AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

願望求む戦い

仮面ライダーギーツ

第1話「黎明F:ライダーへの招待状」

感想レビュー

 

 

信じねーぞ...!

めちゃくちゃ期待してたリバイスがあんなで...だいぶショックなくらいの馬鹿を見させられて...信じて真面目に観てああなるのはごめんだぞっ...!!

信じねぇ...!俺はもう令ラは信じねぇっ...!!

 

でも初回はやっぱ面白いね(ブレブレ

 

 

というわけで令和ライダー4作目「仮面ライダーギーツ」、遂にスタートしましたね。正直ここ数年の所謂「令和ライダー」と括られるシリーズは作劇や作中要素・キャラの取り回しのクオリティ的な点において渋い顔になってしまうものが続き気味で(勿論好く好かないは個人によるし、きちんと作品としての筋を通してるものもあるのでダメダメなばかりってだけではないのですが)、尚且つ前作リバイスがそこに強烈なトドメを寄越しやがったのでぶっちゃけた気持ちを言ってしまうと今ライダーシリーズに向き合うメンタルの程としてはだいぶどん底ラインであり、本作もあくまでこれはこれと頭で分かっていても妙にピリピリしてしまうというか、必要以上に身構えてしまってるといった感じでそのスタートを待っていた感じであり、感想記事も今回は書かないかもかなぁ...という心持ちだった(書く気になれないというより、期待して真面目に色々考えながら書いてて後から爆散した時の恐怖が嫌すぎて色々考えるのが億劫になったというか)のですが、まぁなんというかこんな時でもやっぱり新作の初回は面白いですね...身体は正直(言い方)

 

本作、多人数ライダーの競い合いが軸(多人数制に関してはもう最近じゃ珍しくもなくなりましたが)であり、且つ平成ライダーの作品群を支えた方の1人である武部Pが久々のチーフプロデューサー入りということで、ほんのり龍騎辺りの古き良き多人数ライダー作品のかほりを感じていたところではありましたが、実際に本編の方もシビアな空気感が程良く含まれた感じがあってそこになかなか強く惹かれたところ。得体の知れない怪人ジャマトの出現により蹂躙されていく人間達が、流血表現等こそないもののけっこう直接的に描かれたりしているし、その中で戦う仮面ライダー達に関しても死ぬ時はだいぶ容赦なく死ぬということを初回から鮮烈に印象付けてきたこのインパクトの大きさはなかなか強烈でしたね。爆速で散る豪徳寺さんのシーン観た時のヒリッとした緊張感が一つ増した感覚は率直に良かった。ニチアサカムバックの金城さんが演じるということで放送前からかなり注目されていて、本放送でも英寿や道長などけっこう利己的な感じのする面子の中で一番ヒーローっぽい人柄をした渋オジキャラっぷりにおぉーとなっててキャラとしての注目度はけっこう高かっただけに余計に豪徳寺さんの退場はパンチが効いてたし、そのパンチの強さをあの短期間で醸成するだけの下準備がしっかりあったのも良きかなという感じだ 描写的に犠牲になった人達は戦闘後に戻ったっぽいし豪徳寺さんも戻った可能性はあるけど、ラストの方に出てた「ドライバーとIDの獲得は仮面ライダーへの片道切符 もう後戻りはできない」的な文言からし仮面ライダーになった人間がその限りかどうかは分からないし、ここは次回以降の描写次第か

登場人物達に関しても、最近のライダー作品だと割とザラなキャッチーなキャラ付けがいつもより一際濃い(この辺は高橋さんの癖によるところが濃い感じもしますね)感じがするのがちと気になりこそするものの、その癖の強さがどう化けるかという楽しみを膨らませる感じでもありそこも良きでした。怪人に人が襲われているという状況など意に介さないって感じでくつろぐ英寿や他人のことなどそもそも眼中にないって感じの道長などの、お世辞にもヒロイックさとは程遠い利己的なキャラ性を第1話から、それも主人公やそれに続くポジションのキャラで見せてくるのは思い切りが良いがすぎるな...豪徳寺さんでさえも純粋な人助けと言えたかは微妙じゃない?的なちょっとしたエゴを感じさせる想像の余地を残したのがひりつく人間描写として絶妙

今回に関してはまだ巻き込まれ側だった景和や祢音に関しても、景和は志で言えば凄く主人公らしく他の誰よりもヒーローっぽくあるもののどこか夢見がちな部分というかズレた一面があり、祢音も(普通に致し方ないとはいえ)倒れた景和を置き去りにして逃げ去る正直あまり良い印象ではない振る舞いを見せる一幕があり、と両者ともある意味清廉潔白・完全無欠とは言い難い部分(不完全で等身大な人間的描写とも言える)が描かれてたし、このキャラクター達の不完全性・欠落とも言える部分は意図的に配置してると思うので、総じて今後どう転んでいくか気になるとこですね あとはまぁ肝心なとこに行くまでに好感度下げすぎたり、肝心の魅せがちぐはぐで結局キャラに良い印象持てなかったり、みたいな感じにならないことを願うといったところか(英寿は一応人助けっぽい立ち回りを見せて全く他人に興味ないわけじゃないとこを印象付けたし、景和も今後の成長性という感じで十分納得できるところではあるので、そこら辺には気を遣ってるだろうから心配はないかもだが)

 

戦闘シーンの方も初回らしく上々な滑り出しという感じ。さんざっぱら言われてるけど基本フォームがガンアクション主体のライダーというの自体けっこう珍しいところではあるので、そういう意味ではギーツの戦闘のスタイリッシュさはかなり新鮮で目を惹きましたね。デザイアドライバーの目玉ギミックである複数フォームチェンジに関しても、各フォームの個性を見せるというより変身の小気味良さを印象付けるという感じの方向性に振っていたけど実際あのガチャガチャドライバーやバックル動かす感じは気持ち良かったしまずは良い感触。今後色々アイテムが増えるのも込みでこの先の広がりが楽しみかな

あと個人的に良かったところとして、変身のエフェクトが割と派手さ抑えめの程良い塩梅なものだったことは凄く好感。ここ最近はデカいオブジェクトを降らせてきてそれで変身するみたいなとかく派手さに振ったようなものが多く、ちょっとケバさみたいなものを感じてた部分もあったので、ここで一旦大人しくさせたのは英断かなと 最近は予算云々の切り詰め具合が色んなところに見えるだけに、初回の演出や変身エフェクトが派手であればあるほど(これ後の方ではグレードダウンしてくんだろうな...)とやや冷めた目で見てしまう癖もついてしまってたので、むしろ最初が大人しい方が安心感あるのよね

しかしある意味最近の恒例行事みたいなものではあるけれど、ギーツがバイク乗って良い感じのアクションするだけで「バイク乗ってる...!」みたいに驚かれ、さらにその後スン...ってなって「そのうち乗らなくなるんでしょ」「そのうち徒歩になりそう」とか言われてるの見るとこう、色々もにょりますね...仮にも仮面ライダーシリーズなのにバイク描写をサボり続けてきたツケの結晶ですよ...最近は色々規制もあるとはいえ、公道と言わずとも乗れるとこは沢山あるんだし派手なバイクアクションも採石場とかに持っていけば多少強引でもいくらでもできるはずなので、バイク描写をやらないのは向こうのやる気の問題じゃねぇのかというのは思うところではあるんですよね 特に最近は豪勢なモデルとかを使ってる割に最初だけ派手に見せて後は肥やしにして持て余し全然乗らないみたいな話題性欲しさや見栄張りたいだけなんじゃないかと邪推したくもなる取り回しがザラだし、ここらでバイク描写にはメスを入れて欲しいな...

そしてラスト、再びデザイアグランプリ開催に際しツムリによって景和含む一般人達がライダーに選ばれていく...というシーンで締め。あそこのシーンは普通の主婦や女子高生などかなり多様な人間が次々ライダーに選ばれていく画が「誰でもライダーになり得る」的なテイストを醸しており、子供や老人がカードを手にするカットが印象的だった龍騎OPの演出を実際に作中で可視化したという感じで面白かったところでした。この先も色んな形で色んな人間がライダーになり得る そしてこの先何人も消え得る、というのを想像の余地として示す感じにもなって良いワクワク感だったなと

という感じで色々見所多しな初回でしたが、今後の展開に関与する気になるポイントとして英寿の背景というのは最終的に凄く気になるところになりましたね。冒頭で仮面ライダーに選ばれた際の「知ってるよ」というまるで自分が選ばれることを知ってたかのような言い回し(※)や、今の世界を壊し作り替えることに躊躇いがなさそうな口振りなど、まー割と露骨に謎多しなキャラだよなぁと。もう既に何周もしてクリアを繰り返してるのかとか、そもそもデザイアグランプリっても何度目なのか(ループ説(今回は英寿達視点だともうゲーム終盤かも、という)を唱えてる人もいたし)、そこまでして世界をどうこうしたいのはなんでとか、想像が良い感じに膨らむ 最近の主人公としては珍しい完璧さ強めの俺様キャラなことも含め、こういうテイストやミステリアスさを多分に含ませた主人公キャラをあてがってきたのはかなり攻めてるなという感じ(キャラ性的にも景和を狂言回し的な立ち位置に置く故にできることなんだろうなと)だし、ここには注目したいところ

(※)...後に気付いたのですが、ラストシーンでツムリが接触してた作業員が道長(バッファのコアID渡してたしかなり分かりやすく描いてましたね)で、言動的に自分がライダーだったことは忘れてたっぽいので、つまりライダーは生き残っても優勝しなかったら記憶が無くなる=英寿は優勝したので記憶が残ってた(過去にも何度も優勝してきてた)、という理屈みたいです 余所見しながら観るもんじゃねぇな...(2022/09/04追記)

 

 

以上、ギーツ第1話でした。まぁ安定の面白いポイント多しなライダーシリーズ初回という感じであり、一応期待値は高いかなと。とはいえ初回から1クール終わりないしは中盤までは割と調子良いのは最近の傾向として普通であるし、問題はここから。この期待値をどれだけ維持して続けていけるかが問題ですが、やっぱりここ最近溜まった不安さからまだ純粋に「楽しみすぎる!」と無邪気な楽しみを持てるには至れないですね...まぁ何はともあれ、前向きではないのであまり良くはないけど期待はぼちぼちにしてじっくり観ようかなと。やっぱこうして感想書いてる方が落ち着くし結局今後も書いていきそうということで、今後ともよろしくお願いしますです 次に雲行き怪しくなったらいよいよ切るかもだが...

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた