AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

派手なデザインの建物でなくてよくない?(名推理

ウルトラマンコスモス

第35話「魔法の石」

感想レビュー

 

 

第13話第25話と登場したネームドモブ(今回初めて名前明かされた気がする 違ってたらスマン)の右田医師、今回まさかの3度目登場である(しかもけっこうちゃんと話の軸に関わってくる役回り) ほんとこういう細かい要素までちょいちょい拾ってくるよなぁコスモスw

てか右田医師の名前ちゃんとチェックしとこうと思ってOPのクレジット見てやっと気付いたけど、右田医師を演じられてるのって右田昌万さん(平成ウルトラシリーズによく登板されてる脚本家の方 コスモスでも数話を担当)だったのね!?演劇の世界に身を置いてただけあり演技も自然で、今まで普通に本職の俳優の方かと思ってたので気付いた時驚きであった

というか「右田」って名前なのって、ご本人の名前から取ってらしたからだったのね(今更) 演じられてる石井浩さんの名前をそのまんま取ったネーミングの防衛軍の石井さんとか、助監督の岡秀樹さんが演じられてた岡って名前のベンガルズ隊長とか、こういう感じで名前付けられたサブ・モブのキャラがけっこういるのよな...w お遊び要素として面白いところである

 

同僚・右田医師の変化を心配したカワヤ医師が彼を尾行したことをきっかけに、人に超人的な力を与える謎の石・ラグストーンが鎮座する謎の館の存在をEYESが発見する...というところから物語が動き出す今回。

カワヤ医師、ラグストーンの影響で急激にスペックが上がりつつその一方で無感情的な振る舞いを見せるようになった右田医師の変化にちゃんと気付き心配する良き上司だなぁ...と思わせておいて、実際のところは「アイツがこれ以上優秀になったらオレ飛ばざれちまう...」が本音であったという締まらなさが相変わらず凄くカワヤ医師らしくて好きであるw ムサシに「地位を脅かされるのが怖いんじゃ...」って割と失礼な推察されて「失礼なっ!」と嘘でも取り繕うとするでもなく、「そうなんだよぉ〜」って泣きつく辺りが凄く情けなくて笑う() そんなんだからラグストーンにも洗脳効かない奴扱いされてハジかれるし、シノブリーダーに「飛ばされて...」って真顔で吐き捨てられるんだよ!!

にしても前に「カワヤ医師と右田医師って上司部下の関係性だけどあんま壁がなさそうな緩い感じするよね」的なことを言ったことあるけど、仕事の合間か何かに一緒にのほほんとキャッチボールに興じていた今回の描写を見るにやっぱり関係性はだいぶ緩そうだなぁとw 後から他の方が言ってるの見て気付いたポイントだけどこのキャッチボールのシーン、後ろに「ここでキャッチボールをしてはいけません!!」って注意書きがデカデカと書いてあるのが凄くシュールだった。w そこで堂々とキャッチボールに興じるとこにカワヤ医師のちょっとくらいかまへん的な適当さが端的に出ている気がする(

 

今回の怪獣ラグストーンは、無駄にクッソ派手な建物に擬態し、そこへやってきた人間達に感情と引き換えに能力を引き出す光を浴びせ感情を集めるという暗躍を見せており、薄暗い建物内の小型のラグストーンをさながら信奉するかのように人々が取り囲む絵面のアブないカルト宗教を思わせる不気味さも相まってなかなかゾゾッとくる存在感でしたね。脚本担当の川上さん的には「薬物依存」を子供向けに分かりやすく伝えることを意識してたとのことで、言われてみればラグストーンの光に当たって能力を引き出す(=ハイになる)代わりにその依存にどんどんハマって虚脱状態になっていたり、ラグストーンを止めようとするSRCの隊員達に闘争心を剥き出しにして大勢で襲い掛かったりといった絵面はその暗喩にも見えてなるほどなぁと

しかしムサシ、ラグストーンとその背後にいる者の目的について「スペックは高いが感情を持ち合わせない人間を多く生み出すことで、労働力として容易く行使できる優秀な人間を集めようとしている」と推理するのなかなか洞察力高いよね。今回その辺が明確に明かされることはなかったけど、こうやって話全体で明確にしない部分に解像度の高い見解を示すキャラがいたりするとSFミステリー的な雰囲気が増して話がけっこう面白くなるので良きね 川上さんやっぱこういう部分においてはウルトラシリーズならではなSFみが濃い単発回を作るのが上手い

 

巨大化してからのラグストーンも、強靭なフィジカルでコスモスを圧倒するパワーファイトが非常に見応え抜群で目を見張りましたね。前回の予告の時点で大きく言及されてただけあってネイバスター光線をストレートに打ち破るシーンはインパクト大だったなぁ こういう強敵感ある怪獣はやはり良い

そんなラグストーンの戦闘シーンで特に目を惹いたのはやはり、タックルでコスモスを吹っ飛ばした勢いのままにその後ろの倉庫に突っ込んで行って粉砕する様を倉庫の内側からのアングルで描いたシーン。緻密な再現が行き届いた倉庫のミニチュアを盛大にぶち砕く迫真さと爽快さ、倉庫前面の窓からラグストーンが突っ込んでくる様が見えるところから始まる演出の臨場感など、ここのシーンに関しては映画レベルだったといっても過言ではない見応えで最高でしたねぇ 緻密なミニチュアや建物の内側から見た破壊の演出なんかは近年のニュージェネシリーズで更にパワーアップして描かれてる特撮要素であり、特撮シリーズの技術とは警鐘と日進月歩の賜物なのだなぁ...と感心しますね

ちなみにラグストーン、原田監督のオーダーでアメフト選手のイメージが織り込まれてるとのこと。実際がっちりとした体格や戦闘中度々凄まじい威力を見せつけていたタックルのモーションがアメフト選手のそれを思わせるものだったりしてて、モノアイの魔獣というラグストーンの不気味な雰囲気とのギャップも効いてなかなか面白いポイントでしたね

 

コロナモードの力でもってしてもまるで敵わないラグストーンの圧倒的なパワーの前にコスモスが窮地に陥ったその時、ラグストーンの力の源が人間達から吸い取った怒りの感情であることに気付いたカワヤ医師の助言を受け、コスモスはルナモードとなってラグストーン内部の感情を鎮静化させることで無力化させる逆転の発想で勝利!と、力で勝てない相手を優しさでもって制すというこの決着は「力で勝つだけじゃ何かが足りない」という歌詞をOPに含んだりしているコスモスのテーマ性を熱い形で象徴・昇華したなんともグッとくるもので非常に良かったですね。人間の呼びかけにウルトラマンが静かに頷いて応え、それが逆転に繋がるというたまにあるシチュエーションの熱さがハマってとても盛り上がったのもたまらんかったですね 呼びかけるのが影丸さんというのもメタ込みの嬉しさがある

なによりエクリプスモード登場以降、出番的には申し分ないものの何かと前座的な役回りやピンチのシーンが多かったルナモードに、このここぞの局面で印象深い活躍をバチッとあてがって面目躍如させてきたのは実にニクい魅せでしたね ルナモード・コロナモード・エクリプスモードと各モードの活躍のバランスが意識されてるのとても良きですな コロナモードへのチェンジと共に始まるコスモスの攻勢を熱く盛り上げる形での使用が多かった挿入歌「Touch the fire」を、コロナモードからルナモードへ戻るタイミングで流しフィニッシュの盛り上げに繋げるという定石崩しもたまらんカッコ良さでした 「Touch the fire」×ルナモードは第16話の演出も最高に好きなので、ここでまた良い演出してくれたのは実に嬉しいところ

 

事件収束後、窮地の自分を助けてくれたカワヤ医師にシノブリーダーも彼を少し認め、 意識するかのような素振りを見せた...ものの、寝言で他の女性の名前を呟くだらしなさにやっぱりキレ散らし...というカワヤ医師のここぞでの締まらなさでコミカルな雰囲気に包まれるオチで締め。ラグストーン戦中でのシノブリーダーの元に寄り添い続けてる姿や「愛だよ...愛!」の力強さはカッコよかったのになぁカワヤ医師() しかしカワヤ医師のことは今まで邪険にしてたシノブリーダーがこの一件を経て少し歩み寄ったり嫉妬したりするようになり、お、フラグか?と見てる側をニヤニヤさせてくる演出が微笑ましいところ。いつも大人っぽいクールビューティーな振る舞いのシノブリーダーがカワヤ医師相手に「シノブだッ!」って大声あげて暴れたりと可愛い仕草見せるの良いよねw シノブリーダーは第18話の恋心との決別が印象深いだけにここで新しい恋の兆しが見えるのが余計に見てて嬉しいとこあるしね

前回のドイガキ隊員と吉井ちゃんといい、第17話のヒウラキャップとサワグチ女史といい、着実にEYESの面々がフラグを見せてきてるのニヤニヤしちまうな!?(下世話)残りの面々も追々...お楽しみに

 

 

以上、コスモス35話でした。ラグストーンの不気味で強敵感たっぷりな存在感が遺憾なく発揮されてる中で、ルナモードの大一番やカワヤ医師とシノブリーダーのフラグなど色んな見所も多く散りばめられた楽しい回でした。ほぼほぼ準レギュラーと化してるカワヤ医師、やっぱ出てくると面白くなるわね

しかしラグストーンが倉庫に突っ込むシーンの特撮、改めて思い返しても最高 良質な特撮は胸が高鳴りますな

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた