AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

アクとセイギ

仮面ライダーバイス

第5話 「世直しライダー!裏切り者は誰だ!?」

感想レビュー

 

 

バイスタンプを身内が盗み出した疑惑があるにも関わらず相変わらずへらへらとしているという、みんなにとっての危機を危機と全く捉えてなさそうな感性のズレを感じさせるあっけらかん具合に加え、犯人を見つけたら首の骨折ったるみたいなことを楽しそうに言い放つマジなのか冗談なのか分からない振る舞いを見せたりと、今日もジョージ・狩崎のマッドっぷりが絶好調で良き(良いのか?)。首折ったる発言のテンションが、場を和ませるような「犯人の野郎絶対とっちめてやるッ!」って感じの見るからに冗談と分かるテンションじゃなく、「犯人の首をぉwww折る練習ですよぉwww」って言いながら1人で首へし折るような動きを反芻して楽しそうにしてる感じだったのが、ワンチャンほんとにやりそうだしそれを特におかしいとも思ってなさそうなクレイジー感あって凄く絶妙で好き

またそんな狩崎の他のキャラと一線を画すマッドっぷりを強調するように、狩崎に間違えて銃口を向けてしまい手が震える大二と銃口が顔にゼロ距離で当たってるにも関わらず余裕そうに軽口を飛ばす狩崎の対比のカットを入れていたのが凄く秀逸で、今回のお気に入りのシーンの一つ。味方サイドなんだけどヤバい奴、という危ういバランスをモノにした狩崎のこういうキャラが、序盤からしっかりそういうものとしてブレなく描かれてるの非常に良い

 

今回は「世直し」を謳いデッドマンの力で暴虐を働く迷惑系ユーチューバーとの対峙を描く回...と思ってましたが意外にもユーチューバー絡みの問題自体はAパートが終わるよりも早くサクッと解決。ユーチューバーの男ことボンが、方法こそアレだったけど単に注目集めたいだけでなく一応世直しのことも考えていたり、祖父のことを挙げられて自身の気の迷いを恥じる良心を持ち合わせていたりと、それなりに真っ当な人物だったのが救いだったわね(こういう人物がデッドマンを生み出しても大したことはないらしいし、こういうのが無いようデッドマンズ幹部が足使って探したり見極めたりする必要があるんだな)

そんなユーチューバー騒動の中、売れないユーチューバーの元太パッパはまた妙なことを始めており、こっちはこっちで面倒() フェニックス公認、ということで多分デッドマンの出現をいち早くキャッチするための方策の一環なんだろうけど、それでいいのかフェニックス。w さくらがいよいよガチで父に呆れの表情見せ始めてるの笑う

 

と、ここの一連のあれやこれ自体はあっさりめの解決となったけど、「こんな動画撮っても誰も喜ばないし、暇潰しに使われるだけ」とこの手の迷惑動画を撮ることの無意味さについてクレバーな解をさり気なく置き、子供に向けたメッセージ性も込める作劇を成してドラマ面をきっちり引き締めてたのは実に良かったなと。身から出た錆で襲われることになったブラック企業のシャッチョに対しても、襲われたその身を気遣いつつ「アンタもなんでこうなったか考えなよ?」と注意する、という細やかな気配りをしてたのも良き

注目を集めるためであろうが何か大きな目的のためであろうが、こういう人様に迷惑かけて何かを為そうとする様子なんて結局見せ物/笑い物にしかならないし、その時は楽しんでる連中も所詮興味本位なくらいで興醒めすれば一気に突き放すだけだしと、とどのつまり撮ってる奴らに良いことなんて何も無いんだよな...(世直し中はその様子を楽しんで観てる奴らばっかだったのに、 失敗した途端にコメント欄が中傷する言葉で溢れてたしな)

度近亭心恋 on Twitter: "コンテンツを誰でも発信出来て情報が溢れて大量消費される時代に対して、 「暇潰しに使われるだけ」 で炎上系動画に釘を刺すの割と好きかも #nitiasa… "

カワバタヨシヒロ@古き掟の魔法騎士コミカライズ on Twitter: "迷惑系ユーチューバー、誰にも喜ばれず暇つぶしに使われるだけって意見、的を射すぎている"

 

そんな中で繰り広げれたリバイ&バイスvsライオンデッドマンの戦闘は、オーインバスターで攻めまくるバイスの後ろから遅れて参戦したリバイがオーインバスターをくすねてガンデフォンとの2丁拳銃スタイルで攻撃を行ったり、バイスがガンデフォンを取っていって撃ちまくってる間リバイがオーインバスターでの必殺技を発動させたりといった、リバイとバイスの凸凹だけどどこか息のあった戦闘スタイルを小気味良く描きつつ、武器のギミックを惜しみなく使用し印象付ける演出もしっかり魅せるというテンポ感が非常に気持ち良く、短いながらも満足度は高かったですね。スライディングでライオンデッドマンの懐に潜り込んでオーイングストライク、からのスタンピングストライク連続使用で撃破、という必殺技の2パターンの必殺技を漏れなく使用し且つカッコ良く描くここのフィニッシュ実に痛快

 

今回の本題としては、ユーチューバー絡みの一件の中で正しいことをした一輝や悪気こそなかったボンが野次馬達に理不尽に中傷される様を見て「正義とは何か」に悩み始めるさくらバイスタンプを盗み出した何者かを炙り出すために仮にも一般人であるボンを囮に使おうとする大二の行動の是非など判然としない正義の形に惑う登場人物達の人間模様が一つ大きな主軸になっていたなと感じます。

さくらの内面をこういう形で一気にグッと動かし今後の布石としてきたのは少々意外なところでしたが、改めて思い返すと第3話でただの悪人と思われていた吉田から「誰かが本気の怒りを見せないと何も変わらない」と言われたことや、第3、4話の一連の事件で彩夏が家族の事情で暴走した件を目にしたことなど、さくらが“本当に正しいこと”に疑問を抱くようになるきっかけ自体はよくよく考えると前から細かく示してあったんだな、 と展開の積み上げ方の妙に感心。まだしばらくは展開上の動きはないと思ってただけにここでさくらに不穏な空気が漂ってきたのは余計に注目せざるを得なくなりましたなぁ 気になる

また他にも気になるポイントといえば、前回の一輝との気持ちの良い和解を経た後とは思えないなにやら様子のおかしい大二。一般人のボンを囮に使うと言い出したことに関しては優しい大二らしくないと言えばらしくながらも、「身内に裏切り者がいるかもという危機的状況への危機感」とか「恩赦付きでのボンへの協力要請」とかいうところで一応やむを得ないこととして説明がつくんだけど、これに反論する一輝に「他に代案あるの?」と少々強めに食ってかかったり、一輝がボンを護衛すると言った時にも「また目立ちたいのか」「正義の暴走に気をつけろ」と妙に喧嘩腰になったりと、大二の言動自体がなんかおかしいというかなんというか...ヒロミとの洗面所での会話もなんか変にうわついた雰囲気でおかしな感じがしたし  元太パッパが「お前達仲直りしたんじゃなかったっけ?」って聞いてるし本編上でも明確に「変なこと」として描かれてるので凄く気になる...

 

それでいて各キャラがそうして不穏な雰囲気を漂わせる中、バイスタンプを奪い出したのは誰なのか」という問題が首をもたげ、それに合わせるように作中の様々な人物が不審な動きをたびたび見せてくるので、登場人物の誰も簡単に信用できないという緊張感高めにシチュエーションが生まれていたのがなんとも怖かったところ。現状の情報だと誰がやったのかを一概に断定して語れないので凄くハラハラするなこれ...!そして自分達の知らない間にデッドマンが生み出されてる状況に「えっ...」て素で困惑するアギレラ様不憫かわいい

見かけ上では、降格処分を改めて食らわされ悔しさに身を震わせたり(またしても冒頭でいきなり降格処分演出が入るのマジで可哀想なんだけど、あまりにも板につきすぎてしまってちょっと面白いんだよな...w)、犯人を誘き出す作戦中後ろの方に突如銃口を向けたりなど露骨に怪しい言動ばかりの変身失敗おじさんことヒロミが一番不審だが、果たして...冒頭にヒロミのIDかなんかでセキュリティ突破するシーンもあるし ううむ

 

そして後半のバトルでは、リバイ&バイスvsフリオ&オルテカのライダーvs幹部陣対決と新形態ライオンゲノムの覚醒が描かれました。早速幹部陣との戦闘が繰り広げられたけど、フリオとオルテカが2人一緒に出張ってくるとちょうど2vs2になって戦闘のバランスが良くなってええね 幹部陣も新しい形態とリミックス変身には対応しきれないというところで現状はクソ強ってほどでもなく、パワーバランスとしては程良いかなと

ライオンゲノムはクウガモチーフなのもあってか、今回はちょっとしか描かれなかったけど割と泥臭めなインファイトスタイルが主体の戦闘をしていてなんともクウガらしくて良きでしたな デザインも後頭部をタテガミ型の造形にしつつ、角を耳、クラッシャーを牙といった感じでクウガの意匠を見事にライオンと融合させていたのが素晴らしく、デザイン的にもかなり好みですね リミックス変身でバイスがちゃけて猫になった時は一瞬あれがマジのリミックス形態かと思って焦ったのは内緒()

 

そしてラストに現れた謎の仮面ライダー・エビル。現在バイスタンプ強奪の犯人と半分同一視されてる感じであり、おそらくはリバイ達の敵と思われるけど、変身者含め今は謎だらけの気になる存在ですね。スタンプ強奪の犯人と同一、と見るとその第一容疑者っぽいヒロミが変身者かなとも思うけど、後述のエビル出現時にヒロミは外で倒れてたのでどうもミスリードということっぽいし、いやはや謎である

となると前述の妙な言動に加え、エビル出現時に倒れてる姿の見られなかった大二が一番怪しいんスけど...冒頭に描かれたヒロミのIDでバイスタンプのセキュリティが突破されるシーンも、ヒロミのID奪う的なことすれば誰にでも可能だろうし...そいでそうなるとスタンプ強奪も大二の犯行ってことになるが 考えすぎか(でも洗面所での言動が変だったのも「深夜にセキュリティ突破してボンにスタンプ渡しに行く、と忙しくて寝てなかったから」と見れば...)

 

 

以上、リバイス5話でした。正義とは何か?悪を為そうとしているのは誰か?といったところで登場人物達に不穏な空気が一様に漂い始めるなんともハラハラする回でした。五十嵐家の弟妹が揃って何やら怪しいの怖いなぁ...
そして現れる謎のライダー、スタンプ強奪の犯人共々デッドマンズとは直接関係がないらしいこの第三勢力の正体とは...目が離せないところです

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた