AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

メラニー遊星はクソ

ウルトラマンデッカー

第4話「破壊獣覚醒」

感想レビュー

 

 

ウルトラディーフラッシャーくん、カナタがハイになるととりあえず出てきてくれるの気が効くやら困ったちゃんなのやら分からんな() 元を正せばすぐハイになるカナタが悪いが(

すぐ熱くなって突っ走りがちという未熟さが序盤のヤマたる3話を超えてなおコンスタントに描かれるというのはなかなか面白いキャラ造形だねカナタ スローペースでじっくり成長を描いてくキャラっぽいのはイイネ-!!

 

満を辞してダイナ怪獣からモンスアーガー登板!となった今回のエピソード。本作、ダイナ怪獣をなんとか出したいという製作陣の熱意がかなりのものらしく(武居監督もめいっぱいダイナ怪獣は出す(意訳)的なこと言ってたしな)、今回のモンスアーガーも堂々の新規造形とのこと。イイネ-!!!

そんな今回の話でしたが、温泉街に出現した謎の巨大カプセルという題材を軸に、スフィア襲来による地脈の変化で温泉が湧き出なくなり不況に喘ぐ温泉街とその現状に心を痛める町長さん達の姿を描きつつ、最後にはカナタ達の活躍もあって温泉街が今一度再生の一歩を踏み出し始めるという気持ちの良いオチで締める、という第2話でイチカが語った「スフィア襲来で夢を追うことができなくなった世界でまたみんなが自由に夢を追えるようにする」というデッカーならではのネオフロンティアテーマを「温泉街」という身近なところを舞台にフォーカスすることで多角的に深めてきた作劇が非常に良い味を出していて良かったですね。イチカが語っていた通り「夢を追えなくなって苦しむ人々がいる」というところを実際にゲストの市井の人々を交えてしっかり爽やかに締めるところまで含めて描くのは取り上げたテーマ性にいっそうグッと奥行きが出て見応えが増すので、早期にここをバチッとはめてきたのは手堅くも素晴らしかったなと。堀内正美さん演じる町長も予告の感じからするとモンスアーガーを目覚めさせたりするトラブルメーカー的役割かと思っていたけど、実際は寂れていく温泉街を憂い考える優しさと発展のためとはいえ神聖な地に踏み入るのは忍びないと考える思慮深さを持ち合わせた好漢であり、温泉街再生へと一歩踏み出せたあのオチをいっそう喜ばしく思える一因になってたのが良きね 堀内さん、ウルトラシリーズだともっぱら死神だったり物々しい雰囲気の管理官だったりとおっかない役が殆どだったのでこういう普通のおじさん役は新鮮だったわね 松永管理官とも全然違う雰囲気纏えるの凄いよなぁ

 

そんなネオフロンティアテーマの掘り下げと並行する形で、カナタとHANE2のバディ、HANE2のキャラ性、モンスアーガーというダイナからの登板となったキャラを軸にしたSF作劇など、様々な要素も巧みに展開させたストーリーで魅せていたのも凄く面白かったところ。ソウマ・イチカの同期組との砕けた関係性とは別で、HANE2との気の置けないバディとしてのやり取りや信頼もけっこうしっかりと印象付けてくれるのは良いですねぇ HANE2のフランク喋りがかなり良い味出してる ダイナの方だとスポット的な魅せで深めていく感じだったハネジローとの関係性をこっちでは割と通しで描いてくれそうなのはグッド

にしてもHANE2、カナタの精神論を咎めたりとAIらしく合理的な振る舞いでカナタとあれこれ言い合いながらも一緒に巧みなコンビネーションを磨いていく感じがメインになるかと思いきや、ここぞでは0コンマのパーセンテージの可能性であろうとも勝利に少しでも近い方法に賭けて挑んでゆく胆力と熱さを持ち合わせてもいるというなかなかグッとくるキャラ性だったのは驚いたなぁ 口ではあれこれ言うけど根っこの部分はカナタと似たもの同士なの良いね...その僅かな可能性にここぞで一切の躊躇なく飛び込める辺りがちょっとAIっぽくもあるんだけど、そこにほのかな人間性も感じる、というのがほんと絶妙よね(自分一人でやる感じだったからああしたのであってカナタが乗ってたらもしかしたら彼を想ってやってなかったかも?なんて) そんなHANE2の奮闘で華々しくデビューを飾ったガッツグリフォンの活躍も手堅くカッコ良かったし、HANE2というキャラクターで諸々の部分を一気にグッと引き込んでくれたのが見事 人となりを他のキャラとの関係性含めてしっかり印象深く見せるのも込みでキャラを一気に好きにさせてくれる描写がほんと上手いなぁ

しかしHANE2、カナタの正体を秘密にするべく色々してくれてるのはバディらしくて良いけど、けっこうボロがボロボロ出てて笑うんだよな 若干悪意を感じるカナタのモノマネはまだしも、デッカー(カナタ)への助言が丸聞こえで「誰に言ってんの!?」ってイチカに気にされてるの危うすぎるよ...w 意外にすぐバレるかもなぁ、正体()

 

そして(多分)ダイナ以来のお久しぶりの登場となったモンスアーガー、こちらもダイナ本編でのミステリアスさ濃いめなキャラ造形を尊重しつつも、そこに一つ背景や実像を掘り下げる感じの描写を程良く加えて描いてきたのがよかったし、そこを軸にしたSFテイストのストーリーもとても面白くて満足でありました。宇宙全土に向け売り出されているであろう文明破壊用の生物兵器、とはまた面白い設定よな...製作者たるメラニー遊星の民と思われる者達の存在がより掘り下げられたり、通信販売じみたフランクなノリの広告が打たれていたりと、ダイナのSFミステリじみたシリアスな雰囲気にちょっとコミカルなテイスト等が少し加わった割と思い切ったアレンジ・設定付与が為されたなとも思うけど、製作者達の正体は依然不明なままなのでほんのり漂うミステリアスさはしっかり保たれているし、あんな強力な兵器を売って回る死の商人みたいなことを通信販売みたいなめちゃくちゃ軽いノリでやってる奴らがいるという事実が価値観や精神性の決定的な差みたいな不気味さを却って倍増させているしと、原典設定のリスペクトと本作での独自性・新たな魅力の創出のバランスが絶妙でこれもまた良かったところですね。とりあえずメラニー遊星はダイナでもデッカーでもクソだなと(

戦闘の方も頑強なボデーとパワフルさでストロングタイプも苦戦させるファイトが良い見応えでありました。間欠泉の噴出や崩れる鉄橋といった辻本監督らしいミニチュアの魅せも良い塩梅で迫力のアクセントになってて面白かった。にしてもダイナに登場したⅡに装着されていた弱点の頭部を覆う装甲を自由に展開させるギミックにはおおっとなりましたねぇ 原典リスペクトをしつつの新しい特性の魅せとしてシンプルに面白かったし、「弱点は頭なんだからそれが分かっちゃえば後は簡単だよね〜」と油断してたであろう原典のダイナファン(まさに自分はそう思ってた)への不意打ち&遊び心としてニヤリとなるしでかなり良アレンジだったぞ(商品として出回ってるんだからわざわざ弱点=製作上の欠陥をそのままになんてしてないよね、という合理性もあってストンと自然な設定と知ってハマるしね) 最終的に打ち砕かれた頭部から火花が散って倒されるところもダイナの方のかなり分かりやすいオマージュとして良い感じに決まってたし、ほんと平成怪獣のリブートとして理想形すぎて嬉しい限りでした

 

 

以上、デッカー第4話でした。ダイナ本編にも通ずるネオフロンティア精神を本作ならではの形で彩ったテーマ性をストーリーの中心に据えしっかり描きつつも、HANE2の魅力やカナタとの関係性、モンスアーガーの原典リスペクトと独自性がバランス良く効いた魅せなども同時に上手く見せていたかなり面白いエピソードで凄く良かったですね。いやほんとダイナの妙味をしっかり落とし込みつつもちゃんと本作ならではの魅力と呼べるものも創出し見せているので素晴らしすぎますよデッカーのストーリー...序盤のヤマも一つ過ぎた感じだけどもうすっかりハマっちゃってますね 良い作品ですよ この先もガンガン頑張っていって欲しいところです

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた