AnDrew’s小生意気レビュー記

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地獄か???

仮面ライダーバイス

第8話「家族の休息、天国と地獄!?」

感想レビュー

 

 

8割くらい地獄だったんだけども(満身創痍)

 

幸実さんの退院祝いの家族旅行から始まる今回の話。旅館を舞台にした話って今までのシリーズでもあんまなかった(昭和シリーズだと遠征とかでたまにあったかな)ので絵面的にかなり新鮮だったけど、メタ的なところで見るとコロナ禍が収束してだんだん現実世界で旅行がしやすくなってきたことに合わせて、苦境に喘ぐ旅館とかを応援しよう的な意味合いもあるのかなと思ったり と言っても今回の話自体は陰惨な闇を隠そうともしねぇエグ過ぎる話だったので実際そういう意図があったかどうかは正直微妙だけど()

 

大二に扮してそれっぽく行動しつつその実家族が幸せの絶頂にある瞬間に一輝を抹殺しようと目論んでいるカゲロウ一輝のアキレス腱たる五十嵐家を一輝諸共に潰そうと目論み近付くデッドマンズ大二の動向を監視するべく五十嵐家の周囲に現る狩崎とヒロミ...などなど五十嵐家の平和な筈を家族旅行に様々な思惑が二重にも三重にも絡み付いた状況が生み出す、ひりつくような緊張感が特徴の展開運びとなっており、特に一輝・大二・元太・狩崎・ヒロミの5人が揃って露天風呂に浸かるアバンのシーンは「大二を装い一輝を狙うカゲロウ」

「エビルの正体を知ってるのに面白がって一輝に対してはそれをいけしゃあしゃあと隠す狩崎」

「エビルの正体である疑惑が濃い大二に密かに睨みを効かせるヒロミ」

と各人がそれぞれの考えを隠しながらさも普通かのように接する不穏すぎるシチュエーションとなっており、本作において最初「腹を割って話せる場」として位置付けられた“風呂”を「疑惑と隠し事が渦巻く場」に仕立て上げるという逆転の演出があまりに凶悪すぎて唸りましたね...

 

そんな中何気に一番に目を惹いたのはやはり、五十嵐家と偶然同じ旅行先に居合わせたと思いきや、実の所家族揃って盗聴器などを用いて五十嵐家の動向を監視していた、というしあわせ湯の常連・牛島家の不気味な動向でしたね。ちゃんと公式サイトのキャラ一覧に載ってるし、矢柴さんみたいなけっこう名の知れた俳優さんが演じてるしで現状ネームドモブ的なキャラの割にはしっかり扱われてるよなぁ、なんて思ってはいたけどここで急にこんな感じで存在感出してくるとは思っても見なかったので驚いた...盗聴器の描写とか普通に潜入してるアギレラ様達が仕掛けて聴いていると思ってたので、次のカットで牛島家が移った時たまげたよ 特撮オタ的には矢柴さんってニンニンの旋風パパのイメージが強くて自然と良い人と思ってたのでそのギャップも効いたなぁ 普通のドラマだと悪い役とかも割とやってるんだけどね

牛島家の正体、普通に考えたらデッドマンズに通じてる者達みたいな感じ(旅館の従業員に普通にデッドマンズの間者がいる描写もあったし)なんだけど、大二がエビルとなって出張ってきたのを見て想定外みたいな反応を見せたりと明らかにデッドマンズ一同と把握してる情報に齟齬がある様子を見せてるので、どうも第三勢力っぽいのよな(フェニックスとの関連を考えても狩崎達と情報共有してないわけないのでエビルに驚くはずがないし) なんか身近な色んな人まで軽々しく信じられなくなってくの怖いよ〜(割とマジで怖い)

ともかく彼らの正体は注目せねばならないポイントの一つですね

 

と、様々な勢力が交錯する中でかなり大胆に五十嵐家に接近してきたデッドマンズ幹部陣だったけど、ご丁寧に制服や浴衣着て警戒されずに近づいてくるの、堅実なのか律儀すぎるのか分からんな...w 派手に暴れたり若干回りくどい手段で攻めてきたりみたいな特撮悪役的なアプローチでなく、しれっと飲み物に毒含んで殺そうとしてきたりとガチめに謀殺しようとしてきてる辺りの容赦無さが光っていたのは恐ろしいところであったが 自分が一輝を抹殺することに拘るカゲロウがいたおかげで事なきを得てるのあまりにも皮肉

そんなデッドマンズ幹部陣、わざわざコスプレして行動してる辺りの微笑ましさ含め、今回は人間臭い愛嬌みたいなものを感じる場面が多かったのが良かったなと。w 思い通りにいかなくてむくれるアギレラ様にフリオとオルテカが割と振り回されがちなのが面白い 特にフリオはエビルに襲われて即トンズラこくアギレラ様に「えぇ〜...」って普通に困惑してたり、不貞るアギレラ様にスマイルスマイルと呼びかけるも八つ当たりでビンタかまされて痛がったりと既に面白キャラの片鱗を見せ始めていてけっこう好きになってきたなと() 苦労人って感じなので強く生きてくれ

といった感じでけっこう親しみを感じられるキャラ造形してるデッドマンズ幹部陣ではあるけど、偶然会ったテイのさくらに対しフリオが向けた笑顔が明らかに作った感バリバリで心を感じない笑顔だったり、五十嵐家のサプライズに協力して花びらを撒くアギレラ様の動きが見るからにめんどくさげな感じだったりと、要所要所で情愛的な感情の類に疎そうな人間みを感じない一面を見せているのが絶妙なアクセントで良かったなと。仲間内だと普通に仲良しだけどその他大勢の人間にはそれが適用されない、的な感じか またアギレラ様に関しては今回の計画で一輝を潰すこと以上に「五十嵐家」を潰せることを楽しみにしてる節があって、キャラ設定の「家族などまやかしにすぎないと思っている」という部分に通ずる闇を感じたので、今後はこの辺の歪みをどんどん掘り下げていって欲しいな デッドマンズ幹部陣かなり好きだぞ

 

この不穏すぎる状況下で、デッドマンズの存在を察知して一輝に注意を促そうとしたり、それを信じてもらえないのでなんとかせねばと思って狩崎に助力を求めたりと、意外にもバイスが良い立ち回りをしてたのが面白かったですね 普段のおふざけが災いしてここぞで信じてもらえないオオカミ少年的な感じだったねw やって来たバイスを邪険にせず「君が五十嵐一輝を守ってやれ」と一応言ってあげて、戦闘が始まれば新アイテムを渡してあげるなどそれにちゃんと応える狩崎との掛け合いも楽しかった 前回色々あったけど合わせようと思えばなんだかんだ波長はあってる2人なのかね

てか今回のバイス、今日は家族水入らずだから出てくるなと一輝に言われてしょげつつも一応出てこないようにはしてるげで妙に聞き分けが良いのに加え、大二の皮を剥いで正体を明かし襲いかかってくるエビル/カゲロウに困惑し動けない一輝を「家族がバラバラになっても良いのかよー!?」って呼び起こしたりと、だいぶマトモな言動してたのがビックリでしたな。見かけ上は普通に良い奴って感じで、 どうした!?ってなる() まぁ「一輝がヤバいと俺っちもヤバい」とハッキリ言ってるので依然利己的に動いてるとこが大きくはあるんだけど、一輝の家族への想いとかを分からんなりに理解して距離の取り方を弁えてる辺り、序盤とは違ってきてる感じがあるんですよね バイスに何かしら変化が起きてるのかなぁという感じだけど、こんな序盤からバイスがムードメーカーというだけでなくちゃんと精神的な支柱として機能することになってるの当初は想像もつかなかったから意外な展開で良きね 今もうバイスよりヤバい奴らがうじゃうじゃ湧いてきてるからバイスがふざけて場を乱してるどこじゃないのもある()

 

かくして後半では、カゲロウが遂に本性を現して一輝に襲いかかるという形でリバイスvsエビルのバトルが展開。今回遂にエビルの変身が披露されたけど、真っ黒い小さなコウモリの群れに包まれ、その中で培養液に満たされ変身を完了する、という悪ライダーらしい変身プロセスが、本性全開状態のカゲロウの色気も合わさってなかなか良い感じに決まっててカッコ良かったわね

今回の戦闘は、新アイテム・オストデルハンマー50のギミックを活用した攻撃や、リバイとエビルのジャッカルバイスタンプとコングバイスタンプをそれぞれ使った必殺技の鍔迫り合い→吹っ飛んだスタンプをそれぞれ奪っての各自のフォームチェンジによる攻防など、2人のライダーの小気味良いガジェットの使用の連続やフォームチェンジで魅せるバトルが良いテンポ感で非常に楽しかったですね エビルもフォームチェンジができるのは戦闘の幅が広がりそうで良いねぇ リバイ、バイス、エビルとそれぞれ全然違う方式でのフォームチェンジを備えてるの何気に凄いよね これからもたまに出て来て欲しいと言ってたリバイスジャッカルゲノムがしばらく見納めっぽいのは惜しいが、普通に考えてスケボー形態とか使用が限られるわけだしスピード特化の形態という分かりやすい活用のできるエビルに渡ったのは出番的には良かったのかも。気は早いけど、エビルが仲間になった時にスタンプの交換で改めてリバイスジャッカルが見られたら面白い...かも

 

今回はリバイスの新形態としてコングゲノムが登場。モチーフがゴリラとフォーゼということで、マンガ的な表現のトンガリ頭のゴリラのビジュアルをフォーゼのマスクのデザインのシルエットと合わせつつ、アンテナを太眉、顔側面のロケットの羽を耳、モジュールを装着するごつめの腕をゴリラの剛腕にそれぞれ見立て落とし込む、という感じで見事にゴリラとフォーゼを融合させたリバイのデザインが実に見事で、現在登場してるリバイス派生形態の中でもかなりお気に入りのビジュアル。バイスの方も全体のシルエットをゴリライメージの巨漢に仕立てつつ、カラーリングをフォーゼの白ベースとすることでどことなく「イエティ/雪男」風にしてるのがまた秀逸で好き。玩具情報が全面公開された際に同時にお披露目となったビジュアルを見た時点で既におおっとなったんですよねこれ

今回はスピード重視のエビルジャッカルに若干苦戦してもいたけど、パワー形態らしく地面を衝撃波で揺さぶるような外連味の効いた演出が爽快で良かった。今後も活躍して欲しい形態ですわ

 

そんなリバイスvsエビルの戦闘の最中、ずっとフリオとオルテカの幹部陣2人をしれっと相手取り続けていたデモンズの活躍も非常に良きでしたね。リミックス変身で押せるレベルではあるし幹部陣自体が絶望的に強いわけではないとはいえ、バッタゲノミクスのギミックで割と大きめなダメージ与えて撤退もさせたし破格の活躍でしたね こっちの方でもギミック使用がしっかりされてるのグッドね

前半でエビルと相対した時も、前回の戦闘で警戒されてるからかエビルはすぐに撤退を選んでたし、割とマジで実力はトップクラスかもなデモンズ...信用しきれない奴らだらけな中で現状一番頼れるまであるヒロミのキャラも相まってだいぶ頼もしいのよな 死なないで...(懇願)

 

こうして激戦が繰り広げられた後、エビルは再戦を仄めかし撤退。大二を救ってあげて欲しいという幸実の言葉を一輝は噛み締めるも、残された五十嵐家は絶望に苛まれるのだった...というところで締め。地獄だ...

宣言通り五十嵐家が幸せの絶頂にある瞬間に盛大に全てを明かしぶち壊して来た上に、去り際も「また喧嘩しようぜ...お兄ちゃんと嫌らしく言ってきて一輝およびその家族を的確に刺してきたカゲロウの悪辣すぎる言動もそうだけど、全体通して五十嵐家の幸せな家族旅行を粉砕する邪悪すぎる作りになってたのがまぁエグいエグい 普段軽めな元太も涙目で歯噛みしてんのもうどうしようもねぇよ...

ここから立ち直れるのかな五十嵐家...立ち直って...

 


以上、 リバイス8話でした。五十嵐家の幸せな家族旅行、というシチュエーションに各勢力の疑惑と思惑が交差する不穏すぎる構図を組み込み、最後に盛大にぶち壊してきた鬼畜すぎる作劇が最高にハートがブレイクされた辛すぎる回でした。辛い() 牛島家の謎の動向も相まって劇中に誰も信じられなくなっていく構成も酷い(褒) 戦闘時のギミック活躍マシマシなバトルは非常に楽しかったがそれどこじゃねぇんだよ!

細かなところでも、狩崎が元太の動画配信について疑問を示す何やら意味深な描写があったり、家族を傷付けてくるアギレラ様にさくらが怒りを示す因縁の発生的な描写があったりと、今後の話の布石に繋がりそうな要素多しだったのが目を惹きました。元太の動画配信に関しては意味深なだけのミスリードで「本人がやりたいからやってるだけです!」で軽く済まされそうな気もするけどな!これからどうなっていくのかな...これ以上の地獄があろうか...

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた