AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

-ゆい- 結 -むすび-

デリシャスパーティ♡プリキュア

第43話「レシピボン発動! おいしーなタウンの危機」

感想レビュー

 

 

マリちゃんの過去回想で、微笑みながらマリちゃんのことを支えてあげようとしてるフェンネルの姿が1カットだけ描かれてたけど、あれ見るとフェンネル自身は本質として良いやつではあるんだろうな...」というのを思わずにはいられないよなぁと。どうかその心を思い出してやり直して欲しいよ セルフィーユちゃんもかわいそすぎるしさぁ

 

前回の衝撃展開から引き続いて描かれる世界のピンチ、その中で光る希望とゆいの再起を描いた最終局面前の今回のエピ。全世界食糧断ちによる支配は女児アニメのラスボスのやり口としてはあまりにも生々しいですよフェンネルくん()  長らく続いてきたけれどデパプリもいよいよこのフェーズまでやってきたか...と身が引き締まる想いですね

 

てか余談なんだけど、セク姐とここねママの出会いと交流という展開があまりにも意外すぎて「そこリンクすんの!!!???」ってなったよね。w  セク姐割とミーハーっぽいとこあるし著名人のここねママに食いつくの自体はまぁ出会えばそうなるかという感じで納得だけども、ここねママがセク姐の改心イベの大部分を担うのは斜め上だったでさ() 前回のらんらんとあまね会長のアレから話が膨らむと思うじゃないですか!!!

でもこの2人の絡み、ここねママのことを完璧な人だと認識してたセク姐が実際に彼女と触れ合ってその人間的な部分を知ったりしたことで少しずつ何かが変わっていく、みたいな文脈がしっかり乗ってて意外にもちゃんとセク姐改心イベとしての劇的さはあったので、正直これはこれでアリだなとも感じられて割と好きな部分でもありましたね(「憧れの人を前にして」というシチュが軸になってセク姐のキャラが短時間で自然に砕けてたので面白かったし、割と頑なだった態度がスッと素直になってたから話もスムーズに進んだしと、ポジションや認識が上手いこと活かされて展開が見やすかったしね)  そもそもこの手の「サブのキャラがメイン格のキャラと思わぬ形で絡んで何か影響を与えたりする」みたいなパターンの展開自体が、作品全体のキャラ同士の繋がりをフルに活かして話に幅を出してる感じあって作劇として個人的に好きなやつだったりするので、そういう意味でも割と自分の好みにハマったかもな、とは。

ともあれ展開としては意外すぎたし、できればゆい達との交流が改心の一番のきっかけになる感じの展開だった方が良かったかもなとも思うけど、思わぬ面白さに繋がったという感じでなかなか楽しかったわね  セク姐、残りのエピでどういう存在感を出すかね

 

というわけで余談終わって本筋へ。今回も色々あったけど、本作ってほんとゆいというキャラクターの真っ直ぐさや快活さに支えられてきたところの凄く大きい作品だったんだなぁ...ってのをここにきて強く実感させられたというのが何気に印象深いところだったかもしれないですね。今回ゆいが前回のことを受けて終盤に入るまでずっと湿っぽい表情でどんよりしてたんだけど、それによって作品全体の空気がだいぶずーんとなってて観てるこっちもなんかモヤっとしてましたからね...今までのゆいはマジでここぞで挫けたり極端に惑ったりといったことが殆ど無くて頼もしく振る舞ってたし、ひいてはそれが気持ち良い視聴感にも繋がっていたのは実感していたので、この最終局面におけるシリアスさや危機感を今まで積んできた「ゆいの頼もしさ」の崩壊によってグッと引き上げたのは上手かったなと。

 

けれど中盤ではそんなゆいのことを仲間達がしっかりと優しく支え寄り添ってあげており、ここはゆいが今までみんなのことを支えてきた積み重ねがあったからこそここで支え返す様がバチっとハマったという感じで、ベタではありつつもだからこそド直球に気持ち良く決まって実に良きでした。気落ちするゆいを明るく笑顔で激励し、フェンネルと全力でぶつかるプリキュア3人+マリちゃんが素敵すぎましたね...vsフェンネルの時の立ち上がった4人のカットもそれぞれカッコよすぎて震えた

おばあちゃんの言葉や想いの意味を知った上で「自分自身の経験からくる言葉や想いでも誰かの心を動かし支えていきたい」という新たな指針を得たゆいの成長を描きつつも、若さ故にその「自分自身の言葉や想い」をしっかりとしたものにする「経験」がまだまだ足りなかったことでフェンネルの心の奥底を図りきれないまま突っ走ってしまい、皆を危険に晒す失敗を犯し後悔することとなってしまった、という「自意識の成長と未熟故の失敗」みたいな流れが前回までのこの終盤におけるゆいの一連のドラマになっていたと思うわけでありますが、その流れを経た今回はズバリ、そうしてゆいが失敗し、苦悩し、後悔した時に、近くでその想いを受け止め、支え、一緒に歩んでくれる仲間の存在みたいなところを描くことでゆいのドラマにいっそうの深みを与えた回だったなと感じましたね。「失敗や苦悩を重ねた時間があるから成長できる」「失敗したり迷ったりしながらチャレンジし続ければ良い」と優しく支え受け止めてくれる良き大人「笑顔でいて欲しい」と自分達も笑顔でもって励ましてくれる仲間、といった色んな人々が失敗や苦悩を一緒に受け止め歩んでくれるからこそまた立ち上がれるし、そうして得たものがたしかな経験や想いとなって積み重ねられていくからこそもっと進んでいけるのだ、という本作らしい温かみと厚い情が光り、この先失敗し悩みながら歩んでいくでろう若者達に沁み入るメッセージとなってたのが良かったなと。次回でもっとグッとまとまるかもだけど、現段階でもゆい周りのドラマはかなり良い感じにまとまって良い味わいになったので満足度高しですね

 

そして終盤、おばあちゃんがゆいの名前に込めた「人と人の想いを“結ぶ”」という想いが明らかになると共に、そこから転じて料理の存在が消え名前すらも皆が忘れてしまった世界で「おむすび」─“お結び”のことが思い出され人々の希望となるという、“結”の言葉の元に本作を形作った色んな要素が集約され光明となる展開が繰り出され、これにはストレートにおおっとなりましたね。料理が無くなり皆の笑顔が消えてしまった時、そのみんなの想いを再び結び笑顔を与える最初の料理になるのが、最もシンプルな料理にして本作でも度々印象深く登場していた「おむすび」というのがもう凄くグッときたし、それを呼び起こしたのがこれまでに色んな想いを繋いできた「ゆい」の同じ想いの言葉を有した名前だったというのが本作らしい一種の伏線回収的カタルシスのある魅せとしてめちゃくちゃ良いよな、と(「ゆい」も「おむすび」もひらがなで記す/ひらがなで記すことの多い言葉だから同じ“結”で繋がっていると今までパッと気付かなかったしここで良い意表になったわね)  おばあちゃんの残した言葉がたしかに後の世代を励ます希望となって繋がったという大きな結実としても素晴らしかったし、本作の一つの総決算的展開としてあまりにも鮮やかで芸術点高かったですね  この流れでプレシャス復活からの最終決戦、というシチュエーションも完璧だし、クライマックスに向けての最高の盛り上がりになりましたね 良かった

 

 

以上、デパプリ第43話でした。本作ならではな要素やテーマを言葉として綺麗にまとめ上げ劇的な展開へと昇華させたかたと共にクライマックスへと繋いだ熱い盛り上がりのあるエピでしたね  デパプリは割と縦の進行自体は緩やかめという感じではあったのだけど、ここにきて今までのエピで少しずつ築いた蓄積やテーマ・要素の強調を見事に活かしてきたなという感じでそこも押さえてきたのは良かった

さていよいよ終わりも本格的に見えてきたということで、デパプリの物語がどう着地していくのかここからは片時も目を離すまいとしておこうと思います 次回はラストバトルかな

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた