AnDrew’s小生意気レビュー記

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俺とオレ

仮面ライダーバイス

第18話「バディの軌跡、炎と氷の奇跡」

感想レビュー

 

 

ヒロミ「五十嵐一輝が炎上!」

バカッターやって晒されたのかい一輝(違) 物理的な炎上のこと言ってるのは分かるけど言い方が身も蓋もなさすぎるのよヒロミさん(

 

今回のエピソードは、オルテカの非道への怒りとそこから人々を救えなかった自分の無力への焦燥から先走りボルケーノの力に沈んだ一輝の苦悩、陽介との再会で心揺れるフリオの想い、そして辛苦を乗り越え今一度立ち上がるリバイスボルケーノの覚醒を描いた怒涛の回となりました。息つかぬ展開多しで見応えがありましたね 更にヒロミさんの身にも...

 

前回から引き続いてフリオくん(玉置くん)と陽介の関係にフォーカスした展開もより濃密に描かれ、今回のストーリーの一つの大きな軸となっていました。

フリオくん、陽介にはかなり鬱屈とした感情を抱いてるのが窺えてたものの、実際のところは陽介と会って話せというさくらの要請には(自分の頼みを聞いてもらう条件だったとはいえ)素直に応じていざ陽介と顔を合わせても割と冷静に話すし、そもそも「陽介が『引っ越し前にもう一度会いに行く』と言ってたのに来なかった」と憤ってたはいたけど「行こうとしてたのをいじめグループに暴力で止められてた」とちゃんと理由があったことを理解していて、それどころかその現場を見たのに助けに行けなかった自分も「陽介を裏切ってしまった」と申し訳なく思っていた胸の内も明かすし、と陽介のことを偉そうに言えないという後ろめたさを密かに抱えていた故に「陽介との繋がりを捨てきれない気持ち」と「陽介に裏切られたことは許せない気持ち」との狭間で葛藤していた部分もあったことが明らかになって、どこか非情になり切らない根っこの人の良さ相手への申し訳なさを抱きつつも自分の怒りや悲しみの方に忠実になってそっちに言動が向く感情的な一面など、総じて凄く人間臭い人となりが感じられたのがキャラ性の掘り下げとして良かったな...と。陽介が言ってくれてた「スマイル」をずっとアギレラ様への励ましとかに使ってたりと前回の時点で片鱗は感じてたけど、その辺の繋がりの断ち切れなさにこういう人間的な複雑な感情が絡んでたと知れたのは大きいね やはりデッドマンズ随一の良い奴だった...もしも陽介がいじめグループに止められてたこと知ってなかったら今でも憤りが勝ってたかもとは思うので今の陽介への複雑な感情は結果論的なものなのかもしれないけど、そうして陽介といじめグループの一悶着を知らずにいってた場合でも、陽介のことは心のどこかでかつての友人として忘れられずにいたかもしれないよなぁ...とフリオくんの人となりを見てると思っちゃうね

 

かくして陽介からの改めての謝罪を受けてフリオくん自身も胸の内を明かし、なんとか友人としてやり直せるかと思われた2人でしたが、乱入してきたオルテカが陽介をギフテリアンの生贄として利用したことで陽介は消滅。友人としてやり直せるはずだった彼の死にフリオくんも今までにない激情を露わにしてウルフデッドマンライオットへと変貌してしまうのだった...とあまりにどぎつく救いのなさすぎる展開へ。最期の瞬間、絶望に打ちひしがれそうなフリオくんに「スマイル」と呼びかけ果てた陽介と、その想いも虚しくオルテカに対してますます怒りを解き放ち暴走してしまうフリオくんの構図が辛すぎたねここ...彼の怒りを表したかのような棘まみれの身体と歯を食いしばったようなデザインのライオットのビジュアル、怒りをブチ放つような特大の爆破を生み出す様が強烈だったわね

陽介、玉置くんとの繋がりの証であった破れたカードを今も持ってたりと自分の行いをずっと悔いていて、やっと謝罪の想いを本人に言えて仲直りできそうだったのに、「フリオくん」のいざこざに巻き込まれる形で理不尽に消滅させられることになってしまったのあまりに可哀想だったね...哀しい もっともこの末路は極端な話、玉置くんがデッドマンズに堕ち『フリオくん』になってしまう前に死にもの狂いで会いに行って謝っていれば避けられた道だったとも言えるわけで、玉置くんにすぐ謝りに行かなかった陽介の因果応報とも言えるよな...とも思えるところ(2度も裏切る形になり会いに行くのが怖かったとか、玉置くんがすぐデッドマンズに行ってしまい行方が追えなかったとか色々事情はあるかもしれないけど、玉置くんの引っ越し後すぐにでも彼の下に飛んでいく余地はあったはずなのを思うと、陽介自身にも「逃げた」側面はあり、そのツケが回ったのかもなと思えるし)。フリオくん/玉置くんの方も、陽介が自分の下へ行こうとしてたのをいじめグループに止められてる様を見ていながら助けられなかったツケが「仲直りできた友人の喪失」という形で回ってきたと言えるし、お互い死にもの狂いで謝りに行っていればなんとかなったところを遅きに失してしまったよな、というかなんというか...つらい

ともあれそんな2人を嘲笑い引き裂いたオルテカの所業は許せんな...許せんなぁ!!「裏切り者・フリオ」への報復的な意味合いだったんだろうけど、それで一応は関係のない人間を容赦なく食い物にし使い潰す様はまさに最低の極みであり、悪役として良い意味でヘイトを高めてくれる行動であった。その後にキレたフリオくんにまんまとボコされるのざまぁ見ろすぎる そのくせライオットがジャンヌやライブに矛先を向け出したら自分はさっきまでの動揺は何処へやらという感じで余裕ぶって高みの見物し出すのほんまお前ほんま

 

一方、1人先走ったことでボルケーノの力を扱えず負傷してしまった一輝の方では、彼がバイスに対し、自分がいつからか自分に興味が持てなくなっていること人を助けて興味を持ってもらったり喜んでもらったりすることで初めて自分の生きがいを感じられるようになっていることを明かす一幕がありました。一輝のエゴイズムやや強めなお節介な性格の根幹にある「自分で自分のことを認められないので、とにかく誰かを助けることで他者から認めてもらうしかない」的なロジックを紐解き、彼のキャラ性を一つ深めた場面だったけれど、しれっと口にしてた「『いつからか』自分に興味が持てなくなった」という表現はやはりちょっと気になったところだったなと。まるで昔はそうじゃなかったのに、ある時を境にそうなったとでも言ってるかのような...一輝のこの性格は表面上はいわゆる「英雄症候群(英雄願望や自己顕示欲の強い、偏った思想を持つ人間にありがちな精神状態を指す(Wikipedia:英雄症候群より引用))的なものに思えるけど、五十嵐家の背景にも最近少し不穏な影が見え始めてるので、何かしらの要因で後天的に発現したものでは、と感じられて不穏。ともかく何かの伏線くさいので注目しときたいですな

 

しかし、そんな性格故にギフテクスとなった人々を解放し救いたい気持ちが今でも変わらず、それによってバイスに迷惑をかけたり危険に晒したりしてしまうと一輝が憂う中、内なるもう1人の自分自身である「バイス」に興味を持ち一緒にいる一輝が自分に興味を持ててないなんてことはないと語ったり「お前は俺で、俺はお前」だから想いは同じだし自分に迷惑をかけるなんて心配するなと背中を押したりと、「一輝自身の内から生まれた『もう1人の一輝』」として一輝を激励し再起させるバイスが実に頼もしくて良かったなと。「一輝の中から生まれた悪魔」 というバイスの性質を踏まえた上で生じる「一輝とバイスの同一性」というのはこれまでのエピソードの感想の中でも度々見出していたポイントであり、一輝の深層心理を言葉にして引き出し決意を後押しする役割を果たしたり、一輝に強い自己肯定を与えて突っ走らせたりと、良くも悪くも様々な形で話を牽引する要素になっていたけど、今回は「お前は俺で、俺はお前」というワードも用いてはっきりとそれを映像上に打ち出し、一輝のアイデンティティの欠陥を埋め合わせ共に戦う「もう1人の自分」という形でバチッとカッコよく決めてきたのが痛快だったね。バイスを実体化させようとする一輝にバイスが冗談ぽく「お前を食っちまうかもしれないぞ?」と聞いたのに対し一輝が「お前は俺を裏切らない」と信頼し託す流れも、「一輝とバイスの信頼関係」の強調であると同時に、「一輝がバイスの気持ちを『自分自身のこと』 として理解し信じる」=「自分で自分自身を信じ立ち上がる構図」にもなっていて実にグッときた。2人が「バディ」としてより信頼し合う過程を描いた第13話からより発展させた感じあるのがまた良きね

またこの後に、実体化したバイスの異形の姿を見て逃げ惑う患者達の波を掻き分けながら、一輝に肩を貸し戦いへ赴くバイスの様子が描かれていたけど、 ここは他の視聴者さんも仰ってたように「その姿は人々に恐れられる異形のもの」という仮面ライダーの本質を象徴的に落とし込んだ演出になってて一種の遊び心として良きでしたね(見ようによっては「人を助け評価されることを欲していた一輝が、人から恐れられ忌み嫌われながらも人々のために戦うべく戦地へ向かっている」的な前述の流れを踏まえた構図にもなってるように感じられて、ここもまたグッときたところ。ヒーローとしての証明のためじゃなく、純粋に誰かを想い救うために戦う、というまさにヒロイックな画だったなと)

度近亭心恋 on Twitter: "実体化したバイスが当然ながら人々から怖がられてるの 『仮面ライダーとは時に恐れられる異形の怪物である』 ってのも内包しててええな #nitiasa"

結騎 了 on Twitter: "「バイスが怖がられる」は「一輝自身が怖がられる対象である」ということなので、すこぶる仮面ライダー的なシーンであった。"

 

そして後半は、この一輝とバイスの団結を経て満を辞して本当の意味での覚醒となったボルケーノレックス&バリッドレックスのライオットとの戦闘へ。前回は前振り的な意味合いもあってか少々演出的にもう一押し足りなかった感があったんだけど、今回はアナログ・CG両演出を代わる代わるふんだんに盛り込んだ炎と冷気のエフェクト飛び交う縦横無尽のバトルが非常に見応え満点で、文句なしに大満足でありました。炎と氷の剣の両面斬りとか、実際に炎纏ったリバイのパンチがカッコ良いんだなこれが  「一気に行くぜ!」と一輝単体を表す言葉遊びになってたリバイスの決め台詞が「一緒に行くぜ!」バイスもセットという意を込めた感じの言葉遊びになってたのも洒落ててイカしてたね

 

かくしてリバイスの更なる覚醒によりフリオくんは悪魔と分離され、念願のギフテクス救出は達成。しかし当のフリオくんは陽介の喪失に放心...

と、暗い決着にはなりそうだったところで、まさかのアギレラ様が駆けつけフリオくんを優しく受け入れ救うという展開に。アギレラ様、前回の時点でフリオくんに少しシンパシーを感じてた素振りは見せてたけど、無抵抗のままにオルテカにやられそうだったフリオくんを助け、「私を独りにするの?」なんて言うほど入れ込むのは予想外だったからこの展開は驚いたね...!「自分に構うな」なんて言ってたところから、フリオくんを今の自分にとって大切な家族みたいな感じに認めたんだろうと思うと感慨深い。フリオくんも、自分に「スマイル」と笑いかけるアギレラ様に亡き陽介と重なるものを感じたからか、はたまた大切な存在として崇めていた彼女が自分の心の穴を再び埋めてくれたのが嬉しかったのか、子供のように泣きじゃくっていたのが印象深かった。決して一輝達の仲間になったわけじゃないから今後の動向はまだ油断ならないけど、この2人の行く末は報われた決着になって欲しいな...

にしてもオルテカ、さんざん高みの見物決め込んでフリオくんが無力化された途端に、もう脅威ですらないフリオくんをなおも粛正しようと襲い掛かるわ、それをアギレラ様に阻止されぶっ飛ばされるとすごすご帰るわと、優勢な時はとことん偉そうなゲスい小物って感じの趣が強まってきたな...と。「オーソドックスな頭脳派幹部」というところから「他者を見下し利用するインチキ教祖的な下衆」というキャラ性が引き立ち始め、今回の話を経て「自身が優位な時にはどこまでも偉そうな下衆い小物」的な方向にもキャラが振り切れてきてだんだん個性尖ってきたの良いよね 陽介を軽々しく消したことを決定打として、今回のエピソードで滅すべき悪役としての邪悪さがバリ上がった感あるので、今後の活躍が楽しみですね

そしていつかばちぼこにやられて欲しい(迫真)

 

しかしギフテリアンに関してはもう本当に「一度生まれたら最後、生贄になった人間は戻らない」って設定なのかな...正直ボルケーノにはギフテリアンの生贄になった人間を救うとこまで期待してたとこあった(そのためのギフテリアンの生贄の死の描写を衝撃的に描いてたもんだと思ってたし)ので、ちょっと複雑な気持ち。消滅後にギフ様に取り込まれたっぽい描写もあるし後々ワンチャン、てのもあるのかもしれんが現段階ではなんともね

 

と、一輝達の戦いが一先ずの決着を見る中、ヒロミさんがフェニックス所属の医師・朱美から「体内年齢が軒並み80歳オーバーになっている」という衝撃的な事実を明かされ、デモンズへの変身を禁じられることに...というところで締め。

 

 

どういうことだジョ-ジィ(半ギレ

当ブログ、度々ヒロミさんの不調はただの風説を唱えてきたのに、状況は想像以上にヤバかったですね...
ただことここに至ってもなお、デモンズドライバー、というか狩崎に何か裏があるとも思えないのも正直なところ。仮面ライダーや発明への拘り的に杜撰なシステムを通しそうにはやっぱ思えんよ狩崎は 事実今回だってボルケーノバイスタンプで一輝が負傷したことを自分のせいとして謝罪してて驚いたくらいだし ともかくここは見守りたいところ 死なないで...

 

以上、リバイス第18話でした。これまでも随所で作品を牽引していた「一輝とバイスの同一性」というところが明確な形で打ち出され、一輝の自分自身への自信の確立や新形態の覚醒といった展開を大きく盛り上げた熱い回でした。今のところリバイスは強化形態覚醒回が外れ無しで良いね

その他にも、キャラの関係性に変化や様々な伏線らしきものの配置など、気になるものが多く描かれ、2クール目の更なる展開が楽しみなところであります。ヒロミさんは死なないで...(

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた