AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

(S)さらば、(D)どえれぇ界賊達

機界戦隊ゼンカイジャー

第44カイ!
「SDはスモール+でっかい⁈」

感想レビュー

 

 

トジテンドパレスの方にいるゲゲ、素っ気ない振る舞いの冷徹そうな言動の時と不敵な雰囲気をまとった甘ったるい口調の時とで人格を入れ替えてるくさい描写あったのなんか気になるよねぇ ゲゲという存在の人格は複数存在する...? 公式サイトでも「クールな口調と甘い口調はト書きで明確に分けてある(意訳)」という旨の記述や複数人格の可能性を示唆する記述があったけど、 複数人格がホントだとしてそれがゲゲというキャラにどういう深みを与えてくるか、楽しみである

 

遂に姿を現したSDワルドを前に、ゴールドツイカー一家の長として戦いを挑むゾックスの決戦を描いた今回のエピソード。SDワルド、枠組み的にはあくまで一般怪人の1体でしかないんだけど、これまでにゾックス、というかゴールドツイカー一家にとって、カッタナーとリッキーを元に戻すための必要な通過点としてSDトピアの解放がしっかり印象付けられていた分、因縁の幹部怪人みたいな存在感が一発で醸されてるのが強いよな...

 

カッタナーとリッキーを絶対に救うべくSDワルドと本気で戦うために家族や介人達を厳しく突き放し一人命を賭して戦いへと赴く覚悟を見せる様や、変身する術を奪われようとも銃と剣を両手に身一つで果敢に飛び込んでいき泥臭く戦う姿など、今回は一家の長としての責任感や一度決めたことを頑固に貫こうとする意志の強さ、ここぞで豪快に暴れ倒すアウトローっぷりといったゾックスの魅力が溢れに溢れていて、ドラマパートは実に見応えがありました。要所要所でこういうちょっとクセのあるとこまで含めたある種のカッコ良さをしっかり見せつけてくるの良いよなぁゾックス かつて息子である自身を庇い命を落とした父の一家の長たる姿に倣って自身も一家の長としての責任を一身に背負っている、というそのスジの世界の人間らしい背景も語られ、ほんとゾックスのアウトローで荒くれなキャラ性がこの最終盤まで(多少の軟化はありつつも)ブレることなく描かれてきたのは本作の凄く良いとこだったよなぁと改めて。作品全体の良い刺激だったよね

 

そんなゾックスのピンチに対し、「自分達は人々を守り助けるために戦うだけだから、ゾックスは自分自身の戦いを思う存分やれば良い」という、最初に出会った頃お互いのスタンスを重んじながら戦うために示した理屈を今一度掲げ、「ゾックスの戦いに手を出すわけじゃなく自分らは自分らで勝手に戦うだけだから気にせずやれ!」と力技で加勢してきた介人の参戦は実に介人らしい真っ直ぐさと粋な心意気が滲み出ていてカッコ良かったね。ここにきて「自分勝手に戦うゾックスの在り方を理解しつつ人々を守るための自分達の戦いをやり抜く」という初期の頃の関係性を表す構図を持ち出すことによって、「ゾックスの信念を支え重んじる介人と、その心遣いを背にし全力で戦うことで介人に応えるゾックス」という介人とゾックスの間にこれまでの戦いを経て築かれた共に戦う者としての信頼を強調する構図へと昇華きたのもまた粋な作劇だったなと 同じ相手と戦いつつも互いのスタンスとしては向いてる方向は違う、という二人の関係を軸はブラすことなく描いていきつつも少しずつ信頼も蓄積させ、最終的に中合わせという熱い構図にみせたのめちゃくちゃ痺れたし、ほんと香村さんはこういうちょっとクセのあるアウトローなキャラをヒーロー側で描くことにおいては強いよなぁと改めて実感 功の件の礼のつもりなら手を出すなと言ったゾックスに介人が「ずるいよそんな言い方!」と返した後に、前述のやり取りをやって満更でもなさそうに「ずるい言い方しやがって...」って言うゾックスのカット入れて二人の対等感を描いたり、最初の頃は一般人なぞお構いなしだったゾックスが駆けつけた介人に「街の奴らのことはいいのか」って声を荒げる下りを入れて以前との変化を演出したりと、細かいとこでもグッとくる演出多くて良かった
一度はゾックスの気迫に押されて黙ってゾックスを送り出したカッタナー・リッキー・フリントも、自分達なりのやり方でゾックスを本気で戦わせるために駆けつけるのも熱いところでした。ゾックスは(みんなから助けられて)家長としてまだまだだなんて笑いながら言ってたけど、家族や仲間から信頼され支えられる人望もまた家長の偉大さよ...ゾックスを取り巻く人々との関係値がグッと感じられて良い流れであった こんだけ熱く盛り上げに盛り上げてからのツーカイザー変身が、ちっちゃいギアダリンガーからめちゃくちゃ甲高い音声がうっすら鳴り響くシュールな絵面で絶妙に締まらなかったの笑ったけど。w 力抜けるわ()

しかし前回のツーカイオーリッキーといい、今回のオーレンフォームといい、ここ数話リッキーメインの形態が獅子奮迅の活躍してたのは何気嬉しいね 使い勝手の良さからなにかとカッタナー形態の方がよく使われてたし、この終盤で大きなフィニッシュを決める活躍が設けられたのは良いバランスであった

 

続いてダイSDワルドとの対決。 最初ゼンリョクゼンカイオーが出陣してったので一瞬えっ!とはなったけど、最後はちゃんとゴールドツイカー一家がフィニッシュしていたので安心でした やっぱゾックス達が最後までしっかり決めなきゃ嘘だよなぁ...! SD化の呪いにかかった当人達であり、ヘマして呪いにかかってしまったケジメを自分達でつけようと意気込んでいたカッタナーとリッキーの2人が最後のトドメを担ってたのも粋な展開運びでグッドでしたね にしてもゼンリョクゼンカイオー、久々の登場だったけど相変わらずモーションキャプチャー活用したナチュラルな動き凄いよなぁ 次回作のメインメンバーにCG合成前提のキャラが2人いるし、実験的にどこまでしっかりと動かせるか試してるとこあるのかしらね(てかゼンリョクゼンカイオーのモーションキャプチャー自体もそのための慣らしも込めてやってたりして)

 

こうしてSDトピアを解放したゾックス達は、SD化の呪いを解くべくSDトピアへの旅に行くことに。全てを解決したらまた遊びに来ると約束を交わし、介人達と別れる運びとなりました。他の方が言ってたのを見て再確認したことだけど、SDトピアの解放はあくまで段階の一つであって、そこから呪いの秘密を解いてかないといけないんだよなぁ

このタイミングでゾックス達は介人達の下を離れ本筋の展開からフェードアウトする形となり、その後の様子とかはちょいちょい描かれるかもだし終盤はまた戻ってきてくれそうだなとは思いつつも、やっぱりちょっと寂しくなるな...なんて。「この世界楽しかったぜ!」「お前らのこと大好きだぜ!」ってゾックス達が真っ直ぐ言ってくれたってだけでめちゃくちゃグッと来るよね...次回あの騒がしさがなくなると物足りなくなりそうだ またすぐ戻ってきて欲しいでや...

 

そんなゾックス達の旅立ちを密かに見ていたステイシー...もといゲゲは、彼らの故郷・カイゾクトピアのギアを破壊しカイゾクトピアを解放し怪しげにほくそ笑んでいた...というところで締め。全てが終わった後ゾックス達が帰る場所も元に戻しておいたという感じで一見良い行いっぽくは見えるけど、見ようによってはゾックス達をテイ良く厄介払いしたようにも見え、ここら辺もなんとも怪しいな...と。トジテンドをぶっ潰そうとゼンカイジャーに近付いたっぽい振る舞いを見せながらも、全面的に肩入れしてるとも見えない、というゲゲのこの怪しい立ち回りは今後も注目していきたいすな でも他の方達も言ってたけど、ゾックスは全て解決したとしても介人達に何かあればすぐ駆けつけてくれそうよな 「界賊だから」ってことでゲゲはドライに捉えてるのかもしれんが、もしそうだとしたら甘いよ甘い...前回ステイシーくんの言動のトレスをミスって介人に怪しまれたことといい、ゲゲは賢いけどこういう理屈じゃない部分には疎いのかもな

 

 

以上、ゼンカイ第44話でした。ゾックスのSDワルドとの決戦を通じ、彼の信念や一家の長としての深みをより掘り下げると共に、彼を取り巻く人々との間に築かれた信頼をグッとくる形でも描き上げた良エピでありました。ゴールドツイカー一家の活躍が印象的に描かれていてゾックス達の(多分一時)離脱回に相応しい見応えだったなと さて、彼らが抜けたゼンカイジャーの展開は、クライマックスに向けどう動いていくか

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた