AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

2人組と六角精児のキャラが絡んでるし実質「相棒」(違

ウルトラマンコスモス

第50話「怪獣密輸⁉︎」

感想レビュー

 

 

酒井敏也さんと六角精児さんが揃ってゲストで登場してるの何気に豪華だよな...安定感のある演技でドラマのコミカルなパートをしっかりと引き締めてくれており、流石名脇役の御二方だなとなりましたね

 

動物の身勝手な密輸に対する問題提起を主軸に、日本へと密輸されてきた怪獣バデータを追う展開を描いた今回のエピソード。動物の密輸というものは未だにニュースでもたまに聞くことがあるけど、見境の無い密猟による生態系全体への影響や特定の種の絶滅(また密輸でやり取りされた金が紛争の武器購入に当てられてしまうなどの人間社会への悪影響も少なくないとのこと)といった面を全く考えず、私服を肥やすためだけに動物を身勝手に扱うこの事象は生き物が好きな自分としては非常に腹立たしい問題ですね...法整備が進んで取り締まりが厳しく行われている現在でも、国内におけるカメやトカゲ、魚類、カワウソ等の密輸を報じるニュースは多く舞い込んでくるし、それらのニュースで理不尽に移動させられた動物達を見るたび心が痛むので、1人1人がもっとその問題性を理解することや、より強固な法整備で取り締まりを強化することなどを経て、密輸を絶対に許さない世界を作っていくことが大事だな...と思います。今回の話の中で密輸した動物をペットとして仲介してたペットショップの店長とかいたけど、ああいう人って現実におるのかな...いるならああいうのもしっかりマークして取り締まって欲しいわね

 

密猟や違法な取引から、野生生物を守ろう! |WWFジャパン

↑密輸・密猟の現状・悪影響・対策等を簡単に取りまとめた記事です。是非ご一読を

希少種の魚密輸疑い 観賞魚販売業者を書類送検―警視庁:時事ドットコム

追跡!カワウソ密輸事件 黒幕は誰だ? - NHK クローズアップ現代+

ラップに包まれスーツケースに……子ガメ185匹を押収、ガラパゴス諸島 - BBCニュース

“最も美しい”希少トカゲを密輸入容疑 業者ら書類送検:朝日新聞デジタル

↑近年の動物密輸にまつわる記事の一部。こちらも是非ご一読を

 

動物密輸をテーマにした今回の話では、密輸業者の悪行に憤るムサシと彼に対し「怪獣を元いた落ち着く場所から移動させる自分達も変わらないのではないか」という問いを投げかけるフブキ隊員のやり取りから滲み出る「動物を人間の都合で扱うことの是非」的なテーマが物語の一つの軸になっていました。本当だったら「本来いた場所/いるべき場所で普通に生息できること」が動物にとっては一番良いに決まってるので、人間の勝手な都合で別の地へ移動させられ、そこから生態系の保護等の活動でまた移動させられ、と振り回すことは純粋に動物の立場に立って考えるならば凄く迷惑で可哀想なことだよな...というのを考えさせられる話題でもあったなと。それこそ前回の話とはまたちょっと違うけど、動物と向き合う時の人間のエゴみたいなものは少し感じるところである とはいえ、環境を保護するための適切な種の移動や外来種の駆除といった活動は純粋に地球全体の環境や生態系を良い方向に正すためにそういった情を下手に挟まず全うするのが適切なことなので、この手の同情をかけることばかりが一概に正しいということも決してないけどね。勿論、生物種の移動にはその種を丁寧に扱うことが当然必要であるし、外来種の駆除に関しても駆除にあたっての可能な限りの有効活用なども見据えたりと命を扱う意識を常に忘れてはならないし、という感じで生き物の身を案じ命に敬意を払う気持ちをいかなる時も持つことを大前提とした上での話よ(無論、密輸や密猟といった活動が論じるまでも比べるまでもなく罰せられなければならない邪悪なエゴであるというのも大前提である)

最終的にはフブキ隊員が悪質極まる密輸業者達の行いを直に目にしたことを通じ、怪獣と必死に向き合う自分達の頑張りは決して悪質な輩達とは同じじゃない、と前向きに答えを出すことで締め括られたけど、この時の言い方とかからしてフブキ隊員の中でもかなり葛藤していた事象だったんじゃないかなぁと思うわね(前述のムサシ隊員に向けた問いかけも「俺達」という口ぶりを含むものだったし、自分自身に問いかける意も込めてたんだろうなと) 怪獣保護を掲げつつも、その活動は怪獣による人間社会への影響を防ぐために怪獣を人間に都合の良い環境へ移すことがどうしても主になるし、時として心を鬼にして怪獣を討つ決断せねばならないこともある、というのがEYESの活動であるので、その中で自分達のやってることに疑問を持つことがあるのは仕方のないことよなぁ それでもその中で怪獣という生命のことを常に想い気遣い、人間と怪獣とが傷つけ合うことなく共に生きられる未来を信じ戦うことは決して間違いではないし、それが密輸を行うような悪意ある者達と比べるまでもないことは実際その通りなので、胸を張れとまでは言わないけど自信を持って努めて良いのだよ...要は気持ちや意識の話よ

ともあれ、こうやって自分の行いや怪獣という生命への向き合い方を省みるようなところを見せるようになって、その上で自分達のやることにある程度の自信を持って改めて前を向けるようになった辺り、フブキ隊員かなり成長したよなぁ。何度も言ってるけどほんまそういうのを幾度も感じられるくらい言動や思考に深みが出てきたよね そこにムサシの怪獣保護に対する意識との交流があってこそというのも作品通してのメインの2人の関係性の深化というところで安定して熱いところであった

 

そんな今回の話で密輸された怪獣として登場したバデータ、ごつめのめちゃマッシブな体格に厳つさ溢れるフェイス、凄く威圧感ある鳴き声というなかなかに怪獣然とした造形をしていてかなり印象に残る怪獣でしたね。鳴き声がキングオブモンスのやつだからマジで迫力あるのよな...ちなみに最近調べて知ったけど、バデータのスーツはカオスパラスタンの改造で、その後ノスフェルに改造されたとのこと。カオスパラスタンの体格を継いだのであればあのマッシブさも納得だし、ノスフェルにも改造されたということを踏まえるとあの3体の体格たしかにかなり似てるな...となるね こういう感じで一見同じと思わなかった怪獣同士に改造前/後の面影が見出され腑に落ちる瞬間がスーツ改造怪獣の魅力の一つなのよ

戦闘中の一撃でコスモスの身体にくっきりと爪の痕を残してみせたパワーの演出も、平成ウルトラシリーズでたまにあるウルトラマンの傷口から血のように光が漏れ出る」という独特の描写も相まってかなりインパクトがあり良かったところ。傷口からの光の描写はウルトラマンの神秘性をさり気なくもグッと引き締める良い演出よねほんと

そのバデータとの戦闘、構成自体は割とシンプルではあったものの、舞台となった湾岸の工業地帯のミニチュアのクオリティの高さ(出現直後のバデータが工業地帯のど真ん中に立つ俯瞰の画の迫力がとても良き)や、バデータおよびエクリプスモードのアクションのパワフルさが全体の画をしっかり引き締めており、実に見応えがありましたね。今回の視聴で改めてまじまじと感じているけどエクリプスモードほんまカッコええよな...カラーリングやスタイル含む全体の造形の良さもあってどんなバトルしても映える映える 良いバトルであった

 

 

以上、コスモス第50話でした。動物密輸というテーマを取り上げた上で、コミカルな作劇をベースにしながらも、人間が怪獣(動物)を人間の都合の下で扱うことの是非というところを取り上げるドラマが目を惹く部分もある面白い回でした。コミカルな作劇か、動物密輸をテーマにしたドラマか、どちらかに振ればもっとまとまり良かったかもとは少し思ったけど概ね満足度は高いですね 酒井敏也さんと六角精児さんの何気に豪華な御二方の演技の安定感が良い具合に話のアクセントになってたのも良かったね

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた