AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

リブットレクチャー効果抜群

ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA

第15話「オペレーションドラゴン」

感想レビュー

 

 

上坂すみれさんが何の前触れもなくカルミラ人間態として姿を現したシーンがめちゃくちゃサプライズ性高くてぶっちゃけ今回の話の個人的なピークであった 突然出てきた謎のゴスロリに「誰やこの美女!?」って驚いてたら、寄りの画になった時凄く見覚えのあるお顔してて二重に驚いたんすよね...

リブットの導きにより自身の運命への向き合い方を見つけていくケンゴとユナ、ナースデッセイ号新形態起動のためにディアボロに果敢に立ち向かうGUTS SELECTの面々の活躍を描いた今回のストーリー。

その中心に据えられたのはやはりウルトラマンとしての宿命を強く意識するが故にその重圧に押し潰されそうになっていたケンゴでしたが、彼は今回「自分は光/ウルトラマンであると同時に、人である」というユザレの言葉を思い返し、自身の戦う理由が「みんなを笑顔にしたい」という1人の人間としての願いにあったことに気付く、という形で覚醒に至っており、ウルトラマンそのものであるケンゴが1人の人間・マナカケンゴとしての意志や願いに帰結するというこの流れは、オマージュ元たるティガの一つの見所であったウルトラマンの光を手にした青年が1人の人間として戦う意味を見つけていく」というテーマに「ウルトラマントリガー」という作品ならではの魅力を付与し昇華させた展開運びだったなと感じました。光を手にした1人の人間」というところから始まり、戦いの中で葛藤を重ねつつ、1人の人間としてできることを精一杯に全うするという答えを見出したダイゴに対し、ウルトラマンという光そのものとして生まれ出でた存在」としてその宿命に苦悩しながらも、1人の人間として生きた自身の抱いた意志や願いこそが自身の本当に戦う理由であったという答えに至ったケンゴ、てところで、同じ感じのテーマ一つ取ってティガとトリガーで良い感じに差別化できたんじゃないかなと。

ぶっちゃけると、ケンゴが上記の着地を経るまでの流れがやや象徴的すぎる演出やどこかふわっとした台詞回し等で構成されていて微妙なように感じられたことや、1クール目における「1人の人間として戦いに身を投じるケンゴ」へのフォーカスが弱かったために今回の流れ自体があまり響かなかったことなど、詰めが甘かったと感じる部分が多くはあったのでリアルタイムの視聴感としては個人的にあまりハマらなかったというのが正直なところ。2クールで取り上げるには深みの強すぎるテーマだった、というかこのテーマを扱うにおいて2クールという尺自体が短すぎたなとはやっぱり思ってしまったなと。けれど、自身は1人の人間であるとケンゴが気付く流れの中に「母・レイナから愛情を受け育った」記憶を思い返すシーンがあったのは、ケンゴの「人間としての人生」という部分への思い入れを強調するというところでけっこうグッときたポイントであり、このポイントをはじめとして本作なりに深めるところをしっかり深めようとしていたのは感じ取れたので、筋を通したという点では自分の中では評価にはなりましたね おふざけ的な要素にしかならんやろと思ってたダンスも、自身の運命の重さを強く意識し心乱れるケンゴとユナを無心にするためのプロセスとしてリブットさんが用意したということで上記の流れを深める意味ある流れとして一応組み込まれていたりと、ちゃんと考えて組み込まれてあって普通にちょっと感心しちゃったし エタニティの力のリズムをこれで掴むんだよ!くらいなもんかと思ってたわ

 

一方のGUTS SELECTによるオペレーションドラゴンもサブタイに冠されただけあってそれなりにしっかりとした今回の見せ場となっており、ディアボロ相手の命懸けの攻防にハラハラさせられたりと面白かったところでした。しかし色々イレギュラーもあったとはいえ、それなりに強いであろうアブソリューティアン相手に見事痛い目見せてやるとは思わなんだ

一番に嬉しかったのはやはりケンゴアキトユナ以外の隊長をはじめとしたメンバー達の活躍が多かったことで、ヒマリやテッシンさんがハイパーガンを手にしっかり前線でディアボロに立ち向かう活躍をしていたのは良かったやね。隊長達に関しては、パイロットやらオペレーターやらと役割がガチガチに決まってるためにケンゴ達みたく前線に直接赴いて活動することが全然なくてキャラとしてなかなか引き立たない、というのが不満点だと思ってる(決まったような言動ばっかりするから個性が際立たない、みたいなとこも問題ではあるが)ので、こういう直接的な前線での活躍があるだけでも引き立つものはあるなぁと。やっぱり第6話や第8話みたいなみんなで一丸となって何かに立ち向かうような感じの作劇はガンガン織り込んでくべきだと思う また長らくご無沙汰だった怪獣のキーによる特殊攻撃の設定が活かされたのも良きところでした。こういうのも作品設定としてもっと劇中でバンバン使った方が良いよなぁ

かくして誕生したナースデッセイ号・バトルモード、こちらもCGをガンガンに使った見応え満点のモーションや、レーザーの一斉掃射・マキシマナースキャノンによるフィニッシュが爽快な戦闘シーンなど、見所多しな活躍をしており良かったなと。しっかし仮にもけっこうデカめのスピンオフシリーズでメインの敵役張ってる存在のエネルギーを盛大に利用して起動するとは豪勢よな CGバリバリ使ってるし頻繁には使わないだろうなぁ、とは思いつつもガッツファルコンをかなり長いことCGで動かしまくれてるのを見るとワンチャン出番は多いかもとも思うので、最後まで主力で頑張って欲しいね

 

そしてリブットさんの指導の甲斐もあってようやっと完全制御と相なったグリッタートリガーエタニティの活躍もクライマックスを大いに盛り上げてくれました。ディアボロの攻撃を受け止め捌きながら攻撃を叩き込んでいくという、教えを享受してくれたリブットさんのファイトスタイルの趣を少々感じさせるような最強フォームらしい余裕あるファイトが良かったなと。グリッターブレードによる必殺技ラッシュはインナースペースでの操作の描写が頻繁に挟まってた分ちとノルマ的な印象があったのが引っ掛かりはしたものの、大盤振る舞いという意味では見応えがあったかなと思うし、総じて今までのフラストレーションを払拭するに足る良い活躍はしてたと感じました

 

そんなエタニティ相手に激しいバトルを繰り広げたディアボロの方も、最後にはナースデッセイ号やリブットさんの加勢も受けて敗北してしまってはいたものの、覚醒補正マシマシな最強フォームであるエタニティの攻撃にも基本殆ど動じないタフさを見せたりと相応の強力さを見せつける演出を為されていたので存在感は抜群でありました。そもそも「盟約を反故にしてきた闇の3巨人の横槍を受けた」「そのせいでナースデッセイ号・バトルモードが誕生し戦闘に加わってきた」「グリッタートリガーエタニティが完全覚醒に至った」「1vs1で互角以上に立ち回ってくるリブットさんも加勢してきた」と様々な条件が重なった上で、最後にあの合体必殺技フィニッシュを受けての敗北というならば、簡単には勝てなかったであろうという格を十分に見せつけることはできたんじゃないかと。今回の客演を受けて格が下がるんじゃないかという点は一応杞憂に終わって良かった

しかし核が残っていれば木っ端微塵にされようとも再生可能、というところを最後に見せたのはちょーっと野暮だったかなぁとも思ったり。ギャラファイへの参戦が決まってるわけだしああして死んでないことを見せるのは必要だったというのは理解できるけど、今回せっかく気持ち良くフィニッシュしたわけだし、そこから中途半端にギャラファイへの繋ぎとなるシーンへ持ってったのは個人的にはちと爽快さを欠く部分があったかな、 とは思っちゃいました ディアボロの再生シーンは描かず、仲間がやられたのに余裕そうにして立ち去るタルタロスだけ描いておいて、「ギャラファイに出るんじゃないんかディアボロ?」と視聴者に思わせといてからの、ギャラファイ本編にしれっとディアボロ参戦&再生能力の種明かし、くらいのちょっとした謎を引っ張る感じのオチが個人的な好みだったかなと

 

と、アブソリューティアンの一件が片付き、 ケンゴとユナの迷いも吹っ切れたものの、その一方でイグニスも、手にしたトリガーダークの闇の力を解き放つ術を会得し、トリガーダークへと変身してみせたのだった...というところで締め。イグニス、トリガーダークの闇を取り込んで以来やたら要所要所でちょこちょこと立ち回る割になかなか大きく出てこないなと思っていたけど、如何にして力を引き出すかを色んなアプローチで探ってた的な感じだったっぽいね。しかしそこで大きな鍵となったのが、ケンゴを支え導いたリブットさんの教えやの力の解放のロジックだったというのはなかなか強烈な皮肉だなと。ここでギャラファイ客演に相応の意味を持たせてきた辺りは足木さんの細やかな気配りが感じられ、話の組み方としては面白いところでありました

ケンゴの変身口上の対になる感じの口上で絵面的にも闇深めな変身を繰り出すところはなかなかインパクトがあったけど、果たしてここからどう動いてくるか、気になるところです

 

 

以上、トリガー第15話でした。ギャラファイ客演回後編、ということで、 リブットさんやアブソリューティアンとの邂逅を本編の進展に細かく絡めてくる作劇が目を惹く回だったなと。色々細かく引っ掛かる部分もあって個人的にはハマりきらなかったところは大きかったものの、盛り上がりとなる絵面も多かったと思いますし、何よりケンゴが「ウルトラマントリガー」という作品の主人公としての存在感をグッと高めたのは喜ばしいところであり引き込まれたポイントでしたね。

そして遂に動き出すイグニスinトリガーダーク。後半戦がどう動いていくのか楽しみにしたいところであります

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた