AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

異なる目標

ウルトラマンコスモス

第62話「地球の悲鳴」

感想レビュー

 

 

アバンのドイガキ隊員「コスモスを囮にするんだよ」

ワイ「!?」

実際の本編のドイガキ隊員「コスモスと同じ周波数を放ってカオスヘッダーを誘き出すんだ」

ワイ「ま、紛らわしい〜〜〜」

言い方ってもんがあるだろ(半ギレ

あのアバンのダイジェストパートで唐突に「コスモスを囮にする」発言出てくるの良い具合にハラハラさせられる仕込みになっててちょっと面白かったわね 予告詐欺はよく聞くけどアバン詐欺は珍しくない?

 

EYESとSRCの懸命な研究・開発により決戦兵器・カオスキメラミサイルが完成したことで、カオスヘッダー撃滅作戦が決行されようとしている最終決戦間近の状況で展開された今回のストーリー。人類の希望になり得る力・カオスキメラの完成に光明を見出してEYESとSRCはより一層団結、更に今までEYESと半目し合うことの多かった防衛軍も地球を守るという意志の下でEYESと手を取り合うべく立ち上がり参戦、そしてそんな人類の強い想いがかつてカオスヘッダーからとある星を守ることの出来なかった無念を晴らすべく地球を全力で守ろうと戦うコスモスとも通じ合って一つとなり、大きな力となっていく、といった展開が描かれ、最終決戦間近な状況に相応しい熱い流れとなっていましたね

 

特にカオスウルトラマンカラミティの猛攻にコスモスが窮地に陥ったその時、防衛軍の戦闘機部隊による援護や第33話以来の登場となるナガレのカオスキメラミサイルによる反撃がコスモスを救い勝利を導くという防衛軍のナイスファイトは絵面として率直に込み上げるものがありました。上述の通り今までEYESと半目し合う場面の印象が濃かったし、ここでEYESやコスモスを助けるために駆けつけしっかり活躍してくれたのは熱いのよね 毎度毎度ハエのように撃墜されてた防衛軍機が落とされることないまま奮闘し切るなんて快挙ですよ(大袈裟)

にしてもナガレは印象深いキャラだっただけあって再登場は嬉しかったね。ここぞの外せない勝負を自信たっぷりにバッチリと決め、窮地を救ってもらったコスモスの一瞥にキリッとした敬礼で返す姿がクールでグッドであった ここの一連の流れの中で、ナガレの実力への強い信頼を言葉少なにスマートに窺わせ、頼れる上司としての一面を見せた西条がけっこうカッコ良かったのも演出としてニクいところ。前回第61話の印象は良くはなかった西条だけど、それに留めず最終決戦に向け良いところも強調されたのは良きバランスのキャラ描写だなと

 

と、最後の戦いを前に各陣営が一つに結束していくというある意味王道な流れで物語全体として雰囲気が引き締まっていくような空気感を醸し出しつつも、そんな中で1人、一体化しているコスモスとさえも想いを違えるかの如く、強力な敵を前に果てしなく力を得ていかなければならなくなっている現状への苦悩を滲ませるムサシの言動が一際強く目を惹きました。前回の話の中でも既にちらほらとその兆候を除かせ始めてはいましたが、物語が佳境も佳境であるこのタイミングで、EYESにSRC、防衛軍、コスモスと他の面々が揃って気持ちを一つにし団結していく雰囲気が生まれている中、主人公であるムサシだけがたった1人逆のことを考え苦悩し続けるという、孤立無縁と言っても良いような状態にまで持っていくのはかなり緊張感がある展開である上、作劇として非常にロックだなと。

「強大な敵を前にした団結」という喜ばしく感じられる構図の中に含まれる「敵に対抗するために果てしなく大きな力を得て争い続けなければならない」という側面に目を向け苦悩するというムサシのこの行動は広い視野と柔軟な感性を持っていると言える一方、良くも悪くも浮いている面もあってハラハラするものの、周囲が皆同じ思考や方法の下でまとまっていってる中で、その風潮に逆らいながらも自身の考える道を模索していこうとする、という意味で、とてもムサシらしい考え・行動であり、ここに至ったのはある種必然であったよなぁとも思うところ。怪獣保護に対し諦めムードの漂っていたEYESの中において諦めることなく最善を尽くし奮闘してきた今までの行動なんかがその最たる例であり、ムサシの本質に原点回帰しているというか。そしてそのムサシの行動がEYESの面々をはじめとした周囲の人々に変化を与え、怪獣保護の現状にも良い影響を与えてきたことを思うと、この展開もまた物語の結末に大きく掛かってくるであろうと感じられるので、この最終盤では非常に重要なポイントだなと。残り数話の展開の中で改めて自分としても注目したいところです

 

またそんなムサシの言動に不安を示し心配するアヤノの姿から、この2人の関係性の描写が大詰めに入ってきたことが感じられたのも面白かったところ。アヤノがムサシを思わず呼び捨てにしちゃって後から〜隊員、と付け加えるところは見ていて思わずニヤとなるわね 前の記事でも気に留めてたように最終盤の見所の一つだし改めてしっかり見ておきたいところ

 

強いて言えば本筋自体とはあんま関係ないのだけど、この怒涛の展開の中、カオスヘッダーの手駒にされた怪獣として登場したドルバの存在感がちょっと薄味になったのはちと惜しかったところ。コスモスの周波数で自分達を誘き出そうとするEYESへの意趣返しの如く、カオスヘッダー反応で惑わしてきた登場の仕方は面白かったし、コスモスに元に戻された後にカオスウルトラマンからコスモスを助けようと果敢に立ち向かってく姿も印象的だったりと記憶に残る場面は多かったけど、活躍の塩梅としては本筋の進行のおまけって感じだったから、カオスウルトラマンと一緒にコスモスと戦う場面とかあっても良かったかもなとは ガルバスのガワの再利用なのを活かして「ガルバスの同種」って設定がさり気なく付いてたりと割と設定周りのディテールもしっかりしてるし単独で出て欲しくもあった

 

 

以上、コスモス第62話でした。最終決戦間近の熱いシチュエーションを演出しつつも、その中でムサシのキャラを大きく際立たせ独特のストーリー性を持たせてきた回でなかなかに目を惹きました。残り3話のストーリーの中でこの点がどう活きてくるか、改めてじっくり注目していきたいところです

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた