AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

混沌なる禍

ウルトラマンコスモス

第59、60話「最大の侵略/カオス大戦」

感想レビュー

 

 

カラミティ(calamity)

...大きな不幸,惨事,悲惨(な状態),惨禍

Weblio英和和英辞書より

calamityの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書

 

遂に地球の生命へと本格的に牙を剥いてきたカオスヘッダーとの死闘、その序章を描く2編となった本エピソード。コスモスの物語もいよいよ佳境に突入、ということで波乱多しの回でありました。導入となる第59話の冒頭部分が穏やかに過ごすEYESの面々の風景であることによって、その平穏を破る形で繰り出されるカオスヘッダー襲撃の絶望感がより引き立つ構成になってるのがシンプルながら良いアクセントでした

 

ドイガキ隊員とハズミさんを中心としたメンバーで研究が行われるカオスキメラ研究の施設を再び降臨したカオスウルトラマンが迫り来る緊迫した展開、そして施設を守るためにカオスウルトラマンと必死に戦うEYESやコスモスの姿といったところが今回のエピソードの中心となっていましたが、テックスピナーとテックサンダーを次々に撃墜し、地上戦で懸命に戦うEYESの面々をも容赦なく蹂躙するという人間を嘲笑うかのような容赦のない暴虐、更にカオスヘッダーの大元からの供給を受け新形態・カオスウルトラマンカラミティへと変身し、向かうところ敵なしだったエクリプスモードを(コスモス側のコンディションの不調もややあったとはいえ)純粋な戦闘力で完封し敗北させる活躍っぷりと、この辺の一連の展開は圧倒的な力を見せつけてくるカオスウルトラマンの存在感が抜群で鮮烈に記憶に刻まれましたね

カオスウルトラマンのデザインがコロナモード準拠ということで、もしや、と考えられる余地があったとはいえ、再び登場した強敵カオスウルトラマンがエクリプスモードの姿を得てパワーアップするという展開は当時もかなり度肝を抜かれたんですよねぇ...通常のカオスウルトラマン自体がエクリプスモードでやっと太刀打ちできる強敵であるという印象があったからそれがパワーアップするというのがもう恐ろしいことだったのよね コスモスが倒したと思ったところで強化蘇生してくるのがまたエゲツない それに改めてじっくりと視聴してみてると、カラミティの大元になるエクリプスモードの「実質的に負け無し(且つ搦め手使われた第53話以外は苦戦すら殆ど無し)」という無敵の形態としての印象も強く付くので、相対的にエクリプスモードの姿を取るカラミティの強さにもより説得力が出たよなぁ、と思ったり。

 

そんな圧倒的なカオスウルトラマンの力の前にEYESの面々が次々とあえなく倒れていき、頼りのコスモスさえもが一方的に痛めつけられ、そうして護るものが無くなったSRCの施設をカオスウルトラマンが無慈悲に破壊する、という一連の流れは今見ても絶望感が凄まじく、終盤の展開として実に強烈でしたね。コスモスが満身創痍でやっとこさ戦ってるような状態だった分、めちゃくちゃアクティブに動き痛めつけてくるカラミティのファイトスタイルは余計に容赦の無さが引き立ってたなと。前にエクリプスブレード→コズミューム光線のコンボでエクリプスモードに倒された時の意趣返しと言わんばかりに、カラミティブレード→カラミュームショットのコンボでトドメを刺す辺りもエグい 実体カオスヘッダーはいずれも凄まじい強さを見せつけていくけど、その中でもカオスウルトラマンの扱いはやっぱ破格だよなぁと改めて実感しますね。偽ウルトラマンシリーズの1人という特別感も込みとはいえ良い強敵加減だった

(ちなみに、他の方が言ってて「確かに」と気付いたことだけど、カオスウルトラマンは偽ウルトラマンの中では初めてTVシリーズの映像上で本物を倒してみせた強豪なんだとか。印象に強く刻まれるのはそこも大きな要因か)

 

しかしこのカオスヘッダー最大の侵略に対し、自身の身体に合わない地球の環境の中で戦い続け疲弊した肉体でなおもカオスヘッダーから地球を守ろうとするコスモスの命懸けの献身や、コスモスだけに戦わせずとも自分達の力で地球を守ろうと不屈の闘志を見せ戦うEYESの面々の活躍も熱く描かれ、ここにはストレートに胸が熱くなりましたねぇ。「この身が宇宙の星屑になろうとも最後まで戦う」と真っ直ぐに言い切るコスモスの自己犠牲を胸に刻んだ覚悟よ...「自分の消耗を押してでも地球や地球人のために戦うウルトラマンというのはセブンを筆頭にウルトラシリーズでは割と定番になってる展開だけど、当時はあまり同じ例がなかっただろうし、おそらくここのコスモスの覚悟の姿にはこの展開の始祖たるセブンのオマージュが強く織り込まれてるだろうなと

またそんなコスモスに負けず劣らず、カオスヘッダーの脅威にも決して屈しない人類の意志を背負い何度も立ち上がり、這いつくばってでも挑んでいこうとするヒウラキャップの姿はその中でも特に強く輝いておりカッコよかったですな。この決死の覚悟で戦う姿が、今までの戦いで消耗しきっているながらも地球のために戦い続けようとするコスモスの勇姿と自然と重なるというのが熱い 傷を押してでも食い下がり続けるキャップの闘志を絞り出すような姿を全力で演じる嶋さんの演技の迫力が凄く響くんだよな キャップは基本豪快で優しい好人物でありつつ、要所要所で厳格さや責任感の強さを見せて話を引き締めてくれるところが魅力だったし、この最終章における序の部分をこの力強い覚悟で熱く彩ってくれたのはとても良かった

そして、コスモスの決死の戦いと最後まで諦めないEYESの奮闘の中で逃げることなく研究を進めたドイガキ隊員とハズミさんが形にしたカオスキメラが決め手となって、最後まで戦い続けたEYESとコスモスの連携がカラミティを撃破する流れも実にグッときましたね。絶望的な状況でも折れない闘志が光明となる展開はやはり燃えるね...

と、全体通してカオスヘッダーとの死闘が描かれた今回の話でしたが、そんな中でムサシのことを強く想う様を窺わせるアヤノの姿も目を惹くポイントとなっておりました。ムサシとフブキ隊員にご飯買ってきてあげた時、ムサシ隊員にだけちょっとおまけ付けてあげてるさり気ない贔屓が可愛い お互いたまに自然と相手を呼び捨てで呼んでることがあったり、普通にプライベートでしれっと一緒にいることがあったりとこれまでにも関係性が少しずつ深まってるのを感じさせる描写はあったけど、最終章ということでその辺をグッと分かりやすく示してきた感じでしたね。ここがラストに向けてどう盛り上がっていくかは一つの見所となっているので是非注目を。

 

 

以上、コスモス第59、60話でした。カオスヘッダーの絶望感高めな本格侵攻、それを決死の覚悟でもって全力で迎え撃つコスモスやEYESの不屈の闘志を描くエピソードということで、このクライマックスのストーリーの導入として実に盛り上がりましたね。各人の勇ましい戦いやカッコいい決意が沢山見られたの良かったね 残り4話ということでここから物語はMAXボルテージへと駆け上がっていくので、目が離せませんね

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた