AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

時を越えてカナタへ

ウルトラマンデッカー

第25話「彼方の光」

感想レビュー

 

 

ドン・フィナーレアンドリュー on Twitter: "[告知] 「ウルトラマンデッカー好きな回投票」を開催します!画像1枚目に日時等、2枚目に取り決め等を載せましたので熟読の上是非ご参加下さい 開催日の1/22(日)12:00より本ツイートのリプ欄に投票フォームを設置しますので是非ご投票を #ウルトラマンデッカー #拡散希望 #デッカー好きな回 https://t.co/9bO0SDfiHX" / Twitter

デッカーの好きな回投票を1/22(日)12:00〜1/29(日)12:00まで(個人的に)開催するぞ!じゃんじゃん参加してくだしゃい

 

遂にやってきましたウルトラマンデッカー最終回!!

正直前回の時点だとこれちゃんとまとまるんだろうか的な不安感の方が強かったのだけど、ウルトラマンデッカーという作品の総決算としてかなりグッとくるドラマが詰め込まれた最終回になっていてなかなかに胸が熱くなりましたね 色んな意味で集大成と言っても良かったなと

 

今回、シチュエーションとしては総力を結集してのマザーとの最終決戦を全体通して描くという感じであり構図自体は割とシンプルだったものの、ウルトラマンとして戦う使命を背負うカナタを案じるイチカ・自分はみんなが一緒にいたからこそ戦ってこられたと伝えるカナタといった画を通じて訓練生トリオの絆がここで改めて強調されるムラホシ隊長に憧れ入隊したソウマがここぞで隊長代理を託されるという実質的な継承を受ける構図が繰り出される満を辞してムラホシ隊長からカナタに「努力の天才」の称号が授けられる長らく登場の無かったHANE2の搭乗したテラフェイザーが久々にデッカーをサポートしたり並び立って戦ったりと活躍する様が描かれてカナタとHANE2の厚い信頼で紡がれたバディとしての関係が熱く光る、と今までデッカーの物語を通じて積み上げられてきたキャラクター同士の関係値が丁寧にストーリーに乗せて描かれたことでドラマが凄くグッとくる形で盛り上がったのが特に良かったところでありました。中でも訓練生トリオ周りは、カナタが「ファルコンは乗り心地最悪」と序盤に隊長が緊張をほぐすために言った軽口で同じようにイチカの緊張をほぐしたり3人でサムズアップを突き合わせ武運を祈ったりと、前半のストーリーの3人の砕けた関係性を彷彿とさせるやり取りが今まで経てきた時間の重なりも加わったより近い距離感と信頼を感じさせるものにされた上でラストバトル前の空気を程良く明るく前向きにする凄く良いアクセントとして繰り出されていたのが凄く良い味わいで、序盤からコンスタントに描いてきた作劇の柱としてストーリーを引き締めていたのが非常に沁みましたね。このキャラクター周りの蓄積はデッカーの作劇(特に前半パート)においてかなり丁寧に力を入れ描いてたところであり個人的にも好きな部分であったので、この最後の最後でそれを隙なく拾い上げ昇華させてきたのはめちゃくちゃ嬉しかったなぁ...アガムス関連の縦が強くなってた後半は正直その辺がウェイト抑えめになってたという印象だったしそういう意味でもここでストーリー面を強く光らせてくれたのはグッド こう言っちゃアレだけどやっぱり後半においてアガムス周りに割いたウェイトがちょっと強すぎた感はあったよなぁと。ストーリー的にちゃんと盛り上がりであったのは違いないんだけど、このラストバトルで前半の主軸だったキャラの関係値の蓄積を活かした展開がデッカーの味として活きたのを思うとどうしても喧嘩した要素という面は多少あったなと思ってしまう

 

またこの最終盤の展開にスッと参入していたケンゴも、オペレーションの要石を担う大活躍を見せつつも本命はカナタ/デッカーやGUTS SELECTの面々に譲ってバトンタッチ、しかしながら最後までフェードアウトはせず全力で援護のための戦う、という形で極端にデッカーの物語を食うことなく良い活躍を為していたのが凄く良いバランス感の存在感になってて良きでありました。空中でのトリガーからの変身解除と共に、空中へ飛び立ちながらデッカーへと変身するカナタと交錯しながらバトンタッチ、と猛烈に痺れる前作・現行主人公同士のクロスを成してたカットは非常に痺れましたわよ  序盤パートにカイザキ副隊長達への正体バレで場の雰囲気を和ませたりしてたのも良いムードメーカー感あって良かったよね(スマイルスマイル、も割と灰汁なくスッと入れ込まれてて面白かったし)

いやほんと地続きの世界観における前作主人公として凄く良いポジションと立ち回りをしたよなぁと思いますよケンゴ。前半第7、8話のアレは正直今でもだいぶいただけない(まぁこれはケンゴじゃなくて他の諸々が悪いんだが)んだけど、最終的に全体としてはカナタの成長を促す一端を担い要所要所でも積極的に力になっていてちゃんと頼もしい先輩していたのとても良い味になってたなと思いますね。上述のクロスバトンタッチといい最終決戦後の語らいでの締め括りといい、ゴリゴリに前に出過ぎない上でちゃんとデッカーの物語/世界観を支えてたこの最終盤の存在感は、トリガーからの地続きとしての本作を語る上で欠かせない良い要素でありました  変身解除した後も生身で全力の援護に徹した活躍を「ウルトラマンであり人間」という自分だからこそできることを全うした様として評価する声が多かったけどこれも確かになという感じで良かったところだったね

 

そしてマザーとの最終決戦。パワフルさや迫力に満ちた特撮をふんだんに盛り込んだ総力戦での戦闘もさることながら、スフィアに全員まとめて取り込まれ意思を統一されそうになったところで、第1話にてスフィアに取り込まれそうになったカナタがそれを跳ね除け再起した構図のセルフオマージュとして、今度はカナタだけでなくみんな一緒にそれをぶち除けてみせるという熱い画を叩き込んできたドラマ的な盛り上がりも最高にアガったところでありました。生命体の意思を統一すれば争いは無くなる、的なところを説くスフィアに対し「でもそれは...生きてるって言えるのか?」「不完全でいいじゃないか!矛盾だらけでも構わねぇ!人の数だけ...夢がある。俺はそんな世界の方が好きだ!」とヒビキ隊長が説き返す様が熱かったダイナと同様の構図やメッセージを込めた展開でありましたが、本作はそこに「アガムスがやって来た絶望が跋扈する未来」というところをプラスで据えることで、「たとえ未来が絶望に満ちていて変わらないとしてもそれをみんなで乗り越える、みんなで未来へ進む」という解も加えてきたのが、何度挫けても進むことを恐れないネオフロンティアスピリッツを精神性として根底に置いた「ウルトラマンデッカー」ならではの筋を通した感じで良かったよなと(アガムス周りの作劇がちょっと、とさっきは言ったけどここに繋げて縦軸としての意義をちゃんと出したのはグッドね)。エピソードZの時もティガのテーマにプラスする形でトリガーならではのテーマをしっかり貫き通し筋としたのが印象深い本作の座組であるけれど、本作も同様に原典と本作の両方に真摯であったという感じで見事だったわよ

 

かくして戦いは決着し、スフィアの脅威が去って解放された地球へと難民と化してた人々の乗る宇宙船が帰還するラストシーンと共にEDが流れて作品は締めへ。EDの「ヒカリカナタ」の希望あるメロディがガチッとハマって良い爽快感があったのが凄く良かったね...何より電波が通じるようになったことで市井の人々が帰ってきた家族や友人と電話で久しぶりに語らうシーンが、今までスフィアによりもたらされてた閉塞感がぶち壊され、塗り替えられてた「当たり前の平和・日常」が戻ってきた感じがあってデッカーの締めとしても何気に今回一番グッと好きなとこでこれがたまらんかったね 青空も心なしか今までより綺麗に見えたし、勝ったんだなという実感もひとしおだった  ユウコとエリー、グレース親子もようやく帰れるようになるだろうと思うとこう、グッとくるよな...アガムスレリア夫婦の幸せそうな幻影も含め、良いラストであった

 

 

以上、デッカー第25話でした。ウルトラマンデッカーという作品として築いてきた魅力を短い中にしっかり詰め込みながらも劇的に昇華させたドラマで熱く気持ち良く締め括った素晴らしい最終回であったなぁと思います。みんなで進んでいく未来、世界を取り巻くスフィアという脅威による閉塞感からの解放などなど、作品を通して観てきたからこそのカタルシスが存分に味わえたのたまらんかったですよ 谷口さんの新撮を交えてデカおじにも(イメージでも良いから)出て欲しかったとか、結局スフィアのカナタへの同化が不穏さの味付け程度でしか活きなかったなどの惜しいポイントもあったものの、総合的には熱くなったところが大きくバリバリ気になったわけではなかったので最終的には不満というほどにはならなかったわね

 

さて半年続いたウルトラマンデッカーもこれにて一旦締め括り。ウルトラマンダイナという偉大な作品を原典とした本作でありましたが、そこに根付くネオフロンティアスピリッツをはじめとした精神性含めたテーマ性をしっかり継承しつつ、今自分にできることを、みんなで力を合わせ全うしていく、という本作ならではの真っ直ぐ熱い形でまとめ上げ丁寧なキャラの積み上げと共にしっかり描き上げた、リスペクトと自らの筋をきっちり通し物語として築き上げ盛り上げた素晴らしい作品であったなと思います。ニュージェネ◯◯、という看板としてしっかり及第点以上のものが観られたところであったのが何より満足 前作トリガーに対する筋の通し方も主に終盤はとてもしっかりしてたし、真面目でとても好感ある作品でした

というわけで、2月には劇場版もあるしまだまだデッカーの物語終わらずというとこではありますがひとまず締めということで。デッカーに関わった皆様本当にお疲れ様でした 素晴らしいニュージェネレーションダイナをありがとう

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた