AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

「家族の家」は「悪魔の巣」へ

仮面ライダーバイス

第17話「裏切りの深化、バディの真価」

感想レビュー

 

 

ヒロミさんはただの風邪です!!(力説) 「働きすぎて身体にガタがきちゃってんじゃな〜い?(ほんとにそう)」なのワンチャンあると思ってるよ

咳き込むシーンやベルトがバチバチなってるシーン入れてきてはいるけどこれ見よがしだから正直ミスリード感もあるのよな。ベルトは反動大きめだけどそれはそれとしてヒロミさんは働きすぎで体調不良、とかだよ、多分(このご時勢だし「体調管理はしっかりやって風邪予防に努めようね!!」みたいなメッセージ性かもしれないじゃん?) それに何より仮面ライダー大好きマンのジョージ狩崎がわざわざあんな危険なベルト拵えるとも思えない、という信頼が大きいわねやっぱ そういうマッドさ感じないのよな狩崎のキャラは

 

新年一発目のリバイスは、オルテカによる新生デッドマンズの始動、フリオのかつての親友・陽介の登場、そして消滅したギフテクスの者達の救済を望み更なる力を求める一輝と、盛り沢山の展開を描いた今回。フェニックス長官・赤石や、オルテカの指示で再び信者達を集め、彼に側近の如く付き従う女性信者・香苗など、今後レギュラー化しそうな新キャラも続々登場してこの先の勢力図の激動が楽しみになるところでありました。少なくとも赤石は新OP映像にもちょっと出てるし重要キャラになってくのは確実だろうな
ちなみに2021年最後の放送回だった前回のラストに描かれた牛島家の不気味な地下に関しては結局詳細不明で未だ保留(さくらが途中で降りるのを止めてた。賢明)。ここの謎はいつ明らかになるかな...

かつての親友・陽介の登場により、デッドマンズに加わるのフリオくんが「玉置豪」という名前の人間であったこと、そしていじめっ子の不良達の脅迫を恐れ従ってしまった陽介の裏切りに心が壊れ悪魔へと魂を売ってしまったことが明らかに。オタク気質で雰囲気や喋り方が独特(小生が一人称なのは実際問題だいぶ目立つよな...)なためかクラスの鼻つまみ扱いされてた自分のことを理解し、ただの1人でも理解者としていてくれていた陽介に裏切られてしまったの、玉置くんからしたらそりゃあ絶望だし今まで自分を取り巻いてたものが何も信じられなくなるよな...と なまじ心を許せる理解者がいてそれに裏切られるという経験を経てしまったのが響いたよなぁ...最初から完全に孤立してたよりキツいかも(それはそれでますます塞ぎ込むルートに行ってたかもだし、遅かれ早かれの話だったとも言えるが) そんな絶望のどん底で、自分に歩み寄るアギレラ様を見たらそれはもう希望になるし、それを裏切ったオルテカは許せんわ(ていうか「裏切り」自体が彼にとって許しがたいことなんだろうな)

でも玉置くん...改めフリオくんも、記憶にフィルターかけてしまうくらい陽介のことを忌み嫌って拒絶してる割には、アギレラ様に度々やってる「スマイルです!」の仕草がそもそも陽介が自分を励ますためにやってくれてた「スマーイル!」に端を発するものっぽかったり(アギレラ様が初対面で自分にやってくれた仕草を返してあげてるっぽくもあるけど、スマイルって言ってる辺りは同じところよな)と、心が完全にかつての親友から離れきってない部分を感じさせたりしてなんとも複雑。この辺の捨てきれない情こそが、フリオくんのどこか憎みきれない健気さの根幹かもな...なんて思ったり。陽介は理不尽な力に屈してしまったからとはいえ玉置くんを裏切ったことを悔やんでるみたいだし、ここからどうか少しずつでも和解していけるといいのだが

 

一方、最初こそフリオくんを鬱陶しがってたアギレラ様も、その境遇に触れたことで自分とのシンパシーを感じたりと、だんだん一緒のいることが満更でもなくなってるげだったのが気になるところ。むしろ過去がほじくり返されてオルテカへの怒りに燃えるフリオくんを若干心配そうに見てたりもしてたし、ここの関係性の変化がどう活きてくるか興味深いね

 

所変わってデッドマンズ。再び集結させた信者達を利用し、オルテカが人間に宿る悪魔をギフスタンプで覚醒させ呼び出した「ギフテリアン」なる新戦力の出現が目を惹きました。デッドマンの召喚やら融合やらと色んなパターンはあったけどここで「悪魔そのものが宿主を内側から喰らって顕現する」というだいぶエゲツない設定のやつを出してきたなぁ...「アァ...オイシカッタ...ニ  ン  ゲ ン」って言葉のおぼつかない淡々とした感じで言うとこめちゃくちゃゾゾっとしたわね デザインも普通のデッドマンと一線を隠す感じのディテール多めなものになっててなかなかカッコ良くて好き。映画に出てきたクリスパーのデザインを彷彿とさせるデザイン性だったけど、後々クリスパーのスーツもカラーリングやデザインの変更をちょっと施したりしてギフテリアンとして出てくるかもな、とちょっと思ったり。クリスパーのデザイン自体はあの一回こっきりで終わらすのも勿体ないと思ってたし、せっかくなら印象ガラッと変わる改造で出したりして欲しいねぇ

 

しかしギフテリアンになった信者の末路を見れば自分達のことをオルテカがどう扱おうとしてるかなんて明白なのに、それでもデッドマンズに全てを捧げ戦闘にまで乱入してくる信者達が哀れというかなんというか。デッドマンズを一旦離れたことで現実社会に自分の居場所はないと感じた信者達がますますデッドマンズに執着してしまうのなんとも皮肉めいた構図だし、そうして戻ってきた信者達を待つのが、オルテカによる一方的な生贄への仕立て上げによる死なのがあまり惨い...

社会からあぶれた者達が組織した擬似家族」という側面が一貫されていて、曲がりなりにも誰かの救いにはなっていたであろうアギレラ様体制の時のデッドマンズの地盤と信念を「外面だけ」引き継ぎ、そうして戻ってきた信者達を平然と自分の目的のための生贄に利用するオルテカの下衆度が一気に増して、良い具合に悪役としての格を上げてきたのも良い作劇でした。「安心してください!私達は家族です!今でも強い絆で繋がってます!」って感じで嘯いてた邪悪さも実に腹立つところでしたね儀式の真実を明かした後のアギレラ様への態度からも見て取れたけど、いかにも優しい理解者みたいなツラでテイ良く相手を唆して手玉に取りつつ、その実、内心では他者をことごとく見下していて、自分に都合の良いカモとしか思ってない、みたいなところがオルテカの本性なのがハッキリしたなと。家族のような濃い繋がりが欲しくてデッドマンズに戻ったところでこの「家族同然な仲間達を使い潰し嘲笑う」的な本性が透いて見えるオルテカの振る舞いを直で目にしてるのに、それでもなおひたすらにオルテカ(というかデッドマンズという組織/家)に縋ってしまう信者達の本末転倒な姿もまた物悲しい...

このいかにもインチキ宗教の教祖みたいな性格の奴がトップに立ったことで、デッドマンズが「悪には違いないけど誰かの心に寄り添い救う側面も曲がりなりにも存在している」という感じの一概に悪一辺倒と言い切れない組織から、正真正銘の人を誑かし破滅させる悪の阻止になってしまったの、悪魔崇拝というオカルトじみたモチーフを用いた本作の敵組織の変遷として実に大胆で良き

この新生デッドマンズを相手に、新たなる力・リバイ-ボルケーノレックスゲノムバイス-バリッドレックスゲノムへとリバイスは覚醒(強化が遂にきて良かったねバイスくん!)、 ギフテリアンを撃破することに成功するも、気が急いてしまい力が完成するよりも先に使ってしまったからか、信者の人間を救うことはできず...というところで今回は締めとなりました。一輝が力を得て皆を救おうと焦っている最中という半端な状態での使用だったので薄々そうなりそうな雰囲気はあったけど、救いたかった者を救えず敵に鋭く煽られるというハードな展開が新強化フォームのデビュー戦にて繰り出されるとはちょっと面食らいましたな(最後までどこかで信者をちゃんと救えてるんじゃないかと考えてる自分がいたし)

前回のエピソードでは割とサクッと流された感はあったけど、やっぱりギフテクスの人間達を救えなかったことは一輝の心に深い闇を落としてるっぽくて、お節介を通り越してどこか執念じみた必死さを見せる一輝はちょっと心配だよなぁ...と。自身のお節介についてある種自分の中で開き直り決意を新たにした直後に、傷つけてしまうどころか救うことすらできない人間が出てきたのを目の当たりにしてしまったというのは思ってた以上に堪えてるのかもな...

そんな一輝の「お節介(それどこじゃなくなってる感もあるが)」を近くで指摘する相棒・バイスこそがキーになりそうげだけど、果たしてこの2人のバディが行き着く先は...

 

 

以上、リバイス第17話でした。新年一発目の実質的な新章突入回ということもあってか、各陣営で新キャラ登場や組織体制変革といった変化があり、この先の展開にいっそう波乱を加えてきそうな感じが実に盛り上がりましたね。フリオくんのこの先や一輝の想いなど、ドラマ面でも様々な見所が増え、今年も目一杯注目し楽しもうと思います。

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた