AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

親子の約束

仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ

感想レビュー

 

 

※本レビューはネタバレを多分に含んでいます。未鑑賞の方はご注意ください。また若干記憶が曖昧な部分もあるので記述に間違いがあるかもしれませんのでご了承ください。

 

 

ヒロミさんは役立たずじゃねぇぞ!!!(力説)流石に目が節穴と言わざるを得ないぞジョージ狩崎!

 

皆さま、2022年、明けましておめでとうございます。本年度も本ブログを何卒よろしくお願いします。

以上、新年の挨拶終わり。

てことで新年1発目の記事は昨年観たライダー冬映画の感想だ!!

 

雪降ったせいで公開後すぐに行けなかったビヨジェネ、公開から約1週間遅れで観てきました。死ね雪!!(暴言)

この時期の所謂冬映画は長らく現行作品と前年度作品の共演作として続いていたものの、前年がつよつよ風邪菌(隠語)の流行の煽りを受けセイバーとゼロワンの各単独作を二本立てで上映する形となり、2大ライダー共演が残念ながらおあずけとなってしまっていただけに、ライダー2作品の純粋な共演映画としてはおよそ2年ぶりとなる本作はかなり楽しみに待っておりました。1週間空いたけど主だったネタバレも喰らわず行けて良かった

そんな本作ですが、リバイス×セイバーの共演作としてのクオリティを存分に創出しながらも、豪華ゲストの出演をはじめとした諸要素をストーリーを大きく盛り上げる形で見事に昇華させており、作品全体が非常にまとまり良く仕上がった素晴らしい一作になっており、大いに楽しむことができました。これより作品の感想をつらつらと語っていきますので、お暇があれば是非お付き合いを。

 

 

本作のストーリーは、悪魔に支配された世界となった2071年からサイクロトロンドライバーを身につけタイムスリップを決行する龍之介の描写と、遡ること50年前の現代・2021年にてギフと並ぶ悪魔・ディアブロを復活させるデッドマンズ一同の描写からスタート。予告で初出しされた時もめちゃくちゃ面白かったけど、老狩崎のビジュアルあまりに強烈でやっぱり面白すぎるんだよな() 無駄にじじい風の特殊メイクのクオリティ高いのなんなの しかし同時期のTV本編の動向が色々大変なことになってるだけに、みんなで仲良くフィールドワーク(違)してるデッドマンズの様子が泣けるぜ...カメレオンがアギレラ様達と一緒に行動してて、且つ一輝がバリッドレックス持ってるのを踏まえると、時系列的に一応本編の第13話と第14話の間に無理くりであればねじ込めるエピソード、かな?

 

場面は変わって一輝達の方へと視点が移り、しあわせ湯での一輝とセイバー勢との再会、百瀬親子の時空を越えた対面、ディアボロの襲来、それを迎え撃つも暴走を始めた仮面ライダーセンチュリーとリバイス&セイバーの対峙、といった感じでストーリーが展開。尾上親子や家族(仮)の倫太郎と芽依が家族の話題で一輝と語らったり、しあわせ湯で息子・一郎とギクシャクする秀夫の姿を描写したりと、リバイスのテーマたる「家族」の要素を各キャラに絡め描く作劇をリバイスサイドを起点として観てる側にも分かりやすく積んでいき、後の展開の布石にしていく手堅い作劇が巧かったところでありました。秀夫の落としたパスポートを一輝と秀夫の接点としてスムーズに出しつつ、その中で後のキーアイテムになる「新幹線のチケット」も印象付けておいてたところも絶妙。しかし「親子」という要素のピックアップというところにおいて、親子設定が活きて他のライダー達よりちょっと多めに画面に映れた尾上さん役得だなと

ディアブロ襲来後も、センチュリーのバトルがスピード感と荒々しさに溢れる構図で演出されていて魅了された他、まさかのコンドルゲノム(リミックス形態のみだが)登場というちょっとした遊び心が入ってたり、颯爽と駆けつけた飛羽真&倫太郎の活躍が先輩ヒーローらしくカッコ良く描き出されてたりと、戦闘面の濃密さがとても面白かったです。平成ジェネレーションズの時のタケル殿もそうだったけど、作品への評価自体はまちまちでも後年の客演作に登場した時の安心感が得てしてけっこう高いの良いよね高橋P作品の主人公 しかしコンドルゲノム変身はマジで意表を突かれたので一瞬の出番ながら嬉しかったわね(欲を言えば、色変えで済むんだしリバイとバイスのコンドルゲノムの活躍もちょーっと見たかったなとは)。イーグルゲノムでも良かったところをあえてこうしてくれた遊び心はグッド。MEGAMAXの時といいジョーカーはサプライズが大好きだねぇ

 

続いてディアブロの配下の悪魔・クリスパーの軍団が各地でディアブロ完全復活のための儀式を遂行するところへ、ソードオブロゴスの剣士達が赴き戦いを挑む場面へ。流石に台詞の多さや個性の見せ等はキャラによってまちまちだったものの、剣士達各人にこの時点で割としっかり焦点が当てられていたのは嬉しかっ他ところでしたね(予告の段階では戦闘シーン前のちょっとした顔見せがあるくらいかなと思ってたし)。セイバーのキャラ達は元より「世界の均衡を守るために戦う戦士」という位置付けのキャラクターなので、それぞれが至る所に現れる敵のところへ赴き世界を守るために戦う、というスタイルで動くのはナチュラルだし、果敢に戦う姿から魅力もしっかり発揮されていたと思うので、ここは限られた尺の中で仮面ライダーセイバーという作品のキャラならではの調理の仕方をきっちり理解しこなしていたな、と感心。

そんなセイバー勢を相手に戦ったクリスパー軍団も、立ち位置としては側近/四天王的なポジションで比較的分かりやすい感じのキャラながらも、それぞれの非常に凝ったデザインや敵キャラとしての手強さ、豪華声優陣の演技により織り成される僅かな出番の中でも妙に記憶に刻まれる濃いキャラ性などが非常に印象深い感じになっており、実に良い存在感でありました。仮面ライダーの劇場版は敵キャラとして敵ライダーや変身アイテムを使って変身する敵みたいなところが傾向として多いので、この手の純粋な怪人がバンとボス格として出てきたのは新鮮味があり、何より存在感抜群の超強い純粋な怪人というのが個人的にただただ好みだったので、かなり楽しんで見てました。にしても改めて見てもクリスパー軍団の声優陣ほんと豪華だよな...と。中尾隆聖さん、玄田哲章さん、松本梨香さん、森川智之さん、とかいう最近のアニメでも連ねないであろう名前の並びを映画のゲスト怪人というところで見ることになるとはな...情報公開時にディアブロ役の上田燿司さん含めニュースサイトに一同のお名前と顔写真が並んでたんだけど、洋画の吹替えキャスト陣発表かな?って感じだったもの 

ちなみに個人的に一番お気に入りなのはクフ・クリスパー。森川さんのやたら大物感高めな不敵さが濃くて印象に残ったし、変な笑い方が一際キャラ強すぎてずっと気になっちゃったから自ずと印象に残ったんだよな...クフ王モチーフだからって笑い方が「クッフッフッフッフ〜」はふざけてるだろ() 出てきて笑うたびずっと面白すぎてダメだった。w

次点はレオニダス・クリスパー。ちょっと荒くれ感あるパワーキャラに玄田哲章さんはベストマッチすぎるぜ(玄田さん、何気に仮面ライダー(新)で黄金ジャガーを演じて以来のシリーズ出演なんだとか すげぇ)

 

そこからストーリーは龍之介、および百瀬親子の描写へとシフト。ディアブロを倒すには、時を越えやって来た龍之介と秀夫の親子が力を一つにし変身するセンチュリーの力が必要と龍之介から語られるも、その昔家族を捨てて消えた父・龍之介への反発から秀夫は協力を拒否。ディアブロ完全復活による世界の崩壊が近付く中、深い軋轢により心が離れ離れになっていく百瀬親子を救うべく、一輝が2人の下へと歩み寄る...という流れが描かれました。龍之介が秀夫を引き止めようと手を伸ばしても、精神体となっていて実体が無いためにすり抜けていってしまう、という50年の断絶が生んだ百瀬親子の心の距離を物理的・象徴的に描いてくる演出が非常に秀逸で、本作の重要な要素である百瀬親子の関係性をグッと感じ入らせてくる絵作りが非常に巧かったなと

そんな百瀬親子に対し、「せっかく出会った家族がバラバラで良いわけがないんです!」と龍之介・秀夫の双方の間に立って懸命にその絆を繋ごうと奮闘する一輝の活躍は実に主人公らしく、リバイスがメインの本作を一気にグッと引き締めてくれたのが良きところでありました。リバイスの主たるテーマの一つである「家族」をストーリーに手堅く絡めつつ、一輝の「お節介」という部分をヒロイックな活躍として描きしっかり盛り上がりへと昇華させてくる隙のない作劇は流石の毛利さん脚本のバランスの良さでしたね(一輝のお節介な性格はTV本編第16話放送時点の現在だとちょっと危うさもあるような部分として描かれているところではあるけれど、本作ではそこから純粋な優しさとちょっとの強引さを程良く抽出し百瀬親子の関係性と絡めることで、ストレートに前向きなものとして発揮されるよう取り回してるのがまた絶妙。実際意識されてるかどうかは分からないけど、一本のヒーロー映画の作劇としてはきっちり主人公の長所ということで気持ち良く描かれていつつも、肝心の本編での描き方のバランスも崩しすぎてないというのが良いよね)。ストーリー全体で見ても、序盤に秀夫のパスを届けに行ってあげたことをはじめ、一輝のお人好しさが進行に自然に絡む形で強調されているし、一輝がしっかり中心に据えられていたのはグッドなポイント。

 

しかし龍之介、情報公開時点でショッカーの元科学者というのは明かされていたけれど、仮面ライダー(初代)」本編に登場した様々な改造人間達の改造、それどころか本郷猛の改造にも直接的に携わっていた科学者、的な立ち位置になっていたのは驚いたわね 初代ライダーの歴史がストーリーに大きく関わるとは言ってたけど、ここまでの重要キャラを絡めてくるとは予想だにしてなかった(初代ライダー本編との整合性がかっちり意識されてるってほどでは流石にないだろうけど、作中描写見る限りそのくらいのポジションのキャラに位置付けられてるのは間違いないと思う)

ここでショッカーに手を貸し科学に没頭していくも、やがて自分が悪魔に魂を捧げていたことに気付き離反、罪滅ぼしのために戦いに身を投じていく」という仮面ライダーのヒーロー性に近しい背景・動機を持っていることや、自身が改造した人間達にも家族がいたことを想って苦しむという人間性などがしっかりと掘り下げられていて、龍之介というキャラクターへの没入度が凄く高くなるように作り込まれているのが良かったところ(後者の部分で龍之介の秀夫への愛情もさり気なく強調され、「家族」というテーマの深化にも繋がってるのがまた良き)。人間ドラマというところで龍之介や秀夫といったゲストキャラに深みを持たせることにフォーカスしたのは本作の独自性としてもとても効果的に効いたなと感じます

 

その龍之介のショッカーの科学者としての行動や感情の動きを描く1971年、すなわち初代仮面ライダーの時代の描写もなかなか凝っていて面白かったところ。ショッカー基地の内装やライティングとか初代ライダーで観てた時のそれにかなり忠実に近づけられてたし、科学者姿の龍之介も衣装やメイクの感じがマジで本編に出てたやつっぽすぎるしと、妙に力入ってて感心しちゃったんすよね 龍之介の帰宅したマンション地帯の雰囲気とか、ショッカー怪人が浜辺で人を攫うシーンの構図とかもけっこうそれっぽくて好き(細かすぎて伝わらないやつ) 戦闘シーンの方も、本郷/1号ライダーがキレのあるアクションで相手を蹴散らしていく画に当時の雰囲気っぽさを出しつつ、アングルの活用などで更なる迫力が生み出されたライダーキックの演出等に現代特撮ならではの味わいも含ませるといった感じで一味違った見応えがあったし、この1971年パートの描写は短いながらも総じてお気に入りですね(ここは柴崎監督が言ってた「単なる物真似ではなく『再提示』的な描き方をする」的な魅力が出てたなと)

しかしこの1971年の場面にショッカー幹部役で顔出しで出てた立木文彦さん、存在感濃かったな...w 出番的にはそこまで多くないんだけどあの威圧感ある声色と強面の幹部は絶対強いでしょ(怪人態あったんだろうかとか気になっちゃう)

 

そんな1971年の描写を語るにおいて欠かせないのがやはり、偉大なる初代ライダー・本郷猛を演じられた藤岡弘、さんのご子息、藤岡真威人くんが当時の本郷猛を演じられたことでしょう。ここも情報公開時からかなり話題になっていましたねぇ 単独のライダー作品の主役とかでキャスティングするまで温めておいても良かったのでは、という声もあったけど、ここに関しては「家族」をテーマとする本作において「藤岡親子の本郷猛/ライダー1号の継承」をすることに意味があるのだ、という声もあってなるほどなとなりましたね(真威人くんにはライダーのネームに縛られない活躍をしていって欲しいからこのタイミングでの本郷猛としてのゲスト出演でカードを切ったのはベスト、って感じの意見もあって自分としてもそれには大いに賛同したしね 50周年という大きな節目がちょうどきたのもベストタイミングだったなと)

という感じで色んな期待の声があった真威人本郷でしたが、昭和のハンサムな男ならではの渋みを発揮しつつ時折爽やかな雰囲気も混じる言動や時折お父様の力強さ・勇ましさが滲み出る表情など、本郷猛のキャラ性をしっかり表現しつつ独自の本郷猛像も表現された、まさしく「藤岡真威人の本郷猛」という趣になっていて非常に良かったなと感じました。予告の時点で既に強く惹かれてはいたけど、戦闘シーンや変身シーンで発揮されるあの洗練されたスタイリッシュさめちゃくちゃカッコいいよね...当時の放送を観た上で本郷猛が持つ現代ではあまり見ないパワーを感じ取り、それを自分なりに研究したと言ってたけど、しっかりやり遂げたなぁと。アクションシーンのキレも凄かったしねぇ 拍手ですよこれは

 

ここから、ディアブロ完全復活阻止のためリバイス勢・セイバー勢双方の戦力を結集し、各地での決戦を開始。決戦を前に変身者達が横並びに集うあの絵面はセイバーではお馴染みでありますが、今回もここぞでバシッとカッコ良く入れてきて空気をグッと引き締めてくれたのが良きでありましたね バイス勢も加わってより多人数になり、いっそう熱量溢れるものになっていたなと

 

続いてバイス・大二・さくら・飛羽真・倫太郎・ユーリが無防備の龍之介の肉体を守るべく向かった2071年へと場面がシフト。老狩崎が用意した、レジェンドライダー達の姿を模したクローンライダーの肉体を借り、襲撃してきたデビルライダー達を相手にした戦闘が繰り広げられました。なんちゅうもん作ってんだ狩崎!!!() OPに映ってた培養カプセルに入ったライダーみたいなやつがなんなのかの謎が一応明らかになったと言えるけど、こういう緊急時の敵との対峙みたいな運用を想定してのものだったってことかしら そうでなくても狩崎が悪どいことに使いそうにはないが

正直このレジェンドライダー要素に関しては、百瀬親子のドラマや1971年へのフォーカスという要素だけでもてんこ盛りな中にそこに更にぶっ込まれるということで「いるかそれ???」みたいに思っていたところがあり、あまり期待していなかったのですが、各人へのライダーの割り振りに一応ちゃんと法則性があるのが窺えたり、必殺技の演出がそこそこちゃんと描かれてたりと、思ってたよかきちんと作られていたので当初思っていたよりかは楽しめたなと。王蛇がギフジュニアを盾にしてバルキリーの攻撃を防ぐ、みたいな小ネタもしれっと入ってて面白かったし。w この辺は春映画枠でも必殺技等の独自演出をしっかり盛り込むよう意識してた柴崎監督らしい絵作りの妙があり良かったなと思いますね そもそもこのレジェンドライダー登場という要素、ストーリーの流れ的に決して必須という感じも無かった(それでもストーリー進行において「無防備な龍之介の肉体を守りに行く」という組み込み方をしてたのは工夫として良かったが)ので、多分50周年だからってことでねじ込まれた面が多少なりとあるんだろうなぁ...(偏見)と思ってるので、その中でなんとか面白さが創出されてただけ良しだとは思う

あとあんま関係ないけど、そろそろブレイドのマスク何とかして新しいの作ってあげて欲しいです(迫真) 照明の当たり方とかも影響してたんだろうけど、本作に出てたブレイドのマスク今までにないレベルで気色の悪い黄ばみ方してて流石にドン引いたのでなんとかしてやってくれや(

 

そんな2071年の戦いの中、追い詰められたバイスくんが悪魔側に命乞いし寝返ろうとする最低ムーブを一時はかますものの、タイムスリップ前に自分を信じ実体化して送り出してくれた一輝との「約束」のことを飛羽真達に説かれ、一輝を裏切るまいという想いの下再び戦意を取り戻す一幕がありました。時系列的に一輝とバイスが信頼を深めたバリッドレックス入手時のあの出来事を経た後だろうに、その場のノリで一輝の信頼ぶん投げようとするこの悪魔はほんとお前ほんと() まぁここはTV本編のホン出来上がってない段階で書いたから微妙に齟齬出てるだけだろうししゃあなしね

ここの場面、一輝との信頼関係のピックアップとして「一輝との約束を守るという想いに目覚めるバイスの奮起」を描くにあたり、セイバーの一テーマたる「約束」という要素を組み込み、一緒に戦う飛羽真や倫太郎が「一輝と約束したんだろう?」「約束を破ればお前だって苦しいぞ」と説く、というクロスオーバーならではの妙味を醸し出していたのが白眉であったなと感じたところでありました。「約束を破ってしまうことの苦しさ」を飛羽真が語るというのがしっかりキャラ性を押さえたものになっていたり(ルナの存在を直接口に出さずともセイバーという作品の深みを出す形で活かしてるのが良いよね)と作品のテーマ性やキャラの活かし方が物凄く巧みだし、そこからリバイスサイドの引き立てにも繋げるのが実に鮮やか。リバイスの「家族」要素から広げた序盤のやり取りといい、この辺の複数作品のテイストの押さえ方は毛利さん脚本の強みがしっかり出ててナイスでありました。

にしても本作のバイス、 改めて思い返して見ると冒頭から第4の壁を当たり前のように越えまくるわ、憑依したクローンライダーの体使ってバイス節全開にするわと、いつにも増してやりたい放題だったな...とw めちゃくちゃにはしゃぐうるせぇRXの絵面面白すぎるでしょ() 狂言回し繋がりでウォズにもなってたの好き

 

場面は変わって現代、2021年の時代では、一輝の導きを受け再び対面した百瀬親子のパートへ。ストーリー的にもクライマックス突入前の山場となったこのシーンでしたが、家族を置いて消えた父・龍之介への憤りをぶちまける秀夫、家族を捨ててしまった後悔を詫びつつ自身も家族とまた会いたかったと願っていたと叫ぶ龍之介、2人がそれぞれ親子への想いをぶつけ合い心の中に残っていた親子の情愛を確かめ合うことで家族として再生していく様を叙情的に描き出す演出に、中尾明慶さん・古田新太さんの実力派俳優両名の深みある演技が重なったことで、非常に大きく感情を揺さぶるシーンになっていました。中尾さんと古田さんが時代を越えた親子役で共演すると発表された時から、お2人の共演シーンは一味違ったものになるだろうと個人的に強く期待していましたが、実際良い意味で仮面ライダーには珍しい感じのリアルな質感の人間ドラマが織り成されており、そこから描き出される百瀬親子の融和の過程は観ていて涙腺をかなり緩まされましたね...
またここのシーンで、これまでのストーリーでも度々強調されていた新幹線のチケットが、在りし日の百瀬親子の約束の象徴、2人の中に残っていた家族愛の証として実に良い流れを作るファクターとして活用されたのも巧いポイントでありました。不和によって話し合いもままならない状態だった2人が、お互いに大切に持ってたチケットを示し合うことで相手の自分に対する愛情に気付き、そこから徐々に穏やかになっていくという流れの魅せ方があまりにも鮮やかで唸ったね。秀夫がずっと大事に持ってたチケットの古びた様相が、龍之介の持ってる新しいチケットと並ぶことで際立つところで思わずじわっときたなぁ 世界のため、とかでなく、途切れず繋がっていた家族の愛情の証明が心と体を動かすの熱い...

そんな百瀬親子が心身共に一つとなり、仮面ライダーセンチュリーが覚醒する流れも非常に盛り上がりました。2人が同時に変身ポーズを取って変身し、序盤の暴走形態に更に外装を纏い正義の戦士と相成るの最高にカッコよかったわね 「仮面」が装着されるプロセスがまさに「仮面ライダーへの変身」よな 個人的にかなり好きなライダーになったし是非とも可動フィギュアで欲しい。

そしてセンチュリーを加えた最終決戦が展開。リバイ・バイス・セイバー・センチュリーによるディアブロとのスピード感高めな迫力あるバトルや、それと並行して各地で展開される各ライダーとクリスパー軍団の決戦と、ド派手なCG演出やアングルをガンガンに盛り込んだ戦闘が目まぐるしく繰り出されるのが非常に見応え抜群で、ここはかなり魅入りましたね。それぞれのライダー達が順々に台詞を決めていき想いが一つとなった最大ボルテージの場面で覇王剣が満を辞して飛羽真の下へと現れ出る、という流れも、剣士達の想いが一つとなって誕生したクロスセイバーの再臨に強い説得力があって燃えたところでありました 欲を言えば、各地に散らばったライブ・ジャンヌ・デモンズのセイバーライダー達との絡みも見れたら良かったな〜とも思ったり。ジャンヌの怒涛の活躍に「お前やるじゃん!」ってなる剣斬見たかったべや

またこの最終決戦で、本作のボスキャラたるディアブロが実に強敵感を惜しげもなく発揮し存在感を見せつけていたのも個人的に非常に良かったところ。リバイやバイスをはじめとしたライダー達を物ともせず幾度も猛威を振るった序盤、完全復活を成し遂げた後単身向かってくるリバイの不屈の攻撃を苦もなく蹴散らしたクライマックス直前ときて、リバイ・バイス・セイバー・センチュリーの4人ライダーが揃った最終決戦でも最初の方全く優位が揺るがない戦いっぷりを見せており、最後の最後の方まで「コイツどうやって倒すんだ?」みたいなハラハラを感じさせてくれる強さの演出が為されていたのはほんとグッドでしたね。変化球形態のネオバッタゲノム&最強形態クロスセイバー&ディアブロ用決戦兵器のセンチュリーが揃ってようやっと勝ちに持ち込めるという流れにも説得力があったし、ギフ様と実質同格的な設定にも偽り無しだなと 悪魔の首魁という趣に相応しいおどろおどろしいデザインや上田さんの大物感高めな堂々とした演技も相まって、トータルで敵キャラとして満足いくキャラ造形に仕上がっていて非常に好みでありました。純粋な怪人がここまでしっかり“魅せ”を作れたの誇らしいことですわよほんま クリスパー共々良きであった

 

ラストパート、追い詰められ巨大化したディアブロを相手に4大ライダーが怒涛の必殺技ラッシュを叩き込み、富士の火口へ叩き込んだことで遂にフィニッシュと相成りました。「デッカくなった奴は負けるんだぞ〜!!」

そして決着後、全ての戦いを終え歴史の変革が起きたことで歴史に介入した龍之介は消滅することとなるものの、贖罪のための戦いも終え、最後に息子・秀夫とまた語らえたことで悔いも無く、共に戦ってくれた仮面ライダー達に感謝を告げながら皆に見守られ旅立っていく、という形で締め括られました。ここの百瀬親子のやり取りもまた最高で、涙腺が遂に決壊しちゃいましたやで...龍之介の前に本郷の幻影が現れ、自身を仮面ライダーへと変え悪と戦う力を与えてくれたことへの感謝を告げてくれたことで彼がかつての過ちから救われる流れも含めて、龍之介というキャラクターを最後までしっかり掘り下げ切ったのが凄く沁みる場面でありました。かつての自身の悪としての過ちに苦悩しながらも、家族への愛を胸に立ち上がり、贖罪のために正義を貫き戦い抜いた龍之介の生き様、まさしく「仮面ライダー」だったよなぁ...熱い

加えて、今ある家族を大切にしてやって欲しいと龍之介が秀夫に改めて親子の愛を伝える流れや、仮面ライダーとして戦った自身の意志が連綿と受け継がれていってることを喜ぶ本郷の姿を通じ、「過去から未来へ」というテーマにいっそう深みを与えたのもグッときたところであり、総じて凄く綺麗に締め括った作劇が最高だったなと感じますね。

 

そしてED。父・龍之介と果たせなかったかつての約束を改めて果たすように息子・一郎と仲良く新幹線に乗りながら、龍之介と自分の持っていた2枚のチケットに加えて一郎と共に乗る新しいチケットを手に父への想いを馳せる秀夫と、それを優しく見守る龍之介の幻影という百瀬親子3世代の温かな情景が最後に繰り出されてきて無事もう一泣かせされました() 本作ずっと百瀬親子に泣かされちゃったなぁ 最後までチケットが親子の絆の象徴として効果的に示され続けたのほんと良きであったね

その後にはリバイス勢とセイバー勢が揃ってしあわせ湯で仲良くわちゃわちゃする平和な絵面も描かれ、感動とほっこりを一挙に味わいながら余韻に浸れる良いオチとなりました。EDテーマであるDa-iCEの「Promise」の曲調も綺麗にハマり、最高のEDだった...

まぁその後に順々に流れてくる歴代ライダー達のフォームチョイスが謎だったのが気になってしまって若干そっちに意識が持っていかれちゃったけどね!!() 昭和勢は普通に順番こに出てくるから「おっここから歴代ライダー達が順々に出てくるんだな」という気持ちで見れてたんだけど、クウガ以降が中間フォームやら最終フォームやらが法則性も何もない感じでごちゃ混ぜになって出てくるのでマジで分かんないんだよアレ!!(その上ゴーストやエグゼイドは基本フォームなので更に訳わからなくなるし...w) 他の方が言ってた「ジョージ狩崎のお気に入りフォームチョイス」という考察が一番しっくりくるという() いずれどういう法則性なのか明言して欲しいぞ!

 

 

以上、ビヨジェネ感想でした。書きたいこと全部詰め込んだらとんでもねぇ分量になっちまった...()

バイスとセイバーの共演という一番の作品性を中心に据え、両作品のテーマである「家族」「約束」を劇的に絡めたストーリーをしっかりと描くことで良質なクロスオーバー映画に仕立てつつ、中尾さん&古田さんのゲスト出演、怪人役への豪華声優陣登板、藤岡真威人くんの本郷猛継承といった様々なエンタメ要素をそのストーリーの中にいずれも欠かすことのできない重要な構成要素として巧みに組み込んでいるという神がかり的なバランスの構成が白眉な傑作でありました。リバイスセイバーそれぞれの作品の魅力・テーマ性が余すことなく発揮され且つそれらが意味ある形で絡んで深みあるストーリーを成しているというクオリティ高めな2大ライダーのクロスオーバー、百瀬親子の関係性を情緒揺さぶる形で描き出すパートを主としたゲスト主体の重厚な人間ドラマ、レジェンドライダー登場パートもしっかり楽しめる部分多しな細かな拘りと迫力満点の大胆な演出が光る特撮シーン、どれも同じくらいに見応え抜群な見所になっているのがほんと素晴らしかったなと感じましたね。平ジェネシリーズもなかなかの名作揃いだったけど、個人的にはそれに匹敵するお気に入り作品となりました

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます ほんと今回はめちゃ長かったので最後までお付き合いいただいて感謝感謝です 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

てな感じで今年も色々書いていこうと思うので、何卒よろしくお願いします

ではまた