AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

ライダーなんだからキックで決めるに決まってんだろうが〜(至言)

仮面ライダーバイス

第4話「足りない愛情!アブナイ悪魔誕生!」

感想レビュー

 

 

・デッドマンズの目的はギフの復活

・そのためにギフの生贄に相応しい素質を持ち、悪魔との上級契約で一体化した「ギフテクス」なる存在が6人必要(現状判明してるギフテクスはオルテカとフリオとのこと)

・生み出す悪魔は人間によって個人差があり、ギフテクスの素質を持つ人間を探している(デッドマンを生み出せれば上出来、それ以外は戦闘員ギフジュニアの生成が関の山だとか)

・上級契約で悪魔と一体化した人間は二度と元の姿には戻れない

という感じでデッドマンズ側の目的や情報が大まかに開示され、構図がよりすっきりと見やすくなりましたね ロイミュードが「約束の数」を揃えるとして超進化体を勢揃いさせようとしてたのと概ね似たような感じだったわけですな モチーフとなる生物のオブジェを上から被ったような姿の一般デッドマンから、フェーズ2へと至ることで生物感マシマシのより「怪人」らしい生々しいデザインへと進化するのが強化の示唆として大胆で良いですね

ただオルテカやフリオがギフテクスであるならばアギレラ様はどうなんだろう?とか、悪魔と一体化したら元に戻れないのであればオルテカやフリオが怪人態と人間態を使い分けられるのはどういうことなんだろう?など、謎というか疑問は少々。前者に関しては現状組織のトップだしあれだけギフを崇拝してるならば生贄になることへの躊躇いもないだろうからアギレラ様は怪人態がまだ出てないだけで普通にギフテクスとも考えられる(ただギフ絡みで色々あってトップになってるだけで彼女はギフテクスではなく、それに対し彼女も思うところがあり...というのもワンチャンあるかも)、後者に関しては「上級契約して悪魔と一体化し生贄の資格を得た人間=ギフテクス」と直接明言するような言葉回しではなかったので、「上級契約で一体化」はあくまで生贄の1人となる手段の一つであり、それとは別で「2度と元に戻れないという制約やらなんやらをすっ飛ばした、頭ひとつ飛び抜けた素質を持つ存在がギフテクス」ということかもしれない、て可能性もあるので今後公式サイトの記述とかで詳細に説明されたり、本編で明言されたりするのを待ちたいところ。

しかしデッドマンズ、アジトにいる時のアギレラ様がカリカリしてることが多そうな以外は割と幹部仲良さそうですな オルテカはあのスカした感じからして何考えてるか読みきれない部分もあるけど、フリオはご機嫌斜めなアギレラに「スマイルです!」?「スマイルスマイル-!」って言ってフレンドリーに接したりと割と愛嬌あるよね。w 好きなキャラになるかも(アギレラにキレ散らかされて愛想尽かす、みたいなのもなきにしもあらずだが)

 

今回はフェニックスとの契約を渋って銭湯のことに拘るばかりに思うように戦ってくれない一輝への不満を募らせた大二が遂に爆発、売り言葉に買い言葉で一輝も彼に反発し...と五十嵐家の兄弟の衝突が描かれるエピソードとなりました。大二の「世界を守ることが家族を守ることにも繋がる」も、一輝の「家族を守れなきゃ世界も守れない」も、それ自体はどちらも間違っちゃいないんだけど、それ故に2人の心がすれ違ってしまい、感情剥き出しで怒鳴り合うところはハラハラしましたね...前田くんと日向くんの本気の演技が臨場感あって良かった


しかし今回に関しては、大二の立場や心境に十分に寄り添えずに軽く流してばかりで、挙句感情に任せて出た言葉みたいなところもあろうとはいえ「お前が変身すれば良いだろ!!」と盛大に地雷を踏み抜いた一輝が良くなかった面は大きかったよなぁ...と。一輝、後先考えず突っ走るお人好しという人柄なのは良いけど、それ故に他人の考えてることにも殆ど目が向かない/人が何を想い動いてるかを理解できない・察せられない的な部分が大きな欠点となっていた、というのはキャラ付けとして割と衝撃なところでしたね(ここ最近の大二の言動を見て「アイツが何考えてるか分からない」になっちゃうのけっこうアレよ) 主人公のキャラ付けとしてここまでハッキリと性格面の欠点と言える部分を描いたのはなかなか攻めてるよなぁと感じました

でもたしかに、一輝ってああいうキャラしてるし真心でもって人と接するみたいなキャラのイメージを勝手に持ってはいたけど、言われてみれば一輝の方が勝手に突っ走ってる一方通行的な側面もありはしたかもな...とは思うし、この辺は納得いくところである

 

今回は前回の流れから接続させる形で、妹の方に目を向けてばかりで自分を見てくれない母への憤りを募らせデッドマンズと契約した彩夏の暴走も描いており、「近くにいる家族に気持ちを気付いてもらえない/存在を顧みてもらえないことで生じるすれ違い」という要素を前述の一輝と大二の関係性の描写との類比を効かせ強調していたのが面白いところでした。ゲストキャラを起点にした展開をしっかりとドラマに乗せて描きつつ、そこから繋げる形でメインキャラのドラマをしっかりと立てるという作劇はやはりドラマ全体がグッと引き締まるので良きですね

しかし第2話のゴルファーとキャディーのコンビの話もそうだけど、人間の内面をテーマに扱ってるだけあって今現在出てきてるゲストの話は尽く質感が生々しくてなかなかえげつないですよねぇ...兄弟姉妹の一方に期待が大きく集まることでちゃんと見てもらえなくなるもう一方の子、悪意はなくともそのもう一方の子を蔑ろにするような態度を取ってしまう親、というのはリアルでもだいぶあり得そうなとこであり見てて辛かった 一輝周りでもけっこうえげつなくなりそうな予感は伝わってくるし、こういう質感での描き方はやはり平成1期や2期前半のシリーズの雰囲気を濃く汲んでる感じがあるね

 

けれどそんな重苦しい雰囲気の中で、大二の真面目で優しい一面にしっかり寄り添い、人の心にちゃんと向き合い理解すべしと一輝を諭し導く、と五十嵐家の肝っ玉母さん・幸実さんが今回も良い活躍をしてくれたのは非常に良かったですな。責任を感じて思い詰めがちな大二の責任感が強いところを「自分も含めみんなが傷つくのが嫌だからこそ、自分にできることを全力でやろうとする優しさを持ってる」と評するの凄く優しくて好き 目の前のことを放っておけないので考えるよりまず先に動く一輝と、全体をしっかり見通し自分にできることを精一杯考え取り組もうと動く大二、という強さ・優しさの対比が存在していて、それがすれ違ってしまってた、といったところか

序盤から病院住まい状態なのがちと不憫な幸実さんではあるけど、こうして一輝達がまだまだ未熟な序盤のパートをしっかり支え導く年長者のキャラがいるのは非常に作品の地固めという意味でも頼もしいし、凄く良いキャラですよねぇ。とはいえずっと助けっぱなしというわけにはいかないわけで、その分今度はここから成長した一輝や大二が話を引っ張っていく展開にしっかり活かして行って欲しいものね

また暴走する彩夏に母・妙子がしっかりと向き合い、自分が彩夏を顧みてなかったことを恥じつつ「自分の娘なのだから大好きに決まってる」「たとえどんな姿になっても関係ない」とちゃんと真正面から伝えることでその心を救うという展開を持ってくることで、前述した一輝と大二・妙子と彩夏のそれぞれの家族の確執の類比をそれぞれ母の存在が救うという構図の類比で締める形に纏めていたのがなかなか粋で好きなところ。家族・母という要素を取り回し、二つの軸でそれぞれ類比させる形で描き上げるという筋をきちんと通したの凄く気持ち良くて良かったです

 

また、そんな一輝と大二のやり取りの濃さに押されてか今回はあまりちゃけておらずドラマ面では前面に出てきてなかったバイスだけど、一輝にキレる大二を見て「アイジョウ(愛情)が足りてないんだなァ...」とテキトーなようでいてある種一輝が向き合うべき確信を突くようなこと言ってたり、家族の写真を見て大二との向き合い方について考える一輝に「気持ち悪いぞ、ずぅっと動かない絵なんか見てサ」と暗に「本物の大二の方と話さなくて良いの?」と言ってそうなことをこぼしたりと、ちらほら味のある台詞を喋っていたのが良かったなと。前者に関しては元々愛情なんて知らなかったわけだからただテキトーに言っただけって感じではあるし、後者も家族のことを大事なものと思ってない故の冷ややかな台詞という塩梅の台詞ではあるんだけど、一輝が乱れたり迷ったりしてる時にこういうニュアンスの台詞を言う辺り、一輝の深層心理がバイスを通じて表れ一輝自身に呼びかけてる的な構図なんじゃないかなともちょrと思ったり(後者の台詞言ってる時のバイスは心なしかいつになく湿っぽい言い方だったし)

一輝が変身してデッドマンと化した彩夏を押さえ込み妙子と対話するタイミングを作ってる時も、(バイス的には興味ないから、くらいだろうけど)いつもみたいに好き勝手暴れず離れて様子見てるだけだったし、もう既にバイスには変化が訪れ始めてるのかも...なんて

 

後半では、悪魔の心に支配され暴れ始めた彩夏を止めるため、プテラゲノムに変身。逃げるコングデッドマンF2を巨大ホバーのバイスプテラゲノムを駆って追跡する高速戦闘を展開しました。放送前から目立っていたバイスのあのホバー形態は一形態扱いだったわけですね 寄りの画になるとマシンフロントのバイスの頭部がちょこちょこ動いてるのが少し可愛い

プテラゲノムによる高速飛行戦闘のシーンはCGや合成を多用した豪快でスピード感溢れる戦闘になっており、コングデッドマンの投げてきた車をレックスに戻ってすんでで回避→回避後すぐにプテラに戻ってマシンお披露目戦闘として文句なしの見応えでした 最近は初回の豪勢さに全振りの演出されると後々出てこなくなることが多いんでちと不安ではあるが() こじんまりとした演出でもいいからなるべくちょいちょい使って欲しいな

しかしバイスプテラゲノム、既に色んな人が言ってるけどファイズモチーフを活かすにあたり、通常形態ではなくあえてアクセルフォームを用い、胸部の展開した装甲を翼に見立てる形にしたのは秀逸なデザインですよねぇ。このアクセントは素直に凄いと思う 戦闘もアクセルフォームオマージュの、光の軌跡を描きながらの高速移動がメインになっていてここもライダーファン的にニヤリとなる良い個性の出し方でした

 

そして今回何よりおおっ!となったのが、上級契約で悪魔と一体化した人間を救う方法を「ライダーキックでのフィニッシュ」と定めることで、ライダーキックという仮面ライダーの看板たる必殺技に必要性を付与してきたところ。ここ最近は、初回の戦闘で演出の派手さにガン振りしたライダーキックをやってその後は武器技がメインになったりしてあんまし使わない、ということがザラだったりして個人的にけっこう残念に感じるとこがあったので、設定上で「ライダーキックは大事!必須!!」と先んじて位置付け、今後も使う機会があると期待値を持たせる形でしっかり重要視してくれてる形を取ってくれたのは一ファンとしてはめちゃくちゃに嬉しいですな 今回のフィニッシュをレックスのライダーキックにしてくれた辺りも、基本形態のライダーキックという“基本のき”を重視してくれた感じがあってグッド!!という感じであった 信頼しかない

演出されたのが杉原監督ということもあってか、ゼロワン第1話のフィニッシュを思わせる上空から放ってそのまま敵をぶち抜くキック、というめちゃカッコいい構図になってて非常に爽快だったのが良かったね

流石に上級契約が何度も出てきたりはしないだろうから毎度毎度ぽんぽこ放つとまではいかないだろうけど、定期的に使って欲しいね
ちなみに、何故ライダーキック?という点に関しては、理屈的なところでは「ハンコのキックを叩き込むことで更に強力な契約を重ねがけし上級契約を取り消すため」、象徴的なところでは「契約を蹴る、の意味合いを込めてる」的な考察があってなるほどなと

いわい on Twitter: "ハンコキックで再契約して強化契約を塗り潰すってことかな"

如月慎一 on Twitter: "あぁ、これジョージの趣味だけじゃなくて 契約を蹴るって言うダジャレだ… "

 

鴻上そんなライダーキックを必須の技として設定し、劇中で説明してくれたのがジョージ・狩崎だったのは凄く説得力高くて好きなポイント。そりゃあライダー大好き男がライダー作ったとなったら、ここぞの絶対必要な大技にはライダーキック設定するでしょ、というw 僕もそうしますねぇ!! ここ最近人の心が分からないサイコマンな一面が強調されていたけど、先程述べたライダーキックの件に加え、レーニングルーム(自室?)にCSMのベルトやフィギュアーツをしこたま棚に飾って置いてるという等身大のオタク感マシマシな一面が描かれたのもあって、一気に親近感が湧きましたw マジで良いキャラしてて好きなので、無神経野郎、トラブルメーカーみたいな塩梅は大歓迎だけど敵にはなって欲しくないな〜鴻上会長くらいの塩梅でいて欲しい

 

かくして事件は決着し、一輝は大二に謝罪し彼の想いを受け止めた上でフェニックスと契約し仮面ライダーとして戦うことを決意、大二も兄の人柄を改めて受け入れた上で彼を信じ支えることを決め、雨降って地固まるといった感じで兄弟共々またからっと仲良くなり締めとなりました。立ち退きの件フェニックスがなんとかしてくれるように言うって言ってたけどそれ本当になんとかしてくれる?(

 

しかし一方で、写真の中の一輝が突然消失するという奇怪な現象をバイスが目撃、何か思い当たる節があるような態度を見せつつ、今は面白げに口を閉ざすのだった...
と、短編映画ラストにも描かれていた謎の現象が今回本編でもついに発生。バイスはなんか知ってるっぽいけど気分屋だから聞かれでもしないとすぐに話さないだろうし、判明するのはまだ先になりそうだなぁ...バイスが気楽にしてることから一輝の命に関わることじゃなさそうだが、はたして

 

 

以上、リバイス4話でした。一輝と大二、仮面ライダーとしての戦いという部分を取り巻く2人の関係性が一先ず決着するまでを、ゲストのドラマとも絡めた展開運びで気持ち良く描き上げており非常に面白かったです。バイスが要所要所で地味に良い言動してたのが良きところ。杉原監督の鮮烈な演出が光ったバトルも見応え抜群で、なかなかにアガる回でした

一方でデッドマンズの目的や詳細の提示、一輝に降り掛からんとしている謎の現象など、不穏さをチラつかせる要素も多々あり、今後の展開がいっそう楽しみ。序盤の4話を越し、ここからどう動いていくか期待が高まります

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた