AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

はちゃめちゃに暴れ野郎

暴太郎戦隊ドンブラザーズ

ドン1クール目

感想レビュー

 

 

Go!(Go!)どんな時も Don’t cry

心は輝きながら 悲しみを退治してゆく

絶対に 俺こそオンリーワン

 

「桃太郎」「アバター」をテーマに2022年の令和の世に鮮烈に出現したスーパー戦隊シリーズ第46作「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」。毎週毎週日曜の朝の話題を席巻しながら絶賛放送中でありますが...ほんとに面白いぞコレ!!!正直初めてタイトルが出た時は「いよいよヤバいなこれ...!?」と思ったものですが、実際観てみるとそんなことが気にならなくなるくらいに(※でもたまに「いや暴太郎ってなんだよ」って発作のように思うことは未だにある)面白いところに溢れまくっていて、今やはちゃめちゃにハマり野郎になっております。まだまだ序盤の1クール目なのですがそれでも「シナリオとキャラがばちくそに良い!!!!!!」と言いたくなるほどのパワーに満ち溢れた作品なんですよね...ゼンカイジャーの次がこれなおかげでニチアサの視聴テンションが衰えることなくゴリゴリ上がってるの、マジで嬉しきことだなぁと。

(放送開始時の私生活がちと忙しかったのもあり)視聴カロリー高そうだから(実際そうだったし...w)と本ブログでの各話感想はパスすることにしていますが、この想像以上にバリ高い視聴感は何かしら簡単にでも残しておきたいなと思い立ち、一先ずタロウ復活&ジロウ登場でちょうど区切りの良い形となったこのおよそ1クール目までの雑感を今回つらつらとしたためることにしました。この前置きを読んで縁ができたアナタは是非最後まで読みなさい(強制) と言うわけでまぁ、ぼちぼちとお付き合いを。

 

 

そんなドンブラザーズは、平成1期仮面ライダーシリーズのメイン構成・サブ脚本を幾度も担当し名作を生み出してきたお馴染み井上敏樹井上のオジキが超絶久々のニチアサメイン構成担当(戦隊シリーズのメイン構成としては鳥人戦隊ジェットマン以来31年ぶりの登板とのこと。やべぇ)ということで放送前から大きく話題になっていましたが、その名ライター井上敏樹の脚本力(ぢから)が存分に振るわれ、もうとにかく情報量の詰め込み方とその突きつけ方が恐ろしく容赦ないことになっとるのが一つ最大の特徴。最初の設定を視聴者に印象付けるべく、(謎は謎として置いときつつも)世界観設定やキャラのポジション等の割と色んな部分を親切に説明するところから入ることがザラになってる昨今の戦隊シリーズ(に限らない特撮ヒーロー作品全般)において、初っ端のドン1話から「何の前振りもなく怪人襲来!!何も分からないままに巻き込まれてゆくJK!謎のダークヒーロー参戦!豪快に現れ暴れまくるヒーロー!」という情報の大洪水を細かい説明抜きにして超特急のようなスピードで流し込んでくるというパワフルさですよ。こんなん魅入らないわけないんですわ そしてドン2話も多少落ち着くもののほぼ同様。「加減しろ莫迦!!」第1話は残念ながらリアタイできなかったんだけど、後から観て「これリアタイで観てた人どんなテンション感だったの...!?」ってなったのでリアタイでなくて良かったのかもしれない。w(リアタイだと飲み込まれて死んでたまである)

それでいてただ漫然と情報を入れ込んで駆け足にしてきてるわけではなく、メインキャラの一人である何も知らない一般人ポジションであったはるかを中心に据えることで、「なにこれどういうこと!?」と感じている視聴者の視点を劇中キャラの理解度と分かりやすく擦り合わせて呑み込みやすくしており、且つ次々出てくるキャラクター達の信条・立ち位置といったそのキャラの根幹・魅力たる部分が最初にしっかりと描かれている(画面上の露出が少なめなキャラに関してもさり気ないながらも“人間的に”好きになれるポイント/嫌いではないポイントを見せてるのがまた巧い)ので単体のエピソードとしても見所/ヤマがあるという随所がしっかりと作り込まれた構成にもなっていたのが見事でした。もう最初の段階から「ドンブラザーズ」という作品が如何なものかがしっかりと伝わったし、それでいてグッッッと引き込まれていたので巧妙だなぁと改めて思い返しても感心するわね ヒーロー・怪人双方の詳細が謎を纏ったまま進行していく感じや脳人という敵であるながらも別軸の(ダーク)ヒーローとも言えるような立ち位置でもある存在がいる点など、どことなく平成1期ライダー的な作劇のアトモスフィアを感じたのも気に入った要因かも。ここは井上さんや白倉Pの味わいがグッと出てたなと

 

そして物語がぐんぐんと軌道に乗っていくに連れて、ドンブラザーズの真価「深みあるキャラ達による重厚な群像劇」が発揮されていくわけです。これが最高なんですよ本作は...!

スーパー戦隊シリーズというと、例外こそ幾つかあれど基本的には「5人(+α)の戦隊という一チームを軸に彼らが同じ想いの下に悪に立ち向かっていく」的なストーリーラインが敷かれているわけですが、そこにおいてドンブラザーズは「ガッツリ一緒にいるのは基本戦いの時くらいで互いの顔も知らない者同士もいる」という異色なシチュエーションが軸となっており、単体でもメイン張れるだけの強固なキャラ性と個別のストーリーを有した井上イズム全開のキャラクター達が、それぞれのストーリーラインの進行や付かず離れずな他のメンバーとの交流の中で築かれる絆/縁を基に成長・前進を見せていく様が描かれ、更にそれらが緻密に、多層的に絡み合い「ドンブラザーズ」の大きな物語を成していく、この文字通りに「群像劇」たる作劇がめちゃくちゃに面白野郎なんですよね。良くも悪くも自分を中心にして生きてきた奴が他のメンバーとの関わり合いで意識せずして人間臭さや思いやりの心を見せるようになっていく様や、敵対してたり思わぬ繋がりを持ってたりする者達がそのことを知らないままに日常でニアミスしたりすれ違ったりしながら触れ合う緊張感がピリピリと画面を通じて視聴者を引き込んでいく様など、多人数にするだけではなく、それぞれに別々の軸をしっかりと用意しそれらを並行して巧妙に回してるからこその絶妙なバランス感が素晴らしすぎるなぁと。当方毎週わやくちゃに(感動を)ぶちかまされておりますわ この辺はアギト・555・キバとそういう作劇を幾度も回してニチアサを盛り上げてきた井上さんだからこその妙味であるなという感じで、このタイプの面白さをこの時代に味わえるのマジで最高すね...

キャラクターに関しても先に述べた通り、井上さんの味が存分に出まくった濃く強烈なキャラ揃いで、みんな未だに同じくらい印象を強く刻んでいるのも流石。現段階でのメインキャラ達への簡単な個人的印象としては、

・タロウ

通称妖怪縁結びとして放送前から強すぎるインパクトを刻み続け、本編でも何かと縁を結んできたり嘘をつけなかったり(そもそも嘘という概念を理解してない)する変人じみたキャラ性でシュールに物語を牽引する男。しかし一方で、心根自体はかなり繊細で、幼少期の重い過去を含めけっこう傷つきやすくそのことで黄昏れることもある場面を多く見せており、その叙情的な人間味の演出がギャップとして目を惹くなと。他のメンバーのことを「お供達」として振り回しまくるドンモモタロウ状態の強烈さもなかなかインパクト大。しかしドン14話を機にこれからお供達との関係性にも動きが見え、これからがますます気になる主人公ですね

・はるか先生

個人的最推しキャラ。とんでもないことに巻き込まれ振り回されていく不憫キャラ...かと思いきや、そんな中でも全くめげる気配の無い我の強さではちゃめちゃに暴れまくってるのが超楽しいJK(演じる志田こはくさんの恥じらわない全力の演技がめちゃ良い。当たり役すぎる)  加えてそれだけに止まらず、自分を省みて他者に寄り添うことができ、自分の信念に責任を持てるヒーローらしい誠実さも随所で強力に発揮しており、この「立場や感性は等身大ながらもしっかりヒーローの素質を備えている」一面が超絶カッコいいんですよね...彼女のヒーローとしての想いが強く輝くドン10話「オニがみたにじ」は未だにドンブラで一番好きな回だし、最新のドン14話はタロウとの関係性の一つの極致を見たという感じで実に熱かったので、マジで良いメイン回しかない。応援しとる

・猿原

ある意味一番井上イズム強いヒーローかもしれない男。何故か呼び捨てが一番しっくりくる男  浮世離れした奇人変人ぶりが異彩を放つながらも、その実ふとしたところで人助けに赴ける優しさを有しており、更にタロウとの関わりの中で彼にみみっちくも張り合う人間臭さを発揮するようになってより奥行きが出てきたのが良いなと感じますね。それでいて肝心な時にはタロウのことも放っておけない人の良さを発揮するのがまた好き この「超強いリーダーにばちばちに対抗心燃やすライバル」って感じに形容されるタロウとの関係性がけっこうオーソドックスな戦隊ブルーのそれに思えたのも良きところ。実はタロウと一番対等感を持って接しているキャラな気がするし、ある意味友達や理解者がいない孤独さを纏う彼の「友達」であると言える(というか最新話でしれっと「友」って言ったね)関係性であるとも言えるので、ここの関係性の描写も今後目が離せませんね

・雉野さん

一般的な感性の常識人枠... と思いきや、油断ならない爆弾を抱えまくるドンブラザーズのバルカン半島たる男。冴えないサラリーマンながらも妻のみほのことをとても大切にしており、普段の生活でもふとしたところで良い気遣いを見せるという、普通の感性ながらもヒーロー適性を節々から感じさせる良いキャラなのですが、その等身大の感性故に「良いことがあると一気に調子付いて破滅に向かいかねない」「妻のみほを大切に想うあまりそれを傷付けるものを許さない/(直接手を下す気こそなさそうなものの)犠牲にしてもいいと思ってしまう一面がある」などの危うさも秘めており、両者とも実際に劇中で火を噴いてるので、これからに注目なキャラですね。これからもストーリーに良い刺激をくれ

・犬塚くん

ずっと何も知らない犬塚翼くん。無実の罪で逃亡中、消えた恋人がいるというなかなかにフルスロットルな背景を持つ男で、逃亡生活中な関係上他のメンバーと接する機会も少ないせいで殆どのメンバーが生身での顔合わせを完了したドン14話現在でも誰の正体も知らないし誰にも正体を知られてないという不憫さが面白さを誘うのが好きなところ。w でもクールな振る舞いと対照的に所々で人の良さノリの良さを見せていたりとキャラクター的な魅力は霞むことなく発揮され続けているし、獣人にガッツリ狙われてたり恋人・夏美のことで雉野さんとの間に知らず知らずのうちに緊張感が生じていたりと本筋にまつわる関わりは多く有しているので、この先のフォーカスが楽しみである

・ジロウ

やべーやつ(ドン14話現在)。健気で無邪気な可愛げあるやつかと思いきや、戦士に相応しくないと思ったお供達をナチュラルに処刑すると言い出したりと絶対やべーやつ(ドン14話現在)。話はできるけど思考がまるで違うガゾート系男子とは思わなかったぞ() 現状どういうキャラかも掴みきれてないし良いところもまだ見せきれてない未知性高めの追加戦士なので、彼が今後どういう立ち位置になっていくか、しっかりと注目ですね

 

・脳人

ポエミーなことを突然語り出したりする井上敏樹作品の敵キャラ感バリバリな奴ら。こういうタイプがリアルタイムのニチアサでまた見られるとは夢にも思わなんだ  怪人ヒトツ鬼を倒す目的こそドンブラザーズと同じなものの、倒した怪人およびその変身元となった人間を完全に消してしまうので対立関係になっているという、単純な悪役とも違う別軸のダークヒーロー感が濃く(デザイン的にも東映の特撮ヒーローがモチーフになってたりとある種のヒロイックさを含んでるし)、ここの絶妙な立ち位置が凄く良いなぁと。キャラクター的にもそれぞれが独自の矜持や美的感覚、興味を有していて、常にそれを意識し過ごしている様が面白く、ここがどう展開してくかが気になるところ。

特にソノイは、宿敵ドンモモタロウの正体と知らないままにタロウを理想の人間として讃えある種の友情を築いていたところからの正体バレというところを経ての、感情に突き動かされるままにタロウ抹殺→後になってからそのことを後悔→タロウ復活に安堵(正々堂々の対決での撃破を改めて決意)、というタロウとのライバル関係の描写が実に深みある人間ドラマとなっていて、脳人の中だと頭一つ飛び抜けて実に面白いキャラ。徐々に人間味を纏っていってる感あるけど、今後どうなっていくか楽しみですね

 

・陣、介人

ある種中庸的なポジションで動く2人。ゼンカイの介人とまるで違うキャラ性故にどういう存在なのかが非常に気になる黒介人を筆頭にまだまだ謎の多いキャラですが、ヒトツ鬼になった人間の犠牲を良しとしてないことを窺わせる介人に、親代わりをしていたタロウへの父としての情を感じさせる一幕が最近描かれた陣と、両者とも信用ならないキャラでないことが細かく描かれているのが程良い塩梅で良き。これからの本筋への関わりから目が離せないところである

といった感じ。要するにみんな良い存在感で好きだということです(雑まとめ) 先にも述べたけど、それぞれに「好きになれるポイント/嫌いではないポイント」みたいなのがきちんと示されてるのが巧いよね グッと見やすさが増してるなと

 

 

という感じで長々と語りましたが、現在のドンブラザーズの印象はだいたいこんな感じですね。いや何度も月並みな言葉で言っちゃいますけどほんまに面白いですよこれ...
所々で詰め込むことがあったり早めのテンポ感で回したりすることもあるものの、それもドラマ的にちゃんと押さえておくべき部分を常にしっかり理解しててそこに重きを置いてるからこその割り切り/思い切りの良さとなってて凄く見やすくて面白いし、そういうところの大胆さや緩急の付け方をしっかり弁えているとこも含め、いやほんと井上さんと白倉Pはすんげぇなぁ...と改めて感心させられちゃいますね 熟年の安心感ですよ...井上さんは最近サブやスピンオフ周りでなかなか評価が振るわないことが多かったのですが、ガッツリオリジナルの作品にメインで関わるとかなり違うんだなぁ これはもう素直に流石の一言

怪人好きな身としては色んな戦隊をモチーフにそのテーマ性を上手いことネガにして落とし込んでるヒトツ鬼の存在感も毎度毎度強力で満足度高いし(フォロワーさん達の考察も交えながら、デザイン面ドラマ面でどういう意味合いを持ってそのデザイン・モチーフになったかを読み解くのが超楽しいんすよね)、個人的には現在あらゆる面で大いに好きな作品ですね。まだまだ始まったばかりなのでこれからどうなるかはまだ分かりませんが、そこは強い信頼を置いて楽しみに観ていきたいところ。期待大です

では長くなりましたがこの辺で締めとしようかなと。また1クールくらいしたら区切りの良いとこでまとめてみようかなと思ってますので、是非お楽しみに。一緒に楽しんでいきましょうぞ 笑え笑え!!ハーッハッハッハ!!!

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた

 

 

どんぶらと大集合 踊れ!笑え!わっはっは

さぁ老いも若きも 誰もかれもキミも

どんぶらこ どんぶらこ Don!Don!ゆらりゆれて

目指すは めでたし ドーンとハッピーエンド!