AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

クソゲームマスター(直球)

仮面ライダーギーツ」

第14話「謀略V:怒りのグレア」

感想レビュー

 

 

黒服さん達の変身、一瞬なのにカッコ良すぎる...!実際の活躍描かれないのもったいねぇ!

安易にスピンオフ作ってとは言いたくないけどこれは黒服さんサーガ観たいわ(ギーツは作品の特性上全然関係ないキャラ達が集ってた時のDGP描くというスタイルで緩くやることもできそうだしスピンオフとの相性自体は良さそうだしさ)

それはそれとして黒服さん達、ちょっとしたモブくらいかと思いきや随所で人間臭いリアクションが沢山あるから愛着湧くし、今回みたく祢音に対する純粋な思い入れとかも描かれるからカッコ良さもあるしでちゃんとキャラクターとしての自我をもって描かれるからドラマ的に凄く魅力あるのが良いよね(元々DGP参加してた、という本筋への導線抜きにしても祢音周りのドラマが映える立ち回り多くて好きなんだ) 退場枠内定してるモブライダーの面々といい迷宮脱出の時の姉弟といい、モブポジションのキャラの多くが例え僅かな出番の中でもストーリー的に相応の存在感を発揮するよう取り回されてるのがギーツの強みの一つよな

1人の人間として祢音に肩入れし協力してくれるの凄くグッとくるけど、これで後々消されたりとか...ないよな...生きてくれ...

 

英寿脱落濃厚な中、様々な人間の想いの交錯と共に進むDGPを描く今回のエピ。ストーリーラインとしては英寿とウィンが主という感じだったけど、自身を取り巻く環境のDGPとの関わりに何を信じ何をすべきか迷い始める祢音に対し、「世界を救い願いを叶えること」という本作の仮面ライダーとして貫くべき芯を景和が迷いなく示し祢音もそれに導かれ再起する、などの他キャラの精神の揺れ動きや強さにフォーカスした展開もあったりして、全体的にキャラクターの動かし方がドラマ全体を良い感じに引き締めてて面白い回でしたね景和が途中参戦を経てお人好しさこそブレないけど自分の願いのために戦うことへの意欲もしっかり有した頼もしさを見せるようになったりと、全体的に今までの話の積み重ねが活きる形でキャラクター達の描写に油が乗ってグッと盛り上がってきたのが良いね 景和、コマンドフォームを手に入れて実力的にもかなり頼もしくなった分言葉や信念の説得力が視聴感としていっそう高くなってる部分もあるし、この辺はキャラクターの気持ち良い見せ方として上手いなと思う。武部P作品繋がりで、強化無しで負け星も多いながらも不屈の闘志で魅せてきた戒斗/バロンがレモンエナジーを得て強さの上でも風格を見せるようになっていった辺りと似た盛り上げの手並みを感じるのでそこも個人的にハマってるのかも)

そんな中、道長くんが英寿に知らないうちに化かされてピエロ状態だったことはかわいそうだから触れないであげよう() 道長くん、英寿のこと煽ったらほぼ確で英寿にしてやられたり化かされたりする類の呪いかけられてるとしか思えないから君はもう慎ましく正々堂々とやるべきだよ...でもただピエロさせられてただけじゃなく、英寿にドライバーを譲ろうとする景和のことを「勝ちに貪欲になれ」とばかりに止めたり、といった景和に対するある種の入れ込みみたいな一面が少し窺えたりとちゃんとキャラクター的な部分が掘り下げられてたのでそこも良き。英寿を負けさせたいから、ってのが一番大きいんだろうけど、基本的に「ライダーはクソ!!」な中で景和にわざわざああいうこと言ってやる辺り他のライダーとは明らかに違った感情を(無意識下かもだが)抱いてる節はあるよね 景和のお人好しをある程度認めてる節は以前にもあったし

 

と、色んなキャラの描写が光った今回でしたが、中でも一際目を惹いたのはやはり英寿との関わりを通じてのウィンの掘り下げとその内面の変化の流れ。ギロリのクソ悪役ムーヴ全開な切り捨てがきっかけ、というところが少々展開運びとしては力技感あったものの、夢半ばなところでDGPと繋がりのあった身内の手引きで運営の一員にあてがわれ、DGPのために色々尽くしたのに結局はいざという時テイ良く尻尾切りすれば良い存在くらいにしか思われていなかったと知り、という燻った人生の中、自分という人間の本質に向き合い手を差し出してくれて英寿に少しずつ心を開き共に立ち上がる、というウィンの背景と内面を一気にグッと掘り下げ、彼が運営からの差し金ではなく自分自身のために命を賭けて戦う「仮面ライダーの1人として今一度参戦するという流れはなかなか文脈が乗っていて熱かったです。英寿の巧みな戦術眼や策士ぶりに感服し彼を認めていくといった英寿との関係性の深化も、運営からの指示以上の感情を覗かせる感じで英寿とバチバチやってた前回前々回辺りからの描写も上手いこと効いてより深みある人間描写として跳ねた感じがあったし、ウィン周りはここ数話で生きたキャラとしてしっかりと昇華させてて感心するところでしたね 意外にも道長くんや景和よりも英寿と対等感・ライバル感のあるポジションになったのが良い誤算という感じで面白かったなぁ

余談なんだけどこのウィンのピンチに対し、彼のことを心配してかそのことを英寿に教えてあげてたらしいツムリのムーヴが地味に好きなポイント。ギロリの越権気味な行為を目にして自分だけでもと公平に振る舞おうと努めてた最近の言動といい、自分が正しいと信じることをやろうとする人間味ある言動や感情模様が増えてきたの良いよね

 

しかしそんな英寿とウィンを粛清せんとギロリ自らヴィジョンドライバーを手にし、仮面ライダーグレアとなって彼らに牙を剥くという展開へ。イライラ絶頂のGM、遂に自ら介入(言い方)

グレア、この時期特有の新顔強敵ライダー枠ということで、パンクジャックを赤子の手を捻るように叩き潰したりとベタな強敵描写で魅せてきたところまではあーいつものねという感じでしたが、装甲の一部をひっぺがして仮面とし、パンクジャックの仮面と入れ替える形でウィンに被せ洗脳・操作する能力の演出には率直にたまげたし思わず引きつけられましたね...DGPを統括するゲームマスターならではの能力という感じで納得度も高く、現状のDGPで無法を極めるギロリが使うが故の脅威度の演出もかなり鮮烈であり、と能力としてなかなか良い魅せだったし、何よりそれぞれ特徴的な仮面を素体に被せる形で個性とするギミックが目玉な本作の仮面ライダーに対し、その個性たる仮面を強制的に剥がして無個性で無機質な仮面をおっ被せることで操るという、ギミックを上手く織り込んだ無慈悲さがインパクト大であったしと、作劇的にもギミック的にもかなり工夫が効いててかなり面白かった。それぞれの仮面ライダーを「仮面ライダー〇〇」としてイニシャライズしてるマスクが無くなってるから、あの洗脳形態はおそらく名称としては何者でもないのであろう、というのがゾッとするよね

 

そんなグレアの介入によりウィンは傀儡と化し、英寿は手も足も出せないままに敗退・退場と相成り...と、まさかのここで主人公退場という展開へ。あるとしてももう少し先か?と思ってたのでこれはけっこう驚きましたね...しかも今回、英寿の変身シーンが無いどころかリアルタイムの描写の上ではギーツの直接の登場すらなかった、というのが更に驚き。基本フォーム扱いなマグナムフォーム(マグナムブーストフォーム)がなかなか出てこないところといい、本作は主人公の英寿に関しても割とフラットな扱いをあてがってきてる側面はあったけど、ここまで思い切ってるのは素直に凄いな...と

 

ともあれギロリの介入により英寿は脱落。ギロリ/グレアの脅威を視聴者刻みつけ、波乱のまま今回は締めとなりました。

...

まぁ直後にゲームマスターはプレイヤーの勝敗に介入しちゃダメ!!」っていうルールが示されて若干ギロリくんがカッコつかないことになっちゃうんですけども(

てかそうでなくてもギロリくん、「お前運営だったのバレたからもう知らん!w 生き残りは自分でなんとかして!!w」っていう露骨なクソ運営ムーヴでウィンを見放しておいてそれを理由に離反されたら「お前の仕事は英寿を落とすことやろ!何やってんねん!!」ってキレた上、それでも聞き入れられなかった結果ドライバー持ち出して自らボコしにくるとかいう一連の行動がもうシャバすぎるし馬鹿すぎるんだよな...(グレアへの変身は一応「運営メンバーのウィンが言うこと聞かなくなった」っていう大義名分が付いてるしまぁ分からなくはないけどさぁ)  ただでさえ最近独断で英寿に不利を強いることばっかしてツムリには反感抱かれ、その上運営別サイドのニラムさんにはその行動をド正論で咎められてと四面楚歌ぶりが極まってちょっとしょっぱくなってきてたのにそれに拍車をかけてるんじゃないよ!?(ナレーションにDGPのルール持ち出される形で即オチ2コマばりの速度で突っ込まれてるの逆に芸術点高くて感心しちゃうわ)

正直これ「ゲームマスターのプレイヤーの勝敗への介入禁止」を理由にニラムさん辺りが公正な運営を目的として英寿を復帰させる措置をとるんじゃないかとか思うんだけど、そうなるといよいよギロリくんの株底打ちだよ?() その場合最悪はDGP運営からも見放されて家なき子となって暴走するルートもありそうとか思っちゃうんだよな...ともかくこの辺のギロリの今後は純粋に気になるわね 少なくともずっとゲームマスターではいられないでしょこんなん...

 

と、色々な展開のあった今回でしたが、英寿の母「ミツメ」がDGPのナビゲーターにかつて携わっていたことが明らかになったり、ジャマトがかつての退場者である豪徳寺さんや平さんの台詞をなぞるような言動をとっていることが示唆されたりと、本筋周りの謎がゴリゴリと解き明かされ始めてたのがさり気なく重要なポイント。英寿のお母さんとDGPの関連や、ジャマトと今までの退場者の関連は今までの情報からもうっすら感じ取られていたけど、ここで両方ともだいぶダイレクトなものをぶつけてきたのはたまげたな 英寿のお母さんはもしかしてDGPと何かトラブって事故か故意かはともかくギロリ辺りに何かされてしまったとかで、それがバレると不都合だから願いの無効含め色々隠蔽工作されてるとか、なのかな...


特にジャマトと退場者の関係は色々不穏さ極まってきてて凄く気になるところ。平さんぽい奴も豪徳寺さんぽい奴も判を押したように以前と同じような台詞をなぞってるだけっぽくてあまり自我が窺えないように見えるのでこの辺どうなのかは純粋に謎よね。平さんっぽい奴なんかは自我があったなら景和に対し何かしら躊躇いみせるはずだけどそうでもなかったし...

でもジャマト語解読表の開示により読み解かれた今までのジャマトの台詞を見るにジャマトにも普通に性格や人格はあるっぽいから自我がないというのは矛盾するのよな かつての知り合いを気にする余裕も無いほどの切羽詰まった事情があるのか、はたまた理性や倫理観、自制心の類だけが上手いこと消されてしまってるのか...(かつて人間だったのにジャマトとして人間を襲ってるのも理性とかが無いと思うと一応説明できるし)  DGPとジャマトの関係性を踏まえるならば、ジャマトも人間への甦りとか願いの成就を賭けた独自のゲームを強いられてるからとかなのかなぁ...ライダーに比べて統率が取れてるのも、勝ちさえすれば生き残ってるやつの願いは全部叶えるというのがあるから協力しやすくなってる、とか  まぁここはまだ保留ね

 

 

以上、ギーツ第14話でした。グレア介入による英寿退場といった波乱をはじめ、本筋周りの謎の真相の示唆などかなり大きく動いた話だったのではないでしょうか。キャラクター周りも背景や感情面がグッと掘り下げられて良い具合に群像劇的になってきたし、良い感じに面白くなってきてるとは思うので、まだまだ序盤だけどこの先も上手いこと走っていって欲しいなぁ むしろここからが本番...

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた