AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

LIVE・Daiji・EVIL

仮面ライダーバイス

第10話「兄と弟、信じる心」

感想レビュー

 

 

・戦闘は普通に優秀

・表向きには公の平和を守る使命を貫き毅然とエビルと戦う姿勢を見せつつも内心は大二を助けられない自分の不甲斐なさに男泣きするほど情に厚い

・一緒に戦うことになったバイスとも良い感じに連携(普通に良いコンビすぎてちょっと笑う)

・ピンチの時には部下達が即座に駆けつけカバーしてくれるほど慕われている

・大二が完全復活し仮面ライダーにまでなった時は静かに微笑み喜ぶ

登場するたびに主に人格面での株がゴリゴリと凄いペースで上がっていくな角田ヒロミ?こうなってくると変身失敗で降格処分下されてちょっとむくれてたのが逆に不思議になってくるな...「申し訳ありませんでした!どんな処分も受け入れます!!」くらい言いそうでしょ今のヒロミさんなら

と、どんどんキャラ的な安心感安定感が増していくヒロミさんだけども、このだんだん否の付け所がなくなっていく様といいデモンズドライバーのギミックを小気味良くガンガン見せてくるテンポ感といい、存在感示せるうちに示しとこう的な生き急ぎ感をほんのり感じるのがなんとも怖いすね...命賭けなくても良いから死なないで...(n回目) でもほんと冗談抜きにヒロミさんには安定感を保ったまま頼れる兄貴分先輩ポジションでずっと戦って欲しいなと思ってるんすよね 1クールの節目が怖いな〜

 

カゲロウに支配された大二を救うため再び立ち上がった一輝の戦い、そして大二の次なる覚醒を描いた今回のエピソード。1週間のニチアサ休みを経たのでバイスが「しばらく会えなくて寂しかったぜ〜」みたいなメタ発言を早々にぶっ込んでくる冒頭笑った。w

大二を救い出すにあたっては自分の中に宿る悪魔に打ち勝とうとする大二自身の意志や、一輝が大二の内面にきちんと寄り添おうとすることが鍵になりそう、 的なことは前々から考察していましたが、カゲロウに抗おうと戦う大二の意志の所在や精神の強さを信じ切れず、自分には弟を救えなかったと勝手に1人で絶望していた一輝が、バイスの導きを受けて改めて大二を信じ、その精神の奮起を促す、という流れによって一輝の意識の変化と大二の覚醒の両方を押さえ描いてきたのが良かったですね。家族の繋がりというものを信じてはいつつも、実のところ漫然と信じ尊いものと謳うばかりになっていた面があったことが一輝の弱さであり、そんな一輝にとって必要だったのは、その繋がりを成す家族一人一人の想いにしっかりと目を向けた上で、それを一途に信じることだったのかもな、なんて

 

この一連の流れの中において、「かくれんぼで行方が分からなくなった大二を一輝が見つけ出した」という前回描かれた幼少期の五十嵐兄弟の回想もストーリーを発展させる鍵となっていましたが、この回想を一輝が大二を救いに行く画の象徴とするだけでなく、「ただ怯えるだけでなく自らの意志で状況を打破しようと戦う大二の意志の強さ」を示す描写として昇華させてきたのは巧みな作劇で唸りましたね。やっぱり大二自身はリバイスキャラ比だと人間としてかなり強い方だなぁ 「物陰に埋もれ出られなくなりながらも助けを呼ぶべく足掻き続けていた幼少期の大二」と「カゲロウによって意識の奥へ追いやられながらも諦めず抵抗し続けていた大二」を象徴的に類比させ大二を軸にしたストーリー展開をきっちりと盛り上げてきたのに加え、カゲロウに取って代わられ消えたと思っていた大二がまだ必死に戦っていると知った一輝が、幼少期のように闇の中に閉じ込められた大二の下へ歩み寄り救い出す、という構図の再演も為し、一輝の活躍も印象深く描いたところが凄く粋でグッとくる演出でした

 

また、一輝に大二の意識の所在と抵抗の意志の有無について伝え、大二を救うための再起を促した今回のバイスの言動がなかなかにキレッキレだったのも非常に良かったなと。大二の意識がまだ潰えていないことを知りながらも一輝の「大二を信じてる」という言葉に従って黙っておき、その上で一輝が大二の存在が無くなったと思い込んで絶望した時には「(信じてるって言ってる割に諦めるなんて)一輝って嘘ツキなんだな〜」と鋭い言い回しで刺す、というこの立ち回り、仲間の精神的な弱さやそれを破る手立てを知りつつもギリギリまで自分からは口を出さない頼れる味方キャラみたいな雰囲気があって精神的な支柱ポジションとしてめちゃくちゃ頼もしかったですね...最初あんな油断ならない一面見せてたくせにもうすっかり一輝や五十嵐家のセコム兼メンタルケア担当と化してるのちょっとじわじわくるな...(

勿論バイス自身はそこまで深いこと考えてないだろうし純粋な良心から一輝を支えようとしたりはしてないだろうけど、一輝の言うことを聞いたままの意味で素直に信じていたが故のあの言動が結果的にこういう再起のきっかけとなっているというキャラの立ち回らせ方はなかなか巧みだなと感じたところ。大二との軋轢に苦悩する一輝の迷いへの答えの本質をふと突いてみせていた第4話や、一輝に迫る危機をなんとかしようと奔走していた第8話でも似たような場面はあったけど、他人の心の機微に疎く物事を純粋に捉え楽しんだりするバイスの子供のような精神性をブレさせずに描きつつ、それを時折不安定になる一輝の支えとなるように機能させることでストーリーを盛り上げる、というこの流れは現状のリバイスにおける白眉だなと感じますね。看板キャラとして取り上げているだけに動かし方にめちゃくちゃ力入ってるなぁバイス アバンの「痛いの痛いの飛んでけ〜」「痛いのはそこじゃないよ」のやり取りといい、風呂に入りながらのやり取りといい、一輝とのバディ描写もかなり味わい増してきたしね

にしてもバイス、今回しれっと相手の脳内を覗くことができるという能力が描かれていてこれが今回の話のキーとなっていたけど、この能力今後どのくらい描かれるかしらね(邪推) 便利な能力だけどあんまバリバリ使っても便利すぎて話の起伏が減るかもしれないし、使わなかったら使わなかったで「なんであの能力使わないの?」って突っ込まれるタイミングも出てくるかもなので、早期に出すにはけっこうリスキーな設定だと思うんだけど、是非とも良い塩梅で有効活用して欲しいところ

 

かくして五十嵐兄弟の前にエビルは敗れ大二は主導権を奪還。自らの意思を取り戻した大二はツーサイドライバーで仮面ライダーライブへと変身しました。

エビル(evil)が反転してライブ(live)となるネーミング、エビルの身体を取り巻いていた漆黒の装甲がめくれたかのようにライブは純白の装衣を身に纏っているというデザイン性、剣で戦っていたエビルに対しライブは銃で戦う(聖職者の銀の弾丸を込めた銃的なイメージかな)という戦闘スタイルの変化、などなど様々な要素がエビルからガラリと反転した設定の面白さに加え、坂本監督のアクロバティックなアクションを取り入れた軽やかな動きを主体としたガンアクション(フェニックス部隊の戦闘スタイルはガンデフォンを用いた銃持ち戦闘がデフォだから、CARシステムっぽい持ち方してたのが面白かったね)で魅せるデビュー戦がなかなかに見応えがあり、想像以上に存在感抜群でしたねライブ 攻撃時の黄金のエフェクトが綺麗でカッコよい 回し蹴り気味のライダーキックを繰り出すエビルに対し、 捻り少なめなスタンダードなライダーキックで決めるとこまで対象的で目を惹きましたね

そんなライブの戦闘が主になったこともあってか、今回初登場のブラキオゲノムは若干個性の発揮が抑え目な活躍になったのが惜しいところ。次回も出るっぽいし次の活躍を期待したいね

それにカゲロウもあんな大きく出張ってきてここで終わりなわけないので、今後のストーリーをどうかき乱していくか、注目どころですね

 

そしてジョージ狩崎的にやはりこのエビルからライブへの転身は予め織り込み済みの展開だった模様。エビルの成長をそのままライブの強さに落とし込むのが狙いだったのね ライブ誕生にここ一番のテンション爆上がり見せるの笑った()

しかしジョージ狩崎が最終的に何を目指しているのが作中における謎として触れられ、狩崎自身もバイスタンプが10個揃ったことにほくそ笑むなど、不穏さが漂うのも気になるところ。仮面ライダーへの深い愛がどうのこうのと言ってたけどその真意やいかに マジでただそれだけだったら最高なので是非貫いていって欲しい

 

こうして戦いは終わり、家族が待つ五十嵐家の下へ一輝と大二が帰還、再び家族揃って卓を囲む、という「家族」をテーマにした本作らしい気持ち良い絵面がラストに描かれこれは非常に良かったなと。写真から消える一輝を締めにするのがあまりに不穏極まりないが...

しかし気がかりなのはやはり、大二が犠牲になりそうな状況に心乱れ、本当の強さというものに苦悩するようになったところをアギレラ様につけ込まれてしまったさくらですね 前回の時点から不安定な一面や少々歪に思える部分なんかも少しずつ窺えてきてたけど、今回もヒロミさんにやや感情的過ぎるくらいに突っかかったりしててどんどん危うい雰囲気増してるし、次回予告の描写もあってここからどうなるか心配よな...序盤にして波乱まみれだが一体どうなるやら

 

 

以上、リバイス第10話でした。五十嵐兄弟の成長・覚醒を象徴的な構図をふんだんに織り込んだドラマに乗せて熱く描き、ライブ誕生で大きく盛り上げたニチアサ休み明けに相応しい面白いエピソードでしたね。ヒロミさんやバイスが相変わらず安定感あるのも良き

一方で今度はさくらの不安定さが目立つようになり、これが新たな波乱になりそうなのが気になるところ。五十嵐家に真の平穏が訪れるのはいつか...

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた