AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

刻む思い出

デリシャスパーティ♡プリキュア

第21話「この味を守りたい…!らんの和菓子大作戦」

感想レビュー

 

 

かきプレシャス、もし完遂させてたらどうなってたんすかねナルシストルーくん??

絶対ニチアサで映せない絵面になってたよね???アマゾンズでも映せるか厳しいレベルのスプラッタになりかねなかったよね!?マリちゃんとブラぺマジgjほんとにgj

 

閉店が決まった老舗の和菓子屋を中心に、らんらん&あまね会長主役で展開された今回のエピソード。前回はここねとあまね会長のクールコンビの友情のしっとり感に大満足でしたが、らんらんとあまね会長の対照テンション感コンビもまた乙なものですね らんらんの独特な表現に素直に感心するあまね会長がちょっとコミカルながらもらんらんの感性への理解者としての存在感もグッと押し出されてて良いんよな ゆいとのコンビはどんな感じになるかな。

ちなみに今回はデパプリでかなりコンスタントに登板されてる山岡さんのフィナーレ加入後初担当回でしたが、今までの担当エピともまた一味違ったテイストの話が飛び出してきたのでEDクレジットで今回山岡さん担当だったと知った時はけっこう驚きましたね...マジで絶好調だよデパプリの山岡さん ここね・あまね会長のクールキャラ組の言動が普段よりも一段聡い感じあったり、らんらんの独特の表現がキレッキレだったりといつもの山岡さんの個性も随所に良い感じに出てたし、すっかり本作における安定感をものにしてるよなと。らんらんの独特の表現なんて山岡さんの時が一番ノリに乗ってるから山岡さん登板回は是非らんらんに食事の感想をバリバリ喋らせてあげてやってくれ

 

そんな今回のエピは先にも述べた通り、時代の流れを受け閉店を決めた老舗の和菓子屋というところが中心のストーリーとなっており、どんなに強く想ってくれている人がいてもどうにもならずやってくる“終わり”を描くという切なさが目を惹くビターな話になっていました。馴染みの店や普段通るところで何の気無しに見る店が閉店の報せが出して寂しいとか何かできたんだろうかとか考える、なんてのは誰しも経験し得る身近な事象なだけに今回のこのテーマはなんかこう、凄くしんみりくるものがありましたね...自分も家族と行きつけだった個人経営のお好み焼き屋がふとぱったり店じまいしてて寂しくなったり、大学時代に(入ったことこそ無かったけど)たまに店の前を通ったりしてた学生に人気のお弁当屋さんが店主の高齢化を受けて閉店の報せを出しててしんみりなっちゃったりということが実際にあったので余計に沁み入ったのよな

それに納得できないらんらんが和菓子屋のために自分にできることに健気に取り組み頑張る姿が胸を打つけれど、それ故に高齢化や新しい店の進出みたいな寄る時代の波の前には一介の女子中学生の気持ちだけではどうにもならないし一度決まった以上はなかなかどうしようもないというシビアさがいっそう際立つのも辛かったな... 題材自体はちょっと違うけど、前にやってた「白い砂のアクアトープ」なるアニメの前半もちょうどこういう構成の話だったので個人的にちょっと思い出すものがあった  メンバー中でも一際聡いあまね会長やここねは店を大事に思いつつも一歩引くし、おばあちゃんの教えとかもあってゆいは意外と繊細なとこに踏み込みすぎない、という中で思いやりが強く感情移入をしやすい気質のらんらんが良くも悪くも青臭く諦めきれない、というのがらんらんらしくて好きなところであったね  この辺の各人の性格やスタンスの描き方のさり気ない細やかさは山岡さんの良い仕事だったなと

 

そんな切なさ・寂しさを描きつつも、店の味を楽しみ、幸せになってくれた人達の思い出の中には店はずっと残り続ける、という永久性を爽やかに見せてきてくれたのは実にグッときたところでしたね。覚えててくれる人がいるから、というのはこの手の話の落とし所割とベタなところであるけれど、それを「人の瞬間瞬間の想いが積み重なり、またそれを他の人に伝えたいと思う気持ちが歴史となっていく」という形でまとめ上げたあまね会長の表現がメッセージ性にいっそう深みを与えていたのが良いアクセントであったし、何より「食」がテーマとなっている本作の、「思い出」という要素が中心に据えられるようになっている現在のストーリー展開の中においてこのたとえ店そのものは無くなっても、そこで味わった美味しさや喜びは思い出として多くの人達の中に残り続ける」というところをグッと強調してくるという鮮やかなはめ込み方をしてきたのが凄く秀逸で味わい深かったなと。ナルシストルーに対する「思い出を返して!」といういつもの啖呵によりいっそうの重みと力強さがこもっていたところや、最終的にらんらんがいつもやっているキュアスタの投稿を和菓子屋の存在を思い出として残すために使ったところなど、デパプリならではの要素と絡めての昇華のさせ方も絶妙であったし、総じてピースをピタリとはめてきた感じの気持ち良さとカタルシスがあって今回の作劇の白眉でしたね。テーマ性の貫き方に定評のある本作だけど上位に入る巧みさだったのではなかろうか

 

そしてエピソードの締めとして、閉店し静かになった夕暮れの陽の光差し込む静かな店内をどこか切なそうに見つめる店主のおばあちゃんが、らんらんの残してくれた和菓子屋の思い出についての投稿を見て心からの笑顔と共に感謝をほろりと口にする、という画を入れてきたのも凄く良かったところ。閉店前最後の営業となった和菓子屋でお菓子を楽しく味わうゆい達や常連客達、それを微笑ましく見守るおばあちゃん、という幸せな画で締めても全然良いところを、そこからシームレスに静けさが漂う閉店後の画に繋げたのは思わずほろっと来る切なさが胸にくるながらも筋の通し方として沁みたし、そこから店のために頑張ったらんらんを含む色んな人の想いがちゃんと店の存在を思い出としてこれからも残し続けるということを描き、ほんのりとビターさがあるながらも希望も漂う気持ち良い形の着地をしてくれたのも最高に粋でグッときたなぁと。今までにも増して叙情的な効果や演出がフルに活かされていた良いオチでしたね 凄く良かった...

 

そんなちょっとしんみりするながらも爽やかな締めが光った今回からEDは新曲「ココロデリシャス」にバトンタッチしダンスも一新。コミカルで楽しいテイストだった前期EDからまたちょっと変わって、佐々木李子さんのじんわりくる感じの優しく美しい歌声と曲調が凄く心地良いEDでとても良かったですね。今回の穏やかな感じの締めの余韻感にも凄く合ってたし、「今回から」というのがなんともベストタイミングだったのがまた良きであった コスモスのEDが第42話から「心の絆」に変わったのも凄く良いタイミングで気持ち良かったし、ほんとこういうのがバチッとハマるとまたたまらんのよな...

 

 

以上、デパプリ第21話でした。仄かなビターさにほろりとくる一方、その中に明るく気持ち良いテイストも含ませてくる味わい深いストーリーが心を打って凄くグッときたし、加えてその中に本作ならではの要素やキャラクターの人となり等を絶妙に織り込みいっそうの奥深さとした作劇の巧みさにも唸らされたしと、個人的に今までのエピソードの中でも五指に入るくらいにとても魅力溢れる回でしたね。テーマ性のピックアップ・昇華のさせ方がほんとに上手くて山岡さんの筆が乗りに乗りまくってたのをひしひしと感じたし、ほんと山岡さん絶好調だなぁと。今後ともじゃんじゃん登板して欲しいですな

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた