AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

Heroic Egoist

仮面ライダーギーツ

第8話「邂逅Ⅶ:切り札ニンジャ」

感想レビュー

 

 

負傷プレイヤーには一度参加を推奨しない意図の言葉をかけるし、一区切り付く段階で命に関わるほど傷付いてたら配慮の一環として強制脱落にしたりするDGP、最近のライダーシリーズの組織にしてはやっぱり温情がありすぎるぞ(言い方)  ギロリも割とプレイヤーに細かく気を遣ってるっぽいし、本当にちゃんとしてるパターン全然あるのよなDGP...どうなんすかね

ただ今までのパターンだと奏斗や小金屋さんみたいな分かりやすい悪役にしか適用されないと思ってた「仮面ライダー失格」の文言が景和にも押されたのはちょっと気になるよなーと...単にフェーズごとの脱落者に一律でそう言ってるだけなのかもしれんけど、「失格」の字面のちょっと引っ掛かる感じがなんかこう、なぁ

 

ラスボス攻略戦線の中で苦悩しながらも戦う景和の変化を描いた今回のエピソード。良いやつだけどちょっと...みたいなところで平行線気味だった景和のキャラ性を一つグッと押し進めた良いエピだったのではないでしょうか。そしてそんな大事なエピソードで急に厄介2号ライダームーヴを強め出す道長くんはなんなの() 「おめぇに勝たれるくらいならルール抵触だろうがここでノしてやる!!!!!!(チェンソ-ギュインギュイン)」じゃないんすよ(しかもいっちょまえに噛みついておいて負けるというこの)

 

ジャマトの襲撃に姉が巻き込まれ連れ去られたこと、その姉がかつてのDGPの記憶─両親がジャマトに襲われて命を落として消滅していたと思い出したことをきっかけに、焦りを強め荒れ始める景和、というところが今回のエピソードの大きな肝。桜井家の両親が死別してる話はいずれDGP絡みで繋がってくる可能性も少しあるかもとは思っていたけど、こんな早くにカードを切ってくるのはちと意外であった IDコアに触れるとDGPの記憶を取り戻す、というルールが一般人にも適用されるというのは今後また何かでふっと活かされそうでもあるので気に留めておいても良いかも

この時、実の姉がリアルタイムで危険に晒されてるとなった(しかも直前に両親の死の真相を知っていて家族絡みでより焦りやすい状態になってる)ことで焦る景和が、あくまでも自分への見返りのために戦うと宣言する他のライダー達を糾弾したことを「自分の大切な人間さえ守れれば他の人間の幸せはどうでもいいのか」「一番傲慢なのはお前じゃないのか」と英寿が指摘し、景和もそれに口籠るという流れは、本作の本質の一部を突く感じの内容で実に面白かった部分でありました。正直景和も口では「世界のため」といったことを言ってはいたので最初英寿の指摘に対してはちょっとん?となったところではあったのだけど、なまじ家族のことが絡んだこのタイミングでいつになく焦り他のライダーの自分の望みにかける姿勢とかを糾弾したりしてるのは実際「俺の家族が危ないんだから協力しろよ!」という景和自身のエゴが溢れた瞬間─自身のエゴを「世界」というもっともな大義名分で隠して自分を優先させることを正当化しようとしていたと言えるので、色々振り返ってここがくっきりしてきた時は改めてなるほど、となりましたね。以前にも平さんの死を目の当たりにして間もない頃に「人は簡単には死なない」と袮音を励ます時に言い放ってたりと、どこか他人のことに対する言葉に実感や想いが伴ってない面が見受けられることはあったので、景和のエゴという今回の描写と合わせるとなかなか強烈。ギーツのキャラクター達の根幹、DGPの本質はそれすなわち「世界のために戦うけど、それは誰かじゃなく他でもない自分のため」という原動力であるというのは前回のエピソードをはじめ今までのエピの中でも少しずつ強調されてきていたところであったので、その中で景和の理想論的な主義主張が浮いていたのは、言ってることはもっともらしいけどそれは(よっぽどの実感や覚悟、信念があって言ってるのでなければ)ここぞで自分を正当化する盾にしかならない、というのがあったからなんだろうなと今回思うなどしました

 

そんな景和も最終的には英寿の言葉通り自分の望みを自分で戦って叶えるべく、ラスボスの囮となって他のライダー達の勝利を促すことで一刻も早いゲームクリアによる姉の救出に尽力する覚悟─自らの望みのために自らの命を賭ける覚悟を見せ、その覚悟に応えたニンジャバックルによってニンジャフォームへと変身、と今まで以上のどストレートにカッコ良い活躍を見せてくれました。景和のある意味初めての自分のための戦い、良かった 誰かのために尽くすキャラのここぞでの自分のための戦いや叫び、ハマるとめちゃくちゃ痺れるよね

ニンジャフォームも玩具情報公開以来待ちに待ったといった感じの期待値に見合った見応えある合成マシマシの良いアクションに、ちょいちょい縁のあるブーストバックルを使った大一番と見所多しでグッド。ニンジャフォームちょいちょい1号っぽいと言われてることがあったけど実際正面から見ると触角(アンテナ)っぽくなってる耳パーツの銀ライン、赤カラーの複眼、クラッシャーの配置といった意匠が緑カラーと相まってかなりそういうイメージに近いよね ライダーキックもかなり正統派だったしね 少なくとも邂逅編だとこれきりでお預けになるのが勿体無い

 

そんな景和だったが、過度の負傷による脱落でここでフェードアウト。めちゃくちゃ衝撃というわけではなかったけど彼が最後まで残らなかったのは意外ね

けれど最後には「世界がどうのと言ってはいたけど、実際は自分の大切な人を1人守るのだって精一杯」と自身の力の限界を知りつつ、だからこそ自分にとって本当に大切なもののために人は全力になるのだと言うことを理解したという感じで、「自分のため」という良い意味でのエゴの大事さを理解する一幕もあり、景和の精神的な成長が見られたのはとても良かったですね。聞こえの良い大きすぎる理想よりも、自分の力で手を伸ばせる望みのために真に全力で足掻いてこそ人の真価は見える、といったところであろうか。ここは景和の邂逅編全体通しての締めとしてドラマがバチっと決まりましたね

 

そして景和の脱落を受け、今までにないくらいに神妙な面持ちで「この世界を必ず終わらせる」と決意する英寿のカットで今回は締め。景和の家族への想いを聞く中で、母親絡みの品であろうコインを見つめる場面もあったりと、やはり色々思うところはあったのかなと想像されますね...しかし英寿、黎明編でも語ってたように「こんな世界は終わらせる」的なところに拘りがあるっぽいのはキャラ性の深い部分として気になるところ。彼しか知らないDGPないしは世界の重大な秘密にも掛かってるかな、とか思うけどここはまだ保留か。

 

 

以上、ギーツ第8話でした。意外にもここで景和脱落、という大きなイベントとなりましたが、その分景和に期待してたドラマは概ね満足するものが見られて面白かったですね。望み、エゴ、という本作のテーマもいっそう深まったかと

さて次回邂逅編はラストなようだけど、ここでどういう決着をするか、また少し気は早いけどその先がどうなっていくか、はとても気になります 序盤越えて以降がどうなってくかはまだハラハラなんだけど頑張って欲しい

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた