で分かっていながらも)自分の孫がギアトリンガー=自分の子の発明品を持って暴れている姿にショックを受けて苦しんでしまい、これを受けジュラン達は偽物の討伐のために奮起、介人も自分の両親の発明品で悪行を重ねる偽物に怒りと闘志を燃やすという流れがあり、ここは偽物達との決戦への熱い繋ぎとなる非常に良い展開運びでしたね。

ここの流れ何が良いって、シンプルに本物vs偽物の構図を作ってるだけでなくサブキャラであるヤツデ婆ちゃんの心情を「介人の家族」というポジションを昇華させることによって印象深く話の流れに組み込み、そこから介人やジュラン達の感情の動きや活躍をよりドラマチックに深めているという、キャラクターの関係性を余すことなく活かした作劇にあるよなと。介人とヤツデ婆ちゃん、五色田夫妻との家族愛(加えてカラフルへ迎え入れられたキカイノイド組との擬似家族的な繋がり)というのはこれまでの話の中でもコンスタントに強調されてたところであり、それ故にこの展開もしっかり引き立ったと思うので、地道な積み重ねが上手く効いたなと感じますね(ギアトリンガーの「五色田夫妻の開発アイテム」という側面を改めてピックアップし、両親との繋がりとも言えるアイテムを悪事に使い両親を侮辱する輩への怒りという介人の心情へ繋げてるのも白眉)。Twitterでも語ったけど、香村さんがメイン勤めてる戦隊作品の年長者キャラの中でも飛び抜けてストーリー上で良い扱いされてるよなぁヤツデ婆ちゃん

どんとこい、ゼットアンドリュー on Twitter: "偽物と分かってても自分の孫が自分の子の開発したアイテム持って暴れてる画にヤっちゃんがショックを受けるっていうヤっちゃんの心情を絡めつつ、そこがフックになって介人がヤっちゃんを悲しませる偽物は絶対ぶっ倒す!と怒るっていうメインキャラを引き立てるドラマの作り方が上手いよねぇ"

どんとこい、ゼットアンドリュー on Twitter: "香村戦隊作品の年長者キャラの中でも特にドラマ面での活かされ方が上手いと思うのよねヤっちゃん 真理夫おじさんやコグレさん、ヒルトップ管理官も所々で良い味出してたけどやっぱ出番自体も散発的だったし、その点現段階でも全体通して本編での出番が多いヤっちゃんは取り回しやすいってのもあるかも"

ここに前述したアウトローなりの矜持で偽物に立ち向かうゾックスも加わったことで、スーパーゼンカイザー・スーパーツーカイザーの揃い踏みフィニッシュも凄くカッコよく輝きましたね。しかし2人とも固有必殺技がそれぞれド派手なので協力して放つと凄い気持ち良い

 

巨大戦ではスーパーゼンカイザーとスーパーツーカイザー(SD)が合体した怪獣ロボ・ゼンカイジュウオーが降臨。ツーカイザーのSD化の理由が設計上の都合ってことになってしれっと流されてたの笑う ダイコピーワルドが生み出した偽物のビルや道路の弾幕を物ともせず突き進み、お返しとばかりに雨あられのような掃射と爆破で偽物のビルを木っ端微塵に破壊していく怪獣映画さながらのゼンカイジュウオーの大暴れはめちゃくちゃ爽快で、ここの戦闘シーンはこれまでのゼンカイジャーの巨大戦の中でも最大級に燃えましたね。「ビル-ッ!!」という絶叫を上げ逃げ惑う偽物にビルを画面が見えなくなるほどの爆撃で焼き払い砕いていく演出があまりに容赦なくてちょっと笑ったりもしたけど。w(「ゴジラvsメカゴジラ」での頭がイカれたかと思うようなメカゴジラの容赦ない掃射・爆破シーンを思い出しましたねぇ あのシーンも鳥肌モンの迫力で、一周回って笑えてくるくらいめちゃ震えたんすよ...)。拳の一振りでビル(偽物)を粉砕する迫真の実写特撮や、猛スピードで突撃するゼンカイジュウオーのパワフルさと疾走感に溢れる演出など、お世辞抜きに円谷の怪獣特撮にも引けを取らないまさに“怪獣”という感じのインパクトに満ちていて最高でした。尻尾を蹴り上げて振り回し敵へと叩き込むアクションが好き過ぎるんです

敵が作った偽の街だから容赦なく破壊してええやろ!というパワー押しの理屈の下、ヒーロー側の怪獣型のロボに思う存分壊して壊して壊しまくらせるというゼンカイジャーらしさ全開の思い切りの良さもあって、実に見応えしかないデビュー戦でした。さっきも言ったけどまさに「怪獣映画」って感じの迫力の演出でしたね めちゃ良かった

 

こうしてコピーワルドは撃破され平和は戻ったものの、トジテンドではしばらく鳴りを潜めていたイジルデがステイシーを伴って再び動き出しており...

 

以上、ゼンカイ21話でした。特撮シリーズお馴染みの偽物回、という趣で進んだ回だったけど、ヤツデ婆ちゃんや五色田夫妻を絡めて介人達の奮起を印象深く描いたり、ゾックスのアウトローさを彼の矜持としてカッコ良く描き上げたりと、キャラの描き方が実に上手くてドラマ面が面白かったですね。ゼンカイジュウオーの大迫力のデビュー戦も爽快感満点で総じてめちゃくちゃに見応えのある最高な回でした

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた