AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

うょしん部のコカ様~

機界戦隊ゼンカイジャー

第32カイ!

「怒るサカサマ!まさかサルかい?」

感想レビュー

 

 

回文になってるサブタイトル普通に上手いけど、今回の話に猿は別に関係ないというこの開き直り具合好き サカサマワルドもそんなキレてたわけじゃないしな...()

 

サカサマワルドの能力で介人とステイシーくんまさかの入れ替わり、という展開から始まった今回のストーリー。トロプリでも入れ替わりのネタやってたからまさかの同日ニチアサ枠でのどど被りです リバイスも入れ替わりネタやれば良かったのに...(無理)

ステイシーくんの身体を手に入れたことで念願のトジテンド突入を果たす介人、介人の身体に入ったことで仲間や知人達に慕われる立場となるステイシーくん、という入れ替わりを経た2人のそれぞれの動向が描かれる流れとなっていたけど、介人はステイシーくんがトジテンド内においてあまり立場が良くなくて軽んじられていることを知って、想像していた以上に気苦労の多い身であることを痛感し、ステイシーくんは周囲の人々にいつも愛され慕われている介人の立場になったことで、自分の持たざるものを持つ介人に嫉妬を抱きつつもその身に居心地の良さを感じる、とそれぞれ他人として向き合ってる中では分からない相手の立場をその身で体感する形の展開になっていたのがとても面白かったですね。視聴者の我々は介人の愛されようもステイシーくんのトジテンドでの扱われ方も神の視点で把握してはいるけど、介人達からしたらあれだけ強力な装備を単独で与えられてるステイシーくんは普通にそれなりの役職についてそうに見えてただろうからステイシーくんの苦労は細かにイメージできてはいなかったろうし、ステイシーくん的にも介人が自分に持ってないものを持ってるというところで憎らしくは思っていてもその介人を取り巻いてるものの温かみというのは実感として感じられなかったわけだから、この入れ替わりによって自分自身がその立場で何かを感じることで相手への理解や自身の気持ちの変化を得るというところへ至れたのはかなり大きな影響だったんじゃないかなと。

特にステイシーくんに関しては、母の面影を感じるヤツデ婆ちゃんとの交流で家族の温かみみたいなものを擬似的に感じられこそしていたけど、その温かさに囲まれ育つという何気ない幸せを享受できる存在そのものになるということは初めてなわけだし、染み入るものが大きかっただろうな...些細な変化かもしれんけど、介人への感情が「嫉妬/憎悪」みたいなマイナス寄りなものから「羨望」というプラス向きなものへと変わったと思う

そんな介人の境遇にその身を置いたことで「このままでいられれば...」という葛藤を一時見せながらも、最終的には父・バラシタラを越え自身を証明するために戦いに身を置く今の境遇へと戻っていってしまうステイシーくんの決意はどこか悲壮で地味に辛かったなぁ...ゼンカイジャーがサカサマワルドを倒してしまえば能力が解除され今の夢のような時間は終わる、そしてトジテンドの一員としてゼンカイジャーと戦えば今のままでいることもできる...という中で普通は「サカサマワルドは倒させない!!」的な方向にも行きそうなところを、儚い夢には縋らない、あくまで自分のやることをやるのだという方向に行く辺り、ステイシーくんも(良くも悪くもではあるが)最終的にはブレないよなぁ、と思う。ベクトルや質はまた少し異なるけどこういう一度決めたことからブレないところも介人とちょっと似てるよね でも今回の話を経て心境に多少なりの変化は起きてもいるはずなので、これが今後どう影響していくかは気になるわね

 

と、介人とステイシーくんにまつわるドラマ面が目を惹く作劇となり、ギャグ的な活用がされるのが定石である入れ替わりネタを2人の関係性の深化というところに昇華させたのは見事でしたね。「入れ替えるとキャラの声ごと入れ替わってる」という個人的にあまり好みでない方式が取られていたのでそこが不満ではあったけどこの点が凄く良くて満足度は高しでした つっても駒木根くんと世古口くんのそれぞれのキャラの動きや表情をトレースした演技は見事だったし、発声の部分にもそれが反映されてる映像はやっぱ見たかったなぁ...Twitterに上がってた2人の演技の擦り合わせの様子の映像とか声の雰囲気の合わせ方が上手くて超良かったし

機界戦隊ゼンカイジャー on Twitter: "⠀ \45/ ⠀ \⠀/ (○ V○) 入れ替わり全カーイ! 特別動画公カーイ!①⚙✝️ Let's入れ替わり! 葵汰くんと世古口くん 2人で事前に読み合わせを行ったカーイ! 山口監督の指導も飛び交う その時の風景を大公カーイ!! 互いに互いを研究! その成果が出てたカーイ?? #ゼンカイジャー #nitiasa… https://t.co/XHdfBg2fEY"

 

またドラマへの昇華の方を大きく取り上げはしましたが、そこは安定のゼンカイジャー。入れ替わったけど見た目的に全然変わった感じがしないのをイジられるカッタナーとリッキーとか、「入れ替わってるぅ〜!?」「君の名はァ!?」といった台詞回しによる『君の名は』ネタの躊躇ない応酬とか、ギャグ面もガンガンにはっちゃけてて実に良かったです。w カッタナーとリッキーに関しては前述した声ごと入れ替えるスタイルなせいで余計に入れ替わった感なかったし、 その辺分かってて開き直ってネタにした感出たのは面白かったw

また大きく目立ちこそしなかったけど、入れ替わりでゾックスの人格が中に入ったフリントがツーカイザーに変身する展開も、戦隊の入れ替わり回の定番という感じだけど面白かったわね ツーカイザー変身ダンスを踊るフリント可愛かった(流石に増子さんレベルでキレッキレではないけど頑張って動きをトレースしてた森さんが微笑ましかった)

てか何気にここの変身に合わせて、バンク用に森さんがツーカイザーのスーツ着てGBで撮影してたり、フリントの小柄さに合わせて五味涼子さんがツーカイザーのスーツ着てアクションしてたりと、色々細かい工夫入れてたのが良い拘りようよね

 

戦闘パートでも、ステイシーくんの入ったクールな佇まいのゼンカイザーと、介人の入ったテンション上げ上げなステイシーザーという奇妙な絵面の戦闘が繰り広げられたりと色々面白いことになってて楽しかったw 変身時のエフェクトとか変わってないのに動きが大振りで元気になるだけで一気に陽気なキャラになるステイシーザー好き

また前回に続いてゼンリョクゼンカイキャノンでのレジェンド戦隊召喚をガンガン活用する介人のファイトスタイルはなかなか画の華が出て良いなと。前回もそうだったけど複数出てくる戦隊の色がそれぞれ異なってるから彩り出るよね。トジテンドパレスでも捕虜解放のためにけっこうしっかり使ってたし、こういう風に積極的にアイテムとして劇中で活かしてくれるのは嬉しいぞ パトレン1号が出てきた途端TLが盛り上がってたの面白かったw 自分もテンション上がった(

あと巨大戦でまたゼンリョクゼンカイオー使ってくれたのは何気にけっこう嬉しかったねぇ この手のCGロボは大抵1話やって次の登場まで間空くんだけど2話連続でやってくれるとは...グッジョブである。次回は流石に違うっぽいけどまぁここは他のロボとの活躍のバランスもあるしそもそもシリーズ通しても全合体ロボは頻繁には出ないしこのくらいが妥当か 定期的には出て欲しいね

 

そして気になるのは、トジテンドパレスにやって来たステイシーくんが本人ではないことに真っ先に勘付き、それをボッコワウス様の前で指摘したりしておきながら、いざ追うとなったら密かに逃走の手引きをしていたゲゲの動向。なんか雰囲気的に介人が入ってたことにも気付いててもおかしくはなさそうだったし、だとしたら敵であるゼンカイジャーをみすみす逃したことになるんだけども...なんか謀反というかトジテンドの壊滅とか目論んでない?(今は利用できるだけするつもりなだけで、用済みになったらゼンカイジャーに潰させる的な)
ゲゲの不気味な立ち回りは依然不明な点も多いけど、考察できる部分も増えてきたし、ここらでそろそろ明らかになる部分も出てくるかも...?

 

ラストは仲間達に囲まれ無事を喜ばれながらも、ステイシーくんの境遇により強い想いを馳せる介人の姿で締め。トジテンドに向かったけど成果を上げられず謝る介人に「そこは謝んなくて良い」と優しく諭すジュランがさり気なく良かった

介人とステイシーくん、それぞれの境遇を交わらせた2人の行く先は...

 

以上、ゼンカイ32話でした。入れ替わりネタを介人とステイシーくんの相互の境遇の理解やそれを通じた心境の変化等を繊細に描き出すドラマに昇華させた作劇が目を惹く非常に面白いストーリーでした。この2人の関係性も中盤を過ぎてけっこう深まってきたしそろそろ物語的な動きも出てくるかなぁ 楽しみにしときたい

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた