AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

ネオメガス復活ッッ

ウルトラマンデッカー

第12話「ネオメガスの逆襲」

感想レビュー

 

 

スフィアくん「『スフィア』
怪獣と融合し強化させる宇宙球体だ

約1トン...量は多いが、融合再生率は無類だ」

ネオメガスくん「おいおい...(融合の時の蠢き方が)汚ェよ」

スフィアくん「飲む(融合する)(強制)」

ズ...ゴク...ゴク...

スフィアくん「復ッ  活ッ

ネオメガス復活ッッ

ネオメガス復活ッッ

ネオメガス復活ッッ

ネオメガスくん「してぇ...
逆襲してェ〜〜〜...

 

デッカーを苦しめたネオメガスがスフィアによって復活し襲い来る今回のエピソード。折り返し前の山場のエピということで、手堅くも熱いところ多しな良いエピソードでしたね。しかし怪獣の合成をデフォでやってくるとこといい、メガロゾーアやネオメガスみたく細胞レベルから怪獣を再構築してくるとこといい(メガロゾーアの場合は利用された形だが)、デッカーのスフィアくんはダイナのやつに負けず劣らずやれることの多様さは高いよね

 

今回は非常に印象深かったあの第10話からの地続きという感じのエピというところではあるものの、シゲナガ博士の出番は10話のあらすじ内のみだったりとそこまで接続が強く押し出されてはいませんでしたが、スフィアネオメガスの登場にイチカとソウマがそっと副隊長のことを気にかけてたり、作戦の構成上そうなったとこもあるとはいえ副隊長が直々に前線に出てスフィアネオメガスと戦ったりと、さり気ない所々に10話からの接続が意識された描写があったのが良きでしたね 副隊長、そこまで引きずってはいないけどネオメガスとの因縁を決着させる場に自ら赴きたかったのかもなぁとか色々想像できて良いし、最低限の描写の中で程良く行間やドラマ性ある文脈を入れ込んだ巧い部分だったなと

 

デッカーをも敗ったスフィアネオメガスを伴うスフィアの侵攻に戦慄しながらも、テラフェイザーを中心とした掃討作戦に決意を新たにするGUTS SELECT、というところが今回のドラマの軸になっており、窮地でも敵のことを知るチャンスと前向きさを見せたりカナタにさり気なく励ましをかけたりと上官としての頼もしさを見せる隊長や、敗北に気落ちしながらも挫けはせず前を向く意志を見せたカナタ、そんなカナタに感化されてチームとして一緒に苦難を乗り越えようとするイチカとソウマ、と登場人物達のキャラ性や深まった関係性を感じさせるグッとくるシーンや言動が沢山あったのが目を惹きました。カナタのがむしゃらさにイチカもソウマも必要な前向きさとして一緒に乗っかるようになって、一方カナタはそんな2人に軽口叩きながらも嬉しそうにしたり、とこの辺は確実に序盤の凸凹しながらだった時よりも関係性が発展してるのが感じられて良きね このトリオも着実に完成に近づいてきたなぁ

あとここのカナタ達3人のシーンでイチカがカナタに対する激励的な感じで「デッカーの真似」と言ってサムズアップの構えをしてたのは何気に凄く好きなところ。デッカーとサムズアップといえば言わずもがなこれ見よがしにやってた前回のエピソードのアレなわけだけど、イチカとソウマが実際にデッカーと肩を並べて一緒に戦い絆を深めたあのエピソードにおける関係性の発展の象徴としてあのサムズアップがカナタに今一度返ってきて今度はカナタイチカソウマの3人の絆の深まりに繋がるという流れがめちゃくちゃ熱いし芸術点高くて良かったなぁ カナタにとっても嬉しかったに違いない  正直前回の流れだけだとダイナのオマージュでサムズアップ擦ってるっぽい感じがあってあまりピンとこなかったんだけど今回との連番で一気に深みが増して唸ったわね

 

そんな中で何と言っても一番に存在感を発揮していたのはやはりHANE2の奮起と活躍の下りでしたね。努力してどんな困難にも立ち向かっていこうとする若き仲間達に感化され自分も身体を張ってテラフェイザーに乗り込み戦う覚悟を行動で示す姿、とてもとても熱くて痺れたわね...シャウトがめちゃくちゃ熱こもってて最高すぎるんだよォ!!(土田さんの良いお声がここぞで凄く味になるよなHANE2)  カナタに影響されてどんどん人間臭くなっていってんだ、とか言ってたけど実際かなり引っ張られて熱くなっていってるとこあるよなぁ マジで良いバディだし頼もしいGUTS SELECTの仲間だよ  カナタとの関係の関しては関係値積み重ねまくって砕けた関係になったことでだんだん気遣いが薄れていってる気もするが。w(変身しろ!(意訳)っつってコックピットから放り出したり目眩しの土煙起こすためにテラフェイザーをカナタの近くに倒してきたりするのマジで鬼畜で笑う)  そもそも序盤のグリフィン初合体時然りホークデッカーの時然り、根っこが凄く熱血で強いキャラだよなぁHANE2 本当にAIか...!?

 

あとキャラクター周りで何気におっとなったのは、スフィアネオメガス掃討作戦の地上部隊にTPUの一般隊員が沢山いてちらほらと台詞有り名有りでそこそこ良い感じのスポット当てられてたところ。Zの整備班もそうだったけど、こういう脇のキャラに軽めでもスポット当たってくれるとここぞで防衛チームの描写の幅と深みが一気に増すので組織という設定がグッと深まって見応えになるので嬉しいんですよねぇ もうちょい前からコツコツ積んでからこういうの見たかったとこでもあるけど(Zの整備班も日常パートとかで少しずつ描写積んでくれたからこそ存在感があったのが大きかったし)、折り返し前にここで印象深くやってくれたのはグッド

 

そして今回の一番のイベントたるスフィアネオメガス掃討戦。デッカー、GUTS SELECT、テラフェイザーが総力戦で挑むスフィアとの一大決戦という感じで、折り返し前の展開としては良い見応えでした。前回は惜しくもフィニッシュを逃したテラフェイザーもスフィアネオメガス相手にデッカーと共に退かない活躍っぷりを見せ、見事フィニッシュも決めて良きでありました TRメガバスターのエフェクトすっげぇ綺麗で良いよね...肩の装甲が変形で砲塔になるの良い

スフィアネオメガスも10話でのパワフルな大暴れで見せつけた強さの印象もあって今回の中ボス格での活躍もなかなかに映えたと思うし満足。ソフビでも見せてたネオガイガレードっぽい鎌の腕だけでなくスフィアザウルスの腕も装着してきたりと良い外連味もあって満足度高かったね ネオメガスのバリカッコいいデザインにスフィアザウルスのデカ腕めちゃくちゃ迫力あって好きだ スフィアザウルスとネオメガスのDXソフビ出してェ〜腕の組み替えしてやってみてェ〜

 

と、デッカーやGUTS SELECTと死闘を繰り広げたスフィアでしたが、折り返し前の節目なのもあって人類の脅威としてより本格的に侵攻してきそうな雰囲気を出してたのがなかなか引き付けられたところでしたね。スフィアソルジャーをガンガン送り込んで怪獣を治癒したりデッカーを掃射で直接叩いて落とそうとしたりと、いよいよ本気という感じがしてきたなと...ここからますます戦いが激化していきそうである。

また第1話でスフィアザウルスを使って地球内部から何かを吸い上げようとしていたのと同じようにして、今度は何かを地球内部に送り込んでる描写があったりと、今まで謎めいていた背景に切り込む描写があったのも気になるところ。現段階だと推察する材料が少なすぎるので何も分からないけど、もしかして地球をスフィア化しようとしてるのかなとかなんとか思ったり...(第1話で何かを吸い上げてたのは前段階としての行動だったのか、はたまた別の狙いがあって方向を転換したのか、とかだったりして) まぁ何はともあれ、第1話と今回の行動は間違いなくスフィアの目的や背景を紐解く上で重要になりそうだし(場所も多分同じだし、スフィアザウルスの腕を再構成してあんなことしてたのもたまたまではないよね)、本筋の重要ポイントとして目が離せないですね

 

あと本筋の進行という部分に関して言うと、カナタの指針を今回「今はがむしゃらにみんなのために戦っていてそのことしか考えられていないけど、その先の目標(戦いの果て)には何を見ている?」と今一度明確に示したのは大事なポイントであったなと。この辺はトリガー客演回の第7、8話でもケンゴとのやり取りにおいてもほのかに示した要素だったけど、他の視聴者さんが「カナタが戦う理由に関しては『みんながまた夢を追いかけられる世の中にしたい』というのは既に本人が語ってたのに今更『理由とか考えたことはない』と言わせるのは不自然」として不満点に挙げてたようにあの回での提示としては少し言葉足らずというか今までの話を踏まえた接続のさせ方として少し繊細さに欠けた感じはあった(「がむしゃらに『今やるしかねぇ!!』を地で行ってるカナタがその中で自分の手にした力の意味や自分がその力でこの先真に何を為していくべきかを見据えていくことが重要」というの自体は一応読み取ることができないこともないんだけどね)ので、ケンゴも言っていた、と言及する形で接続を行いつつ、ケンゴの物語の指針・軸として改めてしっかり分かりやすい形で言語化しディテールを深めたのは良い作劇であったなと思います。そこまで尺取ることではないし本当だったら第7、8話でちゃんとこの辺を言い切って欲しかったけどね...やっぱ作劇の繊細さという意味でもデッカーの一エピソードとしてはどうしてもズレてたというか浮いてたよなぁと正直思ってしまう

 

そしてラスト、テラフェイザーのブラッシュアップのため、搭乗していたHANE2のデータが解析されたことで、HANE2によりロックされていたデータデッカーの正体がカナタであるという事実にまつわる映像や音声がアサカゲ博士に知れ渡り...という衝撃の展開で締め。なんちゅうとこで締めおる...!!

いやアサカゲ博士自体は前回今回を経て良い人であり頼れる仲間であるという部分がグッと強調されたし信じて良いと思うんだけど、ここで彼に正体バレというのがほんのり不穏なのが困るんですよね...デッカーのベース作品たるダイナにおいてはTPCに正体がバレてだいぶロクでもないことになったでな...近く来るデッカーの強化の布石、と予想してる方もいたので普通にそっちの方にはなりそうだけど、まだ安心し切れねェ〜アサカゲ博士は小柳さんがやってんだぞ大丈夫だという信頼とダイナベースの作品で正体バレたんだぞロクなことならんやろという不安がせめぎ合う() 頼みますアサカゲ博士、頼みます(懇願)

 

 

以上、デッカー第12話でした。話の構成自体はけっこうシンプル且つオーソドックスという感じでしたが、中盤戦の山場を盛り上げる熱さや迫力はしっかりあり、各キャラを深掘りする細やかな作劇も多かった、ととても見応えあるエピソードで満足度は高かったですね。カナタの今後の物語の指針やスフィアの秘密、アサカゲ博士への正体バレなど、後半戦を動かしそうな本筋に関わる布石の配置もあって、期待がとても高まるところです ますます面白くなるなデッカー 良いぞ

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた