AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

心の陰・光

デリシャスパーティ♡プリキュア

第33話「清く正しく!あまねとハロウィンパーティ」

感想レビュー

 

 

ナルシストルー、前々から言われてはいたけどやっぱり偏食家(加えて猫舌)であるが故に他人との食事が苦手、という感じで「ご飯は笑顔」に相容れることができなかったんだなぁと。以前マリちゃんに気を遣ってもらった時珍しくしおらしく素直になってたのとかを踏まえると、苦手があったりしたこと自体はともかく、その上で他人から「いいからこれ食べなよ」と苦手なもの食べるのを強いられたり「早く食べて」と急かされたりしたのが嫌な思い出になってたのかもな...かく言う私も小学生時代本当に苦手なものがあったのに給食時間の終わりの後まで残されて食わされたりしたことがあったりしてそれがお世辞にも良い思い出ではなかったりするので、ちょっと共感してしまう 無闇に好き嫌いせずまず食べてみることが大事というのは勿論分かる(本作でもそういうメッセージを込めたエピはあったしね)けど、その上で「食え」といった強要のニュアンスが混じってしまうとあるラインを越えた時点でそれは苦痛に転じてしまうし、そうなったらもう感情は得てして「もう絶対これは食べない」で固定されてしまうのよね...(時代錯誤な教育も良いとこだと思うので流石に現代では滅多にまかり通ってないと思いたいが)

今回のナルシストルー絡みの話題への触れ方からして彼は今後ガッツリ本筋に絡んだりってことはないっぽいけど、せめて終盤に色んな人の支えで変わった彼を見られたりしたら良いなぁ てかそこを描いてこそ本作のドラマはしっかり引き締まると思うので是非に

 

そんなナルシストルーの話も飛び出た今回のエピソードは、ハロウィン回&あまね会長メイン回。敗北後のナルシストルーの煽りに乗りかけてしまった自分の弱さ、自分の中に宿ったナルシストルーへの負の感情に苦悩するあまね会長の心情にフォーカスしたけっこうシリアスめの内容でしたね。負け惜しみ同然の台詞で地味にめんどくさい爪痕残してったナルシストくん、身の上には同情するけど殴らせてくれ(

 

そんなあまね会長曇らせ回的な内容となった今回のエピソードでありましたが、同じような要素を取り扱いつつも殊更に取り上げずスッと粋に解消した前回のエピソードが個人的に凄く刺さっただけに、今回の内容は前回の話の後だと野暮にならないかなと最初少し心配だった面もあったのですが、総合的に見れば寧ろらんらんの細やかな気付きと気遣いがスッとナチュラルに行われたことであまね会長が深刻にならずに済んだ前回があったからこそ、内面の曇りに気付いてすぐ丁寧に気遣い支えてくれる存在がその場にいないと、どんどん1人で抱え込んで本当の気持ちを外に見せなくなってしまうあまね会長の気丈さ・真面目さにして弱さと言える部分が今回グッと掘り下げられたとも言える内容という感じだったので、良い感じにまとまって良きでしたね。生真面目な人間は得てして弱さや不安を周囲に見せて心配させまいと隠しがちになることが多いが、あまね会長もまさにそれって感じやね  一応パフェピッピが気遣ったりしてくれてはいたんだけどお世辞にも器用な励ましじゃなかったしな...  前回および今回の話の中で描かれたあまね会長の心情(とそれを取り巻く周囲の人の動き)がちゃんと両立する、というかそれぞれがそれぞれを引き立てる相互の作用を為す作劇になってたという印象であり、ここは上手いことハマってたなと。

 

そうしてナルシストルーへの憤りを忘れることも捨てることもできない自分に苦悩するあまり、心配するパフェピッピに辛く当たってしまい、そのことで余計に自責の念に駆られやがて変身することもできなくなり、とボロボロになっていくあまね会長の姿が重くのしかかってくる展開がどシリアスさに拍車をかけましたが、そこであまね会長に対し「許せない相手に怒ったり憎らしく思ったりすることは誰しもあり得ることで恥じることじゃない」「けれどその気持ちに流されれば大切なものを傷つけ見失ってしまうことは忘れてはいけない」と厳しくも優しい叱咤激励をかけて立ち上がらせるマリちゃんがめちゃくちゃにカッコ良くて痺れましたね。いやほんとマリちゃんはかけるべき言葉をかけるべきここぞの時に真っ直ぐちゃんとかけてみんなを支えてくれるから大人として凄く安心するし信頼できるよなぁ...さんざっぱら言ってるけど普段はムードメーカーとしても良い存在感あるし、自分の知る限りの数ある年長者ポジションキャラの中でも上位に食い込む良キャラですわ

まぁそれはひとまず置いておくとしても、このマリちゃんの言葉は今回のあまね会長にとって凄く大きな意味があったなと感じますね 悪行を為した人間に対する憤りや憎しみというのは聖人君子でもない限りはどうしても多かれ少なかれ感じ得てしまうものだろうから(当事者ならば尚更だし)その気持ちそのものを自分の恥じるところとして気にしすぎることはないし、けれど一方でその感情に身を任せて誰かに敵意を向けすぎることは言わずもがな負の連鎖でしかなく、また感情のがんじがらめになって塞ぎ込むことは視野を狭めてしまうしと、要はその気持ちを他でもない自分のものであるとしっかり自覚した上で、自分自身が何かを傷つけたり蔑ろにしたりしないよう努めることが大事なんだよなぁと。難しいことだけどとても深く大切なことだし、小さいお友達にも向けて伝えることも込みでしっかり描いたのはとても良かったなと感じます

 

そして最後にはあまね会長も再起を果たし、パフェピッピとも仲直りしてめでたし、と気持ち良い締めになりました。パフェピッピ、あまね会長の良きバディって感じで今回なかなか良い存在感だったけど、そもそもの出番自体がだいぶご無沙汰なのはちと勿体無くはあるよなぁ〜と。ゆい達のバディにあたるコメコメとかとは少し毛色の違うキャラだしなかなか回しづらい(レシピッピというキャラの本作における設定や立ち位置上ぽんぽこ出しづらいし、そもそもレシピッピがガンガン前線出たら良いように捕まりかねないから絡ませにくいんだろうしな)のだろうけど、せっかくあまね会長のバディっぽいポジションには据えられたんだから日常パートだけでも良いからもっとガツガツ出して欲しいな...!終盤にはもうちょい出番あってくれてあまね会長と色々絡んでくれたら良いなぁ

 

 

以上、デパプリ第33話でした。あまね会長を軸に据え、少し人間の内面のデリケートな部分にグッと踏み込んだシリアス分多めの話ではありましたが、マリちゃんが大人として良い立ち回りをしてくれたのもあって、気持ち良くまとまった深みある良い話になって良きでありましたね。ナルシストルーの話題など作中の諸要素の数々も細かく活かされていて、終盤に向けての展開がどうなってくかますますに楽しみになりましたね。なんだかんだでもうあと十何話くらいなんだよな...どんどん盛り上がっていって欲しいね

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた