AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

KAGEROU☆再臨

仮面ライダーバイス

第44話「全身全霊をかけて、決断の行方」

感想レビュー

 

 

狩パパ「私は...ジョージに何かを残せたのだろうか...」

ワイ「自分の悪魔を息子に埋め込んだとかいう最悪のカミングアウトを最後の最後になって残していきましたね(辛辣」

狩崎パパ、最近のパッとしなさに加えて最後のカミングアウトがあまりにも最悪すぎたせいで良いキャラ設定の割に全く同情の気持ちに寄れないまま退場していったというちょっと異例すぎるキャラになってしまったな...という印象ですね...あんなカミングアウトされちゃそりゃあ息子狩崎も今際の際に会いに行きにくくなるというか会いに行きたくなるよと納得しちゃうんだよな...

個人的に狩崎親子の関係性という軸はけっこう楽しみなポイントだったし、ギファードレックス誕生回での和解もその極致として好きだっただけに、その後もなんか微妙にぐだぐだ引っ張った挙句狩崎パパに作中の諸要素の責を背負わせ好感度爆下がりさせた末にイマイチしっくりこない終わらせ方にしちゃったのは真面目に残念だなぁと。もっと気持ち良く締めてその後は一緒に協力して頑張るとかで良かったのになぁ

 

長らく続いた大二周りの展開がようやっと決着した今回のエピソード。遂にか...!というより、やっとか...みたいなテンション感になってしまってるのが悩ましい。

色々言いたいことはあるけど、とりあえず「一輝と大二の対決」や「泣き叫びながら変身して大二を止めに入ってくるさくら」みたいな前に見たような絵面をこの終盤に入ってなお再放送されるのは正直見ててしんどいぞと強く言いたいんだよな...一輝と大二の一騎打ちは第40話で「魂の兄弟喧嘩」という割と劇的なカードとして切った時点でもう擦っても旨味は無かったし、さくらのあれやこれもやかましさの方が勝る分正直何度も見たいやつではないので、ここを2度以上やられても困るのだ  おまけに「ギフ様と契約しようとした大二がバイスに阻止される」という構図を同じ回の中で天丼してたのもなんとも...構図・演出の組み方のパターンネタ切れしてんのか

 

そんな中、大二の心からの叫びを聞きカゲロウが復活、そこから転じた新形態エブリティライブの覚醒や一輝達との和解が今回の話の中心となりました。そもそもカゲロウ不在が大二周りのゴタゴタの遠因であり、カゲロウ再登場によるこの状況のブレイクスルーを期待する声も多かっただけあって、今回のカゲロウ復活は空気感で言えば大二の再起・帰還をそれなりに綺麗に彩っていて悪くない盛り上がりは感じたところでありました。劇場版公開がもうすぐなのに大二を気持ち良く戻ってこさせられるのか?と思ってたけど一応視聴感として気持ち良く戻せたのは良かったね  カゲロウのあの皮肉っぽいバランス感のキャラ性がまた見られたのが嬉しくもあったし、あそこから一輝達との明るい雰囲気の会話や連携が戻ってきたのも懐かしさ込みで楽しいところではあったので、そこは素直に良きポイント

 

とはいえ、元はといえばホーリーライブ誕生に際してのカゲロウ消滅をなまじ劇的に描いて盛り上げたにも関わらず、大二もホーリーライブもその後の展開でカゲロウの消滅を作劇的に活かせていないような不遇に貶められ、モヤモヤする流れが引っ張り続けられていたことが現状のリバイスの作劇のガタガタぶりを生んでいたようなものであり、今回の復活も形としてはあくまで「展開を良い方向に少しでも持っていくのに最低限必要なところを一応回収した」にすぎないのもまた事実なので、それなりに気持ち良い方向にいったことはともかく、鮮やかな作劇であったかの評価としては微妙であった、というのも正直なところ。カゲロウの復活自体、「現状無いよりは良いけど、それをやっちゃうといよいよホーリーライブ誕生のイベントの意味が水泡に帰して作品の全体の構成の組み方として色んなものがどっちらけになる(意訳)」というのが前々からの個人的な評価だったので、どうしても手放しで喜べるものではなかったですね...

それに他の視聴者さん達が声高にツッコんでたけど、大二の一輝達との軋轢をある種決定的にした「朱美さんの死」がイベントとして無に帰すような形になってたり仮にも「家族」をテーマに据えているにも関わらず、大二を引き戻した最大のきっかけが「家族」ではなく「カゲロウ」であったというのが締まらないところであったり、という感じでカゲロウ主軸に寄りすぎたが故に今までのストーリーの流れや作品のテーマ性との擦り合わせが破綻してたというのもなんとも悩ましいポイント。貫くべき軸をしっかりさせないままふらふらあれやこれとイベントをこなし続けてきた結果、良い感じにまとまったように見えて実際は所々が綻んでいるという良くないものになったようにしか思えないものになった、というのはほんとにその通りだよな...とは思ってしまいますね。やっぱり大二の再起は数話前の元太パパの奮闘を一番大きなきっかけに据えて描くべきだったし、朱美さんの件も良い感じに回すように見えて結局持て余したという感じになっちゃったし、なんだかなぁ  朱美さんの件は今後何かしら回収するかもだけど、朱美さんに手を下した張本人でありその事実を知る唯一の人間である赤石長官がいなくなってしまった以上、気持ち良い着地を期待できなくなったのが痛い。大二との関係性の進展で色々思い入れを強めていった長官が今際の際に「朱美くんをやったのは私だ(だから自分のことも一輝達家族のことを責める必要はない)」と大二に伝える情を見せる(それが一つ大二の心変わりを後押しする)、的なのが見たくもあったけどそんなこともなかったし

改めて思い返しても、やっぱりもっと要点を分かりやすくしコンパクトにすることもできたのになぁ...と思ってしまいますね大二とカゲロウ周りの話。

 

 

以上、リバイス第44話でした。カゲロウ帰還によるそれなりの盛り上がりは配することができてたと思うけど、本エピソード単体はともかく全体で見ると色々破綻していたなぁと思わざるを得ないというなんとも微妙なものになったという印象でした。ヒロミさんの再変身という上手く回していれば本来けっこう盛り上がってたであろう要素も、どうもパッとしないサクッとした即席の盛り上げ&大二/カゲロウ周りの作劇の前座になったって感じで特筆することもないものになった印象だったし...
劇場版への接続も含めやはり全体的になんとか軌道修正させようとしてるのは窺えるけど、それをすればするほど別のところが立たなくなってるって感じだし、やっぱりちょっともう厳しいかな...

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた