AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

飛び立て!GUTS SELECT

ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA

第6話「1時間の悪魔」

感想レビュー

 

 

イルト氏ィ!おたくの製品がなんか魔改造されてウチで暴れとるんやけどォ!!

「ギガデロス」という異星の防衛兵器の存在をそれとなくだけどきちんと示して、それが凶悪魔改造された品ということで「サタンデロス」という怪獣をトリガーの作品内で定義づけるのは良きところでしたね その辺掘り下げるのがマルゥルみたいなレギュラーの物知りキャラ発の言葉からでなく、ゲストキャラや何かしらの記述の解読とかを通した展開によるものだったらもっと話も広がるのになと勿体無くは思うけど、ここは本筋でやること多い故に厳しいポイントか 

 

サタンデロスの脅威を打ち破るためのイグニスとの共同戦線をメインに描く今回のエピソード。「本体を守る強力なバリアを破るために皆がサタンデロスの休眠時間の中で対策を講じ奔走する」という感じで怪獣を話の軸の一部としてきちんと機能させつつ、GUTS SELECTの面々一人一人が勇ましくオペレーションに挑む様を熱く描く展開運びで進んでいく話になっており、これまでトリガーや闇の巨人、ケンゴ・アキト・ユナの関係性といった要素にばかり注力しがちで、怪獣やサブキャラがほぼ添え物になりがちだったこれまでのトリガーの作劇の欠点を埋め合わせ、しっかり纏まった話になっていたので今回はけっこう楽しめましたね。ヒュドラムの立ち回りも話を引き立てる割と絶妙な塩梅をキープしていた点や、イグニスの内面や指針の進展をスムーズに描き本筋の進行の描写も自然に行なっていたところなども好印象で、ようやっと引っ掛かりの少ないエピが見られたのは良い。

 

今回一番の大きな見所はやはり先も述べた「GUTS SELECT一同の奮闘」の一連の描写であると感じるところ。ケンゴ達メインキャラ3人が展開上で前に出過ぎず、隊長をはじめとした他の面々とも一緒になって一丸となって戦う流れが軸となっていたおかげで、ぶきっちょながらも調整に勤しむテッシンさんの人となりやアキト・マルゥルといった科学畑の面々との絡みの雰囲気といった部分がじっくり見て取れたり、苦境の中でも諦めず挑もうとする隊長やヒマリ隊員のここぞでの熱さが感じられたりと、サブキャラ陣の細かなキャラ性が印象深くストーリー上で描けていたところが凄くポイント高かったですね。こういうちょっとしたところでキャラが生き生き描かれてるだけでも印象はだいぶ違うのよね

肝心のサタンデロス討伐オペレーションの方も、ヒュドラムの介入をトリガーの助力で跳ね除けつつ、ほぼGUTS SELECTとイグニスの力のみで完遂しており、防衛チームの活躍として非常に締まるものだったので良き。「80%で構わんッ!」という隊長の熱い叫びの下繰り出されるナースキャノンと、ヒマリ隊員渾身のガッツファルコンでの掃射の連携で撃破するところがとても燃えましたね。整えた髪を乱れさせながら熱く叫ぶ隊長や、魂を込めるが如き動きでナースキャノンをぶっ放すテッシンさんめちゃくちゃイケオジで超カッコ良かったんだよな 特に隊長は物静かに指令飛ばすイメージしかなかったところをグッと印象深まったので満足

怪獣の攻撃やアクシデントを受けて失敗しそうなところをウルトラマンに助けられ、なんやかんやでウルトラマンが全部持ってくみたいな流れはこのフォーマットではよくあるパターンですが、そこをトリガーにはヒュドラムの相手をしてもらい、サタンデロスはGUTS SELECTできっちり下す流れにしたのは巧いなと。闇の3巨人介入を作劇の盛り上げにガチッとはめてきた良構成でした

 

トリガーの方も、ヒュドラムの非道さに怒りを爆発させた末のスカイタイプ×マルチソードでの高速フェンシング戦法や、すれ違いざまにスカイアローでヒュドラムを切り裂き同時に向かいにいるサタンデロスの両足を矢で撃ち抜き縫い付けることでGUTS SELECTのフィニッシュに繋げる名アシストなど目を見張るアクション多しで活躍がとても光っていて満足。サークルアームズでのフィニッシュが増えてきてたここ最近の中で、ヒュドラムを打ち破った必殺技が振り向きざまのランバルト光弾だったのも乙なものでした

ここでヒュドラムは描写上だと思い切り爆散され倒された感じになっており、闇の3巨人の取り回し方について「割と早期に(一時)退場させる感じにした方が話がグッと引き締まって良いのでは」と個人的に思っていた身としては一瞬おっとなりましたが、イグニスからまだ倒されていないことが仄めかされ(次回予告にも映ってたし)、まだまだ出張ってきそうだったのはちょっと惜しいと感じたところ。まぁイグニスとヒュドラムの因縁は濃く印象付けられてるしトリガーが完全に決着させても若干どっちらけではあるが

今回のヒュドラムの立ち回りは絶妙だったけど、やっぱり闇の3巨人はどこか動かし方がノルマ的な感じがありそこがストーリー面の枷になってる感も否めないので、どこかで一時的に何かの目的でフェードアウトするタイミングがあっても良いかもなぁとはちょっと思ってるんですよね 話の幅や自由度の少しは広がるし

 

そして今回の作戦の要を担ってくれたイグニス。相変わらずどっちつかずなトリックスター気味のポジションながらも、故郷を滅ぼされた経験から「他人の星を勝手に踏み荒らす奴は気に入らない」という想いを持って協力してくれて、最後まで打算抜きで真っ当にその義理を果たしてくれた辺り、ここぞでは信頼できる相手として一定の信頼がGUTS SELECTや我々視聴者との間にグッと深まったのはなかなか良いポイントでした 放送前のイメージ以上に愛着湧くキャラよねイグニス

しかしトリガーの力への執着をグンと高めてるかのような姿を見せてたのはちょっと不穏。故郷の同族達を(恐らく文字通りの意味で)喰らい尽くされた恨みから、ヒュドラムへの怨嗟もかなり強そうなのが改めて感じられたし、ここからどう動いていくのか気になるね...こういうちょっと踏み込んだ負の感情の描き方が根本さんに作劇の良さが上手く出てて良かった 前回のマイナスをしっかり取り戻せた感ある

 

以上、トリガー6話でした。「GUTS SELECT」という一まとまりの単位でケンゴ達メインキャラだけでなくサブキャラにも細かなスポットが当てられ、決死のオペレーションに挑むカッコいい活躍が見られてとても熱い回でした。その他のキャラの掘り下げなども、話を盛り上げていくファクターとして上手く活用されており、久しぶりに純粋に楽しめるエピが見られたなと これからどんどん上がり調子になっていって欲しいところ

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた